自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち 515話 ネタバレ 先読み 原作 あらすじ 明るいアガシャと尋常でない気配

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515話 ラティルはサーナット卿に、子供が持てるかと聞きましたが・・・

◇やはりダメ◇

子供と聞いて、

サーナット卿の目は

とても大きくなりました。

ラティルは、

子供がいなければならないと思うと

呟きました。

 

後継者がいなければ、

他の皇族に皇位継承権が

移ることになります。

ラティルは、レアンやレアンの子、

あるいは異母兄弟姉妹の子供が

後継者になる姿を想像するだけで

震えました。

仲の良い時のレアンであれば、

全てを与えても

惜しくなかったけれど、

自分を裏切ったレアンには

何も与えたくありませんでした。

 

子供が必要だと思ったラティルは

改めて不安が湧き起こり、

思わず起き上がりました。

覚醒すれば子供を産めないので、

その前に必ず1人、

子供を産まなければならず、

覚醒しなくても、最悪の場合、

自分が死ぬこともあるので、

後継者が必ず必要でした。

そうでなければ、

自分の嫌いな人やその子孫が、

自分が命を捧げて

成し遂げた全てのものを

占めることになるかもしれない。

そんなことになれば、

死んでも死にきれないと

思いました。


サーナット卿は震える目で

ラティルを見つめながら、

彼女を呼ぶと、ラティルは、

ギルゴールは、

今は子供を持てないようだけれど、

昔は持てたようだ。

それならば、サーナット卿も

可能ではないかと聞くと、

サーナット卿は、耳元を赤く染めて、

可能だと思うと答えると

彼は困惑したように、

視線をあちこちに向け、

ラティルと、まともに目を

合わせることができませんでした。

 

ラティルは、彼が以前

自分が胸に手を置いた途端、

離してしまったことを

思い出しました。

サーナット卿は、そういう経験が

全くないのだろうか。

それで、あんなに

震えているのだろうか。

そんなサーナット卿を、

ラティルは可愛いと思いました。


しかし、すぐラティルは力が抜けて

再びサーナット卿の足を枕にして

横になりました。

一瞬、熱烈な感情が

湧き起こったものの

側室の半分が不在の状況で寝るのも、

それも少しおかしいと

思ったからでした。

 

きちんと寝ることができるだろうか。

今、サーナット卿と寝れば、

ここにいない側室たちのことを考えて

ため息ばかり出そう。

そんな自分を見て、サーナット卿は、

自分が悪かったのではないかと

思うはずです。

やはり、ラティルは

今はするべきではないと思いました。

 

彼女は「いや、いい」と呟くと

その言葉に驚いたように、

サーナット卿は、

ラティルの手をギュッと握って

自分は子供を持てると答えました。

ラティルは目を丸くして

サーナット卿を見つめると、

彼は再び、子供が持てると言いました。

 

ラティルは、

訝し気に彼を見つめながら、

本気なのかと尋ねました。

サーナット卿は

視線を避けませんでした。

 

ラティルは、

サーナット卿の足の上に乗せている

自分の手のひらを見つめ、

徐々に手の位置を移してみました。

すると、ラティルとしっかり

目を合わせていたサーナット卿が

手の動きに合わせて

身震いし始めました。

 

ラティルは、

その反応を見守りましたが、

やはりダメだと思い、

手を上げると、立ち上がりました。

 

目を半分閉じていたサーナット卿は

素早く目を開けると、

ラティルを揺れる瞳で見つめながら

どうしてなのかと尋ねました。

ラティルは、

考えてみれば、まだサーナット卿は

側室ではないと答えました。

しかし、本当の理由は、

側室の半分が席を外した状態で

寝る気にならなかったからでした。

 

しかし、ラティルは、

本音を打ち明ける代わりに、

淡々と笑うと、サーナット卿の足を

ポンポン叩き、膝枕をしてくれたことに

お礼を言いました。


ところが、サーナット卿は、

突然両手で自分の顔を覆いました。

その姿が涙を隠しているように

見えたので、ラティルは驚き、

彼に泣いてるのかと尋ねました。

サーナット卿は、

よろよろと立ち上がりながら、

泣いているのではないと答えました。


ラティルは、

彼と一緒に立ち上がりながら

それでは、どこか痛いのかと

尋ねました。

泣いていなくても、

急にあんな態度を取られたら、

心配せざるを得ませんでした。

しかし、サーナット卿は、

差し迫っているような声で、

少し、待って欲しいと頼みました。

 

その態度に、

ラティルは手を宙に浮かべたまま

ぼんやりと眺めていると、

サーナット卿は

顔を隠し続けたまま、

少し、瞑想をしなければならないと

呟きました。

 

急に、瞑想すると言い出した

サーナット卿に、

ラティルは驚きましたが、

サーナット卿の手の間から

少し見える、彼の真っ赤な肌を見て、

彼女は、ようやく口をつぐみました。

そして、彼のように、

顔に熱気が上がってくると、

消入りそうな声で、

もしかして自分が太もも・・・と

言ったところで、

サーナット卿は

素早く首を振りました。

彼は、何も言わないことを

望んでいるようでした。

 

ラティルは躊躇いながらも、

布団を引っ張って、彼にかけながら、

窓を開けた方がいいかと尋ねました。

サーナット卿が頷いたので、

ラティルはベッドから起き上がり、

窓を開けに走りました。

◇明るいアガシャ◇

サーナット卿は、

ベランダで冷たい風に当たりながら

外の景色を眺めていた時、

また、振られたのかと、

後ろから明るい声が聞こえました。


サーナット卿は驚いて

後ろを振り向くと、アガシャが

大きなカップに入れたココアを持って

近づいて来ました。

サーナット卿は、

その姿が妹のように思え、

微かに微笑むと、

今度は振られたわけではないと

答えました。

 

アガシャは、

サーナット卿の顔が前より明るいので

そのように見えるけれど、

それでも、そんなに明るくはないと

指摘しました。

サーナット卿は苦々しく微笑むと、

じっとしていて辛いよりは、

走りながら辛い方がましだと

思うことにしたと返事をしました。

 

アガシャは、サーナット卿が

辛い恋をしているようだと

指摘すると、サーナット卿は、

ラティルの笑顔を思い浮かべながら

頷きました。

 

アガシャは、

サーナット卿から少し離れた

ベランダの欄干にもたれかかり、

彼が眺めていた景色を

じっと見つめながら、

その人もサーナット卿のことを

愛しているのかと尋ねました。

サーナット卿は、

その人は自分のことが

好きではあると答えました。

アガシャは、

愛ではないのかと尋ねました。

 

サーナット卿は、

すぐには答えられませんでした。

ラティルは愛だと言っていたけれど

それは愛なのだろうか。

彼が感じている感情と

ラティルが感じている感情は

非常に違いました。

彼の感情が愛なら、

彼と違う感情も愛なのだろうかと

考えたサーナット卿は、

愛というには友情のようで

友情というには愛のようだ。

友情に毛が生えた程度の愛だと

答えました。

 

アガシャは、

サビがそうなのかと尋ねました。

サーナット卿は、

自分が見たところではそうだ。

しかし、人それぞれ違う恋をするので

もしかしたら、

自分の偏見かもしれないと答えました。

 

ラティルはヒュアツィンテと

付き合っていた当時、

完全に一人に没頭していました。

しかし、今のラティルが見せる愛情は

その時期の愛とは

確かに違っていました。

それは、

ロードとして目覚めるためなのか、

それとも君主になったためなのかは

分からないけれど、

一人だけを完全に愛していた時代の

ラティルを見いていたせいか、

サーナット卿は、

ラティルが見せる愛が、

愛情混じりの友情に近いものに

思われました。

アガシャは、

そんなサーナット卿を見て

舌打ちしましたが、

「頑張れ」と励ましました。

 

サーナット卿は、いつもアガシャに

慰められていると言うと、彼女は、

そうだったけれど、もう、それが

できなくなると告げました。

 

サーナット卿は、考えるの止めて、

アガシャをじっと見つめると、

それは、どういうことなのかと

尋ねました。

 

アガシャはココアを飲んで

ため息をつくと、

怪物たちが、

あちこちで出現しているので

両親が心配している。

3日後くらいに帰るつもりだと

答えました。

 

サーナット卿は、

タリウムの外はもっと危ないと思うと

心配しましたが、アガシャは、

だからといって、自分一人だけ

安全な所にはいられないと言って

ニッコリ笑いました。

 

そして、アガシャは、

サーナット卿に向かって

カップを持ち上げると、

彼は躊躇いながら拳を握り、

友達同士で拳を打つように、

カップを軽く叩きました。

 

アガシャはココアを一気に飲み、

サーナット卿に向かって

親指を立てました。

そして、

サーナット卿は、

自分が見たすべての男性の中で、

一番魅力的なので、

くじけないでと励ましました。

 

サーナット卿は、

「そうですか?」と聞き返すと、

アガシャは、

もちろん、そうなので、

自信を持って彼女に近づくようにと

アドバイスしました。

 

サーナット卿は、

自信があると答えると、

アガシャは、

彼女とうまくいったら、

結婚式に招待してと言いました。

 

結婚式と聞いて、サーナット卿は、

側室の誓約式と皇族の結婚式を

思い浮かべて笑いました。

どちらにしても、それに招待すれば、

アガシャは驚くと思いました。

自分とアガシャの婚約を

本当に信じている人たちは、

もっと驚くと思いました。

 

サーナット卿は、

分かった。後で驚かないでと

意味深長に告げると、

アガシャはフフフと笑い、

自分は先に寝ると言って、手を振り、

サーナット卿に背を向けました。

 

ベランダのカーテンを通り抜けて

廊下を歩いて行くアガシャは

チラッとサーナット卿を振り向くと、

また、笑いながら

彼に手を振りました。

 

彼女は、本当に明るいと思いながら

一緒に手を振ると、

バタンという音がして床が振動し、

サーナット卿はよろめきました。

 

素早くバランスをとった

サーナット卿は、

何が起こったのか、すぐに把握できず

しばらく前を、

ぼんやりと見つめていると、

前方に毛だらけの大きな身体が

ありました。

あまりにも巨大で、

一体、どれだけ大きいのか、

その身体が何なのかも

分かりにくいほど巨大で、

生きている身体のような肉の塊が

ゆっくりと呼吸していました。

廊下は壊れていて、その身体は、

あちこち体をひねりながら

狭い家から、

抜け出そうとしていました。

 

遅ればせながら、

サーナット卿の目が

だんだん大きくなって行きました。

サーナット卿は、

アガシャの名前を叫びました。

◇尋常ではない気配◇

ロード!起きなさい!

 

その声にラティルは驚いて

目を覚ましました。

しかし、部屋の中には

誰もいませんでした。

しかし、もう一度、

 

ロード!

 

と呼ばれたので、

ラティルは声がする方の窓へ

行ってみました。

そこには、水流の上に座っている

メラディムがいました。

 

ラティルは、すぐに窓を開けて、

どうしたのかと尋ねると、

メラディムは、

尋常でない気配が押し寄せている。

すぐに避難所を作った所へ、

人々を送った方が良いと答えました。

ラティルは、

一層、目を大きく開きました。

 

ラティルは、

 

尋常でない気配?

 

と聞き返すと、メラディムは、

それは、地下から

押し寄せて来ている。

自分たちは湖の底にいるので

振動がよく感じられると答えました。

 

ラティルは慌てて頷くと、

扉の方へ走って行き、

手を伸ばしてマントを取りました。

足で蹴るように扉を開けたラティルは、

マントを羽織ると、

 

鐘を鳴らしなさい!

人々を避難させなさい!

 

と叫びました。

 

当直中の侍女たちは驚いて、

ラティルに近づくと、

皆、寝ている時間なのに、

急に避難所へ移動するのかと

尋ねました。


しかし、ラティルは

説明する時間もなかったので、

すぐにサーナット卿を探しました。 

しかし、別の近衛騎士が現われ、

団長は当直ではなかったので、

家に帰ったと話しました。

 

確かに、サーナット卿は

当直ではなかったけれど、

彼は、念のため、

ここにいると言いました。

しかし、ラティルは

あまりの恥ずかしさに、

彼に、早く帰れと言ったのでした。

 

ラティルは、

 

鐘を鳴らしなさい!

人々を避難させなさい!

 

と再び叫ぶと、騎士たちは、

わけが分かりませんでしたが、

急いで廊下を走って行きました。

 

ラティルは、

自分もマントを羽織りながら

城壁に駆けつけました。

長い城壁の階段を

一気に上ったラティルは、

隣の見張り小屋を見ました。

 

当直の兵士たちは

見張り小屋に上がっていましたが、

命令を伝える兵士たちが

まだ来ていないようでした。

しかし、すぐに下から、

他の兵士たちが、鐘を鳴らせと

叫び続けながら、走って来ました。

 

当直の兵士たちが、

急いで鐘を鳴らし始めると。

次第に他の鐘塔に

広がり始めました 。

このように首都全体に鐘の音が鳴ると、

人々が避難する仕組みに

なっていました。

 

ラティルは、

いつの間にかそばに来ていた

メラディムに、

人々が、無事に

非難しなければならないのに、

まだ、避難所が完成していないし、

まだ避難訓練をしていないと

不安を打ち明けました。

 

ラティルは、城壁の外側を見ました。

人々が右往左往して、

出てくるのが見えました。

彼らは、どの避難所に行けばいいのか

分からず、走り回っていました。

 

ラティルはメラディムに、

尋常ではない気配とは

どういうものかと尋ねると、

メラディムは、自分も見なければ

分からないけれど、何かゴロゴロと・・

と言いかけているところで、

首都の至る所の地面の中から、

奇妙な光が噴出し、黒い空に

奇妙な模様を描き始めました

ラティルは、

あれは何かと尋ねると、

メラディムは、魔法陣みたいだと

答えました。

 

ラティルは、

なぜ、あそこに魔法陣がと

訝しく思っていると、

光が描いた魔法陣の中央部から、

家のような大きさの怪物たちが

落ちてきました。

次から次へと、

叩きつけるような音が響くと共に、

あっという間に、

目の前の数軒の家が、

それらの下敷きになって壊れました。

ラティルは、

 

ダメ!

 

と叫びました。

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どうか、明るくて気立ての良い

アガシャが無事でありますように。

 

ラティルは、

サーナット卿がどう思うか

考えもせずに、

彼が子供を持てるかと

聞いたわけではなく、

本気でサーナット卿との間に

子供を持とうとしていたのですね。

 

ラティルは皇帝なので

気丈に振舞ってはいるものの、

クラインが拉致されたり、

怪物が現れたりと、

精神的に参っていると思います。

それを慰めて欲しくて、

つい身近にいるサーナット卿を頼り

そのまま、サーナット卿との間に

子供を作ってもいいかもしれないと

考えたのかもしれません。

 

それでも、

側室ではないサーナット卿と

現時点で寝ることを、

考え直せてよかったと思います。

側室が半分以上、留守の時に、

サーナット卿と

そのような関係になって

子供が生まれたら、

何を言われるか分かりませんし、

サーナット卿と一緒に

ベッドに入っているところへ

メラディムが来たら、

ラティルは会わす顔がないと思います。

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