自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち 653話 ネタバレ 先読み 原作 あらすじ 追い詰められるギルゴール

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653話 アリタルは、呪いを解く方法を見つけられたかもしれないと言いました。

◇神の言葉が刻まれた柱◇

急に呪いを解く方法を

見つけたの?

 

アリタルが

自分に残した言葉が何かを

聞こうとしたラティルは、

突然、呪いを解く方法の話が

出て来たので慌てました。

議長も目を見開き、

呪いを解く方法があるのかと

尋ねました。

ラティルに負けず劣らず

驚いた声でした。

 

アリタルは、

自分も確かに知っているわけではないと

素早く答えると、席から立ち上がり、

辺りをウロウロしながら、

大神殿へ行かなければならない。

そこへ行けば、

それが確実かどうか分かると思うと

答えました。

 

議長は、

なぜ、急に大神殿なのかと

尋ねました。

アリタルは答えずに

議長を見つめました。

彼女は、ほとんど瞬きも

しませんでした 。

 

議長は、なぜ睨んでいるのかと

渋い声で尋ねました。

アリタルは、

話してもいいかどうかわからないと

答えると、

その場にしゃがみこみ、

指で床に何かを描くふりをしながら、

大神官になると、大神殿の地下に

入ることができる。

そこに、神の言葉が刻まれた柱がある。

しかし、時間制限があり、

それらの柱を、

すべて見ることはできない。

与えられた時間がとても短いと

説明しました。

 

議長は、

どうしてそんな理不尽なのかと

尋ねました。

アリタルは、

とにかく、その柱の一つに

神の呪いの部分があったようで、

もしかしたらそこに

この事態を解決する方法が

あるかもしれないと答えました。


議長は眉を吊り上げると

眉間にしわを寄せながら、

本当に確かではない方法ですねと

呟きました。

◇これからは◇

交代する時間になると、

ラナムンがきっちり時間通りに

現れました。

回想から目覚めたギルゴールは

ラティルの寝室から出て、

温室につながる回廊を

ゆっくりと歩いて行きました。

しかし、彼の頭は、昔のことを

思い出し続けていました

 

セルは、体がほぼ回復した頃、

真剣に話をするために

ギルゴールを呼びました

 

セルは父親に、

もう本当にお母さんのことを

忘れなければならない。

母親は堕落した瞬間、

もう母親ではなくなった。

自分の首に手をかけた人も

父親を攻撃した人も、

今回、自分の命を

ほとんど奪うところだった人も

母親ではないと言って、

ギルゴールの手を

ギュッと握りました。

ギルゴールは、セルが自分を

完全に信頼できないことに

気づきました。

セルは、ギルゴールが

自分より母親を

選ぶかもしれない人だと

疑っていました。

 

ギルゴールは、

自分がセルを守ると、

彼の手を握って約束しました。

しかし、セルは、

父親はいつも自分を守ってくれる。

母親と関係がなければと

悲しい声で呟きました。

 

ギルゴールは、

母親がセルを狙っても、

自分はセルを守ると約束しましたが、

彼は、相変わらず

信じられないようでした。

 

ギルゴールは、窓の外を見て

もう寝ないといけないと言って、

子供に布団をかけました。

セルは渋々

 

おやすみなさい。

 

と言いました。

 

ギルゴールは

ランタンのガラスの蓋を取り、

ろうそくの火を吹き消しました。

そして、暗くなった部屋から

出て行こうとしましたが、

セルの元へ戻って来ました。

 

お父さん、どうしたんですか?

 

セルは少し顔を上げて尋ねました。

ギルゴールはセルの枕元に座り、

しばらく躊躇した後、

これからはセルを守ることを

最優先にする。

もう、セルを傷つけることはないと

言いました。


セルはギルゴールの手を

ギュッと握りました。

彼はセルの手の甲を叩いて

部屋の外へ出ました。 

◇子供を失いたくない◇

セルが完全に回復した後、

ギルゴールはセルを

本格的に教え始めました 。

 

槍はそのように握るのではない。

片方の手にだけ、

力が入り過ぎている。

肩に力を入れるな。

動作が遅くなる。

 

彼はセルに、手取り足取り

一つ一つの動作から姿勢、

力の流れまで直接教えました。

セルは驚くほど急速に成長しました。

子供に才能があることを

知っていたギルゴールさえ

驚くほどでした。

 

セル様は、聖騎士様と大神官様の

長所だけを選んで

生まれた方のようです。


長老はセルが大きな剣を素早く回転させ

木彫りの人形を

あちこち叩きつけるのを見て

感嘆しまし。

しかし、ギルゴールは

何の返事もできませんでした。

 

長老は、ギルゴールに

冷たい水を渡しながら、

大神官と戦う覚悟を決めたのかと

尋ねました。

ギルゴールは、

祭りの日に、血を流して倒れた

セルのことを思い出しながら、

あの子を守るためなら

そうすると答えました。

何年も経ったのに、

血を流して倒れていたシピサの姿は、

彼の頭に強く残っていました。

ギルゴールは二度と

子供を失いたくありませんでした。 

◇5年後◇

ギルゴールは

セルとの約束を守りました。

彼は子供を教えるだけでなく、

聖騎士の義務を、

以前と同じくらい誠実に

履行し始めました。

 

もちろん、ギルゴールは

アリタルが消えた後も

聖騎士の役割は果たし、

常に危険な所を訪ねて

人々を守っていましたが、

ギルゴールを知っている神官たちは

彼の姿から、

以前のような熱意がないことが

分かりました。

 

しかし、セルの負傷後、ギルゴールは

大神官が堕落する前と同じくらい、

全力を尽くして人々を守りました。

そして、これに対抗するかのように

堕落した大神官もまた

怪物をもっと集め、勢力を広げて

村と都市に、

さらに大きな被害を与えました。

その怪物たちは、

皆恐ろしく鳥肌が立つ存在でしたが、

中でも人々が最も敬遠するのは

大神官が堕落して新しく現れた

吸血鬼でした。

 

この吸血鬼は、

人々に新たな恐怖を与えました。

彼らは理性を備えており、見た目は

人と大きな違いもありませんでした。

この怪物たちは、

神官がそばにいないと

見分けるのも大変だし、

この怪物たちの最も恐ろしい点は

この怪物たちが、彼らの家族と友達、

恋人を真似て、

近づいてくるという点でした。

 

ギルゴールは、

セルを教えない時は

怪物を退治するために

神官たちを連れて行き、

セルが少し成長した後は

子供を連れて行き、

実戦の戦いまで訓練させました。

 

5年後、セルは外見と腕の両方とも

ギルゴールに似て来ました。

◇悪に抗う対抗者◇

セルとギルゴールが槍を手にして

素早く攻撃を交わしている間、

神官たちは高い壇上の上から、

その姿を見守りました。


ギルゴールは、

セルが振り回す剣の中央を

強く叩き壊すと、

槍の先を子供に向けました。

 

ひどいです。

 

セルは尻もちをついたまま

激しく息をし、

ハアハア言いながら

立ち上がりました。

 

一回や二回くらい、

負けてくれてもいいのに。


セルはブツブツ言いながら

ズボンをはたきました。

 

予備大神官様、

あまりにも気弱なことを

言っているんじゃないか?

 

ギルゴールは笑いながら

手でセルの脇腹を突くと、

ようやくセルは一緒に笑いながら

お腹を抱えて逃げました。

 

セル様も、もう18歳。

もうすぐ19歳ですね。

 

後ろから声が聞こえて来ました。

ギルゴールは、

逃げるセルを見ながら

追いかけるふりをしていましたが

首を回すと、

今は完全に髭が白くなった長老が

近づいて来ました。

大神殿から

今まで一緒についてきた神官たちは

10年以上経つと、

皆、少しずつ時間の痕跡が顔に

現れていました。

 

セルはすくすく成長して

ギルゴールより

少し背が低いくらいまでになり、

泣きながら付いて来た

若い見習い神官たちは、

今や、逞しい神官に成長していました。

全く変わっていないのは、

ギルゴールただ一人でした。


子供は早く大きくなるものだ。

 

ギルゴールは

長老のひげを見なかったふりをして

首を回しました。

しかし、長老は、セルがまだ

大神官の信託を受けていないと

重苦しい声で呟きました。

ギルゴールは

何も聞いていないふりをして、

セルだけを見つめました。

セルは父親が

自分を追いかけて来ないのに、

いたずらをやめずに

片腕を振っていました。

 

長老は、セルだけでなく、

他の大神官も現れていない。

やはり先代の大神官である

アリタルが堕落しただけで、

依然として生きているから・・

と呟きましたが、

 

ギルゴールは

 

おしまい。

 

と言って長老の言葉を遮ると、

回廊を歩いて行きました。

しかし、長老は

ずっとギルゴールを追いかけました。

そして、長老は、

この半年間ずっと、アリタルは

昔の大神殿の跡地を狙っている。

ずっと、そちらへ行っては戦って

帰ることを繰り返していると

言いました。

 

ギルゴールは、

どうしろというのかと尋ねました。

長老は、

他の怪物をいくら捕まえても無駄だ。

怪物たちの中心であり根源が

アリタルだから、

彼女の問題を

「解決」しなければならないと

言いました。

 

ギルゴールは、

怪物は以前からいたと反論しました。

しかし、長老は

アリタルが堕落した後、

もっと増えた。

それにアリタルが怪物を

集結させていると言い返しました。

 

ギルゴールはセルが怪我をした後、

数年間、怪物を倒すのに

全力を尽くして来ました。

しかし、彼は

アリタルが現れる場所だけは、

何が何でも避けました。

少しでも、アリタルが現れる兆しや

彼女が近くにいるという話を

聞いただけでも、

ギルゴールは目的地を変えました。

 

歩いていたギルゴールは

回廊の端までたどり着くと、

引き返すしかありませんでした。

彼は長老に、

アリタルが大神殿の跡地へ行くのは、

そこが、

昔のことを思い出す場所だからだと

思うと答えました。

 

しかし、長老は、

半年間一ヶ所を狙っているのは、

明らかに怪しくないかと主張しました。

いつもなら、

これくらい口うるさく言えば、

行ってしまう長老が、

今日は屈することなく

立ちはだかりました。

ギルゴールが、

何を言っているのかと

反論しようとした瞬間、

 

私が行きます。 

 

と、庭まで歩いて来たセルが

言いました。

セルはギルゴールのいる回廊の

手すりを手でつかみ、

長老を見ながら、

自分がそこへ行って、

母親を捕まえると言いました。

 

セルの力強い言葉に

長老は、どれ程感動したのか

彼の目元が赤くなりました。

長老は手で目元を拭いながら、

セルは、将来大神官になり、

今も予備大神官のようなもの。

この苦難が解決すれば、

きっといいことがあるはずだと

言いました。

 

ギルゴールは沈黙しました。

セルは首を横に振り、

母親が大神官で

なくなったからといって、

自分が大神官になるという

保証はない。

自分は、ただ悪に抗う

対抗者にすぎないと言いました。

◇騙されるな◇

セルが積極的に動き出したことで

事態は急展開しました。

セル、ギルゴール、

そして戦闘に長けた神官たちは

大神殿の近くに陣取って

アリタルが来るのを待ちました。

戦闘に慣れていない神官たちは、

熱心に聖水を作り、

お守りを書きました。

長老は、人々に勇気を与える

素敵な言葉を連発し、

走り回りました。

ギルゴールは、唇をキュッと閉じて

武器を点検するセルを

複雑な気分で見下ろしました。

 

ギルゴールは、

アリタルがここに現れないことを

願いました。

しかし、時間が経つと、

アリタルが率いる怪物たちが

現れました。

 

牛のような目をして

赤い神官服を着た怪物たちが

神官たちを

自分たちの領域へ連れて行きました。

吸血鬼は弓のような速さで駆けつけ、

神官たちを捕えると、

喉を噛みました。

チーター4匹が、

まともに見えない速度で走り回り、

人々の肉を噛みちぎりました。

 

神官たちが怪物たちを相手にする間、

ギルゴールは神殿の入口に進み、

そこで待っていると

すぐにアリタルが

一人で悠々と現れました。

彼女の姿は、ギルゴールのように

時間を感じさせないように見え、

過去と全く変わってしまった

2人だけが、

過去と同じような姿をしていました 。

 

退いて。

 

アリタルは両手で剣を持ち上げながら、

ギルゴールの方を見ずに言いました。

彼女はギルゴールが

ここにいないかのように

入り口に向かって歩き続けました。

ギルゴールは槍を手にして

アリタルに向かって進みました。

槍と剣の間で、鉄のぶつかる音が

続けざまに響きました。

 

しばらく対決して、

二人の武器が対峙状態に入った時、

意外にもアリタルは、

 

あの中に

必ず入らなければならないの。

退いてちょうだい、ギルゴール。

 

と言いました。

数年ぶりに聞く、

アリタルの消え入りそうな声でした。

それに彼女は自分に

消えろとも言いませんでした。

 

ギルゴールは、

アリタルが率いる怪物たちが

あまりにも多くの人々を傷つけた。

どうか今からでも

やめてくれないかと、

期待を抱いて囁きました。

 

大神殿の気が、

彼女に良い影響でも及ぼしたのか、

アリタルは、

自分をこの中に入れてくれたら

やめると、

昔のように彼に優しく囁きました。

 

そして、

もう一度だけ私を信じて欲しい。

あの中で

探さないといけないものがある。

その後、ギルゴールに

全てを説明すると言いました。

 

セルとしっかり約束したけれども、

ギルゴールの心は揺れてしまいました。

 

愛しているわ。

 

アリタルは彼の耳元で

慎重に囁きました。

ギルゴールの槍から

力が抜けようとした瞬間、

 

お父さん!

また騙されてはいけません!

 

セルが駆けつけて叫びました。

アリタルは、まだ哀れな目で

ギルゴールを見つめていました。

彼は選択を迫られました。

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以前、読んだことのある

向田邦子さんの短編の中で、

以下のようなお話がありました。

 

ある人が

妻と子供の両方が死にかけている時、

どちらを先に助けると聞かれて

返事に困っていると、

その質問をした人は、

妻は代わりがいるけれど、

子供を持つことができるかどうかは

分からないので、

自分は子供を助けると言いました。

その後、

その質問を投げかけられた人は

本当に妻と子供が共に

死にかけている場面に遭遇しました。

そして、彼は

あの時の言葉を思い出して、

子供を助けるのですが、

その後、後悔に

苛まれ続けることになります。

今回のお話を読んでいて、

それを思い出しました。

 

ギルゴールは

アリタルとセルの両方を

深く愛しているので、

どちらか一方を選べというのは

到底、無理なことだったのでは

ないかと思います。

それでも、ギルゴールが

セルを選んだのは、

彼が、まだ親の保護が必要な子供で

彼がセルを守らなければ

彼は死んでしまうかもしれない。

けれども、アリタルは

ギルゴールが守らなくても

彼が攻撃さえしなければ

死ぬことはないだろうと

思ったのかもしれません

 

しかし、ギルゴールは

セルを選んだからといって、

アリタルへの愛は

失われていないので、

セルがアリタルを罵る姿を

見たくなかったと思います。

また、ギルゴールは

アリタルの死を望んでいないのに

長老や周りの人たちは

彼女が堕落したと罵り、

全てをアリタルの責任にし、

アリタルが死ねば

平和になると言って、ギルゴールが

アリタルの息の根を止めることを

暗に強要している。

ギルゴールは

言葉で言い尽くせないくらい

辛かったと思います。

周りの人たちから

追い詰められるギルゴール。

もしかしたら、ギルゴールの狂気は

すでにこの時から、

芽を出していたかもしれません。

 

数年ぶりに聞くアリタルの声に

動揺するギルゴール。

アリタルが「愛している」と

言ったのは、ギルゴールに

言うことを聞かせるための

作戦だったかもしれませんが

嘘ではなかったと思います。

妻と息子の間で苦しむギルゴールが

可愛そうでなりません。

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