自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち 543話 ネタバレ 先読み 現作 あらすじ 紛糾するカリセン大臣たちの意見

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543話 ラティルはヒュアツィンテと大臣たちが会議をしている場で、マントのフードを脱ぎました。

 

眉をひそめていた

ヒュアツィンテの額は、

ラティルを見るや否や

一気に広がりました。 

 

どれだけ驚いたのか、

ヒュアツィンテは、

以前のように格式ばらずに

「ラティル!」と呼びながら

立ち上がりました。

周りの貴族たちも

ラティルの顔に気付き、

ざわめきながら立ち上がりました。

ラティルは担いで来た

気絶している黒魔術師を机の上に置き

彼は宮殿を攻撃した黒魔術師で、

たまたま出くわしたので、

捕まえて来たと言いました。

 

その言葉に、貴族たちは

一気に静かになりましたが、

しばらくすると、

ラティルの言葉の意味を

完全に認識したので、

会議室の中は騒々しくなりました。

 

あの岩を召喚していた

黒魔術師を捕まえたのですか?

 

一体どうやって捕まえたのですか?

 

数時間前に、

また岩が落ちたという報告が

ありましたが?

 

ラトラシル皇帝は、

この前、突然ゾンビが襲撃した時も

見事に阻止されました。

 

ラトラシル皇帝も対抗者ですよね?

 

そういえば、タナサンにも、

タリウムの皇帝陛下が現れ、

人々を救ったと聞きました!

 

どうして、すぐに

そこへ行ったのですか?


貴族たちはラティルを

質問攻めにしましたが、

ヒュアツィンテが手を上げると

ようやく人々は黙りました。

しかし、聞きたいことが

たくさんあるように見えました。

 

宰相は、

ヒュアツィンテと向かい合う

別の上座の椅子を用意してくれたので

ラティルはそこに座りました。

ゲスターは静かに

ラティルの隣の席に座りましたが、

わざと顔を隠し続けていました。

 

ラティルは、

何か理由があるのだろうと思い、

ゲスターにフードを脱げと言う代わりに

すぐにヒュアツィンテに、

ここへ来たのは

ヒュアツィンテ皇帝のおかげだと

言いました。

 

彼は、「自分のおかげ?」と

聞き返すと、ラティルは

伝書鳩は実に賢かったと答えました。

 

ヒュアツィンテは、

まさか、自ら訪ねて行ったのかと

尋ねると、ラティルは、

伝書鳩は手紙をくわえて飛んで来た。

書いている途中の手紙だったけれど

そこに血が垂れていたので、

カリセンに何かあったことを知り、

急いで訪ねて来たと答えました。

ラティルは、カリセンに来た経緯が

全く怪しくないことを伝えた後、

わざとらしく自信満々に笑いました。

 

そして、

色々なことで喧嘩もしたけれど、

カリセンには

助けられたこともあるので、

当然助けなければならないと

言いました。

 

大臣たちは、

ゾンビ事件の時にも

ラティルの活躍を見ましたが、

今はその時より

被害がはるかに大きく、

威圧的であったためか、

突然現れた勇士を眺めるように

ラティルを見つめました。

 

ヒュアツィンテも

ラティルの手紙の話に

一瞬、瞳が揺れましたが、

微笑みながら、

タリウムの皇帝に

大きな恩恵を受けたと感謝しました。

 

ラティルは、

この黒魔術師の話によれば、

死者たちは

地下に集めておいたそうだと

伝えました。


死者の話が出ると、

ヒュアツィンテの笑顔は

あっという間に消えました。

ラティルは、

その姿を気の毒に思いながら、

遺体は宮殿に戻ってから

回収するようにと勧めると

ヒュアツィンテは、

ようやく表情を整え、

重苦しく微笑むと、

それについても、

ラティルにお礼を言いましたが、

タリウム皇帝が

直接、カリセンに来ても大丈夫なのかと

心配しました。

 

ラティルは、

代役を立てておいた。

自分がここにいるのは

タリウムでも

ごく少数の人しか知らないので

他言無用でお願いしたいと頼みました。

 

宰相はラティルに、

今の敵の状況はどうなのかと

尋ねました。

ラティルは、

襲撃者は彼一人だけだけれど、

彼が合図をすれば、仲間たちが

来ることになっているようだと

答えました。

 

話を聞いていたロズータ卿は、

今後、ヒュアツィンテ皇帝は

どうするのか。

ラトラシル皇帝が来たので、

力を合わせて、

この黒魔術師の仲間を捕まえるのか。

それとも、まず宮殿に

戻るつもりなのかと尋ねました。

 

それを聞いた瞬間、

ラティルは、ここに来る間

ずっと思い出せそうで

思い出せなかったことが

ついに思い浮かんだので、

胸がすっきりし、

立ち上がりかけましたが、

しかし、いざその話をしようとすると、

あまりにもデリケートな話題なので

なかなか口に出すことが

できませんでした。

 

ラティルは

何度か唇を尖らせながら、

まずは適当なタイミングを

計ることにし、

ヒュアツィンテが大臣たちと

話をするのを静かに見守りました。 

 

この黒魔術師の仲間も

確実に捕まえた方が安心だろう。

 

この者の仲間が、

この者を救おうとするのか、

それとも、

自分は他の所へ逃げてしまうかが

ポイントだ。

 

急いで宮殿に戻ってから、

また同じようにやられると、

被害が大きくなる。

 

そんなやり方では、どこにいても

そのような攻撃を受ける。

恐れてばかりいては何もできない。

 

ラトラシル皇帝がおられる間に、

助けを借りて

敵を倒すことはできないでしょうか?

ラトラシル皇帝陛下には

黒魔術師を制圧する能力が

あるのでしょう?

 

ついに、大臣の1人が

ラティルに意見を聞いてくれたので

彼女は、

この機会を逃しませんでした。

ラティルは、

自分の意見を聞いてくれたことに

お礼を言うと、ヒュアツィンテに

聞きたいことが

一つあると言いました。

ヒュアツィンテが許可すると、

ラティルは、

敵がアイニ皇后を要求していることを

この黒魔術師から聞いたと、

穏やかな口調で話しました。

その言葉に、

列席者は同時に冷ややかになりました。

しかし、ラティルは毅然とした態度で

どうすることにしたのかと尋ねました。

大臣たちは互いに見つめ合いました。


これは、非常にデリケートな問題で

味方同士でも話し合うのが

難しいテーマなのに、

他国の皇帝が絡んでいれば

当然、答えにくいはずでした。

しかし、ラティルは

自分の考えた計画を実行するために

どうしても、この質問を

しなければなりませんでした。

 

ついに宰相が

ヒュアツィンテの顔色をうかがい、

彼がそっと頷くと、宰相は、

実は、その問題を

話し合っていたところだったと

慎重に答えました。

ラティルを他国の皇帝ではなく、

少し前に自分たちを助けてくれた

対抗者として

扱おうとしているようでした。

 

ラティルは、

彼に感謝の意を表するために

傲慢な態度を取らずに慎重に頷くと、

難しい問題だ。

敵は困難な要求をしていると

指摘しました。

 

宰相は、

結論を言うと、

まだ意見がまとまっていないと

言いました。

 

ラティルが「そうですか」と

返事をするや否や、

ヒュアツィンテは

敵はアイニ皇后が対抗者だから

彼女を狙っている。

当然、送ってはいけないと

断固として主張しました。

どうやらヒュアツィンテは、

アイニを送ることに

反対しているようでした。

 

宰相は、

その言葉が気に入らないのか

眉をひそめました。

ラティルが知る限り、

宰相はヒュアツィンテ派でしたが、

この件に限っては

意見が違うようでした。

 

ヒュアツィンテの断言と

宰相の反応をきっかけに、

すぐに色々な意見が

あちこちで飛び交い始めました。

 

体面も重要だけれど、

それより重要なのは実利です。

敵はすぐに空から岩を

召喚しています。


敵が皇后陛下の命を奪った後、

どう出てくるか、

どうやってわかるのか?

そもそも黒魔術師などというものは

信用できない。


しかし皇后陛下を渡さなければ、

どのような形であれ、

敵が出てくるのは確か。

脅迫だけに留まらず、

実際に、脅威を与える連中がいる。

 

皇后陛下を渡して、

カリセンが無事であれば、

カリセンはあっという間に

笑いものになるだろう。

 

笑い物になっても

生きなければならない。

それに、皇后陛下は元々、

黒魔術師たちと妙な

交流をしていたのではないか。


私も同感だ。

敵が皇后を狙うのは、

対抗者だからなのか

黒魔術のせいなのかは分からない。

対抗者だからという理由で

皇后を狙うのなら、

なぜ、タリウムの皇帝や

ラナムン・アトラクシーは

狙わないのか?


1人ずつ、排除して行こうとする

策略かもしれない。

皇后を引き渡したら、次は・・・

すみません、ラトラシル陛下。

 

大臣は興奮して話しながら、

慌ててラティルに謝ると、

彼女は大丈夫だと手を振り、

それも十分、あり得る意見だ。

アイニ皇后は1人だけカリセン人で、

自分とラナムンはタリウム人なので

敵はアイニ皇后から

狙っているのかもしれないと

言いました。


興奮した大臣は

ラティルに軽く敬礼すると

敵の狙いは、

自分たちに害を及ぼし、

彼らのためになることだ。

単にカリセンの権力を

必要としているなら、

皇帝陛下から狙ったはず。

しかし、

皇后陛下を要求したということは、

敵にとって、皇后陛下

害になるからだと

再び熱烈に話し続けましたが、

今度はヒュアツィンテを

引っ張り出したので、

大臣は彼に謝罪しました。

ラティルは

自分の口を責めているかのように

大臣が口を叩くのを見て、

心の中で感心しました。

 

興奮すると、

自分より地位の高い人を

引き合いに出すことが多いものの

洞察力も優れている

大臣のようでした。

アニャドミスが

アイニを狙っているのは

彼女がアニャドミスに、

最も害を及ぼすからだと

知っているラティルは

最後の発言をした大臣に注目しました。

 

しかし、全体的に意見は

躓いていました。

誰の意見も、もっともらしいし、

アイニを送っても送らなくても

問題が生じる余地があり、  

敵の思惑が分からないため

議論は終わりませんでした。

 

その時、ある者が

気絶した黒魔術師を指差し、

この者に、敵が

アイニ皇后陛下を欲しがる理由を

聞いてみたらどうかと

ラティルに提案しました。

彼女は、

彼は知らないだろうと

淡々と答えました。 

 

この黒魔術師は、

ラティルが、ただの普通の対抗者だと

思っていました。

あのクロウという黒魔術師は

知っているかもしれませんが、

この黒魔術師は、

アニャドミスが

対抗者の魂を持っていることも

当然知らないだろうし、

アニャドミスが、

なぜアイニを狙っているのかも、

知らないに違いないと思いました。

 

大臣は、ラティルがすでに

そのことを聞いたのかと尋ねました。

ラティルは「いいえ」と答えました。

大臣たちは戸惑いながら

ラティルを見つめました。

この期に及んで、他国の皇帝は

冗談を言ったりしないだろうと

思いながらも、

気まずそうな様子でした。

ヒュアツィンテも首を傾けながら

ラティルをじっと見つめました。

 

一方、ラティルは

長い待ち時間が終わったことに

気づきました。

誰もが好きなだけ発言し、意見を出し、

答えが出ない状況を見ました。

今、ラティルが計画したことを

話しても

受け入れられる状況が整ったと

思いました。

 

ラティルは、

けれども、大丈夫。

敵が何を望んでいるかは

自分が知っていると

ゆっくりと口を開きました。

大臣たちは驚いて

ラティルを見つめました。

彼らは、

敵が望むものとは何かと尋ねると

ラティルは、アイニ皇后だと

答えました。

ラティルの言葉に大臣たちは

同時に顔をピクピクさせました。

ここに集まっている

全ての人が知っていると、

言いたそうな表情でした。

 

しかし、ラティルは

冗談を言ったわけでは

ありませんでした。

ラティルは真剣な表情で

大臣たちを一度見回しました。

特にアイニ皇后を渡してはいけないと

主張していた大臣たちを中心に

見回しましたが、ゲスターは不安なのか

ラティルの方を

しきりにチラチラと見ました。

彼の指がテーブルの下で

ずっと小刻みに震えているのが

見えました。

 

ラティルはそっと手を伸ばして

ゲスターの手を一度握った後、

自分はアイニ皇后を

敵に送ることに一票を投じると

ゆっくりとした口調で言いました。

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当初の予定では、

ヒュアツィンテの無事さえ

確認すれば、ラティルは、

すぐにタリウム

帰るつもりだったと思います。

ところが、いきなり敵が現れるし

狐の穴が壊れてしまったりと、

しばらくカリセンに滞在せざるを

得なくなりました。

非常に焦りを感じている中でも

ラティルは

そんなことをおくびにも出さず、

ヒュアツィンテや

他国の大臣たちの前で

平然と嘘を言ってのけ、

問題の解決策が見つかるや否や、

それを、実現させるために

好機を狙い、それが訪れると、

カリセンの大臣たちの前で

堂々と意見を述べる姿は、

本当にカッコいいと思いました。

タリウムだけではなく、他国でも

ラティルが人々を守るために

必死で戦う姿を見れば、

ロードが悪であるという考えが

少しずつ、覆されていくのではないかと

思います。

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