自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち 585話 ネタバレ 先読み 原作 あらすじ 小鹿のようなギルゴール

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585話 まだ怒りが収まっていないのかと聞きながら、ギルゴールがやって来ました。

◇ギルゴールの責任◇

ラティルは、

ギルゴールを睨みつけると、

さっと前を向きました。

しかし、草を踏む音は

ますます近づいて来ました。

音を出さないように、

近づくこともできるのに、

ギルゴールは

わざと音を立てて来ました。

 

ギルゴールの足音は

ラティルのすぐそばで

止まりましたが、

ラティルはわざと

そちらを向きませんでした。

ラティルは訳もなく

湖に小石を投げながら

自分一人だけが、

その場にいるかのように

振る舞いました。

 

しかし、ギルゴールは

ラティルの横から、

お嬢さんは、心が狭くて短気で

純粋だと言いました。

ラティルは呆れて、横を見ました。

ギルゴールが、

ラティルの隣に座りながら

からかうように笑っていました。

ラティルは何か言おうとしましたが、

彼が胸いっぱいに

花を抱いているのを見ました。

彼が花をかじって食べる姿を見ると、

ラティルは言葉に詰まりました。

ギルゴールが抱いている花束を奪って

彼の憎たらしい後頭部を

一発殴りたいと思いました。

 

そのようなラティルの本音を

知らないのか、ギルゴールは

花びらを一枚ずつ食べながら、

ラティルを子鹿のような表情で

見つめるだけでした。

見ていられなくなったラティルは

ため息をついて再び前を見ると、

隣から

低い笑い声が聞こえて来ました。

 

ギルゴールは、

そんなに自分を心配してくれたのかと

尋ねました。

ラティルは、

自分が心配していないと思ったのかと

言い返しました。

 

ギルゴールは、

あまり心配していないと思ったと

答えました。

ラティルは、

ギルゴールのことが好きだと

言ったのにと文句を言うと、彼は

口先だけの言葉だと思ったと

返事をしました。

 

ラティルは、

なぜギルゴールが

それを知っていたのかと

一瞬ビクッとしました。  

ラティルは、

ギルゴールの精神が崩壊しないためと、

彼が去るのを防ぐためと、

彼をなだめるために、

彼に嘘の告白を何度かしました。

その度に、

告白が通じたような気がしたし、

ギルゴールが喜んでいたので

当然、ラティルは

彼が自分の言葉を信じていると

思いました。

ところが、

口先だけの言葉であることを

ギルゴールが知っていたと聞き、

ラティルは固まってしまい、

対応できませんでした。

ラティルは、その状態で、

しばらく口を

パクパクさせていました。

 

ラティルは、

どうして分かったのかと

言いたくなるのを、

無理やり抑え込み、

呆れたふりをしながら、

どうしてそう思うのか。

ギルゴールが自分の告白を

空言だと思っていたなんて

本当に気分が悪いと怒りました。

 

しかし、ギルゴールは、

ラティルの言葉への返事はせず、

お嬢さんが、自分のために

泣いてくれて良かったと言って

笑いながら花束の後ろに 

しばらく顔を隠すだけでした。

それから、自分が

本物の鹿でもあるかのように

そっと花束の横から顔を出すと、

その姿が本当に愛らしいので、

ラティルは、さらに腹が立ちました。

 

彼女はギルゴールに、

そんなことをすれば

自分が許すと思うのか。

自分は気丈な女性であり、

自分にはイケメン系は通じないと

主張しましたが、

ギルゴールが、

ラティルがはめてくれた指輪の上に

キスをすると、思わず

気に入ったかと尋ねてしまいました。

 

ギルゴールが「はい」と答えると

ラティルは良かったと思いましたが、

ギルゴールのペースに

巻き込まれたことが分かると、

腹が立ち、

自分は、こんなことには

引っかからない。

自分は芯が強いと主張しました。

 

その言葉に、ギルゴールは、

お嬢さんは芯が強いのかと、

聞き返しました。

ラティルは「もちろん!」と

元気いっぱいに返事をしましたが、

ギルゴールが嬉しそうに

笑顔で自分を見つめていることに

気づくと、

顔に熱が上がって来て、

 

この年老いた吸血鬼!

 

と叫びました。

自分がギルゴールの手のひらの上で

遊ばれたことに腹が立ちました。

 

しかし、ラティルは

その言葉を口にするや否や、

彼の目が転がり出すと、

ギルゴールは自分の鹿だと

急いで付け加えました。

彼が目の前で死のうとしたことに

腹が立って、

むやみに怒りを吐き出したものの、

ギルゴールが

目を転がしているのを見ると、

死から生還した後、

落ち着いていた精神が

崩壊するのではないかと

心配する気持ちの方が

怒りより強くなりました。

 

しかし実際に口にしてみると、

ラティルはさらに恥ずかしくなり、

訳もなくギルゴールの肩に

頭をもたれました。

ギルゴールの肩が

細かく震えているのを見ると、

楽しそうに笑っているようでした。

 

ラティルは唇を噛み締めながら

ギルゴールから漂ってくる香りを嗅ぎ

目を閉じると、

自分はギルゴールの香りが好き。

だから、自分の前でも、

自分のいない所でも

死なないで欲しいと訴えました。

 

その状態でどのくらいたったのか。

怒りと悲しみ、懐かしさ、安堵感など

すべての感情が波のように過ぎ去ると

最後に残ったのは恥ずかしさでした。

 

ラティルは目をパチパチさせて

そっとギルゴールの肩から

頭を離しました。

そして、チラッと彼を見ると、

ギルゴールは

ラティルを見ながら笑っていました。

 

ラティルはきまりが悪そうに

ギルゴールの膝を拳で軽く叩くと、

自分の覚醒が途中で止まったと

話題を変えました。

ギルゴールは、

その時のラティルの様子が

どうだったのか、

あのレッサーパンダが教えてくれたと

返事をしました。

 

ラティルは、

その場合、自分は妊娠できるだろうか。

もし覚醒したことで

子供が産まれなかったら

どうすればいいのかと尋ねました。

ギルゴールは「子供?」と

聞き返しました。

 

ラティルは、

異母兄弟姉妹たちと

あまり仲が良くないし、

実の兄とは仲が良かったけれど、

最近、仲違いしてしまった。

仲が良かった時なら、

兄の子供たちを

当然、後継者にしたけれど、

今は違う。

自分は親しくない甥たちを

後継者にしたくない。

だから、自分の後継者は絶対に

自分の子供でなければならないと

主張しました。


ラティルは、普通の人なら

当然死んでいたはずの傷を負って

回復したことを思い出しました。

覚醒しても、

そのようなことがなければ

良かったけれど、あったために

不安になりました。

 

そうしているうちにラティルは、

ギルゴールが持ってきた花を

全て食べて、葉まで食べながら

自分を見ていることに気づくと、

もう草まで食べているなんて

ギルゴールはヤギかと

険しい顔で非難しました。

すると、ギルゴールは

「メェー」と

ヤギの真似をしました。


ラティルが驚くと、

ギルゴールは笑いながら、

お弟子さんが、

子供を産めないほど覚醒したなら、

長生きするので、

あえて後継者は必要ないと

言いました。

 

ラティルは、そうなると、

人々は自分が人間ではないことを

知ってしまうので、

後継者が成長したら譲位し、

自分は大きな別荘を建てて

食べて遊んで

暮らさなければならないと

言いました。

 

ギルゴールはクスクス笑いながら

微笑ましい目で

ラティルを見つめました。

 

ラティルは訳もなく、

ギルゴールの指輪を

指先でポンポン叩きながら

子供が一人でもいれば、

問題は解決されるのにと

呟きました。


しかし、ギルゴールは、

子供はとても愛らしい存在だけれど

子供が生まれてから

問題が始まることもあると、

はっきり言いました。

 

ラティルはギルゴールの

目元と口元を見ました。

その言葉を聞いて、

ギルゴールの子供が

思い浮かんだからでした。

それに、

ギルゴールが彼の子供と

仲が良くないことを

知っているだけに、

今、彼の言ったことが

意味深長に思われました。

 

彼は自ら経験したことを

話しているのだろうかと思い、

ラティルは、

そっと彼を見つめ続けましたが、

ギルゴールの表情が

良くなってきたので、彼女は、

ギルゴールが家出をしていた時、

自分たちの子に会ったと

話を切り出しました。

 

のんびりした虎のように

ラティルと話していたギルゴールは

議長が連れていた青年の話が出ると

腕に力が入りました。

それでも、ラティルは

その部分を揉みながら

あの子と一体何があったのかと

慎重に聞こうとしましたが、

力を入れたギルゴールの腕が、

いくら揉んでも、

少しもほぐれないことに気づき、

ラティルは口をつぐみました。

ラティルはギルゴールの手を

しきりに触ってみましたが、

彼は少しも反応がありませんでした。

その話を全くしたくないという

様子だったので、ラティルは、

ギルゴールが意識を取り戻す前に、

議長がやって来た時は

彼を連れて来なかった。

その時、アニャドミスの魂を

封印しながら

議長が変なことを言ったけれど

聞きたいかと尋ねました。

 

ラティルは、

再びギルゴールの様子を窺うと

幸いにも、

先程より緊張していませんでした。

 

やはり、

子供の話はしたくないのだと思い

ラティルは

複雑な気分になりましたが、

平気なふりをすると、

今度は正しい選択をしろと、

議長に言われたけれど、

これは、どういう意味だろうかと

話題を変えました。


幸い、ギルゴールは

子供の話をするのでなければ

大丈夫なのか、

真剣にラティルの話を聞き、

少し変だと答えました。

 

ラティルは、

アニャドミスは対抗者で

今度死んだら、別れた魂と力が

彼女に戻ると、

アニャドミスも自分たちも

信じていたと話しました。

ギルゴールは同意し、

それなのに、

そのまま転生させたのかと尋ねました。


ラティルは、

そのまま放っておけば、

アイニに力と魂が入るし、

そうなれば、彼女が死んだ後、

次の対抗者は、対抗者の力を

半分持つことになるので

今転生させれば、アニャドミスは、

ずっと1/4の対抗者の力だけを

持つことになるからと答えました。

 

ギルゴールは、

それならば、魂だけ転生させて

力を抜けば良かったのではないかと

言うと、ラティルは、

ベタベタした魂を思い出しながら、

魂と力がくっついていて、

取り外すのが難しかったようだと

返事をしました。

 

ギルゴールは、

魂から力を取り外すのは

難しいのか、不可能なのかと

尋ねました。

その質問にラティルは

眉をひそめました。

そう言われてみると、

議長の言ったことは曖昧に思えました。

 

ギルゴールは、

ラティルが見るからに

嫌そうな顔をしているので、

魂から力を取り出せないのは

真実かもしれないと、

適度に好意的に言って微笑みました。

しかし、ラティルは、すでに、

ひどく嫌な気分になった後でした。

ラティルは、

ギルゴールの話を聞いたせいで

すごく、それが気になると呟きました。


ギルゴールはため息をつきながら

自分がその場にいれば良かったのにと

言って、首を振りましたが、

ラティルは

誰のせいにするつもりなのか。

ギルゴールが

自ら招いたことなのにと返事をすると

ギルゴールが固まっている間に、

急いで馬車に駆けつけ、

彼が追いつく前に

馬車の扉を閉めてしまいました。

そのため、

外にいたサーナット卿が

一緒に馬車に乗れなくなって

戸惑いましたが、ラティルは

扉を開けることができませんでした。

 

サーナット卿は、

自分はここにいると訴えましたが

ラティルは、

隣の馬車に乗って行くようにと、

窓越しに囁くと、

カーテンまで閉めました。

 

ギルゴールが

馬車の屋根を壊すのではないかと

心配で、待機していましたが、

幸い、いくら待っても

そんなことはありませんでした。

その時になって、

ようやくラティルは、

安心して椅子に身体を委ねました。

 

しかし、安心するや否や、

先程、感じた

すっきりしない気持ちが

また湧き上がって来ました。

 

もっと、はっきり、

議長に聞けば良かったのに、

彼があまりにも一度に

事を進めたせいで、

聞けなかったことが多いと

思いました。

 

ラティルは議長に聞きたいことを

書き留めておいて、

後で、また会った時に、

聞いてみようかと思いました。

◇喜びを半減させるもの◇

以後、数日間は

平和な日程が続きました。

しかも、ロードとの戦いで勝利し、

拉致されたヒュアツィンテ皇帝を

探し出したことについての

噂が広まったためか、

最初、一行は、

静かに移動していましたが

その後、村を通る度に

人々が見物に出て来て歓呼し、

移動速度も遅くなりました

 

移動を任された責任者は、

このまま行けば、

思ったより到着時間が

遅くなりそうなので、

秘密裏に移動した方がいいかと

心配そうにラティルに尋ねました。

 

ラティルは考えた末に首を横に振り、

このまま行くことにする。

立て続けに、事件が起こり、

皆、不安を感じているだろう。

カリセンはタリウムと同等の

大国なのに、宮殿は崩壊し、

皇帝は拉致されて

解放されたばかりだ。

このような時は、

自分たちが自信満々に振る舞ってこそ

人々も少しは安心できるだろうと

答えました。

 

そのせいで、

一行がタリウムに到着した時は

予定時刻をかなり過ぎてしまいましたが

タリウムの中に入ると、

さらに移動速度が遅くなりました。

皇帝一行が通りかかると、

人々が道の両側に立ち、

馬車と馬が通るたびに

歓声を上げました。

その声がとても大きかったので、

ラティルは感激し、馬車の外へ出て

手を振るところでした。

危ないと言って、

側室たちが止めなければ

きっと飛び出していたに

違いありませんでした。

ラティルは辛うじて

馬車に留まりました。

 

しかし、ラティルの興奮は

首都に到着し、

大臣たちと会議をするや否や

半減してしまいました。

 

大臣たちは、

ラティルの功績に皆が感心し、

彼女を称賛していると

お祝いの言葉を述べた後、

最近の一連の事件のために

皆が心配していることがある。

そろそろ、

皇配を決めるべきだと思うと

言われました。

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ギルゴールは、

自ら命を捨てるつもりで

アニャドミスの攻撃を防御せず、

死にかけてしまいました。

その結果、ギルゴールは

しばらく意識を失い、

その間に、議長は

アニャドミスの魂を抜いたので、

その場にいられなかったのは

ギルゴールの責任かもしれません。

しかし、ギルゴールが

自ら死ぬ覚悟で

アニャドミスと戦わなければ

彼女の弱点を突くことは

できなかったかもしれないし、

ギルゴールが意識を失っていなければ

議長はラティルの所へ

来ることもなかったかもしれません。

 

ラティルは、

自ら命を絶とうとしたギルゴールに

腹を立て、

八つ当たりをしているけれど、

ラティルが自分のことを

心配して泣いてくれたことが

嬉しくて、可愛い様子をしている

ギルゴールが、どのような思いで

自ら命を絶とうとしたのか、

少しでも思いやってくれれば

いいのにと思います。

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