自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち 880話 ネタバレ 先読み 原作 あらすじ 蘇った記憶

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880話 下女の心を読んだラティルはプレラの所へ向かいました。

 

急いで扉を開けると、

扉が反対側の壁にぶつかって

跳ね返って来ました。

クレリスの周りに立っていた

側室たちが同時に首を回しました。

 

ラティルは入り口に立って

 

プレラは?

 

と尋ねましたが,これ以上、

中に入ることができず、

プレラが立っていた位置を

素早く見ました。

子供に声をかけることは

できなかったけれど、

プレラがいた所は、ラナムンを通じて

ずっと確認していたので、

ラティルはプレラがいないことに

一目で気づきました。

 

カルレインは、

疲れたからといって

ラナムンが寝かせに行ったと

すぐに答えました。

ラティルは慌てて、

 

どこへ?

 

と尋ねました。

未知の敵が、皆を

バラバラにしようとしている中、

ラナムンがプレラだけを連れて

またどこかへ行ったと聞き、

心臓がドキッとしました。

 

幸いにも、プレラがいるのは

すぐ隣の部屋だと、

カルレインが教えてくれました。

それはプレイルームの1階にある

いくつかの部屋の中の1つでした。

 

ラティルは、その部屋に駆けつけ

扉を開けました。

扉を開けるや否や見えたのは

ソファーにぽつんと座っている

小さな子供でした。

ラナムンは、

子供にあげるおやつを

用意しているのか、

簡易棚の前に立っていました。

 

陛下、どうしたのですか?

 

ラティルの表情を見たラナムンが

不思議そうに尋ねました。

ラティルが席を外している間、

何も起こらなかったようでした。

 

ラティルは、

口をパクパクさせました。

下女の頭に浮かんだ

議長とプレラの会話について

どう話せばいいのだろうかと

悩みました。

ロードの仲間たちも、

ラティルが、時々、

他の人の本音を読むことを

知らなかったからでした。

 

ラティルは

下女の本音を隠したまま、

プレラに話があると呟きました。

ラナムンはソファーの方に

顔を向けました。

プレラはソファーにぽつんと座り、

ラティルを見ていました。

 

ラティルは

心臓がドキドキしました。

議長が与えた薬瓶。

前にシピサが話してくれた

前世の記憶を思い出す

薬瓶だと思うけれど、

もしかして、プレラは

もう飲んだのだろうかと

心配しました。

 

プレラは

「母陛下、母陛下」と呼びながら

ピョンピョン走り回る

普段の行動を見せませんでした。

 

プレラ、体の調子はどう?

 

ラティルは、努めて微笑みながら

近づいて行きました。

ラティルが全速力で走ったため

少し遅れて到着したタッシールは

息を切らしながら

扉の前に近づきました。

プレラはラティルをじっと見つめ、

視線を落としながら、

怪我はしていないと呟きました。

 

ラティルはブレラに

聞きたいことがあると言いました。

プレラは黙っていました。

 

ラティルは、

顔の筋肉を柔らかくするために

全力を尽くしながら、

絶対に怒っているのではない。

気になるからだと話しました。

 

ラナムンは、

何も考えずに立っていましたが

ラティルのその表情を見ると、

むしろ不安になり、

背を向けました。

 

プレラは

何が気になっているのかと

頭を上げずに尋ねました。

ラティルは、

自然に足を転がそうとしながら

一歩近づきました。

その過度な努力は、

見ている人たちには、

もっと変に見えるということを

考えられませんでした。

 

ラティルは、

穴にはどうやって来たのか。

うちの赤ちゃんが1人で

来ることができない所だと

尋ねました。

 

ラティルはプレラの横に、

無駄に可愛らしく作られた

ガラス瓶を見つけました。

下女の回想にあった瓶でした。

 

瓶の中に、液体が

どれくらい入っているのか、

下女の回想の中の瓶と

今の瓶を比較してみました。

しかし、回想そのものも

一度見ただけだし、

記憶の主である下女が

瓶ではなく、会話の方に

関心を持っていたためか、

瓶に入った液体がどうだったのか

思い出せませんでした。

 

ブレラは、

誰かが連れて行ってくれたと

頭を下げたまま答えました。

 

誰?

 

ラティルは

唾を飲み込んで尋ねました。

扉の影の向こうに、

何人もの頭の影ができました。

側室たちがどうしたのかと思い、

こちらに集まって来たようでした。

ラナムンは

プレラとラティルを交互に見ました。

 

プレラは、木の妖精さん

小さな声で囁きました。

ラティルは拳を固く握り締めました。

いつの間にか消えて、

何年か静かに過ごしていたのに

今回も議長でした。

 

ラティルは

沸き立つ怒りを抑えながら、

プレラに、

彼は木の妖精ではないと

優しく言いました。

 

そうなの?

 

とプレラが尋ねると、

ラティルは、

あの野郎と思いながら、

もう一度、無理矢理笑いました。

 

ラティルは、

昔、お母様とお父さまと

喧嘩した人だと答えると、

あと半歩進みました。

子供のそばまで歩いて行き、

慰めながら、瓶が欲しいと

言うつもりでした。

 

お母様とお父様と

喧嘩した人?

 

ずっと頭を下げていたプレラは

ついに頭を上げました。

ラティルは子供の目から、

いつもとは違う暗さを発見しました。

いつも明るく楽しそうな

子供の目ではありませんでした。

過ちを犯して怖がる時も

あのようではありませんでした。

 

プレラと、ラティルが

もう一度、名前を

優しく呼ぼうとした瞬間、

ラティルをじっと見つめていた

子供が、奇妙な笑みを浮かべ、

 

それは私じゃないの?

 

と尋ねました。

ラティルは、

頭を強く殴られたような衝撃で

目を大きく見開きました。

 

どういうこと?

 

ラナムンも目を見開いて

プレラを見つめながら、

大股で歩いて子供に近づきました。

 

ラナムンがプレラの腕を掴みながら

誰が、そんなことを言ったのかと

尋ねた瞬間、プレラは

彼の手を冷たく振り払いました。

ラナムンの手は、ぎこちなさそうに

空中を漂いました。

 

プレラはラナムンをチラッと見て、

再びラティルを見ながら

なぜお母様が自分を憎んでいるのか

分かると言いました。

ラティルはプレラに

何を言っているのか。

彼がプレラに変なことを言ったのかと

尋ねました。

 

プレラは、

真実が分かる薬をもらい、

それを飲んだら、

自分が前世で母の仇であることを

知ったと答えました。

 

ラティルは我慢できずに

つかつかとプレラに近づくと、

子供のそばに置かれた薬瓶を

持ち上げました。

薬瓶は半分ほど、

空になっていました。

 

プレラは、

それでも違うかもしれないと

思ったと言いました。

そして、

驚いたラティルの顔を見ていた

プレラの目から涙が溢れました。

涙は、ぽたぽたと

下に流れ落ちました。

そして、

 

でも、そうみたい。

お母様の顔を見ると分かる。

お母様は、

私を憎むしかなかった。

 

と言いました。

 

ラティルは、

 

違うよ、プレラ!

 

と言うと、

薬瓶を無造作に投げつけ、

子供の両腕をつかみました。

しかし、腕を握るや否や

感じた鋭い痛みに、

両手を離さなければ

なりませんでした。

 

ラティルは自分の手を見ました。

刃は見えもしませんでしたが、

両方の手のひらに

刃で切られた跡が残っていて

そこから血が流れていました。

 

子供が記憶を取り戻したら

どうなるのだろう?

急にアニャドミスの記憶が戻ったら

この子はどうなるのだろう?

ラティルはそう思いながら、

いつも恐れていました。

 

子供が記憶を取り戻したら、

それはプレラではなく、

アニャドミスに近いだろうという

覚悟もしていました。

しかし、実際に子供が記憶を取り戻して

あのような目で見つめていると、

ラティルはこの子をアニャドミスだと

考えることができませんでした。

子供の話し方が変わっても、

アニャドミスとは思えませんでした。

 

ラティルはプレラに、

あなたのことが嫌いではないと

言って、繰り返しプレラに

手を伸ばしましたが、

新たにできた刃のせいで、

子供を抱きしめることが

できませんでした。

プレラは、

ソファーの背もたれをつかんで

立ち上がりました。

 

ラナムンが捕まえようとしましたが

子供はラナムンの手も避けました。

プレラは、そのまま窓まで

後ずさりしました。

窓のすぐ前に立っているプレラは、

今にも窓から飛び降りそうなほど

危うい状況でした。

 

ラティルは言葉に詰まり

子供に手を差し伸べるだけでした。

とりあえず、

こちらへ来てという言葉が

なかなか出ませんでした。

子供が、衝動的に

窓から飛び降りるのではないかと

恐れました。

 

ラティルは、

 

プレラ、お母様と話そう。

変な人の言うことだけ聞かないで。

いい子でしょう?

 

と囁きましたが、

そのように話すほど、子供の顔色は

青くなっていくだけでした。

 

プレラは、ラティルが、

自分の命を奪おうとしているのかと

尋ねました。

ラティルは、

絶対に違うと反論しました。

 

しかし、プレラは、

記憶が蘇ったから、これからは、

安心して命を奪えるよねと

言いました。

ラティルが、プレラの名を叫ぶと

彼女の肩越しに刃が生まれました。

ラティルとラナムンは

同時にプレラに飛びかかりました。

先に到着したラティルは、

子供をひったくるように

引き寄せて自分の懐に入れました。

 

ラティルは、

 

違うよ。 絶対に違う。

プレラ、お母様も

前世の記憶がある。

 

と、ものすごい速さで話すと

両手で子供の両頬を包み、

目を合わせました。

子供の瞳が大きく揺れました。

 

ラティルは、

だから、プレラが

どんな気持ちなのか分かる。

でも記憶があっても自分は

前世の自分と全く同じ人ではない。

プレラもそうだよね。

プレラも、

それを知っているでしょう?と

尋ねました。

プレラは、

 

でも、お母様は

私のことを嫌いでしょ。

 

と主張しました。

ラティルは、

 

違うよ! 絶対に違う!

 

と反論しました。

両脇から 

刃が生まれる感じがしましたが、

ラティルは子供をつかんで

目を離しませんでした。

 

しかし、ラティルは

自分がこの子を嫌ったことが

あることを知っていました。

そして、子供を

嫌がらなくなった後も、

もやもやすることが多かったです。

ラティルは、

クレリスを自然に愛した分だけ、

この子を自然に愛することが

できませんでした。

この子を愛するには努力が必要でした。

 

しかし、ラティルは

敵の転生であることを知りながらも

この程度、やり遂げているので、

自分がうまくやっていると

思いました。

他の子供たちも、主な養育は

側室が引き受けるので、

子供がこのような考えをするとは

思いませんでした。

 

ラティルは、

子供をしっかりとつかむと、

プレラのように

前世の記憶があっても、

まともに生きている他の人もいる。

アイニという人だけれど、

後で会わせて

あげられるかもしれないと

囁きました。

 

プレラが黙っていると、ラティルは、

 

本当に、後で会わせてあげる。

プレラの前世が何であれ、

振り回される必要はない。

お母様の言うことを理解できる?

 

と、いつもの3倍の速さで話しました。

 

しかし、アニャドミスの記憶が

蘇った子供が

自分の言葉を理解できるか、

そして、受け入れようとするか、

ラティルは確信できませんでした。

しかし、確かなことは一つ。

子供が自分に向かって

数十本の刃を作り出しても、

ラティルはこの子を

傷つけることはできませんでした。

この子にプレラの記憶が

一つも残らなくなったとしても

同じでした。

 

ラティルは子供を抱きかかえ、

腕のあちこちの痛みを無視して

前世の記憶に囚われないでと

囁きました。

 

密かに接近し、

プレラを制圧しようとした

ギルゴールは、その囁きを聞いて

しばらく立ち止まりました。

その刹那の隙に

ラティルの後ろに立っていた

ラナムンは、

ギルゴールの腕を握りました。

 

彼は、あえて自分を止めた

ラナムンを、

眉をつり上げて見ました。

しかし、ラナムンは

避けることも、腕を離すこともせず

プレラを倒そうとするなら、

自分の命から

奪わなければならないと

子供に聞こえないように

小さく呟きました。

ギルゴールの眉が、

片方だけ斜めに上がりました。

 

あの子がアニャドミスの転生なら

あの子の攻撃は

皇帝にとって危険ではないの?

違う?あの何とかという剣がないから

大丈夫?

 

クラインは、

隣に立っているタッシールに

小声で尋ねました。

彼はラティルのシャツのあちこちから

血が滲みが出てくるのを見て

イライラしました。

すぐに駆けつけて

皇帝を庇いたいけれど、

皇女が、あまりにも

ラティルの近くにいて、2人が

ぴったりくっついているので

割り込むことができませんでした。

 

その上、そこへ行く道には

ラナムンがギルゴールを阻んで

立っていました。

ギルゴールがラナムンを投げ飛ばして

先に進まないのが

不思議なほどでした。

 

メラディムは、

第一子が、窓の外に

飛び降りるのではないかと心配で

皇帝は、どうすることも

できないようだと呟きました。

 

タッシールは、

ここが1階であることを

自分だけ覚えているのかと

考えながら、自分が投げる短刀と

皇女が作り出す刃の速度が

どの程度違うのか計算してみて、

眉をつり上げました。

 

剣の方向が?

 

皇帝のシャツのあちこちから

血が流れているのに、

空中に一つ二つ現れる刃の方向は

皇帝に向かっていませんでした。

最初は皇帝に

向かっているようでしたが、

今は方向が全てごちゃごちゃで、

微妙に移動し続けていました。

 

どういう意味?剣が・・・

 

訝しがって呟いた瞬間、

刃が同時に振動しました。

これを見たタッシールが

何かを悟った瞬間、

すでに刃は皇帝ではなく、

彼らに向かって

乱射されていました。

 

メラディムは

タッシールを後ろにやると

水でできた盾を作り、

ギルゴールは体をねじって

剣を避けました。

 

クラインは剣を手に取って刃を阻み

カルレインは手で刃を

叩き落としました。

 

一度、刃を阻んで避けた人たちは、

刃が方向を変えて、

再び彼らに向かって飛んできたり、

新しい刃が生まれると

考えていました。

 

プレラ!止めて!

 

ラティルはブレラの腕をつかんで

首を横に振りました。

しかし、飛んでいった刃は

戻って来ることも

消えることもなく、

そのまま彼らを通り過ぎ、

部屋の外に飛んで行きました。

 

まさかクレリスに!

驚いた人たちが振り返る瞬間、

彼らが見たのは、

全身にプレラの刃が刺さった

議長でした。

彼もやはり、プレラが

自分に刃を放つことを

全く知らなかったのか、

目を大きく開けて

部屋の内側を眺めていました。

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前世の記憶はあっても、

今の自分は前世の自分とは違う。

ラティルは、魂が同じでも、

自分が

ドミスやアリタルとは違うことを

分かっていた。

けれども、プレラについては

そうだとは思えなかった。

それは、アニャドミスとの戦いが

壮絶過ぎたからなのでしょうけれど。

 

自分に向かって

数十本の刃を作っても、

自分はプレラを傷つけることは

できない。

きっと、アリタルも、

セルが、どれだけ攻撃しようとも

彼を傷つけることができなくて、

自ら、セルの手に

かかったのではないかと思います。

 

ラティルとプレラの間には

アニャドミスという壁が

あったけれど、ようやく、それが

取り除かれたように思います。