自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち 539話 ネタバレ 先読み 現作 あらすじ 襲撃されたカリセンの宮殿

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539話 ヒュアツィンテからの手紙を開いて、なぜラティルは固まってしまったのでしょうか?

◇急いでカリセンへ◇

手紙の内側には血が付いていて、

字は途切れていました。

その直前までの文字が

整然としているのを見ると、

この血が付くまでは、

普通に字を書いていたという

意味でした。

 

ラティルは鳥を見ました。

鳥は喉の渇きがひどいのか

急いで水を飲んでいました。

 

ヒュアツィンテは、

ある種の事件に巻き込まれ、

手紙を全部書くことが

できなかったけれど、この鳥は、

ラティルとヒュアツィンテの間を

数え切れないほど行き来した

鳥なので、

ヒュアツィンテが

手紙を書くのを止めたのに、

手紙を足に縛ってくれないと

判断すると、

賢い鳥は、手紙を口にくわえて

運んで来たのだと思いました。

 

ラティルは、

ヒュアツィンテの名前を叫びました。

一体、彼に

何があったのだろうか。

薄茶色の紙の上に

不気味に広がっている赤い血が

ラティルを不安にさせました。

 

彼に何があったのか

確認してみなければならないと

決意したラティルは

急いで立ち上がると、

ハーレムへ駆けつけ、

ゲスターを訪ねました。

彼は裏庭で、黒い泥のようなものを

こねていましたが、

すぐに立ち上がりました。

そして、ラティルに近づくと、

彼女が青白い顔をしているので

彼女を心配し、

何かあったのかと尋ねました。


ラティルはゲスターに

カリセンの宮殿に

連れて行ってくれないかと

頼みました。

以前、ヒュアツィンテの治療のために

カリセンに

連れて行ってもらったことがあるので

狐の穴がつながっていると

思ったからでした。

 

ラティルは、

持ってきた手紙を

ゲスターに差し出すと、

伝書鳩が、ヒュアツィンテの手紙を

運んで来たけれど、

手紙が途切れていて血が付いている。

しかも伝書鳩

手紙を口でくわえて来たので

何かあったようだと説明ました。

 

ゲスターは、

少し待って欲しいと言うと、

泥を下ろし、

部屋の中に入って手を洗った後、

フード付きのゆったりしたマントを

二着持って来ました。

彼は、誰かに顔を

見られるかもしれないので

隠して行った方がいいと話しました。

 

ラティルは、

仮面を持って来る方が

良いだろうかと考えましたが、

まずは様子を見て来るつもりなので

仮面を取りに行く代わりに

マントを受け取りました。

ヒュアツィンテが

危急な状況に陥っているならば

急いで行く必要があり、

仮面を取りに行く時間が

もったいないと思いました。

ラティルはマントを羽織って

フードをかぶりました。

 

ゲスターもマントを羽織って

ラティルに近づくと、

彼女を引き寄せて抱きしめました。

狐の穴を通過する時の速度と

揺れ方が分かるので、

ラティルもゲスターの腰を

両手でつかみ、

胸に頭を埋めました。

 

「行きます」と

ゲスターが耳元でささやくと、

ラティルは頷きました。

そして、すぐに、

急降下する滑り台に

乗っているような感じがしました。

ゲスターの遅い心臓の音に

最大限集中しようとしましたが、

何度、経験しても、

あまり良い感じではありませんでした。

 

ようやく、その感じが終わると、

ラティルは埋めていた顔を

ゆっくりと上げました。

ゲスターが理解しがたい目で

ラティルを見下ろすのが

見えました。

その穏やかで暖かい茶色の瞳と

目が合った瞬間、

あっという間に表情が変わった

ゲスターが

ラティルを後ろに押しました。

思わず、床にうつぶせになった

ラティルが、ゲスターの行動に

疑問を抱く暇もないまま、

二人が立っていた場所に

「ドスン」という音と共に

巨大な岩の塊が落ちて来ました。

5、6人が両腕を最大限に伸ばせば、

辛うじて抱きしめられるくらいの

大きな岩の塊でした。

驚いたラティルは、

ゲスターの名前を叫び、

急いで立ち上がりましたが

上から良くない感じがしたので、

再び身体を横にして転がりました。

 

3、4周回っていると

「ドスン」という音が

再び聞こえて来ました。

手すりにぶつかって止まった後、

起き上がってみると、

ラティルが先ほど立っていた場所にも

岩の塊が落ちていました。 

そして、岩が二つだけではなく、

すでに、あちこちに

大きな岩が落ちていました。

以前、訪問した時、

その雄大な威容を誇っていた

宮殿のあちこちの廊下はすでに破損し

めちゃくちゃになっていました。

 

一体、何が起こったのか。

ラティルは髪を掻きむしると、

ゲスターが立っていた所へ

行きました。

しかし、

大きな岩だけが見えるだけで、

何も見えませんでした。

 

まさか・・・

 

ラティルは、こみ上げて来る恐怖に

目を見開きました。

 

この岩の

下敷きになったのだろうか?

 

ゲスターは、狐の穴を使って

逃げることができますが、

彼は瞬間的に

ラティルを押し退けました。

狐の穴に移動しようとするなら、

最初から二人で

一緒に狐の穴に入れば良かったはず。

あまりにも急な状況で、

ゲスターは狐の穴に移動する暇もなく、

ラティルを押したことは

明らかでした。

 

ラティルは、

ゲスターの名前を叫びながら

全力で岩を持ち上げました。

もしもゲスターが

この岩の下敷きになっていて、

岩を転がしたり、押したりすれば、

彼がぺちゃんこになると思い、

そんなことはできませんでした。

 

その時、背後から、

まだ残っている人がいたのかと

誰かの声が聞こえてきました。

ラティルは岩を下ろすことが

できなかったので、

首を後ろに向けました。

そこには石でできた人形を

いくつか持っている老人が

立っていました。

黒魔術師みたいでした。

 

アニャドミス側の黒魔術師だろうかと

ラティルは考えました。

彼女が主に連れているのは、

あのカラスの黒魔術師のようでしたが

タナサンに潜んでいた男爵のように

アニャドミスにも、

他の黒魔術師の部下が

何人かいることは明らかでした。

クロウもゲスターとは違い、

積極的に黒魔術師たちを

迎え入れようとしていました。

 

ラティルは、

緊張していることを見せることなく

老人に「誰なのか」と尋ねました。

彼は、

 

ふむ。

返事を持ってきたわけではないね。

 

と、返事の代わりに

わけの分からないことを言いました。

ラティルは「返事?」と聞き返し

彼の曖昧な言葉に戸惑っていると、

老人は、ラティルに向かって

持っていた石の人形を投げながら

 

さもなければ必要ない。

 

と呟きました。

 

石の人形は、ラティルの方へ

丸くなって飛んでくるかと思ったら

突然、大きな人の形に変わり、

ラティルに拳を振り回しました。

 

なぜ、ゲスター以外の黒魔術師たちは

皆、性格が気難しいのだろうかと

ラティルは心の中で悪口を吐きました。

大きな岩を持ち上げた状態でなければ

相手が石の怪物であろうとなかろうと

武器を取り出して

対応すれば良いけれども、

今、ラティルは両手で

大きな岩の塊を持ち上げていました。

これを下ろして武器を握れば、

岩の下敷きになったかもしれない

ゲスターが、

また下敷きになってしまいます。

だからといって、

片手で武器を取り出すことも

できませんでした。

どうすることもできない間に

石人間の固い拳が

目の前まで近づいて来ました。

 

そこまで見た老人は

すべてが終わったように

さっと背を向けました。

◇あり得ない力◇

しかし、老人が数歩移動する前に

後ろから「ドン」という音が

聞こえて来ました。

それは人が殴られて

飛ばされる音ではなかったので、

老人は眉をひそめ、

後ろを振り向きました。

その瞬間、老人は

自分に向かって飛んでくる

石人間を発見し、

目を大きく見開きました。

速いスピードで飛んで来た

石人間にぶつかった老人は

悲鳴を上げて倒れました。

 

老人は重い石人間を

再び小さくして立ち上がり、

これはどういうことかと思って

岩の方を見ました。

 

岩を持ち上げて、

呻いていた人間は、

依然として両手で

岩を持ち上げていました。

それなのに、一体どうやって

石人間は、

自分の方へ飛んで来たのだろうかと

慌てている老人の目に

下げている途中の足が見えました。

老人は目を大きく見開きました。

 

まさか、あのバカは、

岩を持ち上げたまま、

石人間を足で蹴って

ここまで飛ばしたのだろうか?

 

石人間は、

見かけだけ石なのではなく

本物の石でした。

ただ足で強く蹴ったからといって、

ボールが飛ぶように

飛ばすことはできませんでした。

そんなことを、

あの巨大な岩を持ち上げているバカが

蹴飛ばしたのでした。

 

老人は、

信じられないと大声で叫ぶと、

持っていた石の人形を、

すべてラティルに投げました。

石の人形たちは石人間に変わって、

皆、ラティルに飛びつきました。

老人の予想が正しければ、

ラティルは石の拳で殴られ、

すぐに床を転がるはずでした。

 

ところが、

両手で岩を持ち上げているラティルは

石人間が自分の近くに来ると、

巧みに体をひねって、

足で石人間たちを蹴ったり

石人間三人が相次いで駆けつけると、

順番に足を動かして

ポンと蹴ったりしましたが、

その足の動く速度と角度は

侮れませんでした。

しかも、足に当たった石の人形は、

軽く蹴られただけなのに、

皆、ボールのように

飛んで行きました。

 

老人は

 

あり得ない! お前は誰だ!

 

と叫ぶと、すぐに目を見開きました。

岩を持って、

ウンウン唸っていたバカが、

その巨大な岩を、

自分の身長より高く持ち上げることに

成功したからでした。

 

あり得ない!

あんな怪物がいるなんて!


しかし、老人が話を終える前に

ラティルは老人に向かって

岩をさっと投げました。

速いスピードで飛んできた岩は

老人のそばをかすめて通り過ぎ、

他の岩とぶつかって

粉々になりました。

 

割れた二つの岩の塊を

ブルブル震えながら見ていた老人は

こんな時ではないということを

遅ればせながら気づき、

急いで逃げなければならない。

早く帰って、

変な怪物が現れたことを

知らせなければならないと

思いました。

しかし、3、4歩、歩くや否や、

乱暴な手が老人の首をつかみ、

 

私は、お前に

誰かと聞いたはずだ。

 

と、いつの間にか

老人のすぐ後ろに立ったバカが

不機嫌そうな声で尋ねました。

女性の声でした。

 

老人は目を大きく見開き、

何とかして後ろを振り返ろうと

しましたが、

老人が完全に振り返る前に、

ラティルは老人を壁に押し付け、

頭を動かせないようにしながら、


お前は誰だ?

あのカラスの黒魔術師の仲間か?

 

と尋ねました。

カラスの黒魔術と聞いて、

老人はビクッとしました。

 

ラティルは、

 

仲間ですね。

 

と呟くと、舌打ちをし

宮殿の中にいた人たちは

どうなったのか。

皆、どこへ行ったのかと尋ねました。

 

老人は「知らない」と答えると、

ラティルは、老人の頭の行方も

分からなくなることがあると

格式ある口調で警告しました。

 

老人は躊躇しながら、

生きている人たちは

皇帝も含めて、

近くの神殿へ避難したと

打ち明けました。


皇帝と聞いて、

ラティルが突然静かになると、

老人は、

 

ところで、お前は誰だ?

カリセンに、

お前のような人がいるという話は

聞いていない。

 

と再び尋ねましたが、

突然、

ショックを受けたかのように驚き

 

まさか、アイニ皇后か?

 

と尋ねました。

ラティルは首を横に傾げ、

先程、老人は、自分が返事を

持って来たのではないと

言っていたけれど、

それはどういう意味なのかと

返事の代わりに尋ねました。

 

質問ばかりする女でしたが、

捕まった立場では、

一問一答を提案することもできず、

老人は、

皇帝が送ってきたのではないようだと

渋々答えました。

 

ラティルは、自分の質問と

関連がないように聞こえると

非難すると、老人は、

アイニ皇后を差し出すなら、

宮殿に呼び寄せた怪物たちを

皆、連れて行くと、

皇帝側に人を送って提案したと

答えました。

◇それなりに我慢していた◇

ヒュアツィンテは死んだわけでは

なさそうなので、

ラティルは老人の言葉に半分安堵し、

半分、心配になりました。

以前、アニャドミスが、

悪党の役割をするのは嫌だと

言っていた時、

すでに、彼女は、

悪党の役割を十分に果たしていたので

ラティルは、

何を言っているのかと思いましたが

カリセンの宮殿が、あっという間に

このような姿になったのを見ると、

それなりにアニャドミスも

我慢していたようでした。

 

もう、あえて顔色を窺うことなど

しないということなのか。

しかし、アイニが

タリウムにいることを知っていながら

すぐにカリセンを襲撃するなんて、

アニャドミスは、

アイニに自分の足で

来させようとしているのかと

考えました。

 

いずれにせよ、

アイニを狙っているのを見ると、

老人は、アニャドミスが送った

黒魔術師に間違いありませんでした。

 

ラティルは老人のうなじを叩いて

気絶させた後、

石人形を踏んで壊して、

先程、ゲスターが

下敷きになった所へ近づきました。

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タリウムにはラティルと

その仲間たちがいるので、

タリウムを攻めたところで、

苦戦すると思ったアニャドミスは

誰もいないカリセンを

攻めたのでしょうけれど、

これが、かつて英雄と呼ばれた者の

することとは思えません。

今のアニャドミスは

ドミスの皮をかぶることで、

人々が望んでいるロードの姿に

なりつつあるように思います。

 

ゲスターは嫌な奴ですが。

ラティルのことが大好きで、

彼女を必死で守ろうとする点だけは

褒めてあげたいと思います。

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