自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

問題な王子様 73話 ネタバレ 先読み ノベル あらすじ マンガ 61、62話 庭園での朝食

 

73話 ビョルンの指示で、エルナと彼は、噴水が見える庭園の片隅で朝食を取っています。

この大公邸には、

本当にきれいなところが多いと

エルナは感嘆しながら

あたりを見回しました。

 

リンゴの花が満開の木の下に

並べられた食卓と、

その上を漂う光と影。

春の日差しの中できらめく

噴水台の水の流れ。そしてビョルン。

見る物、全てが

夢のような美しさでした。

 

ビョルンは軽く微笑むと、

目を細めて、遠い空を眺めました。

枝の間から差し込む日光が、

その顔を照らしました。

エルナはパンケーキを

食べながら夫を見ました。

 

特に足の長いビョルンは、

背もたれに斜めにもたれかかって、

足を長く伸ばして座っていましたが

エルナは、その姿が

とても素敵だと思いました。

 

数日後、王宮で開かれる

貴婦人たちの昼食会について話していた

エルナは、突然話題を変え、

前日に開かれた音楽会のことを

話し始めました。

ビョルンは新聞越しに

エルナに向き合うと、彼女は、

音楽会で会ったブルーナー伯爵夫人が

本当に親切にしてくれて、

他の奥さんたちも

たくさん紹介してくれたと

話しました。

 

ビョルンは驚きを隠さず、

顎の先をピクピク動かしました。

その家門が、彼の銀行から借りた

お金の金額を考えれば、

当然の結果でした。

 

エルナは、

ビョルンからお金を借りた人は

皆、親切にしてくれるので、

時々、 この大陸の全ての貴族が

ビョルンから、

お金を借りればいいという

悪い考えをすると打ち明けると、

ビョルンは、

自分たちは同じ夢を見ている。

それは、悪い考えではない。

素晴らしい野望だと返事をして

笑いました。

そして、読みかけの新聞をたたむと

自分の妻の社交範囲内にある

すべての家門に、借金の首輪を

しっかり付けなければいけないと

言うと、エルナは、

そんなことはしないでと頼みました。

ビョルンが、その理由を尋ねると、

エルナは、

借金に縛られるというのが

どんな気持ちなのか

よく知っている自分がそれを願ったら、

とても酷いことだと思うからだと

答えました。

冗談というには、エルナの表情が

あまりにも真剣でした。

 

ビョルンは、

愉快そうに笑うと、

花を売って、本当に借金を

全て返すつもりだったのかと

尋ねました。

エルナは、

もちろん、本気だった。

後で、ビョルンに返そうと思って

貯めておいたお金を

まだ持っているので、

後でビョルンに見せると、

返事をしました。

 

ビョルンは呆れすぎて失笑すると、

エルナは、

はにかむような笑みを浮かべました。

その顔が美しかったので、ビョルンは

とんでもない妻の言葉に

文句をつけないことにしました。

 

続けてエルナは、

今回の昼食会の参加者の中に、

ビョルンからお金を借りた人は

いないけれど、

ハイネ公爵夫人がいるので心強いと

意外な名前を口にしました。

ビョルンは、エルナが

妹の名前を何度か言うと

眉をひそめました。

このレチェンで、

エルナ・ドナイスタを

一番嫌っている貴婦人が 

ルイーゼと言っても

過言ではないからでした。

彼女は、グラディスとの

涙ぐましい友情を

かなり大事しているからでした。

 

ビョルンは、

ルイーゼが心強い理由を

尋ねました。

エルナは、ルイーゼが、

すでに色々な面で

たくさん助けてくれているし、

出席するかどうか

迷っていた奥さんたち全員を

説得してくれたと答えました。

ビョルンは、

それでも、ルイーゼが

レチェンのお姫様の役割を

果たしているのかと

皮肉を言いました。

 

エルナは、

どうして妹のことを

そんな風に言うのかと

非難すると、ビョルンは

そんな妹だからと答え、

手を挙げました。

遠くで待機中だった

使用人たちが近づき、

空になった器を片付けたメイドが退くと

他のメイドが近づいて来て

新しいお茶を注ぎました。

彼らが退くと、

食卓は再び平穏を取り戻しました。

 

ビョルンは、

ルイーゼの好意は期待するな。

彼女はグラディスを愛している分、

エルナを嫌っているし、

これからもそうだと思うと

忠告すると、葉巻を手にしました。

それから目を上げると、

傷ついた顔をしている

エルナが見えました。

しかし、ビョルンは、

自分の見解を訂正しませんでした。

初めから彼は、エルナに

大公妃の役割を期待して

彼女を選んだのではなく、

エルナ・ドナイスターの

使い道は、自分の人生に

平穏をもたらすことでした。

少なくとも、その一つは

完璧にこなしているので、

ビョルンは、

それでいいと思いました。

 

じっと皿を見下ろしていたエルナが

再びフォークを握ると、

ビョルンもマッチ箱を開けました。

しかし、気軽に火を点けることが

できませんでした。

エルナは葉巻の煙に苦労していて、

ひどく咳き込み、

涙まで流すのが常でした。

けれども、

それだけ苦しみながらも 

葉巻をくわえた彼のそばを離れない、

ひどく愚かな面を持っている

女でした。

 

結局、マッチを下ろしたビョルンは、

火を点けていない葉巻を

唇にくわえたまま妻を見つめました。

エレナは焼いたリンゴを

少しずつ切って食べていました。

食べ物に対して、

大きな熱意がないのに、

まんべんなく、真面目に食べる

不思議な女性でしだ。

そのおかげで、あの体でも

無駄な勤勉さを発揮できる気力を

維持しているのかもしれないと

思いました。

 

エルナは、

泣きそうな目をしていましたが

風に揺れる花を眺めているうちに

彼女らしい笑みを浮かべながら

「春ですね」と 声をかけました。

 

秋、冬、春。

エルナが自分の人生の中に

入って来てから、

いつのまにか半年近い時間が

過ぎたかと思うと、

ビョルンは妙な気分になりました。

 

エルナは、

ビョルンは知らないかもしれないけれど

自分たちは、去年の今頃、

すでに会ったことがあると言うと、

彼は「そうなの?」と

聞き返しました。

エルナは、

バフォードから来たばかりの日、

ビョルンが駅に現れ、

自分は、なんだかんだで

一番前まで押し出されて、

近くでビョルンを見たと話すと

さらに明るく微笑みました。

ビョルンは満足そうに

妻を見つめました。

 

ビョルンは、

静かで美しくて無害であることを

期待して選んだ妻に、

概して満足していました。

実際は、

それ程、静かではないけれど、

美しくて無害な存在だし、

自分にだけ、うるさい女なので、

思ったほど気になりませんでした。

 

エルナは、タラ大通りでも

時々、ビョルンを見かけた。

ビョルンが誰なのかは

その時、リサが教えてくれたと

話しました。

 

ビョルンは、

悪口を言ったのではないかと

指摘すると、エルナは

否定しましたが、

嘘をつく才能のない妻を見る

ビョルンの口元が曲がりました。

 

彼は、一度、声をかけてみれば

良かったのに。

たまに会ったら、

挨拶でもしてみれば良かったと

言いました。

エルナは、

そうすれば、ビョルンも

挨拶してくれたかと尋ねると、

彼は、

余計なことをしたかもしれないと

答えました。

 

エルナは

そんな、巷の無頼漢のような考えで

自分の思い出を汚すのは

やめて欲しいと頼みました。

しかし、ビョルンは、

余計なこととは何だと思うかと

ふてぶてしく尋ねました。

ビョルンの目は

茶目っ気たっぷりでした。

 

エルナが返答に困っていると、

ビョルンは、

握手のことを言ったと答えました。

しかし、エルナは、

それが違うことは分かっていると

反論しました。

 

ビョルンは、

それでは何かと尋ねると、

エルナの頬が赤くなりました。

そして、返答に困っているエルナに

ビョルンは、

巷の無頼漢になれておめでとうと

自分と同類になった妻に向かって、

丁重な拍手を送りました。

慌てたエルナは知らんぷりをして

彼の視線を避けました。

しばらくの間、穴が開くほど、

リンゴの木だけを

眺めていたエルナは、

次はリンゴの花の造花を作って

帽子を飾ると、話題を変えました。 

 

妻を凝視していたビョルンは、

その帽子に、

まだ空席が残っているのかと言って

くすくす笑いました。

つばの広いエルナの帽子は、

すでに多くの種類の造花が

飾られていました。

 

エルナは、

もちろん、いくらでも残っていると

澄まして反論すると、

ビョルンの分も作ってあげると、

興奮しながら、

リンゴの花を作る計画を

立て始めました。

造花を売って借金を返すという

壮大な目標を説明した日のような

表情でした。

 

ビョルンは習慣的に

再び葉巻を手に取りましたが、

今回も火を点けることが

できませんでした。

今にも死にそうな老人のような咳が

この平穏を乱すのを

好まなかったからでした。

 

エルナは、

自分たちの約束の証である

あの花は無事かと

期待に満ちた目を輝かせながら、

尋ねました。

ビョルンは、灰皿に捨てた

あの白くて小さな花を

思い出しました。

彼の口元に曖昧な笑みが浮かびました。

 

ビョルンは、

「たぶんね」と適当に答えると、

エルナは嬉しそうに笑いました。

たかが偽者の花一輪、

それが何なのかと思っているうちに

ビョルンは、妙な渇きに襲われて

エルナを見ました。

目の前にある葉巻を

一本も吸えない苛立ちと

春の日差しのように、

気怠い忠実感が

入り混じっていました。

 

やはり、

あらゆる種類の中毒は危険だと、

ビョルンはため息をつきながら

葉巻を下ろしました。

気楽な彼の妻は、花を見るのに

余念がありませんでした。

 

食卓の上の葉巻と

エルナを交互に見ていたビョルンは

目配せをして待機中の使用人たちを

下がらせました。

エルナとビョルンの二人だけに

なりました。

 

それを確認したビョルンは

躊躇うことなく立ち上がり、

エルナのそばに近づくと、

彼女が顎の下に結んでいる

帽子のリボンを解くと、

帽子をテーブルの上に

無造作に投げ出しました。

 

エルナは、

キスをしようとして

頭を下げるビョルンに、

丸見えだからダメだと

驚愕しながら首を横に振りました。

 

ビョルンは、誰もいないと言って

使用人たちの待機場所を

平然と指差しました。

しかし、 この庭は

寝室の窓から丸見えなので、

他の所からでも同じだと思い、

エルナは警戒心を解くことが

できませんでした。

 

しかし、エルナは、

ここでは嫌だと言う代わりに

小さな悲鳴を上げました。

エルナは固い木の根元と

夫の体の間に

閉じ込められていたからでした。

再び話を続ける前に、

ビョルンの唇が触れました。

誰かに見られているのではないかと

ハラハラしましたが、

それでもエルナは

彼に勝てないふりをして

キスを許すことにしました。

木があるから大丈夫だと思いました。

 

しかし、彼の大きな手が

スカートの裾を上げると、

エルナは、

今、何を考えているのかと

尋ねました。

 

目を丸くしたエルナを見つめながら

ビョルンは平然と微笑み、

巷の無頼漢のような考えだと

答えました。

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エルナが咳で苦しむ姿を

見たくないというのは、

ビョルンがエルナのことを

愛しているからだと思いますが、

それにしても、ビョルンは

エルナのことを

軽く見過ぎているし、

バカにしているようだし、

彼女を人間と思っていないような

態度が腹立たしいです。

今は、エルナがビョルンに従順で

彼はエルナを支配しているように

見受けられますが、

いつか、立場が逆転することを

願ってやみません。

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