自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

問題な王子様 166話 外伝 13話 ネタバレ 原作 あらすじ 愛はいいもの

 

166話 外伝13話 エルナとビョルンは王宮に呼び出されました。

 

愛だったなんて!

一瞬、爆撃された廃墟のように

変わってしまった昼食のテーブルで

エルナが思い浮かべることができる

考えは、それだけでした。

 

本当に愛だったなんて!

ようやく我に返ったエルナは、

握っていることも知らなかった

フォークを静かに置きました。

しかし、食卓についている

他の王室の家族たちは、

まだ魂が抜けたような顔で、

衝撃的な爆弾を投げたレオニードを

ぼんやりと眺めていました。

 

半分傾いたワイングラスを

持っているビョルン。

フォークに刺した肉の汁が

テーブルクロスの上に

垂れていることを

気づいていないルイーゼ王女。

咽ているクリスティアン王子。

眉を顰めたアルセン公爵夫人は

ナイフを握り締め

威嚇的な様子をしていました。

 

「レオが、結婚?」

しばらくして、

ワイングラスを置いたビョルンの、

まさか、国と結婚するという

宣言でもするのかと、

失笑と共に投げかけた質問が、

重い沈黙を破りました。

 

しかし、レオニードはそれを否定し、

眼鏡を持ち上げながら、

落ち着いた態度で首を横に振ると

今、自分は

一般的な結婚のことを言っている。

レチェンではなく女性、正確には、

ロゼット·プレべ嬢との結婚だと

はっきりと力を込めて口にした名前が

再び、波紋を起こしました。

平静を保っているのは、

すでに、すべての事実を知っている

国王夫妻と、その名前を知らない

エルナだけでした。

 

ルイーゼは、

まさか、プレベ伯爵家の娘の

変わり者のロゼットのことかと

悲鳴に近い鋭い質問を投げかけ、

目を丸くしました。

フォークの先にぶら下がっていた肉が

結局食卓の上に落ちましたが、

誰もそれに関心を持ちませんでした。

 

レオニードは、

そのロゼットで正しいけれど

プレべさんは変わり者ではなく

立派な淑女だと言い返しました。

 

ルイーゼは、

レチェンの王太子である兄が

本当にロゼット・プレべと

結婚するという意味なのかと

尋ねると、レオニードは

感情の起伏がない声で、

「その通りだ」と

落ち着いて反論しました。

 

どんな非難が殺到することになるか

あらかじめ予想して

対策を用意しておいたような

姿でした。

 

ルイーゼは、投げるように

フォークを下ろした手で、

ズキズキする額を押さえました。

 

離婚を決意して去った大公妃が

戻って来てからは

自粛するように過ごして来ました。

たまに開かれる

王室の家族全員が集まる席に

参加せず、やむを得ず大公妃と

同席しなければならない時は

静物のように静かに留まり、

去りました。

だから、今日も

当然そうするつもりでした。

王室の名誉そのものである

王太子の口から、

とんでもない結婚の話が

出て来るまでは。

ルイーゼは、

プレベ伯爵がどんな人なのか

忘れたのかと、呆れて失笑しました。

 

プレベ伯爵は、

幼い頃から数学に秀でた才能を見せた

自分の娘を、

大学に入れようとしました。

しかし、どの大学も、

女子学生の入学を許可したことがなく

シュベリン大学も同様でした。

すると、プレベ伯爵は

国法と争う訴訟を起こしました。

激変する社会の秩序に適応できず

没落した辺境の貴族が、

大陸最高の名門と呼ばれる

王立大学を告訴した

衝撃的な事件でした。

 

その件はしばらくの間、

レチェンの社交界を沸かせた

厄介な問題でした。

よりによって、双子の王子が

その大学に入学する予定の

年だったため、注目度がさらに

高まったためでした。

 

卵で岩を打つ戦いでしたが、

プレべ伯爵は簡単には諦めず、

娘を連れて、

直接、王立大学の教授たちを訪ねて

その能力を証明し、

彼らの請願を引き出す執念まで見せると

結局、大学総長も折れました。

 

その年、たった16歳の

幼い少女に過ぎなかった

ロゼット・プレべは、

シュベリン王立大学最初の

女子学生となりました。

プレベという名前が、

レチェンの歴史に永遠に残る

変わり者の仲間入りを果たした

年でもありました。

 

レオニードは、

プレベ卿をそんな風に罵倒するな。

あれは穏当な要求だったから

合法的に受け入れられたと

眉一つ動かさず、

落ち着いて返事をしました。

まるで堅固な壁に

向き合っているような気がする

態度でした。

 

ルイーゼは、王と王妃に、

まさかこの結婚を

本当に許可したのかと尋ねました。

静かに視線を交わした2人は、

沈黙することで肯定しました。

この数ヶ月、

2人が心配そうな顔をしていた

理由が何なのか、

初めて理解できました。

 

「お兄様、気でも狂ったの?」

ルイーゼは、

この状況を説明できるのは、

それしかないと言わんばかりに、

深刻な表情で

レオニードを見つめました。

ビョルン兄様も

こんなことはしていないと、

ルイーゼは怒りに満ちた

最も厳しい非難を浴びせました。

 

依然として

ナイフを握りしめている

アルセン公爵夫人も、

ビョルンが27年かけて

着実に積み上げてきたトラブルの塔に

レオニードは、たった一度で

追いついたと、

煌めく刃のような非難をしました。

 

問題的な王子の絶対的な基準として

提示されたビョルンは何も言わず、

双子の弟を見つめていました。

レオニードも静かな目で

彼を見つめました。

 

ロゼット・プレベ

考えれば考えるほど、

呆れ返る名前を繰り返す

ビョルンの口元が斜めに傾きました。

 

あの面白くもない

生真面目な皇太子と

数字に狂った淑女の接点は

唯一、大学でした。

まさに、その大学に

レオニードと一緒に通い、

甚だしくはロゼット・プレベ

同じ学科でしたが、

一度も2人の仲を

疑ったことはなかったし、

2人の間に何か接点があるとは

思いもよりませんでした。

 

チクチクする視線を浴びながら

入学したロゼット・プレべは、

あらゆる蔑視と逼迫、差別にも屈せず

自分の立ち位置を

開拓していきました。

うようよする男たちの中でも

決して臆することなく、

片方の頬を殴られれば、

相手の両方の頬を殴り返す

気性のせいで、

一時は狂犬というニックネームが

ついたりもしました。

 

数学科の

もう1人の狂犬であるビョルンと

ニックネームが重なるという意見が

受け入れられ、狂った白鳥に

訂正されましたが、

あの狂った白鳥とレオニードだなんて。

まともな頭なら、いや、

頭が少しおかしくなったとしても、

決して結びつかない名前でした。

 

ビョルンは、ため息をつくように

低くクスクス笑うと

ワイングラスを握りました。

そして、ゆっくりと頭を上げると

かなり変態的な趣向を持った

レチェンの王太子に向き合いました。

 

「この陰険な奴」と

まるで祝辞のように

その一言を投げかけたビョルンは

呆れた顔でグラスを傾けました。

王室のゴシップと恋愛史を愛する

レチェンの国民にとって、この夏は

大きな祝福の季節になることが

明らかでした。

夜の12時過ぎ。

エルナは、馬車の窓から

深く考え込むような目つきで、

アビット川を眺めました。

普段なら、もう深い眠りに

落ちている時間でしたが

大きな衝撃が意識を覚醒させたせいで

眠気が襲って来ませんでした。

 

今年の夏祭りで

王太子の婚約を発表し、来年の春、

レチェンの建国祭が開かれる頃に

結婚式を挙行するというのが

国王夫妻の意向でした、

 

確かに、直接見て聞いたことなのに、

依然として現実感が湧かないのは、

このような型破りな行動を見せたのが

レオニードであるためでした。

この婚約が発表されたら

どんなことが起こるだろうかと

ぼんやり想像してみるだけでも

エルナの背筋はぞっとしました。

シュベリン大公の結婚より、数倍、

大騒ぎになるのは明らかでしたが

レオニードは、

少しも躊躇する様子を

見せませんでした。

 

「本当に愛でしたね」と

エルナが静かに囁くと、

窓から、ずっと夜の風景を

見つめていたビョルンは、

ゆっくり首を回して

妻と向き合いました。

 

エルナと目が合うと、彼女は

賭けをすると言えば良かった。

そうすれば、あなたから

お金を取れたのにと、

にっこり笑って

つまらない冗談を言いました。

瞳が殊の外、輝いているのを見ると

ある程度、本心が混じっている

言葉のような気もしました。

 

世俗に染まって堕落した鹿を

じっと見つめていた

ビョルンの口元にも

笑みが浮かびました。

ようやく、エルナは

ほっとした表情をしました。

エルナは、

ビョルンが心配のあまり、

そうしているのかと尋ねました

 

手袋を外したエルナの手が

ビョルンの手の甲に触れました。

彼は、静かに首を横に振りながら

その手を握ると、

王太子殿下の結婚は、王太子

うまくやってくれるだろうと

答えましたが、

茶目っ気のある口調とは違い、

じっと空中を凝視する

ビョルンの目つきは慎重でした。

 

レオニードが、

あることを敢行するということは

完全に責任を持って、

それに耐える準備が

できているという意味でした。

もちろん、

その結婚がもたらす波紋は

レオニードの予想より

大きいかもしれないけれど、

その点も十分に考慮したはずの

完璧主義者の性格を

ビョルンはよく知っていました。

 

うまくやり遂げるであろうことを

知っているので、彼を信じました。

それ以上の感情的介入をして

レオニードが踏み出す足に

負荷をかける必要は

ありませんでした。

もちろん、数年間の恋愛を

まんまと隠して来た、その陰険さは

かなり苛立たしさを感じましたが。

 

しばらく

物思いに耽っていたエルナは

自分たちに手伝えることはないかと

尋ねると、

まだ心配そうな顔で彼を見ました。

 

ビョルンは、

どうして、エルナは

こんなにおせっかいなのかと

尋ねると、彼女は、

王太子プレベ嬢も、

世間の人々の非難を受ける結婚を

することになる。

それが、どれほど大変なことなのか

自分たちは知っているではないかと

答えました。

 

心からの心配が籠った

エルナの瞳は澄んでいました。

彼女が受けた過去の傷が

そのまま感じられるせいで

相当なクソ野郎になったような

気分にさせる目でした。

 

ビョルンは、

ただ静かに支持してやればいい。

レオニードは、そのような世論に

動揺する奴ではないし、

プレベ嬢も、非常に意志が強いと

返事をすると、

いっそう柔らかくなった目で

妻を見つめながら微笑みました。

 

「はい、そうします」と

エルナは頷きました。

笑顔を取り戻した顔に向き合った

ビョルンは、再び失うことを

心配しているかのように妻の手を

力いっぱい握っていることに

気づきました。 

情けない姿でしたが

手放したくありませんでした。

 

エルナは、

プレべ嬢はどんな人か。

自分を気に入ってくれるだろうか。

仲良くできればいいのにと

別の心配をし始めました。

シュベリン大学の狂った白鳥を

思い出すビョルンの口元に

曖昧な笑みが浮かびました。

ロゼット・プレベ

誰とも仲良くしたことがなかったし

世間もやはり、その女に敵対的でした。

天下のレオニード・デナイスタを

狂わせたのを見ると、心臓まで

数字と円周率で

満たされてはいないようで、

だから、もしかしたら

自分の婚約者と

似ているところがあるエルナを

好きになるかもしれないけれど、

それを快く確信するのは

難しい相手でした。

 

しかし、エルナは返事を聞く前に、

夏祭りの時、

自分が作った花をプレゼントして

最初の挨拶を

交わさなければならないと、

すでに狂った白鳥と友達になる決意を

固めた顔をしていました。

あえて、事前に

冷水を浴びせたくはないので、

ビョルンは適当に頷きました。

 

それから、

妻を見つめていたビョルンは

突然、眉を顰めると、

レオニードが狂った人のように

振舞ったのは愛が原因だと、

どうして分かったのかと尋ねました。

 

エルナは、春の王太子

どことなく、バフォードを訪ねて来た

ビョルンと似ていたので、

もしかしたら王太子

恋をしているのではないかと思った。

双子だから、

愛も似ているかもしれないからと

静かに説明するエルナの顔つきは

極めて穏やかで晴れやかでした。

天使の顔で

相手の頬を叩く才能だけは、

卓越した女性でした。

 

ビョルンは眉を顰めながら、

「悪口なの?」と尋ねると、

エルナは自然に首を横に振り、

全然、そんなはずがないと

答えました。

 

2人が、

じっとお互いを見つめる間に

馬車が止まりました。

待つ必要はないという

伝言を残していったので、

大公邸の玄関は閑散としていました。 

 

彼が差し出した手を取って

馬車から降りたエルナは、

褒め言葉です。

愛はいいものではないですかと

笑いながら囁きました。

 

なぜか、もう一発

殴られたような気がしましたが

ビョルンはにっこりと笑いました。

いずれにせよ、それは

間違った話ではありませんでした。

f:id:myuieri:20210206060839j:plain

f:id:myuieri:20210206071517p:plain

女性に学問は必要ないと

思われた時代、

自分の娘の才能を見抜いて

何としてでも大学に入れようとした

プレべ伯爵は

何て先進的な考えを持っていたのかと

思いました。

おそらく、その娘のロゼットも

従来の常識を破るような人で、

そんな彼女は、

生真面目なレオニードの目には

とても新鮮に映ったのではないかと

思います。

レオニードとロゼットの結婚を

受け入れてもらえないのは、

王太子たるもの、国のために

他国の王族と結婚すべきだという

考えがあるからなのでしょうか。

けれども、レオニードが

ロゼットと付き合い出した時は、

まだ、彼は

王太子になっていなかったので

国のために結婚するという考えは

あまりなかったかもしれません。

 

王と王妃が

レオニードの結婚を許したのは

愛に狂ったビョルンの様子を

見て来たからなのでしょう。

 

久しぶりに

アルセン公爵夫人の毒舌が炸裂。

お元気そうで本当に良かったです。

 

少しずつビョルンに対して

強気になっているエルナ。

それを嫌だと思わないビョルン。

1年前とは全く違う姿に

ほっこりしました。

 

いつもたくさんのコメントを

ありがとうございます。

また、私の体についても

お気遣いいただき

ありがとうございます。

 

明日も更新する予定ですが、

もしかしたら、いつもより

遅い時間になるかもしれませんが

その際はご容赦ください。

大丈夫です。

4時に更新できるように

なりました。

 

f:id:myuieri:20210206060839j:plain