自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

問題な王子様 164話 外伝 11話 ネタバレ 原作 あらすじ すこぶる真実な告白

 

164話 外伝11話 王妃のお茶会に行った後、エルナはビョルンと甘い時間を過ごしました。

 

ロルカの王妃に、

どれだけ多くの娘と嫁と孫娘がいるかを

喋っていたエルナは、

王妃が茶葉占いをしてくれたと

突然話題を変えました。

 

ビョルンは口元をそっと上げ、

微笑を浮かべながら、

柔らかい茶色の髪を撫でました。

エルナは、自分の話に

耳を傾けてくれていることを

知らせてくれる、その仕草が

大好きでした。

息を殺して、じっと見守っていると

花が咲くように笑う、

今この瞬間のように。

 

エルナは、

茶葉を漉さずに注いだお茶を

飲んだ後に、そのカップ

台の上にひっくり返し、

水分が乾いたら、

グラスに残った茶葉の形を見て

未来を占うと、

茶葉占いを説明し始めました。

夕方の日差しが、

2人が向かい合っている

バルコニーのベッドを染めました。

 

ビョルンは片腕で頭を支えて

横になりながら、

今日の王妃宮での出来事を

自慢する妻を見ました。

彼女の顔は、ほんの少し前まで

彼の下で身を縮めて、すすり泣いていた

あの女性のようではありませんでした。

いまだに目頭が赤くなければ、

あの記憶は、自分だけの錯覚だと

思ったかもしれませんでした。

 

エルナは、

自分のグラスには

星の形が残っていた。

それは幸せを意味するけれど、

その星は大きかったので

近いうちに、とても大きな幸せが

訪れることになるそうだと話すと

さらに明るく無邪気な笑みを

浮かべました。

もう一度泣かせたいという

サディスティックさと

今、この瞬間を続けたいという

安らかな気持ちを

同時に刺激する顔でした。

 

ニヤリと笑って頷いたビョルンは

さらさらとした髪を撫でていた手を

ゆっくりと下に動かしました。

そして、鎖骨を辿るビョルンに

エルナは、

自分もやり方を教わって来たので、

ビョルンにも

茶葉占いをしてあげようかと、

提案しました。

 

しかし、ビョルンは落ち着いて

「いいえ」と断ると、

唇と手が残した跡で

色とりどりに染まった胸に

手を滑らせました。

 

ビクッとするエルナを見て笑った彼は

大きな手いっぱいに

胸をつかみました。

優しく弄ぶ手からは、

その後を楽しむ、のんびりとした

満足感がにじみ出ていました。

 

ようやく緊張感が緩んだエルナは、

弱々しいため息をつきながら

占いなんてしなくても、

もう分かるような気がする。

ビョルンの運勢は、きっと、

とても大きな丸だと思うと

話しました。

 

ビョルンは、

それはどういう意味かと尋ねました。

エルナは子供のように

くすくす笑いながら「お金です」と

挑発的な返事をしました。

手遊びを止めたビョルンも、

軽く笑いました。

「多額の金」

それほど悪くない予言でしたた。

 

ビョルンは

可愛らしく立っている胸の先に

優しくキスをした後、

立ち上がりました。

水が見当たらなかったので、

代わりにブランデーを

一杯注ぎました。

エルナは、ベッドの隅の

クッションの山に静かに横たわって

彼を見つめていました。

 

ビョルンは酒に濡れた唇で

妻を呼びました。

改めて恥じらいを覚えたのか

もじもじしていたエルナは、

ベッドの下に落ちているベールを拾い

何も着ていない体を隠した後、

ようやく彼のそばに近づきました。

 

ベッドヘッドにもたれかかり、

半分横になったビョルンは、

膝の上にエルナを座らせました。

役に立たないベールが

気になりましが、

その下に映る体を見る楽しさが

それほど悪くないので、

そのままにしておくことにしました。

 

グラスを唇に当てると、

エルナはブランデーを

注意深く口に入れました。

しかめっ面をしているのを見ると、

薄めていない強い酒は、

まだ、きついようでした。

 

ビョルンは、グラスを置くと

テーブルの上に放置されていた

果物の皿をベッドに持って来て

干したナツメヤシを一切れ

エルナの口に入れました。

巣の中の小鳥のように食べている

エルナが可愛くて、

ビョルンは少し笑いました。

 

ハニーアーモンド、チョコレート、

香ばしいオレンジのスライスなど

エルナは何をあげても

平然と口を開きました。

彼が与えるものなら、

毒でも喜んで受け取るような

態度でした。

 

こんなに無垢で信頼のこもった目を

見ていたビョルンの唇から、

新たに柔らかなため息が漏れました。

地獄の門番が、あれほど猛々しく

主人を守った理由が

分かるような気がしました。

 

まあ、こんな女だから

王室の毒キノコも

がぶっと飲み込んだのだろう。

そこまで考えが及ぶと、

ビョルンはかなり満足しました。

残りの生涯、彼は、決して

この女の信頼を裏切ることはなく

また、誰も、あえてこの女を

欺くことができないように

するだろうから、

問題になることはありませんでした。

 

ふと、その時、

ウォルター・ハルディのことが

思い浮かびました。

自分の娘に詐欺を働いた詐欺師。

神がこの女を

自分の胸に抱かせるために

創造した者。

 

ビョルンは、

オレンジを食べているエルナの顔を

優しく抱きしめました。

彼は元気に暮らしているだろうかと

自問してエルナを見つめました。

 

どこにも彼の痕跡を

見つけることができない美しい顔が

沈む夕日の光に染まりました。

 

自分のお金を使って

元気に暮らしているだろう。

すでに知っている答えを思い出すと

虚しい笑いが漏れました。

娘と絶縁する見返りに

刑務所暮らしを免れた

ウォルター・ハルディは、

レチェン北部の

閑静な田舎に閉じこもって、

どうにか、うまく暮らしていました。

ビョルンは

彼の手足を縛ってしまう代わりに、

4人家族が、

田舎で適当に暮らせる生活費を支援し

幸いにもウォルター・ハルディは

その最後の寛容まで蹴飛ばすほど

愚かではありませんでした。

 

それが、たとえ義父であっても

気に障る奴の首ぐらい、

飛ばしてしまうことができれば

申し分ないけれど、残念ながら

文明が、それを阻む時代を

生きているのだから

仕方のないことでした。

 

ウォルター・ハルディに

首輪をつけておくために、ビョルンは

喜んでお金を払いました。

一度も、それを

惜しんだことはなかったし、

これからも、そうなるはずでした。

 

考えてみれば、

賭けの掛け金を、そっくりそのまま

エルナに握らせようとしたり

実家の借金を肩代わりして、

母方の家を取り戻して

結婚を敢行したりと、

その後も、ずっと

エルナに関することには、決して、

そろばんを弾きませんでした。

いくら少ない金額でも、

それが自分に不当な損害を与えると

判断すれば、

決して懐を開かない彼にとって

多分に異例のことでした。

 

使ったお金の額を考えていれば、

もっと早く愛を悟ったはず。

ビョルンは、かなり馬鹿げていて

もっともらしい後悔をして

首を傾げました。

 

彼をじっと見ていたエルナは

少し緊張した表情で小さく首を傾げ

何を考えているのかと尋ねました。

 

好奇心のこもった目を

ゆっくり瞬きする

エルナの目頭の上で、

長い睫毛の影が揺れました。

きれいに濡れていた目を思い出すと

妙な高揚感を覚えました。

もしかしたら、自分は

女を泣かせる悪趣味が

あるかもしれないという事実を、

ビョルンは

素直に受け入れることにしました。

 

思わずエルナを

ベッドに寝かせたビョルンは、

これ以上、見たくもないベールを

取り除きました。

後になって、

それに気づいたエルナが

手を伸ばしましたが、無駄でした。

 

何も着ていない体の上に

意図的に残しておいた

アクセサリーの

チャラチャラいう音が

微かに響き渡りました。

 

夕焼けの光で染まった

白い体の上に乗ったビョルンは、

胸が触れ合うほど上半身を下げて

エルナに向き合いました。

そして、オレンジの香りがする唇に

キスすると、

ロマンチックな考えだと答えました。

それは、ビョルン・デナイスタの

すこぶる真実な告白でした。

一番大切にしているティアラを載せると

大公妃の支度が終わりました。

レチェンの代表として

友好国の行事に参加する日であるだけに

いつにも増して、

華やかな気品を備えた姿でした。

 

エルナは少し上気した顔で

部屋を出ました。

完璧な礼装をしたビョルンは

金色のアーチの下で

彼女を待っていました、

エルナは、

ビョルンが差し出した手を取り

中央ホールに続く階段を降りました。

 

あらかじめ、

即位50周年記念式の式順と席の配置、

そして、 誰と、どのような挨拶を

交わすべきなのか、

念入りに確認しておいたので、

うまくやれる。

エルナは、自分を励ましながら

最後の一つの階段を降りました。

意外にも、そこに

カメラマンが待機していました。

 

面食らったエルナは、

今回の歴訪の記念写真は

すでに撮ったのに、

自分たちの写真を撮るのかと

尋ねました。

到着した初日に

ロルカ国王と一緒に撮ったその写真は、

すでに各種新聞に掲載され

レチェン全域に広がったはずでした。

 

にっこりと微笑んだビョルンは、

何の説明もなく

エルナをエスコートして

建物の外に出ました。

王宮の庭園に立てられている

カメラに向き合って初めて、

エルナはこの状況を理解しました。 

 

使節団のカメラマンは

あらかじめ持って来た椅子が

置かれている、

庭の入り口にあるアーチを

指差しました。

 

ビョルンは、衝動的に

そこへ向かおうとしましたが、

エルナは彼を呼び止めました。

2人きりの写真を撮ると考えだけでも

胸がいっぱいになりましたが、

だからこそ、

少し欲が出たりもしました。

 

しかし、

そうしてもいいのだろうかと

エルナは、適正なラインを

見計らうかのように

ビョルンを注意深く見ました。

彼は、

これといった感情がこもらない

淡々とした目で

エルナに向き合いました。

少なくとも頼みを無視したり

笑ったりはしないような顔でした。

 

エルナは勇気を出して、

他の所で写真を撮ってもいいかと

尋ねました。

そして、

庭で最も日当たりの良い場所に

立っているオレンジの木を指差すと

あの木には花と実の両方があるので

あそこで撮ろうと提案しました、

 

ビョルンは、

どうせ写真は白黒なので、

木になっているのが

オレンジなのかリンゴなのか

誰も分からないと言いました。

しかし、エルナは、

自分たちは知っていると言うと

慎重にビョルンの手を握りました。

もう一歩踏み出しても

傷つかないように思えました。

ロルカの春からのプレゼントなのか

エルナが指差した所から

オレンジの香りいっぱいの風が

吹いて来ました。

 

そこに立っている木と妻の顔を

順番に見たビョルンは、

待機中のカメラマンに向かって

頭を振りました。

その意味を理解した彼は、

急いでカメラを移し始めました。

 

ビョルンは、

椅子を移そうとするメイドたちに、

それは、そのままにしておくようにと

指示すると、

ゆっくりと、しかし力を込めて

自分の手の中に置かれた

小さな手を握りました。

エルナは笑いました。

その一つで、ビョルンは、

自分の世の中が完全になる気分になり

実際にそうでした。

 

大公夫妻は手を握ったまま、

オレンジの木に向かいました。

2人は、その木の下に並びましたが

依然として互いの手を

握ったままだったので、

それを見たカメラマンの顔に

困惑の色が浮かび上がりました。

それは、

幼い子供たちが酔いしれるような、

品のある王族夫婦には

全くふさわしくない

姿勢だからでした。

 

しかしビョルンは、躊躇うカメラマンに

「どうぞ」と

短い命令を下しました。

ぎょっとした彼は

何も言えないまま頭を下げました。

 

黒い布の中に入ったカメラマンが

「1」と言うと、

エルナは急いで姿勢を整えました。

「2」と言うと、

そっと頭を上げました。

自分を見下ろしている

ビョルンが見えました。

目が合った2人は、

どちらが先ということもなく、

笑いました。

「3」

ビョルンが気づく前に、

エルナがつま先立した瞬間、

フラッシュが焚かれました。

オレンジの実の上に

煙が白く散らばって行きました。

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バルコニーのベッドの上での

甘い時間。

誰かに声が

聞こえてしまうのではないかと

つい心配してしまいましたが、

ベッドの上で何をするかは

想定内でしょうし、

王族が使う部屋のバルコニーの下や

その周囲には、

誰も近付けないようにしているに

違いないと思うことにします。

 

エルナを助けるために

お金を惜しまなかったのは、

彼女を愛していたからだと

今更ながら気づいたビョルン。

ちょっと遅すぎるでしょうと

言いたいところですが、

今まで、ずっと蓋をして来た

自分の感情を少しずつ解き放って

自分自身がどういうものなのか

見つめ直している途上なので

許してあげたいと思います。

 

オレンジの木の下で写真を撮りたいと

言えたエルナ。

きっとビョルンは、

余程のことでない限り、

エルナの我儘を

何でも聞いてくれると思うし、

ビョルンは、そうされることが

嬉しいので、これからも

自分の気持ちを

どんどん伝えて行って欲しいと

思います。

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