自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち 675話 ネタバレ 先読み 原作 あらすじ 私の可愛いウサギの王子様が・・・

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675話 タリウムの外で、怪しい動きが活発化しています。

◇復讐のために◇

ザリポルシ姫は、

広場の壁に並んでいる怪物たちを

見回しました。

最初は1、2列だけでしたが、

今では、広場の壁のほとんどを

埋め尽くすくらい、

ダークリーチャーが増えていました。

 

ザリポルシ姫は黒魔術師に、

仕事は順調かと尋ねました。

黒魔術師は、

この調子なら、1、2か月もすれば

十分な数のダークリーチャーが

できるだろうと答えました。

 

ザリポルシ姫は、1、2ヶ月の間に

どれだけ多くのダークリーチャーが

できるか考えてみましたが、

タリウムの宮殿には、

ラトラシル皇帝、ラナムン、

大神官、聖騎士団、黒死神団、

さらには人魚と、

強い人たちが、たくさんいるので

そのくらいで大丈夫かと心配しました。

黒魔術師は、多いことは多いと

返事をしました。

 

それから、ザリポルシ姫は

タリウム自体の兵力も

考えなければならない。

その多くの人々を、

このダークリーチャーたちで

乗り越えることができるだろうかと

尋ねました。


しかし、黒魔術師は大声で笑うと、

近くにいるダークリーチャーの

足を打ちました。

目を閉じていたダークリーチャーが

あっという間に瞼を上げ、

歯を露わにしました。

 

黒魔術師は、

勝つことはできないけれど、

お姫様の目的は

勝利ではないではないかと

尋ねました。

ザリポルシ姫は、それを認めました。

 

彼女は、かつて怪物たちを

倒していた自分を思い出しました。

聖騎士団の団長として、

彼女は人々の歓声の中で

生きて来ました。

彼女は、自分自身を

誇りに思っていました。

 

ザリポルシ姫は頷いて

拳を握り締めると、

自分の目的は勝利ではなく復讐だと

言いました。

一体、ゲスターは

何をしようとしているのか。

ラティルは彼の行動から

目を離すことができませんでした。

 

眠っている青年を、

冷たい目で睨んでいたゲスターは、

食器棚に向かって歩きました。

彼は食器棚から、

調味料の瓶のようなものを

取り出しました。

 

黒魔術で

目覚めさせようとしているのか。

それとも、黒魔術で

何か、やらかそうとしているのか。

 

ラティルが、あれこれ想像している間

ゲスターは、瓶をよく振りました。

それから、胸の中から何かを取り出し

瓶に注ぎました、

瓶の中でグツグツ煮える音が

したかと思うと、

中から煙が出て来て、

床に流れ落ちるほど、

煙は広がりました。

ゲスターは、

その瓶をテーブルの上に置き、

再び食器棚から瓶を持って来ました。

今回は、中に水が入っていました。

 

ラティルは、

あれで何をするつもりなのかと

疑問に思っていましたが、

ゲスターが水を男の顔にこぼすと、

一緒に疑問も洗い流されました。

ラティルは口をポカンと開けて、

ゲスターを見守りました。

 

ゲスターは、

何も考えていないような表情で

男を見下ろした後、

再び、水を汲んで来て、

顔にかけました。

 

それを何度か繰り返しても

男が目を覚まさないと、

ゲスターは初めに作った煙を

男の唇に近づけました。

すると、ずっと眠っていた男が、

口から変な泡を吐きながら

上半身を起こしました。

男は、しばらく咳込んだ後、

ゲスターを見て、目を大きく見開き

 

どなたですか?

 

と尋ねました。

ゲスターは男に、

何日間も目が覚めない薬を

飲んだようだと呟くと、

男はビクッとしました。

 

男は、どうして、

それが分かったのかと尋ねると、

ゲスターは、

バレバレだと答えた後、

どうしてそんなことをしたのかと

尋ねました。


男は、わざと薬を飲んだのが

バレたせいか、

なぜ自分が、それを

言わなければならないのかと、

開き直りました。

 

ゲスターは

話したくないのなら、

話さなくてもいい。

どうせ、良い意図でやったことでは

なかっただろうからと言いました。

すると、男は、

むやみに決めつけるなと抗議しました。

しかし、ゲスターは

自分は決めつけていない。

その意図は、

捜査官が明らかにするからと

返事をしました。

 

男は、急いで上半身を起こすと

 

捜査官?

 

と聞き返しました。

 

ゲスターは、

男が皇帝の前で倒れたと

聞いたけれど、故意に倒れて、

何日間か、持ち堪えようと

していたのではないか。

その目的が、

皇帝を傷つけるつもりだったのか

そうでないかは、

自分には分からないからと、

気弱な声でありながらも、

効率よく、男を怖がらせました。

 

ゲスターに、

皇帝の暗殺を企てるために

潜入した者のように扱われた男は

皇帝を傷つけるなんて、絶対に違うと

頭から否定し、

捜査官にそう言って欲しいと

懇願しました。


それでもゲスターは、

彼に背を向けたので、男は

本当だと叫ぶと、

慌ててゲスターの手首を掴みました。

そして、皇帝を

傷つけるなんてとんでもない。

自分はただ、

皇帝を慕ってきただけなのに、

傷つけるなどという、

そんな恐ろしいことを言うなんてと

抗議しました。

 

手首を抜こうとしたゲスターが

ピタッと止まりました。

ゲスターは、自分の手首を

しばらく見下ろしてから、

首を少し傾げながら

 

陛下を慕っている?

 

と聞き返しました。

もしも、

グリフィンとレッサーパンダが、

このゲスターの

あやふやな態度を見ていたら、

悲鳴を上げながら

逃げていたはずでした。

しかし、男は、

このような有益な情報を

知らなったので、

皇帝は皇帝であり、対抗者であり、

今の時代の英雄で、カリセンも救った。

自分は、そんな強い人が好きだ。

それで、皇帝に会って近づくために

少し頭を使った。

皇帝は、高い所にいるので、

普通の方法で会うのは大変だからと

先程とは違って情熱的に

薬を飲んだ理由を並べ立てました。

 

ラティルは扉越しに

男の横顔を眺めながら

目を細めました。

 

男はゲスターの手首を離し

急に掴んだことを謝った後、

決して悪い意図ではなかったので、

捜査官に話す必要はないと

言いました。

 

その言葉に、ゲスターは、

誰に話せばいいのかと尋ねました。

 

誰に話せばいいのかって、あっ!


その時、捜査官の話が出たせいで、

少し礼儀正しくしていた男が

突然、鼻で笑いました。

壁越しに聞いても、

ラティルが気持ち悪くなるような

嘲笑でした。

 

ゲスターは、

なぜ笑うのかと尋ねると、男は、

なぜか、すぐに気付かなかったけれど

もう分かったと答えると、

ゲスターの顔を指差し、

あなたは側室だと指摘しました。

そして、何人かいる側室の中で、

顔も寵愛も位置も

最も劣るという側室だと嘲ると、

指を下ろすことなく

一人で楽しそうに笑っていました。

 

それを見ていたゲスターは、

彼の手が気になると、小声で呟くと、

男は手を下ろしました。

しかし、口元に浮かんでいる

不愉快な笑みはそのままでした

男は、

実際にゲスターを見たところ、

あまりにも平凡過ぎて、

すぐに気づかなかったと

ゲスターに謝りました。

彼は、黙ったままでした。


男は、それでも雑誌では

少し清純そうに見えていたのに、

実物はあまりにも無難だ。

ブサイクだと言うのではなく、

平凡だと言っているので

がっかりしないで欲しいと

ゲスターを嘲りました。

 

ラティルは眉を顰めました。

彼の話を聞いているうちに、

自然と罵声が

飛び出しそうになりました。

 

ゲスターは、決して平凡な顔では

ありませんでした。

ラナムンやクラインのように

圧倒的な美しさはないけれど

春の日差しのように暖さのある

美男子でした。

そして、あんな話をする青年よりは

百倍も千倍も

ゲスターの方が良いと思いました。

ラティルは自分の夫に暴言を吐く

あの野郎の口を

捻りたくなりました。

 

ゲスターは。

随分、口の利き方が乱暴だと

男を非難しました。

彼は、一応謝ったものの、

本当に驚いてしまったからだと

言い訳をしました。

しかし、皇帝の側室なので、

長所が一つでもあると

思っていたけれど、

あまりにも可笑し過ぎる。

ロルド宰相は

息子を側室に送り込むために

とても苦労したようだと

大笑いしました。

 

ゲスターは、

そう見えるのかと尋ねました。

男は、

ゲスターの顔を見ると勇気が出る。

皇帝に近づきたいけれど、

皇帝の周りには、

美しい男ばかりいると聞いて、

少し落ち込んでいたと答えると、

ゲスターは、

そうなのかと聞き返しました。

 

男は「はい」と返事をすると、

皇帝は目が肥えていて、

美しい男だけを、

そばに置くと聞いていたけれど

なぜゲスターをそばに置いたのか。

確かに、華麗なイケメンばかりだと

目が疲れるので、

平凡な人が一人くらい、

そばにいても大丈夫なのだろうと

ゲスターを馬鹿にしました。

そして、ゲスターは、

隙間市場を狙ったとからかい、

大声で笑いました。

 

その男は、

顔は美しいけれど、人間性は、

ゴミ箱に投げ込まれた

魚の頭のような者でした。

ゲスターが側室であろうが

何であろうが、気を失っている彼を

起こしてくれた人なのに、

こんなに酷いことを言うなんて。

それに、あの卑怯者は、

ゲスターが弱そうに見えると、

彼を甘く見て、

さらに、からかいました。

 

ラティルはゲスターの実体を

覗き見ようとしていたことも忘れて

腹を立て、息を切らしました。

 

アングル商団の頭は

アンジェス商団の頭より頭が悪い。

あんなに性格の悪い者を

自分に押し付けて

寵愛を得られると思っていたのかと

思いました。

 

確かに、クラインも

乱暴な口を利くけれど、

彼は相手が自分に負けると、

一気に心を和らげて、

自分もうまくやろうとしました。

クラインは傲慢だからか、

戦ったこともない相手に

むやみに攻撃を

浴びせたりはしませんでした。

 

ラティルは、ゲスターが

その言葉にショックを受け、

プライドを

傷つけられるのではないかと

心配しました。

そうして、ラティルは

ゲスターを見ると、

意外にも彼の口元に

笑みが浮かんでいました。

 

えっ? 笑っているんですか?

 

男も意外だと思ったのか、

ゲスターを見ながら呟きました。

 

ゲスターは、

乱暴な言葉を口にしても構わない。

それに、耐えることができるならと

意味深長な言葉を吐き出すと、

先程より鮮明な笑みを浮かべました。

 

しかし、男はゲスターの抗議に対して

何を言っているのかと、

むしろ、クスクス笑い、

それでもゲスターは、

側室としてのプライドがあるようだと

嘲りました。

それに対してゲスターは、

男が戦略を間違えたと指摘しました。

 

男は、その言葉の意味が

分からないでいると、ゲスターは

男が、ずっと

険悪な言葉を言い続けている。

自分が皇帝の側室であることを

知る前は、そうしなかったのに、

側室であることを知ってから、

わざと酷いことを言っていると

指摘しました。


男は、ゲスターが

頭を働かせているふりをしていると

からかい、

片方の口の端を上げると、

自分がわざと、

ゲスターに酷いことを言ったと、

皇帝に告げ口して

罰でも下すつもりなのか。

そのように、まともに話もできずに

口をモグモグさせているのに、

人々がゲスターの言葉を

信じてくれるのかと、

笑いながらゲスターを指差した瞬間、

ゲスターは、その指を掴んで

折ってしまいました。

男は悲鳴も上げられず、

口だけ大きく開けましたが、

後になって、男は、折れた指の方向に

体を捻りながら悲鳴を上げました。

かなり大きな声でしたが、

不思議なことに、

誰も現れませんでした。

 

最初、男は、

何をするんだと、

ゲスターを罵倒していましたが、

そのうち、

ひたすら謝るようになりました。

しかし、男がいくら謝っても、

ゲスターは手を放しませんでした。

むしろ、ゲスターは

口元を上げながら、穏やかな声で、

なぜ、謝るのか。

自分を怒らせて、

攻撃させようと思い、

むやみに暴言を吐いたのではないか。

願いが叶ったのに

嬉しくないのかと尋ねました。

 

男は、本当に申し訳ない。

わざとそうしたと、

ひたすら謝罪の言葉を

叫び続けましたが、

ゲスターは無表情でした。

男は膝がだんだん曲がって行き、

突然、意識を失って倒れました。

その時になってようやくゲスターは

男の手を放しました。

男性の指の一本が、手の甲に

完全にくっ付いているのを見て、

ラティルは驚き、

壁を強く掴みました。

 

何をどうやって折れば、

手の甲に指がくっ付くの?

 

その瞬間、壁が

ミシミシと音を立てて壊れました。

 

うわっ!

 

ゲスターは、男を

ベッドに寝かせようとしましたが、

ラティルの方に顔を向けました。

ゲスターと目が合うや否や、

ラティルは窓を割って飛び出しました。

 

こんなこと、あり得ない!

私のおとなしい子犬が!

私の優雅な鹿が!

私の可愛いウサギの王子様が

人の指を折ってしまったなんて!


ラティルは、

むやみに前を見て走っていましたが、

自分がどこへ行くかは

分かりませんでした。

見ない方が良かった場面を

見てしまったことだけを

考えていました。

 

しばらく走っていたラティルは

周りに人が誰もいない路地の間に入り

ようやく立ち止まりました。

ラティルは塀に掴まり、

息を切らしながら体を回すと

目の前にゲスターが立っていました。

彼は汗もかかずに、

ラティルをじっと見つめていたので、

彼女は目を見開きました。

 

ラティルは体を強張らせ、

辛うじて、

ゲスターの名前を呼びました。

彼は、普段と変わらない弱々しい声で

なぜ逃げるのかと尋ねました。

アングル商団の頭の親戚の甥の手を

折ってしまった後、

目が合ったことなど、

なかったような態度でした。

 

ラティルは、

何も言うことが思いつかず、

彼の名前を何度も呼びましたが

ゲスターは、なぜ、逃げるのかと

もう一度、ラティルに尋ねました。

いつもの、のろのろとした口調が

消えていました。

ラティルは唾を

ごくりと飲み込みました。

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ザリポルシ姫が

どうして吸血鬼になったのか、

その理由は、

明らかにされていないのですよね。

アニャドミスが封印された洞窟を

ザリポルシ姫が訪れた時、

アニャドミスは

目覚めていなかったし、

彼女は血を吸うことを

嫌がっていたので、

アニャドミスのせいで、

吸血鬼になったのではないと

思います。

それに、アニャドミスが

封印されている事実と場所を

知っていたのは百花と

百花繚乱だけで、

ザリポルシ姫の聖騎士団を襲ったのも

百花繚乱。

ザリポルシ姫は、

侍女以外の仲間たちを失って

アニャドミスの洞窟を出た後、

吸血鬼に

襲われたということなのでしょうか。

 

確かに、ザリポルシ姫のお守りを

すり替えたのはラティルたちだけれど

百花がアニャドミスの洞窟のことを

ザリポルシ姫に教えなければ、

彼女は洞窟へ行くことはなかったし、

ラティルも、お守りを

返すことができたと思います。

 

けれども、ザリポルシ姫は

同じ聖騎士同士なので、

百花が自分を陥れたとは

思っていないのでしょう。

 

ザリポルシ姫は

邪悪な存在になってしまったけれど

黒死神団の傭兵たちや

ザイオールを見てみると、

たとえ吸血鬼でも、

悪い行いをする者ばかりでは

ありません。

ザリポルシ姫は、

今までのように聖騎士団の団長として

活動することはできないし、

人々から迫害されるかもしれないけれど

ラティルたちの仲間として、

怪物を倒し続けることはできたはず。

ザリポルシ姫が

人間でなくなったのは

彼女の責任ではないけれど、

悪に手を染めたのは、彼女の責任。

聖騎士団長としての

過去の栄光を失ったことを

全てラティルのせいにするのは

間違っているのではないかと思います。

 

アングル商団の頭の親戚の甥は、

皇帝の側室に対して、

礼儀を尽くしても良いと思いますが、

普段から、皇帝の側室のことを

馬鹿にしていたから、

ゲスターに対して躊躇うことなく

酷い態度を取ったのでしょうね。

男にとっては、

自分が招いた災難でしたが、

ラティルの役に立たない人に対して、

ゲスターが、どれだけ残酷になれるか

知り得ることができました。

ゲスターは、

本当に何をするか分からない

恐ろしさがあるので、

ラティルは彼を手のひらに乗せて、

しっかり管理し、

操縦する必要があると思います。

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