116話 麗奈と智彦を心配する九条家の人々の前に現れたのは・・・
智彦が意識を取り戻したのかと
尋ねる咲恵に、麻里子は
もう大丈夫だと答えました。
栄治は、
雅紀の育て方を間違えたと
謝りました。
栄治の手の上に
自分の手を重ねた咲恵は、
栄治のせいではない。
自分も雅紀の母親だ。
栄治が間違えたと言うなら、
自分も間違えたと謝りました。
そして、智彦や麻里子よりも、
気を遣って育てたつもりだったけれど
十分ではなかったようだと
自分を責めました。
麻里子は、
脱獄に殺人未遂の罪まで加わり、
雅紀は、簡単に刑務所から
出て来られないと思うと言いました。
宮本は、
雅紀も反省していると思うので
出所するまで待とうと言いました。
すると、そこへ誰かがやって来たので
麻里子が応対すると、
インターホンのカメラに
璃香の姿が映っていました。
璃香は子供を連れていて、
九条家の人々に
久しぶりだと挨拶をしました。
麻里子は、
なぜ、ここに来たのかと尋ねました。
璃香は、
この子を1人で育てることは
できないと言いました。
憐れむような顔の栄治と怖い顔の咲江。
璃香は、当分の間、
この子を預かって欲しい。
自分もここで
暮らせるようにして欲しいと
笑顔で頼みました。
咲恵は、
預かるのは難しくないけれど、
その子が本当に雅紀の子供なのか
確認しなければ
ならないのではないかと尋ねました。
咲江を睨みつけ歯ぎしりする璃香。
栄治も、
その子が確実に雅紀の子なら
受け入れられないという理由はない。
親子鑑定は、こちらで行うけれど
大丈夫ですよねと確認しました。
璃香は、もちろんだと答えました。
咲恵は、
璃香が赤ん坊の涎を拭いた
ハンカチを、
自分にくれないかと言いました。
璃香は手を震わせながら、
咲江にハンカチを渡しました。
咲恵は、
ハンカチを握りしめ、
結果が出たら連絡する。
それまで待っているようにと
璃香に告げました。
麗奈の見舞いに来たジェイミーは
本当に大丈夫なのかと尋ねました。
麗奈は、
自分は大丈夫。
赤ちゃんたちも無事だと
医者に言われたと答えました。
ジェイミーは、
知らせを聞いてどれだけ驚いたことか。
また、麗奈を失うと思ったと言って
涙ぐみました。
麗奈は、
ジェイミーの手を握りながら
彼女を心配させたことを謝りました。
ジェイミーは、
大丈夫。
こうやって生きていれば
それでいいと返事をしました。
そして、麗奈を抱き締めると、
まだ、彼女にしてあげられないことが
たくさんある。
自分は一日一日がとても大切だと
言いました。
麗奈も、
母親とやりたいことが
本当にたくさんある。
赤ちゃんたちを見せたいし、
旅行も行きたいし、
買い物もしたい。
面倒だと文句を言ってはいけないと
言いました。
ジェイミーは、
麗奈がそう言ってくれたことに
感謝しました。
ホテルのベッドに子供を寝かせ、
自分もベッドに座っている璃香は
親子鑑定の結果を見ました。
あり得ないと身体を震わせる璃香。
検査結果には、
璃香の子供が、雅紀の実子とは
認められないと書かれていました。
璃香は涙を浮かべて、
子供を見つめながら、
それでは、お前は・・・と
呟きました。
刑務所にいる恵美に会いに行った璃香は
自分はとても大変だと
恵美に訴えました。
恵美は、
雅紀はどうした?
結婚はするのか?
自分は、もうすぐ出られるよね?
と矢継ぎ早に叫びました。
璃香は、
何を言っているのか。
ニュースを見ていないのか。
どうやって結婚するのか。
雅紀は拘置所にいると
言い返しました。
そして、躊躇いながら
この子は雅紀の子ではないと
告げました。
恵美はショックを受け、
それは、どういうことなのかと
尋ねました。
璃香は、
自分も信じられない。
これが現実でなければいいのにと
叫びました。
恵美は、
それでは、その子は誰の子供なのか。
まさか・・・と尋ねると、
璃香は、
自分は行く当てもないけれど
どうしよう。
通帳の残高も底をつきそうだ。
恵美はお金を持っていないのかと
尋ねました。
顔色が変わり、呆然とする恵美。
その時、璃香の子供が泣きました。
璃香は涙ぐみながら、
泣かないで。
自分はとても大変だからと言って
子供をあやしました。
恵美は、
もう終わりだ。
自分よりはましだったと思った
この馬鹿な娘のせいで全て失敗したと
泣きながら、璃香を責めました。
璃香は堤家を訪れました。
仁志は、なぜここに来たのかと
尋ねました。
璃香は、自分を助けて欲しいと
頼みました。
家の中で、仁志と璃香は
並んでソファーに座り、
璃香は仁志に、
少し助けて欲しい。
自分はとても大変だ。
母親は刑務所へ行き、
自分は一人残されて、
赤ちゃんまで産んだと話しました。
仁志は、
それは残念だと返事をしました。
璃香は、
住む場所が必要だ。
ここに住みながら子供を・・
と言いましたが、
仁志は、それはダメだと断りました。
璃香は、
頼る所がなく途方に暮れていると
仁志に懇願しましたが、
彼は、断固として断りました。
そして、これが最後だと言って
お金が入っていると思われる
白い封筒をテーブルの上に置くと
これで最後だ。
これ以上、訪ねて来ないでと
璃香を拒絶し立ち上がりました。
璃香は、
最後だと言われたことを嘆き、
自分を可愛がってくれたのに、
20年も家族として暮らして来たのに
どうして、
こんなに薄情になれるのかと
仁志を責めました。
彼は、
璃香の母親がしたことを
考えるように。
麗奈と彼女の子供たちのためにも
璃香を受け入れることはできない。
璃香にしてあげられるのは
ここまでだと言って
璃香に背を向けました。
青ざめる璃香。
璃香は心の中で、
これは全て麗奈のせいだと
恨み言を言いました。
そして、封筒を掴むと、
仁志を睨みながら、
碧人がどこへ引っ越したのか、
調べて欲しいと頼みました。
子供の父親は碧人のようですね。
彼を懐柔するために、
璃香は自分の身体を
使っていたということなのでしょう。
とんでもない女だと思います。
恵美も璃香を頼れなくなった途端、
彼女を罵るのはひどい。
この母にして娘あり。
彼女たちの不幸は、
自分たちがしたことの
結果を招いているだけなのに
少しも反省していない2人は
救いようがないと思います。