自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち 882話 ネタバレ 先読み 原作 あらすじ 空の箱

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882話 議長をどうするか議論する必要はないと、グリフィンは言いました。

◇果てしない孤独と恐怖◇

そんな必要はないって?

 

ラティルは怪訝そうに尋ねました。

ギルゴールを待たなくてもいいのか、

それとも先に

相談しなくてもいいのか、

どちらだろうと考えました。

 

グリフィンは、

議長のことだ。

もう何も、どうすることも

できないだろうと答えました。

ラティルは、

何を言っているのかと尋ねると、

グリフィンは、

議長が何をするのか見ながら

追いかけると、

ギルゴールが言っていたと答えました。

驚いたラティルは、

ギルゴールが、そうする理由を

尋ねると、グリフィンは

退屈だそうだからと答えました。

 

ラティルは口をポカンと開けて

サーナットを見ました。

彼も意外だと思って眉を顰めました。

ギルゴールは、一般的な側室のように

過ごしていませんでしたが、

とにかく、サーナットの目には、

ギルゴールは確かに

ラティルに気がありました。

それなのに、こんなに急に

去ってしまうのかと思いました。

 

ラティルは、

側室をやめるということなのかと

尋ねると、グリフィンは浮かれて

嘴を開きましたが、たじろいだ後、

再び嘴を閉じました。

いつものように誇張して話したいけれど

それでいいのか

顔色を窺っているようでした。

 

グリフィンは、

そこまでは分からないけれど、

すぐに戻って来るとは思わなかったと

答えました。

ラティルは、その理由を尋ねると

グリフィンは、

分からないと答えました。

 

ラティルは、ぼんやりしながら

目をぱちぱちさせていました。

ギルゴールが去るとは

全く思ってもいなかったので、

何も考えられませんでした。

 

クレリスは

大人の会話に興味がなかったので、

しばらくグリフィンに向かって

手を伸ばしていましたが、

サーナットの肩に額を当てて

眠ってしまいました。

 

サーナットは

クレリスの背中を軽く叩くと、

皇帝はプレラを説得する時に、

前世は前世で、今とは違うという風に

話したと聞いたけれど、

もしかして、その話を聞いて、

何か感じたことがあって、

去ったのではないかと

意見を述べました。

 

そうだろうか。

サーナットの質問にラティルは

ぼんやりしながら、

目をパチパチさせました。

 

そういえば、プレラを説得する時、

すぐ近くに

ラナムンとギルゴールの2人が

いたようでした。

 

ラティルは、

ギルゴールが怒っていたのかと

尋ねました。

グリフィンは、

毛繕いしながら首を横に振り、

そうではなかったと答えました。

 

ラティルは、

ギルゴールの笑顔を思い浮かべながら

議長は永遠に生き続けるし

ギルゴールもそうだ。

シピサは、議長がまた問題を起こせば

ギルゴールが議長に手を出しても

阻止しないと警告したと言った。

それで、もしかしてギルゴールは

議長を阻止しに行ったのではないかと

ふと、思いついたことを呟きました。

ギルゴールが

議長の命を奪うことができなくても、

ずっと彼を追いかけていれば

防御はできました。

 

ラティルは、自分の吐いた言葉に

焦りました。

議長は死なない。

それでは、もうギルゴールにも

会えないのだろうか。

 

ラティルの瞳が揺れました。

その考えをするや否や、

思ったより大きな衝撃が訪れました。

 

指輪?指輪は?

 

と尋ねるラティルに、グリフィンは

どういう意味かと尋ねました。

ラティルは、何でもないと

答えました。

 

タッシールは机に座って

書類をめくりながら

皇帝のその反応を見つめ、

皆が皇帝を中心に集まっていて

議長だけが離れていた構図を

思い出しました。

 

他の側室たちが

「何だ、あいつは?」という

顔をしていた時、

ギルゴールだけが眉を顰めていました。

 

タッシールは、

ギルゴールが以前より

少し正気を取り戻したことで

議長が感じている

その果てしない孤独と恐怖に

少し共感するように

なったのではないかと思いました。

 

メラディムは物忘れがひどい上に、

自分と同じくらい長生きする一族が

いつもそばにいました。

皇帝は500年周期で

運命を繰り返すとはいえ、

生まれるたびに別人だったので、

ある程度、

気分一新できるだろう。

しかし、ギルゴールと議長は、

その精神のまま

ずっと生きていくのではないだろうか。

 

まあ、正解は、

本人だけが知っているだろう。

理由は複合的かもしれないし、

元々、彼は、

気ままに勝手に行動したのだから。

 

タッシールは肩をすくめて

書類をもう一枚めくりました。

とにかく、

手に負えない最も困難な敵は

今後現れないだろうし、

恋敵も一人消えた。

彼にとって、

悪いことではありませんでした。

◇ゲスターを訪ねる理由◇

その2日後は

ゲスターの誕生日でした。

ラティルは、

ゲスターにプレゼントしたくて

あらかじめ用意しておいた

指輪の箱を持って、

朝食の時間に彼を訪ねました。

 

ラティルはトゥーリに

「ゲスターは?」と尋ねると

トゥーリは、

ラティルに中に入るよう案内し、

扉を開けながら、

坊ちゃんは皇帝に会えば喜ぶだろうと

興奮しながら答えました。

ラティルもそうだろうと思って

部屋の中に入りました。

 

ゲスターは部屋の中央に立って

恥ずかしそうに

ラティルに挨拶しました。

しかし、それだけで

別に何も言いませんでした。 

いつもと違う態度に、

トゥーリは当惑しながらも、

ラティルに朝食を食べたかどうか尋ね

ゲスターは、まだ食べていないので

皇帝が、まだ食べていないなら

二人で一緒に食べればいいと

提案しました。

 

そうしようかなと、

ラティルは気分を害さずに答えると

トゥーリは、すぐに外に出ました。

ラティルは、

ようやくゲスターの前に近づくと、

彼の表情が普段と違うことに

気づきました。

照れくさそうなふりをして

立ってはいましたが、

気のなさそうな目をしていて、

ゲスターの表情ではありませんでした。

 

ランスター伯爵?

 

ラティルが訝しがりながら尋ねると

ランスター伯爵は「うん」と答え、

ソファーへ行って座りました。

ラティルは眉を顰めながら

反対側に座ると、

なぜ、ランスター伯爵が

もう出てくるのか。

いつもは喧嘩をしている時に

出て来るではないかと尋ねました。

 

ランスター伯爵は

口の端を斜めに上げると、

ゲスターが怖いと言うので

自分が声をかけたと答えました。

ラティルは、

怖いって、どういうことなのかと

聞き返すと、ランスター伯爵は

ロードが何も言わずに

訪ねてくる時の理由はただ一つ。

働かせることだから。

今度は、何をさせるために来たのかと

尋ねました。

 

ラティルは、

心から衝撃を受けました。

自分がいつ、

仕事をさせる時だけ訪ねて来たのか。

いや、頼み事がある時に

よく来たのだろうか。

それでも毎回そうではないのに、

ひどい扱いようだと思いました。

 

ラティルは、

自分が今、ゲスターに

何かやらせることがあるのかと

尋ねました。

ランスター伯爵は、

それは自分も分からないと答えました。

 

ラティルはランスター伯爵を

じっと見つめました。

彼に言いたい悪口が

喉の奥まで上がって来ました。

しかし、ギルゴールが

何も言わずに去ったことや、

最近、訪問した時に、

ゲスターがとても

寂しがっていたことが思い浮かんで

抗議するのも大変でした。

 

ラティルは、

「分かった」と返事をすると、

マントのポケットから

指輪の箱を取り出して差し出しました。

「何?」と尋ねるランスター伯爵に

ラティルは、

ゲスターの誕生日プレゼントだと

答えると、

「お誕生日おめでとう」と伝えてくれと

言い残して振り向きました。

 

もしかして、ゲスターか

ランスター伯爵に

捕まえられるかもしれないと

思いましたが、

ラティルが出て行っても

ゲスターは捕まえませんでした。

 

ラティルは意気消沈して、

廊下を歩きながら

これからは側室たちに

もっと気を使わなければならないと

決心しました。

このままだと、

ギルゴールが去ったように

皆、去ってしまいそうだと思いました。

◇空っぽ◇

えっ? 陛下は?

 

カートいっぱいに食べ物を入れて

持って来たトゥーリは、

皇帝がおらず、

ゲスターが一人でいるので

また皇帝と喧嘩したのかと

泣きべそをかきながら尋ねました。

 

いや、そんなはずが・・・

 

と答えて、ゲスターは首を横に振ると

ラティルがくれた指輪の箱を持ち上げ

皇帝が誕生日プレゼントだと言って

これを渡してくれた後に

行ってしまったと答えました。

 

何の連絡もなかったので、

皇帝は、誕生日を

忘れてしまったとばかり

思っていたけれど、

忘れていなかったのですねと

トゥーリは明るい顔で喜びました。

 

最近、クレリス皇女が

大怪我をする事件があり、

昨日は行方不明になった

対怪物部隊小隊員のうち10人が

帰って来た。

その中の傭兵の話では、

小隊長と副小隊長も発見したけれど

2人は不思議なほど元気で、

ザイシン、白魔術師と一緒に残って

最初に行方不明になった5人を

さらに探すことにして残ったとのこと。

 

このことで、皇帝は

ずっと忙しかった上に、

その前に、皇帝とゲスターは

大喧嘩までしたので、

トゥーリとゲスターは

皇帝が彼の誕生日を忘れたと思い

心を痛めていました。

ところが、皇帝は朝早く来て

プレゼントを渡してくれました。

 

トゥーリは興奮しながら

「指輪ですか?」と尋ねました。

ゲスターは

「そうみたい・・・」と

照れくさそうに呟きながら

指輪の箱を開けました。

ところが、中は空っぽでした。

 

 

ゲスターはあわてて

箱を2、3回振りましたが、

隠された指輪がポンと飛び出すことは

ありませんでした。

 

ゲスターは、ぼんやりと座り、

トゥーリを見ながら、

プレゼントが箱なのかと尋ねました。

トゥーリは、

そんなはずがないと

心の中で考えましたが、涙が出そうで

答えられませんでした。

 

ゲスターは、空の箱を

ぼんやりと見つめながら

ソファーにうつ伏せになりました

トゥーリは泣きべそをかきながら

 

坊ちゃん、泣かないで。

 

と言いましたが、

ゲスターは泣いていませんでした。

彼の目はソファーの上で

不気味に回っていました。

◇転がる指輪◇

あれ?

 

仕事の後、

ベッドに転がったラティルは

何かを見つけて

それを拾い上げました。

 

なぜ、これがここにあるの?

 

ゲスターにあげようと思って

特注した指輪が

布団のレースの隙間に

挟まっていました。

ラティルは当惑し、

口をパクパクさせながら、

物思いに耽りました。

 

数日前、

布団の中に入れて叩いた時に

落ちてしまったのだろうか。

すると、あの指輪の箱の中には・・・

 

その時、ゲスターが来たと

伝えられたので、ラティルは

「入れ」と叫ぼうとしましたが、

その前に、慌てて振り回した手から

指輪が宙に飛びました。

慌てたラティルは、指輪一つで

ジャグリングするところでしたが

指輪は放物線を描きながら

飛んで行き、ベッドの下に落ちると

コロコロ転がりました。

 

そして、扉を開けて入って来た

ゲスターの靴とぶつかり、

転がっていた指輪は、

ゲスターの靴にキスするように

向かい合って急に止まりました。

 

ゲスターは、

片方の眉をつり上げて

指輪を見下ろした後、

腰を曲げて、それを拾い、

ラティルをチラッと見ました。

彼女は呆然としていましたが

両腕を広げて笑いながら

「マジック」と言いました。

しかし、ゲスターの眉は

下がりませんでした。

その表情を見たラティルは、

ゲスターが空の指輪の箱のことで

訪ねてきたことに気づきました。

 

ラティルは

中途半端に腕を下げながら

指輪が入っていなかったことを

知らなかった。

自分も少し前に発見して

驚いたところだったと説明しました。

 

ゲスターは、

わざと箱から出したのではないのかと

尋ねると、

プレゼントを渡す気がなければ

最初から渡さない。自分は、

そんな恥知らずな人ではないと

答えました。

ゲスターの目が細くなりました。

 

そんなに、自分を信用できないのか

本当なのに。

ラティルは悔しくて

力なく肩を落としました。

 

それを見たゲスターは

さらに細くなった目で、

箱に入っていたはずの指輪が

なぜ入っていなかったのかと

尋ねました。

 

ラティルは、

自分が布団の間に入れて叩いたと

つい、答えてしまい、心の中で

 

黙れ、口!

 

と悪口を吐き、肩をすくめました。

 

ランスター伯爵はあくどく、

ゲスターは善良だけれど、

両者は、心が狭いという点で

共通していました。

ゲスターは、一見すると

寛大な心を持っているようだけれど

ランスター伯爵が怒った時に

彼を止めたことがありませんでした。

度量は、そこそこしかないという

意味でした。

 

ラティルは、

ゲスターが怒るだろうと確信し、

力なく彼を見ました。

ちょうどゲスターは、

小さい声で悪口のようなものを

呟いていました。

古代語なので、悪口かどうかは

定かではありませんでしたが

すぐに悪口を言うのは

酷すぎると思いました。

 

ところが、

ランスター伯爵と思われる人が

つかつか近づいて来ると、

ラティルの顎を羽のように持ち上げ

唇を重ねて来ました。

 

柔らかい唇と温もりが触れ合うと、

ラティルは目を丸くして、

ゲスターの瞳と向き合いました。

熱気に満ちた視線は

ゲスターではなく、

ランスター伯爵の方のようでした。

彼はキスをしながらも、

ラティルの反応を、一つ一つ。

目に収めようとするかのように

目を閉じずにいました。

ラティルは、思わず両腕を伸ばして

彼を抱き締めました。

 

そうしているうちに、

いつの間にか体が、ベッドを横切って

横になっていることに気づきました。

息を切らしていると、

ランスター伯爵は、

一体、いつ持って来たのか、

ラティルが準備した指輪を

差し出しながら

「はめてくれ」と囁きました。

 

ラティルが指輪を受け取ると、

ランスター伯爵は

手首にキスをして歯ぎしりしました。

そして、自分がここに来るまでの

12時間、狂ったように

空の指輪の箱を持って

何をしていたか知っているかと

尋ねました。

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ギルゴールは、

議長が二度と、

ラティルに手を出さないよう

議長を追いかけることにしたのだと

思いました。

それがギルゴールの愛だと思うと

涙、涙。

 

今後、ラティルが

対抗者に倒されることがなければ

ラティルも永遠に生きるでしょうし

彼女がギルゴールにあげた

10個の指輪を、

ずっと彼がはめ続けていたら、

ひょっこり戻って来ることが

あるかもしれません。

 

872話にゲスターへのプレゼントを

ベッドに放り出して

枕と布団を積み上げて、

やたらと叩いたとありますが、

その時、

箱から指輪が出てしまったことに

ラティルは気づかなったのですね。

 

ラティルはゲスターのことを

心が狭いと思っていたのは

新しい発見でした。

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