自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

問題な王子様 ネタバレ 原作 76話 あらすじ マンガ 65、66話 大公夫妻の肖像画

 

76話 ビョルンは、なぜ自分が買ってあげたダイヤモンドのネックレスを付けないのかと尋ねました。 

 

エルナは、

自分は、これが好き。

このドレスには、このネックレスが

似合いそうだからだと答えました。

しかし、ビョルンは

「そうかな?」と聞き返すと。

エルナの後ろに立っている

メイドたちを見ながら、

自分は違うような気がすると

言い放ちました。

その一言に、

彼女たちは思案顔になりました。

 

実は、ビョルンは、

ネックレスなど、どうでも良いと

思っていました。

何を付けても、彼の妻は

眩しい程、美しいからでした。

それでも、ビョルンは、

単に美的な側面以外に、

あのネックレスが気になる理由が

あることを、

自らもよく知っていました。

 

ビョルンは、

エルナに最も近い場所に立っている

メイドに、

あのネックレスを持って来るよう

命令しました。

そしてビョルンの視線が

再び妻の方へ向かいました。

 

あのネックレス一つぐらい、

していなくても、

すでにこの女性の全ては

自分のものだけれど、

その一つがないことが、

ビョルンの神経を

鋭く逆なでしました。

 

2人の間で

顔色を窺っていたリサは、

結局、命令に従って

ネックレスを取りに行きました。

絶望的なため息をついたエルナは、

泣きそうな目で夫を見上げ、

あのネックレスを付けることに

抵抗しようとしましたが、

ビョルンは、

あのネックレスが好きだと言って、

エルナに付けるよう指示しました。

彼の話し方は優しかったけれど

少しの隙も感じられませんでした。

エルナは、これ以上、

どんな反論も続けることが

できませんでした。

 

あれはビョルンが直接選んでくれた

初めての贈り物であり、

エルナにとっても最も貴重な宝石で

誰が何と言おうと、

その事実に変わりは

ありませんでした。

しかし、それを首にかけた姿で

肖像画に収まると、

嘆かわしいほど贅沢な大公妃だと

人々が喜んでけなす姿そのままに

永遠にレチェンの歴史に

刻まれるような気がしました

 

どうせ借金だけを背負って

嫁いで来たので、

他の全ての宝石も

大公妃には過分だけれど、

自分を嘲弄するための

一つの象徴になっている

あのネックレスだけは

避けたいと思いました。

しかし、ビョルンは

聞く耳持たずなので、

エルナは最後まで、

話す勇気が出ませんでした。

 

その間に、

ネックレスが入った箱を

抱えて来たリサが戻って来ました。

カレンが真珠のネックレスを

注意深く外すと、ビョルン自ら、

ダイヤモンドのネックレスを

取り出して近づいて来ました。

首筋に、冷たい宝石が触れると

エルナの唇の先が

ぶるぶる震えました。

 

ビョルンは「きれいだ」と

笑いながら囁きました。

いつもは胸をときめかせる

その褒め言葉が、今日は

首にかけた華麗なネックレスのように

手に負えず、冷たく感じられました。

 

エルナはお礼を言って笑いました。

そうしたいくらい、

夫が好きだったけれど、

それと同じくらい、

自分が嫌になりました。

自分でも理解しがたい、

不思議な気持ちでした。

エルナを描くのは初めてではないのに、

スケッチをするパーベルの手は、

やや硬直していました。

おそらくエルナのそばにいる王子、

彼女の夫のせいで、

緊張しているのだと

パーベルは思いました。

息を整えるとパーベルは、

再び絵に集中し始めました。

 

大公夫妻の肖像画を描く所は、

南向きの大きな窓がある

極度に優雅で華やかな

家族用の応接室でした。

パーベルは、権威ある貴族の家に

出入りすることは、

少なくなかったものの、

これほどの規模と威厳を備えた邸宅は

初めてで、

少しばかり威圧感を覚えるほどでした。

そのせいか、ここで見たエルナは、

まるで初めて会った完璧な他人のように

見慣れない感じがしました。

一緒に田舎の野原を歩いた

幼い少女が消えた場所には、

優雅で華麗な王室の貴婦人がいました。

 

パーベルは、無意識的に

以前のようにエルナに

接してしまうのではないかと

心配していましたが、

幸いにも、

大公夫妻に挨拶をした瞬間、

その心配は、きれいに姿を消しました。

 

パーベルは、

大公夫妻の肖像画を描くことに、

何度も断りを入れたけれど、

アカデミーの院長は、

将来のことを考えろと言って、

意志を押し通しました。

 

王室の肖像画を描くのは、

画家の人生に翼を与える

栄誉なことだけれど、

パーベルはエルナのことを考えると

気軽に決定を下すことが

できませんでした。

エルナのことが

とても懐かしくて気になるけれど、

だから余計に会いたくない。

自分でも理解しがたい

奇妙な感情でした。

 

結局、パーベルは

確固たる拒絶の意志を

伝えることにしましたが、

その前に、ビョルン王子から

パーベルを肖像画家に決定したという

命令が届き、パーベルは

呆然としました。

その彼を見た院長は、

もう、自分の手から離れたことだと

言いました。

パーベルは彼が持っている

手紙を見つめながら

「そうですか」と

諦めの返事をしました。

パーベルは、

思わずエルナの名前を

呼びそうになったのを飲み込み、

見慣れているけれど

見知らぬ女性のことを

「妃殿下」と呼びました。

伏し目がちに

指先を見つめていたエルナは

ビクッとして、

驚きながら視線を上げました。

妻のそばに立った

ビョルン王子の視線も

同時にパーベルに向かいました。

 

パーベルはエルナに

少し頭を上げて欲しいと頼みました。

エルナはパーベルの要求通りに

やってみようと努力しましたが、

何度、頭を動かしても

うまく行きませんでした。

 

相変わらず、

モデルとしての素質がない

田舎の少女を思い浮かべた

パーベルの口元が

一段と柔らかくなりました。

エルナは

イーゼルの前に座らせると

石像のように硬くなり、

表情も姿勢も作為的だったので、

パーベルは、

木陰の下で本を読んだり

リンゴを摘むエルナなど、

バフォードの風景の中で

動くエルナを好んで描きました。

 

そのおかげで、

彼のクロッキーの実力は

向上しました。

同じ記憶を思い出したのか、

エルナも、やはり、

少し照れくさそうな笑みを

浮かべました。

その澄んだ優しい目つきは、

明らかにパーベルが知っている

あのエルナでした。

 

彼はスケッチをする手を止めると

大公夫妻のそばにゆっくりと近づき

ビョルンに了解を求めると、

視線はこの方向、

頭がこのくらいなど、

手で方向を示して

エルナの姿勢を整えました。

 

それでも簡単に分からないエルナを

どうするか、

パーベルは困りましたが、

王子がエルナの顔を

優しく包み込んで、

パーベルが望む方向に導きました。

そして、膝の上に重ねられた

エルナの手の形まで整え始めました。

数多くの肖像画

モデルになったことのある王子らしく

巧みな態度でした。

 

傲慢にも、王子は、

「もういいみたいだ。」と

勝手に結論を下しましたが、

まさにエルナは

彼が望んだ姿をしていたので、

反論はできませんでした。

パーベルは

イーゼルの前に戻りました。

完璧なモデルである

王子の姿勢に関しては、

何も言うことはありませんでした。

じっと見つめ合う二人の視線の間に

明るい日差しが差し込んでいました。

 

しばらくして、

パーベルの提案により

作業は一時中断されました。

ビョルンは、妻の顔色が

著しく青ざめていることと、

自分より先に、あの画家がそれに

気づいたという事実に

気づきました。

 

エルナと目が合うと、彼女は、

少しめまいがするけれど

少し休めば大丈夫だと思うと

言いました。

 

ビョルンは、

大変なら今日はここまでにすると

言いましたが、エルナは、

それほどではない。

本当に大丈夫だと言って

首を横に振りました。

 

エルナは微笑んでいるように見え

普段と、

さほど変わらない様子でした。

了解を求めたエルナが

メイドと一緒に席を外すと、

応接室には、

二人の男だけが残されました。

 

ビョルンはソファに座り、

葉巻に火を点けると、

目配せをしてパーベルを呼びました。

彼は躊躇っているようでしたが、

結局、素直に命令に従いました。

 

ビョルンが、

葉巻を一本差し出すと、

意外にもパーベルは、

葉巻が吸えないと謝りました。

 

その間、侍従が、

氷の入ったグラスと

ウイスキーを運んで来て、

最初のグラスに酒を注いだ後、

次のグラスに酒瓶を近づけると、

パーベルは急いで

辞退を申し出ました。

 

ビョルンはウィスキーを

一口飲んだ後、

酒も楽しまないのかと尋ねました。

恐縮するパーベルに

にっこり微笑んだビョルンは、

執事にお茶を出すよう指示しました。 

 

背筋を伸ばして座っている

画家を見つめていたビョルンは

ゆっくりと彼の名前を呼ぶと、

絵以外で、一体何が好きなのかと

笑顔で尋ねました。

パーベルの視線が

ビョルンに向けられました。

 

パーベルは、

暇な時は本を読んだり

散歩に出かけたりすると、

精一杯、礼儀正しく答えました。

丁重だけれど、

卑屈な気配がない様子でした。

ビョルンは、

レオニードのように、

退屈な模範生のような男の顔を

じっと見つめました。

 

かなり高尚な人格の

持ち主だということは

疑いの余地がなさそうでした。

だから、あのような女を

そばに置いても、

友達とか友情とかいう

ままごとをしていたのだろう。

結局、

夜逃げを決意したところを見ると、

最後まで高尚では

なかったようだけれどと

考えました。

 

侍従がお茶を運んで来ると、

二人の会話は

しばらく中断されました。

ビョルンは、

ソファーのひじ掛けに寄りかかって

パーベルを見ました。

そして、長く伸びた灰を

払い落したビョルンは。

肖像画は、いつ頃

完成すると思うかと尋ねました。

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エルナがすぐ近くにいても、

ビョルンは正面を

向いているでしょうから、

エルナの顔色が悪いことに

気づかないのも当然だと思いますし

肖像画を描くために、

ずっとエルナを見ている

パーベルの方が、

先に、彼女が具合が悪いことに

気づいたのも当然だと思います。

けれども、そんなことで

パーベルにライバル心を燃やしたり、

彼がエルナと

夜逃げしようとしたことで

彼が高尚でないと見下したり、

彼が真面目であることを

馬鹿にしたりと、ビョルンは

心の狭い男だと思います。

それでも、嫉妬のあまり

ビョルンが

パーベルの画家としての命を

絶つような、

卑怯なことをしない人で

良かったと思います。

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