自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち 767話 ネタバレ 先読み 原作 あらすじ 戦いの終わり

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767話 ラティルは、再びギルゴールに邪魔されましたが・・・

◇不信感を乗り越える◇

ここではアリタルの時代の状況が

再現されていました。

しかし全く同じではなく、

今の状況に合わせて

若干の変更が加えられていました。

 

セルは神官と聖騎士たちが

守っていたけれど、

アイニを守ろうとしている彼らは

神殿とは全く関係のない冒険家たち、

あるいは傭兵たちでした。

 

今回もそうかもしれないと

思ったラティルは、

ギルゴールの槍を弾くと、

後ろに下がり、

真っ二つに折れた剣の位置を

チラッと確認しました。

狐の仮面は、

防御には役立つかもしれないけれど

攻撃に使うには鈍重過ぎるので、

あの折れた剣でも

拾うことができればと思いました。

 

その間も、ギルゴールは

アイニを守りながら、

ラティルを脅かすように

アイニの周りを

うろうろしていました。

 

自分の推測が間違っていれば

被害が大きくなる。

ここで、アイニの幸運が消えたように

自分が不死でなくなれば、

本当に死ぬかもしれない。

それでもやってみなければならない。

そう考えたラティルは、

狐の仮面を持って前に飛び出しました。

 

ギルゴールが槍を振り回す瞬間、

ラティルは身を屈めて

横に転がりました。

砂の山の間に、

全身を投げ出しながら手を伸ばすと、

固い剣の柄に触れました。

ラティルは、それを握りしめ、

体を起こすや否や、

アイニが立っている方向へ

走って行きました。

 

アリタルの時代、彼女は

ギルゴールを避け、逃げ続けました。

最後の瞬間にもアリタルは、

ギルゴールのために彼を裏切りました。

それがここで

再び再現されるのであれば、

自分が立ち向かうべきなのは

ギルゴールではないと

ラティルは考えました。

 

ラティルがアイニに近づく一歩先に

ギルゴールが

ラティルの前に現れました。

彼の長い槍が威嚇するように

ラティルに向かって

突きつけられました。

すぐ目の前に

槍が向かって来ていました。

完全にラティルの首を狙っていました。

刺されたら死ぬけれど、

ラティルは止まりませんでした。

ギルゴールの攻撃を最初から無視して

アイニに向かって突進しました。

 

あの女は何をしているのか。

見守っていた冒険家たちは

目を見開きました。

突然現れた白髪の男が

槍を目の前に突きつけているのに

無視して突進しているなんて

とんでもないことでした。

彼らは、自分たちが

ラティルを攻撃したことも忘れて、

 

危ない!横へ逸れて!

 

と思わず叫びました。

彼らの見たところ、

今のラティルの行動は

炎に飛び込む蛾のようでした。

 

どうして、自分を

助けてくれるのかという疑問のせいで

警戒を解くことができなかった

アイニでさえ、ラティルを見て

目を逸らしました。

ラティル自身も

自分は頭がおかしくなったのかと

心の中で叫んでいました。

 

やばい!槍が来ている!

 

槍が目の前まで来ていましたが

ラティルは歯を食いしばって、

前に進みました。

彼女が

立ち向かわなければならないのは

ギルゴールではありませんでした。

 

それから槍は、ラティルの心臓を

正確に貫きました。

冒険家たちは悲鳴を上げました。

アイニもその光景に驚き、

目を逸らしました。

 

しかし、ラティルは

槍が自分を貫通して

通り抜けたにもかかわらず、

前に進み続けました。

今度は、

ギルゴールも止めませんでした。

ラティルには

傷さえありませんでした。

彼女は、

自分が乗り越えなければならないのは

不信感だと考えていました。

 

アイニは一歩遅れて

自分自身の武器を手に入れました。

しかし、彼女が

まともに対応する前に

ラティルが先に剣を振り回しました。

折れて短くなった剣が

アイニの頭の辺りを斬りました。

鋭い剣を感じながら、

アイニは目をギュッと閉じました。

悲鳴が上がりました。

血の匂いがしました。

アイニは息を切らしながら

喘ぎました。

けれども、

おかしなことに苦痛はなく

むしろ頭が軽い感じがしました。

数年間、ずっとアイニを

押さえつけていた苦痛が消え、

体が軽く感じられました。

 

元々、死ぬということは、

こういうものなのかと考えながら

アイニはゆっくりと目を開けました。

ラトラシルが折れた剣を

下ろしていました。

ギルゴールは消えて、いませんでした。

冒険家たちは

わけが分からないという表情でした。

 

これは一体・・・

 

と呟きながら、

アイニは自分の手を動かしてみました。

きちんと動きました。

こめかみの辺りがちくちくしましたが、

首を切られたのとは

全く違っていました。

 

アイニは、ぼんやりと

ラトラシルを見て、これは一体、

どういうことなのかと尋ねました。

 

ラティルは自分の剣を見た後、

アイニをチラッと見ると、

ドミスが植えつけた靄。

頭にくっついていたものを

消したと答えました、

 

アイニは目を大きく見開きました。

彼女も自分に

何かくっついていたのは

分かっていました。

それをラトラシルが

消してくれたことが理解できず、

 

どうして・・・?

 

と、ぼそっとした声で尋ねました。

なぜ、ラトラシルが

自分の命を奪わずに、

それを消してくれたのか

本当に理解できませんでした。

 

ラトラシルは、まだ剣を

鞘に収めていなかったので、

もしかして彼女は、

何か奸計を巡らしているのかと

疑いましたが、

黒い靄を消してくれたのは確かでした。

アイニは以前との違いを

感じることができました。

 

ラティルは、

ヘウンと約束したと、

彼がいる方をチラッと見て

呟きました。

 

ヘウンと・・・約束って・・・?

 

アイニは聞けば聞くほど

正気を取り戻すことが

できませんでした。

なぜ、ここにヘウンが出てくるのか

理解できませんでした。

 

ラティルは、

ヘウンにアイニを誘い出すのを

手伝ってもらう代わりに

アイニの命を奪わないことにした。

けれども、

自分がアイニに勝ったという

象徴が必要だったので、

黒い靄を消したと答えました。

 

ラティルは話をしながら

眉を顰めました。

元々、ラティルは

ヘウンの助けを求める時に、

自分がヘウンに助けてもらったことを

絶対にアイニに知らせないと

約束しました。

しかし、ヘウンは首を横に振り、

機会があれば、

必ず言ってほしいと言いました。

 

ラティルは、

それがヘウンにとっての、

アイニの愛し方であることを

知っていましたが、

そのようにして何を得られるかは

理解できませんでした。

 

ヘウンが・・・

 

アイニは魂が半分抜けた人のように

同じ場所に座って

前だけを見つめました。

砂まじりの風が吹いて来ても、

彼女は瞼さえ動かしませんでした。

 

ラティルは地面に落ちている

真っ二つになった剣を拾い、

鞘の中にきちんと入れました。

記念に持って行くつもりでした。

 

冒険家たちは

互いにチラチラ見つめ合いました。

彼らは、

これは一体どういうことなのか。

黒い靄があると言った人は

黒い靄を消したと言い、

もう一人は、

それにショックを受けたのだろうか。

全く分からない。

もしかして狂った女たちだろうかと

話していると、黒髪の女の方が

彼らに近寄って来て、

大きいカバンを

一つ貸してもらえないかと

頼んで来ました。

 

彼らの大多数を相手にして

勝った女でもあるので、

冒険家たちは、

素早く大きなリュックサックを

差し出しました。

 

ラティルは放置されている

ヘウンに近づきました。

砂混じりの風があまりにも強くて、

頭が半分ほど埋まっていました。

ヘウンがアイニについて尋ねると、

ラティルは

混乱しているようだと答えました。

それからラティルは

リュックサックの中に

ヘウンの頭を入れ、

誰も見られないように

しっかり閉めました。

ヘウンは窮屈でしたが、

一時、このように過ごしていたので、

我慢しました。

 

リュックサックを

片方の肩にかけたラティルは、

アイニの方を見ました。

彼女から戦意が消えたようでしたが、

それでも、もう一度

確認するつもりでした。

 

ところが、

アイニがいた所へ来てみると、

彼女は消えていませんでした。

驚いたラティルは、

そばに立っていた冒険家たちに、

先程、ここにいた赤い髪の女性は

どうしたのかと尋ねると、

彼らの一人が日が昇る方向を指差し、

彼女は頭を抱えたまま

一人で何かをぶつぶつ言って、

あそこへ行ったと答えました。

 

ラティルは、

その短い間に、

見えなくなったのかと尋ねると、

彼女は歩いていた時に

砂の穴に落ちた。

そのように消えると、普通、

柱がたくさんある地下へ

行くことになる。

そこから、どう脱出するかは

本人次第だと、

そっと話に割り込んだ

地図の分析者が答えました。

 

柱がいっぱいの地下なら、

大神殿の地下ではないかと思い

ラティルは舌打ちしました。

アイニがそこに落ちていたら、

ラティルは

何もしてあげられませんでした。

ラティル自身は

大神殿の地下に行けるどころか、

砂の穴の中にも

落ちることができないからでした。

 

ラティルはポケットを探しましたが

ドレス姿なので

ポケットがありませんでした。

悩んだ末、ラティルは、

金と宝石で作ったブレスレットを

一つ取り出すと、冒険家たちに、

まだ歩き続けるつもりなのかと

尋ねました。

地図の分析者は、皇子から、

情報を収集して欲しいという

依頼を受けたからと答えました。

 

ラティルはブレスレットを

彼に差し出すと、

もし自分と戦った赤毛の女性が

歩き回っているのを見つけたら

面倒を見て欲しいと頼みました。 

◇生きていた◇

来る時は一気に来たけれど

帰る時は、そうではありませんでした。

ラティルは靴を手に持って

砂漠を裸足で歩いて行きました。

それでも、自分の足元が

すっぽり抜けないので良かったと

思いました。

広大な砂の中を歩いていると、

ラティルは後になって

悲しみが押し寄せて来ました。

 

ゲスター・・・

 

ラティルは狐の仮面を抱きしめながら

鼻をすすりました。

ランスター伯爵の状態の時は、

時々、話をする時に

イライラしたけれど、

彼は、いつも・・・ではなく、

大体は助けてくれました。

しかもランスター伯爵は

500年ぐらい生きているけれど

ゲスターはまだ

あまり生きていませんでした。

彼は、ランスター伯爵のせいで

振り回されているだけ。

ゲスターは純粋で、こんな所で

虚しく死ぬ子ではありませんでした。

 

アドマルと外を分ける境界線が

見えて来ると、ラティルは

こみ上げて来る悲しみに耐えられず

ゲスターの名を呼びながら

歩いて行きました。

 

そして、

彼はバカだ。

ここへ来たら、自分に問題が生じると

言えば良かったのに、

なぜ、言わなかったのか。

ここへ来たら死ぬということを

知っていれば、

無理に引っ張って来なかったのに。

ゲスターのバカ!

と呟いて、すすり泣いていましたが

 

私・・・?

 

と返事が来ると、

ラティルは一人で飛び跳ねて

横に退きました。

ラティルはバランスを取って

振り返りました。

内側から見ると、

確かに誰もいなかったけれど

外側から見ると、境界線の上に

パーティーで来ていた

派手な服装のままのゲスターが

腰掛けていました。

 

ゲスターが無事だと分かったラティルは

急いでゲスターに駆け寄り、

彼を抱きしめました。

涙が自然に流れ出て来ました。

 

ラティルは、

ゲスターが雷に打たれて

死んだと思ったと

わあわあ泣きながら言いました。

そのせいで、

すぐにゲスターの肩は濡れました。

ラティルは自分の背中を叩く

大きな手を感じると、

涙がさらに激しく流れ出ました。

 

ラティルは

一体、どうしたのか。

雷に打たれる直前に逃げたのかと

尋ねました。

ゲスターは、

 

そうですね・・・

 

と答えると、ラティルの手から

そっと仮面を持って行きました。

彼が、ごそごそ動いているので

横を見ると、彼は片手で

仮面をかぶっていました。

 

ラティルはゲスターを放すと、

仮面の下に現れた彼の顔を

撫でました。

それから、彼女は、

黒魔術師だから稲妻に当たったのかと

尋ねました。

ゲスターは、

 

はい・・・そうです。

 

と答えました。

しかし、ラティルは、

アイニが連れていた

三人の黒魔術師は、

雷に打たれなかったと反論すると

ゲスターは、

弱いからではないかと答えました。

 

ラティルは、

違うと思う。

ゲスターは嘘をついているようだと

不信感を覚えて眉をひそめました。

しかし、

ゲスターを問い詰める代わりに

再び、彼を抱きしめ、

死んだと思って驚いたと言いました。

 

ランスター伯爵は、

ラティルが自分のことを、

心配してくれていたようだと

指摘すると、ラティルは、

ランスター伯爵は

十分に生きて来たけれど

ゲスターは違うからと返事をしました。

 

ランスター伯爵は、

これをありがとうと言うべきか、

怒るべきかと呟くと、

ラティルは狐の仮面の広い肩に

額をこすりつけました。

そして、泣きすぎて目が痛くなると

額を離しました。

 

ランスター伯爵はラティルに

用事は済んだのかと尋ねました。

彼は、何をどうしたのか

分からないけれど、

冷水で濡らしたような湿ったハンカチを

ラティルの目元に当ててくれました。

 

彼女は、分からないと返事をすると

ハンカチを借りて

再び狐の仮面を抱きしめました。

その状態でじっとしていると、

ランスター伯爵は、

こんなことをしても、

自分の怒りは簡単に収まらないと

憎たらしそうに呟きました。

ラティルは「うん、うん」と

返事をしました。

 

ランスター伯爵は、

自分の怒りが収まったと思わないでと

言うと、再びラティルは

「うん」と返事をしました。

しかし、憎たらしい言葉と違い、

彼が頭と背中を軽く撫でる手は

慎重で温かでした。

ラティルは彼の腰を

さらにギュッと抱きしめました。

 

その一方でラティルは、

大変だ。このままだと

本当に好色になってしまう。

死んだと思っていたのが

生きていたし、彼が

このようにしているからなのだけれど

これをどうすればいいのかと

悩みました。

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ギルゴールは

堕落したアリタルでも、

彼女がギルゴールの元へ

戻って来て、全てのことを

正直に話していれば、

きっと彼女を受け入れ、

聖騎士たち全員を

敵に回すことになっても

彼女と共に生きていたと思います。

けれども、アリタルは

自分のせいでギルゴールまで

怪物になってしまったので、

ギルゴールが受け入れて

くれるはずがない。

いつか、自分もギルゴールの手により

命を奪われるかもしれないと

思っていたのかもしれません。

 

そのアリタルの不信感を

ラティルは払拭するために、

ギルゴールが自分を

傷つけるはずがないと信じて

彼が槍を向けているにもかかわらず

そちらへ

突進して行ったのではないかと

思います。

そして、ギルゴールの槍に刺されても

ラティルが死ななかったのは、

彼がラティルを

傷つけることがないということを

具体化したのではないかと思いました。

 

死を覚悟してまで、

相手を信じるのは、

とても難しいことだと思いますが

そこまでしないと、

アリタルの犯した罪は

償えないのではないかと思います。

 

このギルゴールは本物でなく

実体のある

幻のようなものではないかと

思いました。

 

アイニに取りついていた靄は

ドミスの記憶でしょうか。

そうだとすると、

結局、アイニは対抗者のままなので、

再び、ラティルを狙うことも

あり得るのではないかと思います。

 

ゲスターとランスター伯爵は、

まだラティルのことを

怒っているかもしれませんが、

彼が死んだと思って

わあわあ泣いているのを見て、

満更でもなかったと思います。

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