自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち 869話 ネタバレ 先読み 原作 あらすじ 速く走る皇女

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869話 ザイオールはギルゴールに、皇女が大怪我をしたと話しましたが・・・

◇怪我をした時間◇

ギルゴールは、

全然、大したことではないという

口調で、

 

どっちの皇女? 2人いるじゃないか。

 

と尋ねました。

その非情な言葉に、

ザイオールは力が抜けました。

 

シピサは、

コーヒーカップの持ち手を

いじっていましたが、ザイオールが

2番目の皇女様だと答えると、

我慢ができなくなって

 

あの赤毛

 

と話に割り込みました。

ザイオールは、

あの小さなお嬢さんが、

階段から転げ落ちたそうだと

返事をしました。

 

ザイオールは話しているうちに

また興奮して来ましたが、

ギルゴールは、

依然として関心がなさそうで、

「うん」と呟くと、

優雅にコーヒーをすすりました。

 

シピサは、湯気が立ち上っている

コーヒーカップをぼんやり見ながら

心配しないのかと尋ねました。

ギルゴールは、

シピサでなくても

心配する人は多いので、

コーヒーを飲めと促し、

コーヒーカップを叩きました。

カップの内側から

コーヒーの匂いが漂って来ました。

 

ギルゴールが、

あんなに呑気に振る舞っているので、

結局、シピサも、

それに影響を受けました。

しかし、コーヒーを3口飲むや否や、

シピサは、

何か気になることを思い出したので

ザイオールに、

子供は何時に怪我をしたのかと

尋ねました。

ザイオールは、

正確な時間は、よく分からないけれど

大体、一時間くらい前のようだと

答えました。

 

その返答に、

シピサのもやもやした気分は

さらにひどくなりました。

彼はコーヒーカップを置いたまま

腕をこすり続けました。

その時刻は、クレリスが自分に怒って

プレイルームを出た後でした。

◇神聖力が効かない◇

人々は四角形の小さなベッドを

取り囲んでいました。

クレリスは、

厚手の布団が敷かれたベッドの上で

意識を失って横たわっていました。

 

ラティルは布団の中から

子供の手を取り出して

ギュッと握っていましたが、

我慢ができずに

ザイシンを振り返りました。

もう一度、子供に

神聖力を使ってみてはいけないかと

尋ねるつもりでした。

 

ところが、宮医の後ろに立っていた

ザイシンは、ラティルと目が合うと

急いで静かな合図を送りました。

どういう意味なのかと思いましたが

理解できませんでした。

 

ラティルが眉を顰めて首を傾けると、

ザイシンは、両腕で

✕を作って見せました。

もしかしてクレリスは

ザイシンの神性力では

治療ができないということなのかと

少し理解しました。

 

ラティルは気落ちしながら、

ザイシンに、それは本当なのかと

聞きたかったけれど

宮医と目が合うと

そうすることができませんでした。

ラティルは子供の手を離し、努めて

何も聞いていないふりをしながら、

宮医に、子供の具合を尋ねました。

宮医は、この年齢で、

長い階段を転げ落ちた割には

大丈夫だ。

皇帝の体質に少し似ているようだと

答えました。

 

ラティルは、

怪我をしていないということかと

尋ねました。

宮医は、

怪我はした。

手足に包帯を巻いておいたので、

しばらくは、

安静にしなければならないと

答えました。

 

それを聞いて子供の手を見ると、

だぶだぶのパジャマの袖の内側に

包帯を巻いた跡が見えました。

それを見ると、ラティルは

胸に穴が開いたようで、

再び子供の手をギュッと握りました。

 

宮医は、後ろから

皇帝の背中に向かって

静かに挨拶をして出て行きました。

ラティルは振り返りませんでしたが

部屋の中の気配を

すべて感じていました。

 

扉が閉まる音がするや否や、

ラティルは、

下女と乳母を交互に見ながら、

どういうことなのか。

誰が子供と一緒にいたのかと、

押さえつけていた怒りを

吐き出しました。

下女はブルブル震えながら、

 

わ、私です。 すみません、陛下。

 

と謝りながら前に出ました。

怖くて出たくありませんでしたが、

彼女が皇女を見ていたのを

目撃した人が多かったので

隠すことができませんでした。

 

怒りが込み上げていたラティルは、

身をすくめている下女に

苦言を呈そうとしましたが、

折悪しく、ザイシンが、

しばらく話をしてもいいかと

先に要請しました。

 

ラティルは下女に、

この部屋にいるよう警告すると

廊下に出ました。 

 

ラティルは、下女を

追及しようとしていたところで

出て来たため、

何の話をするつもりなのかと

鋭く尋ねました。

 

ザイシンは、

周りに他の人がいないことを

確認してから、

自分は、クレリスに

神性力を使ってみたけれど

治療ができなかったと

打ち明けました。

 

ラティルは、

クレリスが吸血鬼なのかと

尋ねました。

ザイシンは、

また吸血鬼というには

打撃を受けていない。

自分も驚いたのだけれど、

神聖力を受けても、

どこも悪くはならなかったと

答えました。

 

ラティルは、

それでは、治療を

受けられないだけなのか。

クレリスは気をつけるしかないと

呟きました。

ザイシンは、

 

はい。残念ですが。

 

と答えました。

ラティルは頭が痛くなってきて

額を手で押さえました。

クレリスへのプレゼントで、

ザイシンが

神殿用品を渡そうとすると

嫌がっているようだったのは

その兆候だったのかと思いました。

 

その時、侍従長が重い表情で

ラティルの所へ走って来て、

皇女の具合を尋ねました。

ラティルは額から手を離しながら、

怪我はしたけれど、

深刻ではないそうだと答えました。

 

そうは言ったものの、ラティルは

子供の手足に巻かれた包帯が

何度も思い浮かんで来て

胸が張り裂けそうになりました。

しかし、手足に包帯を巻くくらいなら

重傷ではないのかもと思いました。

 

侍従長は、

良かったと言うと、

会議室に行かなければならないと

告げました。

侍従長が重い表情であるのは

皇女のせいではなさそうでした。

 

ラティルは、

 

会議室って?

 

と聞き返しました。

◇大臣たちの主張◇

ラティルは会議室に入ると

素早く中を覗き込みました。

大臣たちは会議室の中央を空けて

ぎっしりと立っていました。

会議の時間が

すでに過ぎたことを考えると、

不思議なことでした。

異常な気配を感じたラティルは

どうしたのかと無愛想に尋ねました。

 

意外にもアトラクシー公爵が

まっすぐ前に一歩出ると、

これまでサーナット卿は、

近衛騎士団長の地位に

曖昧に足をかけていたと主張しました。

 

ラティルは眉を顰めました。 

サーナットの子供が怪我をしたのに

急にサーナットのことを

持ち出したからでした。

 

アトラクシー公爵は、

サーナット卿が、

近衛騎士団長職にありながらも、

皇帝の側室として、

2番目の皇女の保護者としての

役割を果たしていたと言うと、

ラティルは、なぜ大臣たちが

集まったのかに気づきました。

 

続けてアトラクシー公爵は

しかし、結局、事件が起こった。

サーナット卿が

団長の仕事をしている間に

皇女が大怪我をしたと

話しました。

 

サーナットが側室になって

最も大きな問題だったのが、

まさにサーナットの

団長職兼任の件でした。

クレリスが生まれた時は、

クレリス問題で静かだったけれど、

ある程度時期が過ぎて

クレリスが少し成長すると、

大臣たちは、直ちに

この問題を取り上げました。

 

アトラクシー公爵の一派と

ロルド宰相の一派は

サーナットの解任を要求し続けました。

しかし、

実際に現場にいる近衛騎士たちが、

サーナットでなければ

団長職の遂行が難しいと対抗しました。

それに加えて、大臣たちの中にも

兼任賛成派がいないわけでもないため

双方の意見は、

常に拮抗していました。

 

しかし、近衛騎士たちが、

あまりにもサーナットによく従う上に

彼が僅かなミスさえしないため、

サーナットは、鋭い対峙状態でも

数年間、実質的に団長職を

遂行し続けてきました。

 

ところが、

サーナットが仕事をしている間に

2番目の皇女が大怪我をしたので、

反対派が、この時とばかりに

集まって来たのでした。

 

事情を知ったラティルは、

子どもが怪我をしてから

何時間も経っていないのに、

こんなに、どっと押し寄せて来るなんて

2番目が怪我をするのを

待っていた人たちのように

振舞っていると、

怒りを押さえつけた声で

大臣たちを皮肉りました。

 

そうでなくても、

子供が怪我をした姿を見て

心配でもあり腹も立てているのに、

これをチャンスにしようとする

人々を見ると

腸が煮えくり返りました。

 

ところが、ラティルが

露骨に皮肉を言ったにもかかわらず、

そんなはずがない。

明らかに皇配がいる今、

皇帝が、あまりにも露骨に

側室を偏愛するのは問題になると、

以外にも、ロルド宰相が前に出て

アトラクシー公爵を庇いました。

サーナット問題については、

アトラクシー公爵とロルド宰相が

確実に手を握ったようでした。

 

ラティルは冷たく笑いながら

ロルド宰相の前へ

つかつかと歩いて行くと

自分が1人を贔屓しているだなんて

ロルド宰相は、息子と宮殿の話を

よくしているようだ。

自分が誰を贔屓しているのかも

知っているしと、

面と向かって皮肉を言うと、

ロルド宰相は、素早く頭を下げながら

後ろに下がり、

口の重いゲスターは、

そんな話をしない。

それに、最後にゲスターと会ったのは

 2 か月前だ。けれども、

ゲスターから話を聞かなくても

皇帝がサーナット卿だけ

贔屓しているということは

誰でも分かる。

サーナット卿1人で、いくつかの役割を

果たしているではないかと

主張しました。

 

皇帝の性質が悪いのは

ロードだからだという言葉を

避けるために、

むしろ、ラティルは、

自分がロードであることを

知らない時より、

怒りを抑えていました。

しかし、子供が怪我をして間もなく、

大臣たちが、こっそりと

再び自分たち同士で集まる姿を見ると

ラティルは昔のように

怒りのこもった笑みを浮かべながら、

自分がサーナット卿だけを

贔屓してはいけないのかと

尋ねました。

皇帝の口元に、

大臣たちにトラウマを残すような

笑みが浮かび上がると、

あちこちで大臣たちは

体をすくめました。

 

ラティルは手を後ろに組んで

上座に戻りながら、

大臣たちは、

自分が、あまりサーナットを

寵愛しないために、

彼より弱い近衛騎士団長を置くことを

望んでいるのかと尋ねました。

誰も返事をしないと、ラティルは

壇上に腕を乗せて

大臣たちを見回しながら

笑い出しました。

そして、

大臣たちがそれを望むなら、

近衛騎士団長の職にふさわしい人を

推薦するように。

しかし、そうすることにより

自分が怪我をしたら、

新しい近衛騎士団長を推薦した人と

サーナットを追い出した人が

連帯責任を

負わなければならないだろうと

言いました。

 

大臣たちは、

ロードである皇帝を傷つける人は

誰もいないと思いました。

彼らは、皇帝が直接、怪物と戦う姿を

見た人たちでした。

大臣たちが見たところ、皇帝は

怪物たちがどっと押し寄せて来ても、

一人だけ、まともな人でした。

しかし、皇帝が非常に丈夫なことを

知りながらも、

誰かと連帯責任を負うという話は

簡単には出てきませんでした。

 

皆が静かになると、

ラティルは冷たく背を向け、

皇女が怪我をするや否や、

どっと押し寄せてくるなんてと

聞こえるように、ぶつぶつ言いました。

 

ラティルが廊下に出ると、

すぐに副団長が付いて来て、

皇帝のおかげで、団長が席を守れたと

笑いながら言いましたが

ラティルは笑いませんでした。

 

副団長は、皇帝が大臣たちを

思う存分嘲弄しておきながら、

表情が深刻であることを発見して

口をつぐみました。

◇速く走った理由◇

ラティルは

食事をしたくなかったので、

すぐに次女の部屋に行きました。

サーナットは

ベッドの手すりにつかまったまま

ベビーベッドのそばに座ることさえ

できませんでした。

 

そうしているうちに

ラティルの気配を感じたのか、

彼女が扉枠を通過するや否や、

ラティルを振り返りながら、

会議場へ一緒に行けなかったことを

謝りました。

ラティルは、子供の様子を尋ねると、

サーナットは、

目を覚まさずに、ずっと眠っていると

答えました。

サーナットは

ラティルが近づくまで待ち、

下女とベビーベッドの間の距離を

見計らってから、

自分ほどではないけれど、

うちの子にも吸血鬼の特性が

あるようだと

小声で付け加えました。

 

ラティルは、

痛がる様子もなく眠っている子供の

ふっくらとした頬を撫でながら

ため息をつきました。

この子が、階段を

転げ落ちたという話を聞いた時、

どれほど驚いたか

分かりませんでした。

 

しかし、安堵するや否や

怒りがまたこみ上げて来たラティルは

壁にくっついて立っている下女を

燃えるような目で、振り返りました。

下女はブルブル震えていましたが、

すぐに近づいて来て、皇女が、

そこで転がるとは思わなかったと

ラティルに許しを請いました。

 

しかし、ラティルは、

子供が階段を下りている時に、

ただ見ていただけなのに、

許しを請うのかと非難しました。

彼女は話せば話すほど

腹が立って来て、次第に声が

大きくなっていきました。

 

ラティルは、

皇女が一人で平地を走っていて

転んだのなら理解できる。

しかし、この子は

急な階段を駆け降りて転んだ。

あなたは、あの足の短い皇女が

よろよろ階段を駆け降りるのを

見ていただけなのかと

問い詰めました。

 

下女は急いで跪くと、

皇女は同年代の子より走るのが速くて

捕まえられなかった。

皇女の年齢で

あんなに速く走れるとは

思わなかったと弁解しました。

 

しかし、ラティルは、

子供がどんなに速くても

あなたより遅かっただろうと

言い返すと、下女は、

皇女の走る速さが

あんなに速いとは予想できなかった。

普段は、あんなに速く

走らなかったからだと、

泣きながら叫びましたが、

突然、目を見開くと、

シピサ様のせいだと、

切羽詰った声で話しました。 

 

ラティルは、

なぜ、突然シピサなのかと

呆れていると、下女は

皇女様が、

いつもより速く走った理由だと

主張しました。

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クレリスの周囲には

たくさんの人がいるので、

シピサが

心配しなくてもいいという

ギルゴールの意見は

真っ当だと思います。

でもギルゴールは、

無関心なのではなく、

無駄なことをやらず、

これは自分の役目だとか、

自分にしかできないと

思ったことをやる

合理的な人だと思います。

 

下女は、ラティルが怖くて

必死に言い訳を

しているのでしょうけれど、

まずは謝るべきではないでしょうか。

言い訳をするのは、

その後だと思います。

 

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