自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

問題な王子様 原作 74話 マンガ 62、63話 ネタバレ あらすじ 肖像画を描く画家

 

74話 ビョルンは巷の無頼漢のようなことを考えていると言いましたが・・・

柔らかな唇が離れると、

誰のものなのか分からない

熱くて湿った息が

あふれ出ました。

 

ビョルンは、その瞬間にも

半分、服が開けた状態で

喘いでいる妻を

静かな視線で眺めました。

赤く染まったエルナは、

泣きべそをかきながら、

ここは嫌だ、中へ行こうと

哀願しましたが、 ビョルンは、

その言葉を唇で塞ぎ、

ズボンのウエストを引っ張りました。

すでに何も身に着けていない

下半身に、彼の手が触れると、

エルナは身震いするほど驚いて

じたばたし始めました。

しかし、ビョルンが

エルナの足を広げて

抱え上げると、

エルナはバランスを崩して

彼の首筋にしがみつきました。

異物感にびくびくしている所は、

すでに十分、濡れていました。

 

ビョルンは濡れた所を

手探りしていた手を上げ、

唇を塗るように、

エルナの唇を撫でました。 

そして、息をするために、

ゆっくりと開いたエルナの唇に

自分の指を押し込み、

エルナの味を食べるようにと言って

口の中をかき混ぜました。

 

エルナは、なすすべもなく、

その嫌らしい行為に耐えました。

ビョルンは、

依然として低く沈んだ声で

「美味しいでしょう?」と尋ねました。

 

彼が、ゆっくりと指を抜くと、

エルナは

堪えていた苦しい息を吐き出し、

こんなことは止めて欲しいと

涙ぐみました。

しかし、ビョルンは、

混乱に陥っているエルナの中に

一気に入り込みました。

押さえつけるように、

どんどん深く入り込むと、

エルナは震えながら

彼を抱きしめました。

 

貪欲に扱うには

弱い女性だということを

ビョルンは知っているけれど、

そのような理性的判断が

介入する余地は

もう彼に残っていませんでした。

 

ビョルンは、

力いっぱい腰を押し上げると、

頑固に唇を閉じていたエルナは、

やがて崩れ落ちました。

俯いた彼女の襟足や、

その他の場所に、

赤い痕が鮮明に残っていました。

自分の痕跡に満ちた女性を見て、

ビョルンは、

さらに激しく動き始めました。

 

限界まで追い込まれた時、

若干、金切り声が混じる

この女性の呻き声は、

本当に彼を狂わせました。

 

ビョルンの腕力のせいで、

リンゴの木が揺れました。

ビョルンにしがみついたまま、

子供のように、イヤイヤしながら

すすり泣いていたエルナは、

濡れた目を上げて

雪のように降る白い花びらを

眺めました。

焦点の定まらない目で見る

その風景は、

非現実的に美しいけれども、

だから良いのか、少し悲しいのか

よく分かりませんでした。

目の前の男が、全ての考えを

消してしまったからでした。

羞恥心で身もだえをする瞬間にも

体は熱く、

何とも言いようのない感覚に

足先が痺れました。

 

むやみにエルナを追い詰めていた

ビョルンは、しばらくすると

満たされてきました。

ヘトヘトになったエルナは、

唯一の拠り所ある彼にしがみつき

遠くの空を眺めました。

 

再び訪れた平穏の中で、

ビョルンは長いため息をつきながら、

エルナの首筋に埋めていた顔を

上げました。

ぼんやりと彼を見るエルナの上に

風に散った花びらが舞い降りました。

 

ビョルンは、少し虚しい気持ちで

その顔を見つめました。

発情した獣の子でもないのに、

女の体に狂っている自分が可笑しくて

失笑する瞬間にも、

ビョルンはエルナを見つめていました。

この春の日のように

華奢な女性を美しいと思いました。

ここにあるので見て欲しいと言って

一番下の引き出しの中から

見つけた箱を持ったエルナが

ビョルンを振り返りました。

ビョルンは、

ソファーのひじ掛けに寄りかかりながら

近づいてくる妻を見ました。

エルナが古いクッキーの缶を

大切に抱いているのを見て、

ビョルンは目を細めながら、

フィツ夫人に

金庫を一つ用意してくれと

言ったらどうかと提案しました。

しかし、エルナは、

自分はこれが好き。

長く使っているので

愛着があると言いました。

 

ブリキの蓋を開けると、

缶いっぱいに詰め込まれた

ラクタが姿を現しましたが、

ビョルンの視線は、

クルクル巻いた紙の束の上で

止まりました。

それは種類別に集めて

リボンで結ばれた紙幣でした。

ビョルンは、信じられなくて、

眉をひそめている間に、

エルナはその塊を

一つずつ取り出し始めました。 

続いて布袋に入れておいた

数枚の小銭も姿を現しました。

 

エルナは嬉しそうな顔をして、

これだけ集めたと、

クッキーの箱に貯めた

自分のお金を自慢しました。

 

豊かな預金をベースに、

流動性の高い資産を確保するよう

指示して来た銀行家の夫の

プライドの奥深くに剣を突き刺した

この子鹿は普通ではない。

こんな強敵が一つ屋根の下に

隠れているなんて、

ビョルンは思いませんでした。

 

エルナは目を丸くして、

彼を見ながら、

どうしたのかと尋ねました。

ファッションも、金銭感覚も

前世紀を生きている幼い妻を

じっと見つめていたビョルンは、

敗北感が混じった失笑を

爆発させました。

 

訳が分からないかのように

首を傾げたエルナは、

クルクル巻いた紙幣を

元の位置に戻しました。

ビョルン・ドナイスタに侮辱感を与えた

大公妃のクッキー缶銀行は

すぐに閉鎖されました。

 

つぶれた蓋に描かれた

色あせた雪だるまが

彼をからかうように笑っていました。

これは、子供たちが抱えている

古い毛布の切れ端のようなものなのか。

そうでなければ

到底説明ができないような

エルナの執着に、

ビョルンが感嘆している間に、

フィツ夫人がやって来ました。

 

彼女は、いつものように

大公邸の生活に関する

いくつかの主要事項を報告した後、

エルナとビョルンの肖像画を描く

画家について、

王立芸術アカデミーの院長が

推薦した者で良いか、

今日中にも、

返事をしなければならないと

話しました。

 

王室の慣例通りなら、

すでに大公夫妻の肖像画

宮殿の壁を飾った数多くの

ドナイスタたちの顔の間に

かかっていなければ

ならないけれど、ビョルンは

煩わしいという理由で

先延ばしにしていたら、

いつの間にか二つの季節が

過ぎていました。

 

ビョルンは、

院長の推薦通りで良いと、

快く頷きました。

どうせ、芸術のようなものには

何の興味もないので、

肖像画を描く画家が誰であろうと

関係ないし、アカデミーは、

それなりに最高な画家を

推薦したはずだからでした。

 

ところが、フィツ夫人から、

アカデミーが推薦した画家が

パーベル・ロアーだと聞くと、

低く沈んだ声で、

その名前を聞き返しました。

フィツ夫人の説明の後に、

エルナの小さなため息が続きました。

ビョルンは隣の

ソワソワしている妻を見ました。

 

二人の顔色を窺っていた

フィツ夫人は、

もう少し話し合った方がいいかと

落ち着いて尋ねると。

しばらく物思いに耽っていた

ビョルンが頷いたので、

彼女は静かに出て行きました。

 

扉が閉まると、エルナは、

別の画家をお願いしたいと、

ぐっと我慢してきた言葉を

伝えました。

ビョルンは、

その理由を尋ねました。

 

エルナは、パーベルと別れた

秋の夜のことを思い浮かべると、

瞳が小さく揺れました。

王室の肖像画を描けば、

きっと将来を嘱望される画家に

大きく役立つだろう。

しかし、手紙さえ

送らないで欲しいと頼んだ

パーベルの真意が何なのか、

エルナはよく知っていました。

いくら大きな名誉であっても、

彼は、このような出会いを

望まないだろう。

パーベルはそういう人だから。

それにエルナ自身も、別れた友人と

上下関係が明白な中で再会することを

望んでいませんでした。

 

エルナは勇気を出して、

友達のパーベルに、

そんな風に会いたくないと

答えました。

 

友人。

その言葉を囁くビョルンの顔には

何の感情も浮かんでいませんでした。

エルナは、

どうかお願いしますと

再び懇願しました。

 

エルナの、

その静かにできない態度は、

彼女が浮かれて

お喋りをしている時よりも、

むしろ静かなのに、

突然、ビョルンの気に障りました。

 

ビョルンは

クッションに寄りかかると、

一幅の絵のように美しい

春の庭を、窓越しに眺めました。

ビョルンの顔も、

その風景のように穏やかでした。

 

エルナが、あんなに嫌がるなら、

あえてパーベル・ロアーに

こだわる理由はなく、

他の画家を探した方が

いいかもしれないと思いました。

しかし、ゆっくりと首を回して

エルナに向き合ったビョルンは、

暴雨が降ったあの夏の夜、

もし衝動的に、駅を訪れなかったら

どうなっていただろうかと

考えました。

 

おそらくエルナは、未練がましく、

あの画家を待ち、

遅ればせながら来てくれた彼に

喜んで付いて行っただろう。

たった僅かの差で、

自分が連れて行っただけであり

先に駅に到着したのが

パーベル・ロアーだったとすれば、

今頃、この女性は

ロアー夫人になっていたはずでした。

 

友人。

そのおかしな言葉を

もう一度繰り返すビョルンの口元に、

軽い笑みが浮かび上がりました。

 

ようやく安心したエルナでしたが、

ビョルンはフィツ夫人を呼び出すと、

予定通りに進めると、

淡々と命令しました。

あえてパーベル・ロアーに

こだわる理由はないけれど、

彼を避ける理由もありませんでした。

 

フィツ夫人が彼の意向に従うと、

応接間は再び深い静寂に包まれました。

エルナは当惑した様子で

彼を見ましたが、

何の反論もしませんでした。

 

やがてその画家が描くことになる

自分の妻を眺めながら、

ビョルンは、

リンゴの花の下にいた時のように

優しく、恋人のように笑いました。

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リンゴの木の下で

二人が愛を交わすシーン。

原作では、もう少し濃厚に

描写されていたので、

読んでいて、ドキドキしました。

マンガは年齢制限されていないので

原作ほど露骨に

描かれていませんでしたが、

絵の美しさが、

エルナの悲しみを

際立たせているような気がして

せつなくなりました。

 

ビョルンよりもパーベルが先に

駅に到着していれば、

エルナはパーベルと結婚しなくても

田舎へ帰って

もう少し気楽に暮らせたのにと

思います。

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