145話 ラスタが両親の暗殺を命じたことを知りナビエは・・・
◇ナビエの反撃◇
ハインリは、
ナビエが東大帝国にいた時に
まともにラスタの相手をしなかった。
絡むことさえ嫌がっていたと
指摘しました。
ソビエシュは、
ナビエがラスタと絡む度に
すべてナビエのせいにしました。
後になり、ナビエは自分から
ラスタの近くへ行くのも
嫌になりました。
ソビエシュに隠れて
ラスタをいじめることは
プライドが許しませんでした。
けれども、今は状況が変わり
ラスタは
ソビエシュの寵愛に頼らなくても
生きていける皇后になったので
両親に危害を加えることが
できるようになりました。
彼女が側室だった時も
兄と自分を追い出す力が
ありました。
ナビエは副官を呼んで
東大帝国のベア商会と
取引をしている
大きな商団の責任者を
呼ぶように命じました。
責任者がやって来ると
ナビエは
手形偽造詐欺が流行っているとか
手形偽造で
大きな損害を被った商団があると
適当に言い訳をして、
ベア商会と取引をする際、
手形がきちんと
発行されているかどうか、
手形がきちんと
使われているかなど
几帳面に確認するようにと
命じました。
ナビエの手形を、自分の手柄のために、自分の名前で使ったラスタへのナビエの反撃が始まりました。
◇港が欲しい◇
ホワイトモンドへ送った大臣が
戻ってきて、ハインリに
商人たちは全員無事で
彼らは問題を起こしたわけではない。
ホワイトモンド側では
西王国が西大帝国に変わったことを
脅威と受け止めているので
西大帝国の兵士が
商人になりすまし
港を通り過ぎる振りをして
侵略をするかもしれないと
思っているようだと報告しました。
ハインリは、
ホワイトモンドから来ている
外務副大臣に
長年の友好国に対して
不安というだけで
こんなことをするのは残念だと
皮肉を言いました。
謝罪する外務副大臣へ
ハインリは
ホワイトモンドの側で
こんな風に出て来なければ
こちらは剣を持つ気はないと
副大臣が直接、
ホワイトモンドへ帰って
報告するようにと命じました。
このような状況にもかかわらず
ハインリは愉快そうな
顔をしていました。
彼はマッケナに
一度、裏切った友好国を
以前のように信じるのは難しい。
自分たちだけの港があれば
大丈夫な気がする。
一度、不意打ちを食わせた人々が
心を入れ替えたとしても
もっと重要な時に
再び不意打ちを食わせたら
その損害は
どのくらいになるだろうか?
計算してみようと言いました。
◇ナビエのオムレツ◇
いつもハインリは
ナビエのために
料理を作ってくれましたが
2人の間の
気まずい雰囲気をなくすために
ナビエが料理をすることにしました。
ハインリ専用の調理室には
あるべき物はすべて
揃っていました。
ナビエは、何を作ろうか考えた末
簡単だけど、美味しく作れる
オムレツにしました。
ナビエのオムレツを食べた
ハインリは、
今まで食べた中で
一番美味しいオムレツだと
言いました。
お世辞でも美味しいと言われると
気持ちが良いので
ナビエは、
彼が食べる姿を見ながら
この数日間、悩まされていた
感情を押し殺すように
努力しました。
ハインリに
クイーンは食べないのかと
聞かれると、
ナビエは、全ての料理を合わせても
2口しか食べていないことに
気づきました。
ナビエはフォークで
オムレツをすくって
口の中へ入れました。
オムレツは美味しそうだけれども
なかなか口に入らず
何となく味も
すっきりしないように
感じられました。
ナビエは、自分の作った
オムレツが
ひよこのおかゆのような
気がして、
食べるスピードが
より遅くなりました。
心配するハインリに
ナビエは食欲がないと
伝えました。
ハインリは、宮医を呼ぶと
言いましたが
ナビエは食欲がないだけで
宮医を呼びたくありませんでした。
ラスタが両親の命を
奪おうとしているから、
食欲がないのも当たり前。
宮医に無理をして
疲れていると言われて
仕事を止められると困ると
思いました。
もしかして、もしかして、もしかして。
◇ラスタ、悦に入る◇
ラスタを訪れたロテシュ子爵は
ルベティを見ていないかと
ラスタに尋ねました。
ルベティの誘拐が
成功したとわかり
ラスタは、嬉しい悲鳴を
上げそうになりましたが
無理矢理それを押し殺し
ルベティのことは知らないと
答えました。
翌日の晩、
ラスタの雇った暗殺者が
ラスタの部屋の
窓辺に立っているのを見て
彼女は驚いて
悲鳴を上げそうになりました。
暗殺者は、ルベティを
不法の奴隷商人に渡したと言って
その売り上げをラスタに渡しました。
ラスタは、そのお金で
美味しい物を買って食べると言って
暗殺者に、お金と宝石を渡しました。
暗殺者が、自分の身分を調べて
ここまで来たのは不安でしたが
顧客の正体をばらず暗殺者は
役に立たないので
大丈夫だと思いました。
ラスタは、暗殺者の帰り際に
ルベティがどこに売られたか
教えて欲しいと言いました。
暗殺者は、わかったと言って
瞬く間に、いなくなりました。
ラスタは、
奴隷になり絶望している
ルベティに会いに行き
下品だと言って
無視していた奴隷に
自分もなってどんな気持ちかと
聞くつもりでした。
ルベティが絶望している姿を
想像して、
ラスタはお腹を抱えて笑いました。
わかってはいるけれど、ラスタの性格悪すぎ。
さらに、エベリーに送った下女が
エベリーのネックレスを盗むのに
成功したので、ラスタは、
もっと気分がよくなりました。
ラスタは、あなたは有能だと言って
下女を褒め、また何かあったら、
すぐに知らせるように命じました。
ラスタはエベリーのネックレスを
床に投げつけて
何度も足で踏みつけました。
やることが下品すぎます。
◇檻の中◇
ルベティは
友達と遊んで帰る時に
誰かに襲われて気絶をし
気が付けば
獣を閉じ込めるような
檻の中へ入れられていました。
ルベティは、奴隷として
売られることがわかると
非道な印象の仲買人に
いくらでもお金を払うから
助けてくれるように
頼みましたが
仲買人は断りました。
ルベティは恐怖に震えながら
丸4日間、檻の中で過ごしました。
その間、マントを被った人たちが
次々とやって来て
順番に、仲買人と値段について
交渉をしていました。
自分の目の前で
自分がいくらで売られるのか
交渉しているのを見るのは辛く、
人間は残酷だと思いました。
一番最後にやって来た人が
それまでに一番高値を付けた人の
2倍払うことで
ルベティを買いました。
ルベティは後ろ手に縛られ
猿ぐつわを嚙まされて
馬車に乗せられました。
ルベティは馬車の中で
どれだけ泣いたか
わかりませんでした。
やがて馬車が
きれいな邸宅の前に止まり
ルベティを買った人が
マントを脱ぐと
彼は皇居の近衛騎士団の
制服を着ていたので
ルベティは目を丸くしました。
彼は、謝りながら
ルベティの手に結んだ紐と
猿ぐつわをほどき
自分は近衛騎士団所属の
オロレオといって
皇帝の命令で
ルベティを助けに行ったと
伝えました。
ルベティは、
まだ意識がもうろうとしている中で
なぜ、皇帝が
自分を助けてくれたのか考えていると
オロレオは、
ルベティの拉致を命じたのは
ラスタだと告げました。
もしかして、ナビエ様は妊娠?
のシーンが出てきました。
いつ妊娠がわかるのか
先が楽しみです。
ソビエシュを可哀そうだと思う
シーンが続き
涙がこぼれることもありましたが
マンガを初めから読み返してみると
ソビエシュはひどいことを
たくさんしてきているので
やはり同情する余地はない
自業自得だと思いました。
ナビエ様の心の傷が
ハインリに癒されることを
切に願います。