自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

問題な王子様 原作 75話 マンガ 63、64、65話 ネタバレ あらすじ ルイーゼの言葉に傷つくエルナ

 

75話 エルナの主宰する昼食会の日がやって来ました。

 

今日、そのネックレスを

付けていたら本当によかったのに。

見たかったのに、 残念だと、

テーブルの端に座った

男爵夫人が言い出した言葉が

会話の流れを変えました。

 

来月初めに迫った博覧会の話に

熱を上げていた貴婦人たちは、

しばらくの間、レチェンを騒がせた

大公妃の

ダイヤモンドのネックレスについて、

楽しく騒ぎ始めました。

 

貴重で美しい宝石だと聞いた。

お二人の仲が本当に良いようだ。

羨ましいと

褒め言葉をかける人は一様に

明るく親しみやすい笑みを

浮かべていましたが、

その裏にある棘を、エルナは、

難なく感知することができました。

 

エルナは、

昼食会には似合わないと思って

付けて来なかったと、

困っている様子を見せないように

努めながら、適当に答えました。

 

心臓の鼓動が速くなり、

胸が苦しくなり始めましたが、

唇に浮かべた笑みを

崩しませんでした。

 

今度は

必ず見せてほしいという頼みと

笑い声、

優しい新婚夫婦に対する賛辞の言葉が

行き交いました。

冷たく固くなった手を

交互に握り締めながら、

エルナはこの会を主催した

女主人の役割を

何とか、やり遂げました。

 

庭を散歩し、お茶まで飲んだ後、

口元に小さな痙攣が起こるほど

疲れていましたが、

笑みを失うことはありませんでした。

 

エルナは帰国した後、

自分が、豪華な新婚旅行を楽しむ

虚栄心の塊の大公妃であると

言われていることを知りました。

 

グラディス姫との再婚を

巧妙に妨害した後、

王子をひったくり、

彼のお金で贅沢をする

浅薄な俗物、それがまさに

エルナ・ドナイスタだと

言われていました。

 

ビョルン皇子が、妻のために

高価なダイヤモンドネックレスを

買ったという

フェリアから来た知らせが作り出した

醜聞でした。

もちろん、今回もエルナに、

まともな釈明の機会のようなものは

与えられませんでした。

エルナにできる最善のことは、

事がこれ以上大きくならないよう

精一杯、気をつけることでした。

 

ティータイムが終わって

貴婦人たちが帰ると、

ガーデンルームに残った客は

ルイーゼ王女だけでした。

 

エルナは、

ルイーゼのおかげで、

今日の昼食会を

無事に行うことができたと

笑いながらお礼を言いました。

 

そのエルナを

じっと見ていたルイーゼは、

深いため息をつきながら

扇子をたたんで握りしめました。

そして、昼食会の間、

優しい笑みを絶やさなかった

彼女の顔が冷たくなりました。

ビョルンと、非常に似ていました。

 

ルイーゼに感謝の言葉を伝えた後、

夕食を勧め、

噴水台と花の話をするという、

あらかじめ考えておいた話を

続けることができなくなった

エルナは、困惑した表情で

ルイーゼを見つめるだけでした。

 

大公妃が主催した今日の集まりに

シュベリンの多くの貴婦人たちが

参加してくれたのは、

ルイーゼが彼女たちを

説得してくれたおかげでした。

ずっと自分に冷たかった

ルイーゼ王女が

心を開いてくれたようで、

エルナは喜んでいました。

 

彼女は、自分が何かミスでも

したのではないかと

心配していると、ルイーゼは、

自分が対外的に

大公妃の側に立つのは、

兄と王室の体面のためなので、

それを自分たち二人の

親交のためとは思わないで欲しいと

言いました。

そして、エルナが

ルイーゼの向かいの席に

座ろうとすると、

彼女はテーブルから

立ち上がりました。

明らかな拒絶の仕草でした。

 

エルナは、

それでも、ルイーズには

大変、世話になったので、

感謝していると伝えました。

しかし、ルイーゼはエルナに、

もう少し兄と王室のことを

考えてもらえないか。

どうして外国で、

あえて、そんな高価な宝石を買って

騒ぎを起こさなければ

ならなかったのか。

贅沢をしようと思ったら、

レチェンでするように。

自分も、そこまで関与しないからと

警告しました。

 

エルナは、

あのネックレスは、

王子様からの誕生日プレゼントで、

自分が、せがんだりしたのではないと

言い訳をしましたが、

ルイーゼは、

もう聞きたくないというように

眉をひそめました。

それから、必要以上の親交を

求めるような手紙は好ましくないと

非難しました。

 

エルナは、

それは誤解だ。

そんなことを要求したのではない。

自分は、ただ、

よろしくお願いしますと

伝えたかっただけたと

言い訳をしました。

 

エルナの声が震え始めましたが、

それでも落ち着いた態度を維持し、

釈明し続けました。

王室の家族に

定期的に安否の手紙を送るのが

適当な礼儀だと教えたのは

フィツ夫人でした。

それは、大公妃に与えられた

責務の一つなので、

エルナはその責務に

誠実に臨んだだけでした。

 

しかし、ルイーゼは、

自分たちは、そんな仲ではないし、

グラディスの親友である自分に、

大公妃の立場だけを前面に出して

一方的に親交を強いるのは

感情的な暴力だと思わないかと

冷たく非難しました。

ルイーゼの眉間のしわが

一段と深くなりました。

 

エルナは、

怒鳴るわけではないけれど、

心を切り裂くような

鋭いルイーゼの一言一句に

返事をすることができませんでした。

 

それから、ルイーゼは、

まだ自分はグラディスの友人であり

自分にとって、その友情が

とても大切だ。

もちろん、自分は

レチェンの王女なので、

兄と王室のために

大公妃の側に立つけれど、

それ以上の親交を

強要することはしないで欲しい。

そして、是非、

レチェンの第一王子妃という地位に

ふさわしい体面を考えて欲しいと

忠告しました。

 

言いたいことを言い終えたルイーゼは

その足で、

ガーデンルームを後にしました。

しばらく、ぼんやりと

その場を見つめていたエルナは、

急いで王女の後を追いました。

感情的な暴力の言葉の意味が

何なのかは理解しましたが、

それでも、きちんと

締めくくりをしたいと思いました。

 

呆気にとられたように

エルナを見つめたルイーゼは、

これといった挨拶をせずに

帰りました。

最後の客の見送りまで終えたエルナは

疲れた足取りで、

自分の部屋に戻りました。

 

机の前に置かれた椅子に

どっかり座ると、エルナは

長いため息をつきました。

それでも、

一緒に夕食を食べようと誘う前に

断られて幸いでした。

 

ルイーゼは、

グラディスを愛するほど、

エルナを嫌う。

これからもそうだと思うという

ビョルンの言葉を

認めたくないけれど、

もう受け入れなければ

なりませんでした。

 

そして、何の期待もなく、

グラディス王女を愛する

皆の憎しみを、

当然のように受け止めて

生きていかなければならないのかと

自問自答しましたが、

答えが分からず、心を痛めました。

 

自分の努力に付けられた

「感情的な暴力」というレッテルが、

少し悔しくて

恥ずかしくもありました。

エルナは、

自問自答を繰り返しているうちに

祖母のことが恋しくなりました。

おそらく、過度に疲れた一日を

過ごしたためだと思いました。

「悪くない」とビョルンは

あっさり返事をしました。

手に持っている、

あの報告書を読んだ人とは

思えない態度でした。

意外な反応に慌てた執事が

途方に暮れている間に、

ビョルンは立ち上がりました。

笑みを浮かべた顔から、

怒りを見つけることは

できませんでした。

 

それから、ビョルンは

暖炉の前に近づくと、

手に持った紙を

炎の中に投げ入れました。

そして、執事に、

半月に一度報告するようにと

指示しました。

執事は頭を下げて、

そのようにすると返事をしました。

報告する期間を

1ヶ月から半月に短縮したのを見ると

少なくとも、

状況を注視しなければならない

必要性を、ある程度は

意識しているようで一安心しました。

 

王子が、ハルディ一家の動向を見て

報告しろと命令を下したのは

結婚式の翌日の夜でした。

新婚旅行中も、彼は

郵便と電信で報告を受けました。

 

しばらくは、

些細な贅沢と投資程度に手をつけて

身を隠していたハルディ子爵でしたが

今日、受け取った報告書には、

彼が婿を売って

投資金を集めているという

ニュースが含まれていました。

まだ初期段階でしたが、

子爵が前面に押し出した

ビョルン王子の名前に騙される人々が

少なくないようでした。

また、ブレンダ・ハルディが

享受する贅沢も、

夫の事業計画と共に

規模を膨らませていました。

 

ビョルンは、

今週のスケジュールを確認し、

簡単な指示をした後、

書斎を出ました。

意識して浮かべていた微笑みは、

階段を上って、

長い廊下を通る間に消えました。

 

ハルディ一家の放漫な振る舞いは、

エルナ・ハルディを妻に選んだ時、

すでに予見していたので、

今更驚いたり

怒ったりすることはなく、

ただ少し厄介だと思った程度で、

彼らが適正な線を越えない限りは

大きく関与しないつもりでした。

それに、うるさい子を宥めるには、

飴一つくらい、

握らせておくものでした。

 

ビョルンは、

すぐに客を迎える場所に向かう代わりに

妻の部屋へ行きました。

応接間に入って来たビョルンを見て、

メイド長は彼に近づき、頭を下げると

まだ妃殿下は準備を終えていないと

告げました。

時間を確認したビョルンは、

快く頷きながら、

窓際に置かれたエルナの机の前に

近づきました。

画家の訪問まで、

まだ十分な時間が残っていました。

 

ビョルンは、

気にしないで、待っているからと

メイドたちに告げると、

レースのショールがかかっている椅子に

足を組んで座りました。

顔色を窺っていたメイドたちは、

再び各自の仕事に集中し始めました。

 

これから対面することになる

パーベル・ロアーという

画家の名前を繰り返し言うと、

ビョルンは、

妙な虚脱感を感じました。

一体、彼が何だというのかと呟き、

閉じていた目を、ゆっくり開くと

コンソールテーブルの上に

置かれている金色の鹿の角が

ビョルンの目に入りました。

あれは二度目の自分の

独身パーティの戦利品で

酔った勢いで

彼女に与えたトロフィーでした。

その角のてっぺんに

しっかりと結ばれている

リボンを見ると、

固く結ばれていた唇が

緩みました。

 

ビョルンが、初めて

リボンを結んだ鹿の角を

発見したのは、

新婚旅行から帰って来た週の

末でした。

あれは一体何かと、

ビョルンが質問すると、

手紙を書いていたエルナは、

家の中に、同じトロフィーが

とても多いので、

自分ものを区別するために

リボンを結んだと、

はっきり答えた後、

再び手紙を書くことに

夢中になり始めました。

突拍子もないことをする人らしくなく

物静かで優雅な態度でした。

その日、ビョルンは

両頬がヒリヒリするほど、

ずっと笑っていました。

そのビョルンをエルナは、

訳が分からないといった目で

見つめていました。

 

その時は青いリボンでしたが

今日はピンクなのを見ると、

季節によって、違うリボンを

結んでいるようでした。

 

ビョルンは笑いながら

コンソールの前に近づき、

リボンの先に、そっと触れていると

寝室の扉が開き、

肖像画のモデルになる準備を終えた

エルナが姿を現しました。

今日のドレスは、

これまで見たエルナのどの服よりも

華やかで美しかったので、

ビョルンは、

満足そうな笑みを浮かべながら

妻の前に立ちました。

 

きらめくティアラとベール、

イヤリングを

ゆっくりと見ていたビョルンの視線が

ほのかな光を放っている

真珠のネックレスの上で止まりました。

ビョルンは目を細め、

「私があげたネックレスは?」

と尋ねました。

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エルナは、

ビョルンから貰った

ダイヤモンドのネックレスのことで

色々言われているので、

肖像画を描く時に、

そのネックレスを付けたく

なかったのでしょうね。

ビョルンの耳に、その噂が

入っているかどうかは

分かりませんが、

仮に聞いていたとしても、

そんなこと気にするなと言って

終わりにしてしまうかもしれません。

エルナがどれだけ傷ついているか

ビョルンが、少しでも

分かってくれればいいのにと

思います。

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