自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

問題な王子様 ネタバレ 原作 77話 あらすじ マンガ 66、67話 エルナの息抜き

 

77話 肖像画を描いている途中で、エルナは具合が悪くなってしまいました。

お茶を一口飲んで、

乾いた喉を潤したパーベルは、

今後の作業計画について、

落ち着いて説明しました。

 

傾聴するビョルンの態度は

非の打ちどころのない品格を

備えていましたが、

無頓着に感じられる面も

ありました。

パーベルは、この王子が

今言ったことを

全く覚えていないと確信しました。

 

ビョルンはメイドに

エルナのことを尋ねました。

メイドは、

良くなったので、

すぐに戻るそうだと答えました。

 

頷いたビョルンは、

指の間に挟んでいた葉巻を

灰皿に投げ入れました。

パーベルは黙礼をした後、

立ち上がって

イーゼルの前に戻りました。

 

パーベルは、

このように息が詰まるのは、

おそらく、彼が、

噂とは随分違うからだと

思いました。

 

王子は、軽そうだけれど威厳があり

傲慢でありながら優雅でした。

のんびりした瞬間にも、

隙は見えませんでした。

そして、たわいのない笑いを

浮かべている相手の本音が

全く読めないという事実に、

当惑を覚えることさえありました。

 

パーベルは静かに息を整えると、

木炭を削って

作業を再び始める準備をし始めました。

王子は、氷だけ残ったグラスを

軽く握ったまま

イーゼルの後ろに近づきました。 

 

ビョルンは、

ナイフを下ろそうとするパーベルを

「続けるように」と言って制止すると

熱意のない眼差しで

キャンバスと絵の具を見物しました。

彼は、のんびりとした散歩でも

楽しむように、

のろのろ歩いていましたが、

動きに無駄がありませんでした。

 

王子から視線を逸らしたパーベルは

木炭を折ってしまったことに

気づきました。

 

あの男のそばでエルナは

幸せなのだろうか?

 

無意識に浮かんだその疑問を

消すかのように、パーベルは

木炭を再び削ることだけに

集中しました。

しかし、

再び木炭を折ってしまったパーベルは

静かなため息をつきながら

頭を上げました。

それと同時にビョルンは

立ち止まりました。

それから、彼は作業台を見て、

「良さそうですね。」

と口ずさむように言いました。

 

彼が見ている

ペリアーゼの絵の具がある方へ

パーベルは顔を向けると、

思わず拳をぎゅっと握りしめました。

パーベルは、ありがたい方に

プレゼントしてもらったものだと

説明しました。

 

「ああ、贈り物」と言いながら

絵の具と筆を見た王子の目が

パーベルに向けられました。

彼の目には、特別な感情が

含まれていないけれど、

パーベルは、なぜか喉が渇いて

唾を飲み込みました。

 

その時、エルナが戻って来たと言う

メイドの声が聞こえたので、

二人は、ほぼ同時に

応接室の入口を見ました。

少し気まずい笑みを浮かべたエルナが

そこに立っていました。

「なんてことでしょう!」と

カレンの驚いた叫び声が

響き渡りました。

ビクビクしながら振り向く

エルナの手には、

チョコレートの箱が

握られていました。

 

カレンはエルナに、

一体、ここで何をしているのかと

尋ねました。

エルナは、

ただ、風に当たりたかったと答えると

照れくさそうに笑いながら

カレンの方を向きました。

それから、

カレンを驚かせたなら申し訳ない。

誰も来ない所だと思っていた。

不本意だけれど、

またカレンを困らせてしまったと

言いました。

カレンは、

そういう意味で言ったのではないと

訂正し、静かにため息をつくと、

驚いた胸をなで下ろしました。

 

尖塔につながる通路の扉が

開いていたので、カレンは

密かに恋愛をしているメイドと侍従が

隠れているのではないかと

思いましたが、

今回も大公妃がいたので、

驚いたのでした。

 

エルナは、最近、

思いもよらない所に突然姿を現し、

カレンを驚かせていました。

陶磁器室や石炭貯蔵庫に続く階段など

その大部分は、

女主人が出入りしそうもない

人里離れた所にありました。

丸暗記した邸宅の図面を

このように使うなんて、

誰も想像していませんでした。

 

先月の中旬、エルナが

邸宅の図面を見たいと言ったので、

持って来たところ、

彼女は数日かけて、

邸宅の全ての階の構造と空間を

熟知しました。

 

あるメイドが、

もしかして自分たちの話を

聞いたのではないかと

慎重に疑問を呈したのは、

大公妃がとんでもない行動を

始めてから4日目の夜のことでした。 

嘲笑と笑いに満ち溢れていた

使用人の休憩室が

一瞬にして静かになりました。

 

大公妃は、

邸宅の中で何度も道に迷って、

その度に使用人たちの

笑いものになりました。

もちろん、三々五々集まって

ひそひそ話す程度でしたが、

聞く人は数え切れないほど多いので

言葉が漏れないはずは

ありませんでした。

 

本当にそうだったらどうしよう。

王子様にバレたらどうするのかと

怯えたメイドは泣きべそをかいて

カレンを見ました。

 

それまで無言だったカレンは

余計な心配はしないように。

そんなことはないだろうからと

返事をすると、淡々とした表情で

立ち上がりました。

確信に満ちた口調に

皆、戸惑った表情をしましたが、

カレンは特別な説明を

付け加えることなく

休憩室を出ました。

 

それ以降、大公妃が邸宅で

迷子になる姿は見られませんでした。

その代わり、大公妃は、

どこからともなく現れる

幽霊のように振舞っていました。

そして、その時、大公妃は

いつも、チョコレートの箱を

持っていました。

 

カレンは、

そんなものばかり食べていると

健康に悪いと注意しながら

軽く眉をひそめた目で

チョコレートの箱を見ました。

 

エルナは、

そんなにたくさん食べていないと

弁解しましたが、カレンは、

今日みたいな日は食べないで欲しい。

胸やけしたのではなかったかと

注意しました。

 

エルナは肖像画のモデルをやめて

出て来ると、

胃の中のものを吐き出しました。

あまりに疲れているなら、

画家を送り返して休んだらどうかと

勧めてみても、エルナは、

胃液まで吐き出した人らしくなく

ニコニコ笑い、やるべき事をやると、

意地を張りました。

 

カレンは、

そのネックレスのことですがと

衝動的に話を始めました。

チョコレートの箱を

いじっていたエルナは、

少し驚いた目で彼女を見ました。

カレンは、人々が騒いでいる

でたらめな噂について、

あまり気にしないようにと

落ち着いて話しました。

 

しばらく、じっと彼女を見ていた

エルナは「ああ」と

短い返事をしながら、

自分の首にかかっている

ダイヤモンドのネックレスに

触れました。

 

あのネックレスが、

大公妃の意思とは関係のない

贈り物であることを、

新婚旅行を共にした使用人たちは

皆、知っていました。

大公妃は、色々な面で足りない

貴婦人であることは確かだけれど、

少なくとも下品な贅沢を楽しむ

部類ではなく、

むしろ、倹約しすぎて

貧乏くさいところがありました。

 

たとえ大公妃が、あのネックレスを

夫にせがんで手に入れたとしても、

ネックレスの持ち主がエルナ以外の、

他の王室の貴婦人だったら、

誰もそのことを

問題視しなかったはず。

ただ、それがエルナであることが

問題だっただけで、

ネックレスがなくても、

人々は、他の非難できそうな

要因を捜し出して、

大公妃を責め立てたはずでした。

グラディス王女の座を奪った

破廉恥な妖婦は

非難されて当然だからでした。

 

カレンも、

そのような見解を持っており、

今後もそうだろうけれど、

夫が送った宝石商を見て

慌てていた大公妃を

一番近くで見守っていたためか、

あのネックレスをしたまま

肖像画を描かれるのは嫌だったけれど

ついに夫の強権に従った

エルナの気持ちが何なのか、

何となく見当がつくような気がして

カレンは心が楽になりませんでした。

 

エルナは、

自分のことを心配してくれている

カレンに穏やかな笑顔で向き合い

お礼を言いました。

 

メイド長のアドバイス

従うことにしたエルナは、

ハンカチを取り出し、

丁寧に手を拭きました。

ただでさえ、

胃がムカムカするような気がするのに

残りのチョコレートを食べ切ったら、

夕食を食べることが

できないかもしれないと思いました。

 

エルナは

チョコレートの箱をつかみながら

尖塔を降りました。

甘いものを食べながら

涼しい風に当たったおかげか

この階段を上る時に、

あまりにも心が痛んで

憂鬱だった気分が良くなりました。

 

パーベルは午後遅くに

大公邸を後にしました。

話したいことは多かったけれど

何も言えず、

形式的で堅苦しい挨拶を

数回、交わした程度でした。

 

すでに予想していたけれど、

実際に、このような形で

友人と再会すると、

憂鬱な気分になりました。

独断的に画家を決めた夫を

改めて恨んだりもしました。

しかし、つまらない誤解を

受けたくないので、その気持ちを

表には出しませんでした。

そんなことになれば、

パーベルはもちろん、

ビョルンの評判まで壊すことになる。

エルナはそんな妻には

なりたくありませんでした。

 

他のみんなに無視され、

からかわれても、

ビョルンさえいてくれれば、

彼が自分の本心を

分かってくれれば、

自分をいい妻だと思ってくれれば

エレナは耐えることができました。

そうして、長く幸せに

生きていけるようになれば、

エルナはすべて大丈夫だと

思いました。

寝室につながっている廊下に入ると、

反対側から歩いてくる

フィツ夫人が見えました。

エルナの数歩前で

立ち止まったフィツ夫人は

彼女に丁寧に挨拶をしました。

 

以前は、エルナも

つられて頭を下げていましたが、

それではいけないと

何度も注意され、

今では、それ相応の礼儀を備えて

目で挨拶できるようになりました。

 

勝手に席を外して申し訳ないと

謝るエルナにフィツ夫人は、

夕食の準備をするように伝えると

話しました。

しかし、エルナは、

それはビョルンと相談してから

決めることにすると、

笑って返事をすると、

フィツ夫人の目に

困惑の色が浮かび上がりました。

エルナの後ろに立っているカレンも

一緒に息を殺しました。

 

フィツ夫人は、

王子様は外出した。

たぶん、帰りはかなり遅くなると

ため息混じりに伝えました。 

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一日中、肖像画のモデルをして

心身疲れているエルナを放って

一人で外出してしまうなんて!

しかも、帰りが遅いだなんて!

まさか、浮気をしに行ったのではないと

思いますが、あまりにも酷すぎます。

ビョルンさえいてくれて、

自分を分かってくれれば

何でも耐えられるというエルナが

可哀そう過ぎます。

せめて、一緒に夕食くらい食べてから

出かければいいのに。

ビョルンの思いやりのなさに

腹が立って来ます。

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