自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち ネタバレ 先読み 原作 51話 あらすじ マンガ 60、61、62話 カルレインの幻影を忘れられないラティル

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51話 カルレインの過去を知ったラティルでしたが・・

◇蘇った恋人◇

扉を開けたアイニは、

ピアノの後ろに

誰かが座っていることに

気がつきました。

外も部屋も暗く顔は

見えませんでしたが、

誰かの黒いシルエットが見えました。

歌声は止んでいました。

 

緊張していたアイニは、

やっとのことで、

 

誰なの?

 

と、かすれた声で尋ねました。

 

アイニは返事が来ないことを

望んでいました。

しかし、

それがヘウンの声であることを望み

彼の声でないことを望みました。

アイニは、自分でも何を望んでいるか

分からなくなりました。

しかし、

 

アイニ、私だ。

 

と戻って来たのはヘウンの声でした。

アイニは足の力が抜けてしまい、

壁に手を突きました。

 

アイニ

 

懐かしい声が、

再び彼女を呼びましたが

アイニは首を振り、

 

あなたは死んだでしょう?

 

と訴えました。

 

いくら懐かしい声でも

確かに彼は死んだ。

死んだところを見たのは

1人や2人ではない。

それなのに、

どうして死んだ人が現れたのか・・

 

ヘウンは、アイニが恋しくて、

あまりにも早く来てしまったと

答えました。

 

アイニは、彼がヘウンだという

証拠を示すように言うと、

彼は、

アイニが10歳の時に、

神殿に連れて行かれそうになって

自分が阻止したことと、

自分の13歳の誕生日に、

アイニがガラスで作った剣を

刃を向けてくれたことで、

アイニが父親に怒られたことを

話しました。

それは、ごく一部の人しか

知らないことでした。

 

目頭が熱くなったと思ったら

涙が出て来て、

アイニは唇をブルブル震わせました。

 

あなたは死んだのに。

 

アイニはとても怖いのに

足はヘウンのいる方へ向かいました。

しかし、彼がピアノの鍵盤を

バーンと叩いたので

彼女は驚いて立ち尽くしました。

 

闇の中から、

 

近くに来ないでください。

あなたを驚かせたくありません。

 

と苦しそうな声が聞こえてきました。

 

すでに驚いていると

アイニが返事をすると、

ヘウンは、

あまりにも早く来てしまったので

まだアイニを

近くで見ることはできないと

言いました。

 

何を言っているの?

 

質問したアイニは、

涙のせいで、

前がよく見えなかったので、

両手でさっと顔を拭きましたが、

頭を上げた時は、

黒い影が消えていて、

部屋の中には明かりが点いていました。

ピアノの前には誰もいませんでした。

アイニはヘウンの名前を呼びましたが、

ヘウンは見えませんでした。

足の力が抜けたアイニは

壁にもたれましたが、

そのまま、スルッと

床に滑り落ちてしまいました。

 

アイニは壁にもたれて座り、

足を抱えて涙を流しました。

 

やはり彼は生きていた。

生きて帰って来た。

でも、どうやって?

いったい、死んだ人が

どんな手を使ったの?

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◇酒に弱い人◇

翌朝、

まだ目覚めていない

カルレインを置いて、

自分の部屋に戻って来たラティルは、

幻想の中の

カルレインと赤毛の女性を思い浮かべ

カルレインが呼んでいた

ドミスという名は

あの赤毛の女性の名前だろうかと

考えました。

号泣していた2人の姿が

先の尖った石ころのように

チクチクと心臓に突き刺さり、

それが中に入り込んで

探すことができないくらい

隠れてしまったような気がしました。

 

カルレインが、

とても上手に迫って来たのは

切々とした千年の恋をしたからだと

ラティルは考えました。

 

その女と一緒に死ぬと言っていた

カルレインを思い出して、

ラティルは洗面器の水を

無駄にバシャバシャと

音を立てました。

仕事をしながらも、

ずっとそのことが思い浮かんだので、

ラティルは

公式なスケジュールを全て前倒しし、

個人的な仕事は

翌日に持ち越すことにして、

夕方、ラナムンを訪ねました。

熱烈に他の女性を

愛する側室のことは忘れ、

ラナムンと酒を飲みながら、

彼の本音を聞くつもりでした。

 

ラナムンはラティルを見るや否や、

彼女が側室たちを一人一人訪ねながら、

酒を飲ませていることを、

宮廷人たちが、ひそひそ話していると

冷たく言い放ちました。

 

ラティルは、

1人だけに気を遣うのではなく

全員に気を遣う必要があると

返事をしました。

ラナムンに言い訳をすることで

彼女はカルレインのことを

忘れることができました。

 

それに対し、ラナムンは

ラティルのことを、

生まれつきの浮気者と非難したので、

彼女は、

 

それなら帰ります。

6人を気遣う浮気者より

5人を気遣う浮気者の方が

いいでしょう?

 

と負けずにやり返すと、

ラナムンは

冷たく扉を閉めました。

 

6人をからかう浮気者

良いという意味ですね。

悪い女が好きなんだ。

 

とラティルは

ヘラヘラ笑いながらからかうと、

ラナムンの表情は、

そばに行けば

冷たさが感じられるのではないかと

思うほど、

いっそう冷たくなりました。

 

ラティルは、

 

お酒を飲みましょう。

怒らないでね。

 

と言って、

ラナムンの腕を引っ張って

椅子に座らせ、

直接、彼のグラスに

なみなみと酒を注ぎ、

鼻先にグラスを突きつけました。

こうでもしないと、

彼は飲まないような気がしました。

 

しかし、ラナムンは

疑い深い性格なのか、

ラティルが

あからさまに酒を勧めると

気まずそうに飲みませんでした。

そして、なぜ側室全員に

酒を飲ますのか尋ねました。

 

ラティルは、

やはり、5人続けて酒を飲ませるのは

おかしいと思われるのか、

ラナムンがこの程度疑うなら、

次のタッシールは

どれだけ疑うだろうかと

内心、舌打ちしました。

けれども、彼女は

何事もなかったかのように笑い、

 

お酒を飲むと

親しくなりやすいと言うでしょう?

本音も打ち明けたりするし。

私は即位したばかりで忙しいので、

あまり来られないから、

こんな風に親しくなりたくて。

 

と言い訳をしました。

 

親しくなるために

飲ませるわけではないけれど、

本音をさらけ出せというのは

事実なので、

半分は本当でした。

 

ラティルがもっともらしく

言い繕ったので、

結局、ラナムンは

躊躇いながらも酒を一口

ちびちびと飲みました。

 

これはひよこのおしっこ?

 

あまりにも少しずつ飲むので、

ラティルは

あり得ないと思いましたが、

無理矢理、

たくさん飲ますわけにもいかないので、

ラティルはおつまみを

ラナムンの口へ入れました。

彼は、ラティルが差し出したお菓子が

唇に触れると、驚きましたが、

すぐにゆっくりと口を開きました。

 

ラティルは何も考えずに

おつまみを差出しましたが、

ラナムンは

ラティルと目を合わせたまま、

口を開き、

長いおつまみを食べたので

ラティルは気まずくなり

腕を下げました。

ラナムンは、

そんなラティルの反応を

注意深く見ながら、

コリコリとおつまみを

ゆっくり噛みました。

そして、ラティルの耳が

赤くなっているのを見て、

ようやく満足して笑いました。

ラティルは

ラナムンの口元に浮かぶ笑顔が

露に濡れたバラのようだと

思いましたが、

再び、酒を勧めました。

ただ、酒を差し出すだけでは

変に思われるので

側室志願書に

特異事項として書かれていた

彼が幼い頃、

神殿に住んでいたことについて

尋ねました。

 

ラナムンは、それについて

長く話すつもりはないのか、

 

はい。

 

と短く答えただけなので、

それ以上、

会話は続きませんでした。

 

それに腹を立てたラティルは、

ラナムンは

本当に神官に似合わない。

もしも彼が神官だったら、

安らぎを得るためにやって来た人が

腹を立てて出て行くと

文句を言いましたが、

ラナムンは、せせら笑いながら

酒ばかり飲んでいました。

そして、

何とか口を開こうとしましたが、

彼は口を閉じて、突然、立ち上がり

ベッドへ向かいました。

 

酒を飲んでいる途中で、

歩いて行くのはおかしいと思い、

ラティルは、

どこへ行くのかと尋ねましたが、

彼は見向きもしないで、

ベッドに仰向けになりました。

 

ラティルは、まだ、

彼が何をしているのかわからず、

ラナムンの名前を呼びましたが、

彼は返事をする代わりに

蒲団をかけて目を閉じました。

そして、

1分もしないうちに寝てしまいました。

 

ラティルは慌てて

ラナムンを呼びましたが、

彼は微動だにしませんでした。

 

ラナムンは冷たいけれど、

全ての側室の中で、

礼儀作法は一番完璧でした。

ラティルの言葉を、

わざと無視するような人では

ありませんでした。

 

ラティルは、

ぐっすり眠っている

ラナムンの顔を見下ろして

呆れてしまい、失笑しました。

 

どうして、この子は

こんなにお酒に弱いの?

精神力を弱くして、

本音を聞き出す暇がないじゃない。

 

と呟きました。

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◇神への感謝

運動を終えた大神官は

 

空が明るく、太陽の光は暖かくて、

身体から力が湧いてくる。

これは、すべて

神の恵みのおかげだ!

 

と空を見上げて明るく叫ぶと、

通りかかった宮廷人は

彼を見て、

ひそひそ話しました。

 

侍従になりすまして

ハーレムに入って来た

修行司祭のクーベルは、

恥ずかしくて顔を隠しながら、

小さい声で話して欲しいと

頼みました。

しかし、大神官は

満面の笑みを浮かべながら、

腕の筋肉を見せて、

神は表すのが好きだと言いました。

 

クーベルは、

その言葉を否定しましたが、

大神官は、筋肉を見せながら

声高に叫ばなければいけないと

主張しました。

 

クーベルは、

なぜ、筋肉を露出させるのかと

尋ねると、大神官は、

多くの人が神に祈れば

声が混ざってしまうので、

大きく叫べば、

一番よく聞こえると言って、

両手を広げると、天に向かって

 

神様、ヤッホー!

 

と叫びました。

クーベルの顔は真っ赤になりました。

 

それは、

どこから出て来た論理なのか・・・

 

その様子を見ていた宮廷人たちは、

ひそひそ笑っていたので、

クーベルは膨れっ面をしました。

 

大神官が不器用なのは確かだけれど

そんな姿を

神様が一番愛しているのだから

いいんじゃないかと

言いたいことがたくさんあるのに、

それらを全て

飲み込まなければならないので、

もどかしく思いました。

 

すると大神官は

日光を浴びながら

食べないといけないので

アイスクリームを

2つ持ってくるように

クーベルに頼みました。

 

クーベルは調理室へ向かいました。

大神官は、先ほどの興奮を沈め、

日差しのように笑いながら

空を見上げました。

驚くべきことに、

口を閉じた彼の姿は

本当に、輝く海水のように美しく、

彼を盗み見て、

からかっていた宮廷人たちも、

思わず口を開けました。

しかし、すぐに彼らは、

愚かそうに見える6番目の側室に

感動したことに

プライドが傷つけられ、

すぐにその場を離れました。

 

その場に立っているのは

大神官1人になりました。

彼は1人で

澄んだ空気を感じて楽しんでいた時、

後ろでゾクゾクした感じがしました。

大変危険で、

身の毛がよだつような感じ。

彼が後ろを振り返ろうとすると、

誰かが、ものすごい力で

彼の背中を押しました。

 

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◇ケガをした大神官◇

ラナムンにお酒を飲ませた翌日、

ラティルはタッシールにも

酒を飲ませましたが、

彼は、

アルコールを独自に分解する

肝臓を持っているらしく、

いくら飲んでも酔いませんでした。

 

結局、ラティルは、

側室たちの精神力を弱める

別の方法を探そうと

頭を働かせました。

 

しかし、その日の午後、

ラティルが廊下を歩いている時、

第5警備団長が

息を切らしながら走って来て、

ラティルの前に跪くと、

喘ぎながら、

大神官が階段から落ちて

大けがをしたと報告しました。

第5警備団は、

ハーレムの警備を担当していました。

ラティルの知っている大神官は、

素手で敵の首をへし折り

地面に叩きつけて

気絶させるほど強靭なので、

彼女は本当に驚きました。

 

階段で転んでも、

階段の方が壊れる人なのに、

大けがをしたなんて。

少し足を踏み外しても

バランスが取れるような人なのに。

 

ザイシンが大神官と知った者の

仕業だろうか。

 

ラティルは慌てて

ハーレムへ駆けつけ、

彼のミスなのか、

誰かが押したのか尋ねました。

 

警備団長は、

 

ザイシンの侍従は、

彼の命令で

アイスクリームを取りに

調理室へ行っていたので、

彼の周りには誰もいなかった。

遠くで警備をしていたけれど、

不審者は誰も出入りしていない。

 

と消入りそうな声で報告すると

ラティルはぴたりと立ち止まり、

恐ろしい目で、

彼を睨みつけました。

第5警備団長は、泣きそうな顔で

再び跪きました。

 

ラティルは彼を怒鳴りつけるよりも

ザイシンが先だと思い、

走る速度を上げました。

 

ラティルは慌てて扉を開けて

部屋の中へ入ると

すでに宮医が到着していて、

大神官の身体に

包帯を巻いていました。

事案が事案なだけに、

他の側室たちも部屋に集まり、

ザイシンのベッドを囲んでいました。

 

ラティルは彼の名前を呼びながら、

彼のもとへ駆けつけ、

彼の手を握るや否や、

驚いたことに、

ずっと気を失っていたザイシンが

ぱっと目を覚ましました。

 

ラティルは、

ザイシンの顔をつかみながら

 

大丈夫?

 

と尋ねると、

彼は痛いと言っているかのように

眉を顰めました。

ラティルはすぐに手を離すと、

彼は唸りながら

寝返りを打ちました。

 

宮医は、

 

ザイシン様は、

とても陛下をお慕いしているようです。

侍従が泣き叫んでも、

全然、気がつかなかったのに。

 

と感嘆したように言いましたが、

ラティルは笑えませんでした。

彼女は何も言わずに

ザイシンが落ち着くのを待ち、

彼が、肋骨と足の骨が

全て折れていると

訴えていることを聞きました。

 

ラティルは、

 

どうしたの?

急に階段から落ちるなんて。

 

と尋ねました、

彼はラティルの手を握り、

すすり泣きながら言いました。

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そもそも、ダガ公爵が

ヘウンを裏切らなければ

アイニは恋人を失わずに済みました。

元々、ダガ公爵は

ヘウンを支持していましたし、

彼が皇帝になっても、

アイニは皇后になれたのに、

なぜ、ダガ公爵が、

ヒュアツィンテの申し出を受けて、

ヘウンを裏切ったのかわかりません。

自分の娘を皇后にし、

その子供を跡継ぎにできれば、

ヒュアツィンテとヘウンの

どちらが皇帝になっても

良いと考えていたのでしょうか。

もしかしたら、ダガ公爵は

自分の意のままになる人間を

皇帝にしようと画策し、

娘と恋仲のヘウンを、

その気にさせたのかもしれません。

ただ、ヘウンが生き返って、

すぐにアイニに

会いに来た様子を見ると、

彼は皇帝になるには

気が弱そうな感じがします。

ヘウンが皇帝になることに

反対した人もいたでしょうから、

娘が皇后になれるなら、

ヒュアツィンテが皇帝でも

良いと思い、

心変わりしたのでしょうか。

父親の身勝手で、

恋人を失ったアイニが

可哀そうだと思います。

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