171話 人々の目の前で、ラスタの最初の子の顔が見えてしまいました・・・
◇エベリーの到着◇
騎士たちがエベリーを連れてきた時
すでに大半の客が
帰った後でした。
ナビエの記憶よりも
成長していたエベリーでしたが
気力が少しも残っていない
エベリーを見て
ナビエは、彼女を
自分の部屋へ連れて行くように
近衛騎士に頼みました。
そして、
エベリーを探しに行き
連れて来てくれた
ランドレ子爵の率いる
超国籍第5騎士団の騎士に
どこでバレリーを見つけたか
尋ねました。
エベリーは東大帝国から
西大帝国に向かう途中の月の森で
道に迷っていた。
彼女と一緒に騎士たちと使節たちが
何人かいた。
馬車が壊れてしまった上に
荷物は多いし
道はわかりにくいので
どうすることもできなかったようだ。
ただ、おかしなことに
馬車の片方が完全に歪んで
粉々になっているのに
負傷者は1人もいなかったと
騎士は報告しました。
ナビエは救出した人々の中に
馬車を壊した犯人が
いるかもしれないので
彼らの身元と
座った位置を確認するように
騎士に命じました。
そこへ、
話を聞いたハインリが
やって来ました。
ナビエは、
ソビエシュは
使節団を送りながら
馬車の車輪を
確認していないはずがない。
夫としては最悪だけれど
皇帝としては
それほど鈍くない。
馬車の点検はもちろん
車輪も余分に2-3個用意する人。
おそらく使節団の中に
偽の騎士がいたかもしれない。
馬車が壊れた部分から
最も遠くに座っていた人が
犯人の確率が高いと言いました。
するとハインリは暗い顔で
ナビエがソビエシュを
褒めるのが嫌だと言いました。
ハインリは、こうすれば
自分が可哀そうで
可愛く見えることを
知っているかのように
浮かないふりをして
可愛そうなふりをして
目を伏せて
寂しがるふりを続けました。
そして、ナビエが
どうやって自分を癒してくれるか
期待しているように
こっそりナビエの
機嫌をうかがいました。
ナビエは、
このような時のハインリは
とても可愛いと
正直に伝えた後
自分以外に、ハインリが
このような行動をする度に
可愛がってくれた人いるかと
尋ねました。
ハインリは、そんな人はいない
と答えましたが
ナビエは、ハインリの過去を
知らないと言いました。
ナビエは魔法を使っていないのに
ハインリは氷のように固まりました。
ナビエは、心の中で
痛快に笑いながら
エベリーに会いに行きました。
◇前夫からのプレゼント◇
ナビエが自分の部屋に行くと
エベリーは侍女たちの部屋へ
行っているとのこと。
彼女は、そこへ行くと
エベリーは清潔な服に着替えて
ドレッサーの前に座り
ローラが彼女の髪で
遊んでいました。
エベリーは
ナビエが騎士を送り
彼女を助けてくれたことについて
お礼を言いました。
エベリーは、
ソビエシュからナビエへの
個人的なプレゼントを
預かって来たけれども
途中で、突然馬車の片方が
崩れた。
馬車を降りて道を探したけれども
簡単にはいかなかった。
ナビエへの公式なプレゼントは
重かったので
みんなで一緒に分けて持って
道を探しているうちに
騎士たちが探し出してくれたと
話しました。
ナビエはエベリーが
ケガをした人たちを
治療したのか尋ねました。
エベリーは真っ赤になって
口ごもったので
ナビエは話題を変え
ソビエシュが個人的に
ナビエに贈ってきたものについて
尋ねました。
エベリーは、
中身は知らないと言って
数枚のハンカチに包まれた
小さな箱を
ナビエに渡しました。
ナビエは自分の部屋に戻り
ソビエシュの贈ってくれた
小さな箱をテーブルの上に
置きました。
開けてもいいのか?
もらってもいいのか?
今さら、なぜ
こんな物を贈って来たのか?
と、ナビエは混乱しましたが
箱の端を注意深くつかんで
力を入れました。
◇子供の顔◇
子供の帽子が飛んだ時に
ラスタが悲鳴を上げたため
多くの人々が
そちらを向きました。
その結果、
アレンが抱いていた子が
ラスタにそっくりだったのを
多くの人々が
目撃することになり、
子供の帽子が飛んだ時
皇后の顔が真っ青になった。
あの子供は、
皇后の子供に間違いない。
皇帝を騙して結婚した。
これが本当なら
皇后の座に座っていられるのも
あと少しなどと、
宮殿の使用人、下男、下女
貴族たちまでも
その話でもちきりでした。
皇女とそっくりな男の子が
誰の子であるか
アレンは何日も
返事をしませんでした。
人々は、以前、ラスタが
子供を産んだことを
隠して再婚したと噂しました。
この程度の噂であれば
まだ良心的な方でした。
パルアン侯爵とその一派は裏で、
ラスタの最初の子と皇女の父親が
同じであることを
誰か知らないかという噂を
流していました。
ラスタは自分の部屋で
泣きながら悩みました。
噂は収まるどころか
広がる一方でした。
初めは「第一子がいる」から
始まった噂が
皇女と第一子の父親が
同じであるという噂に
なりつつありました。
ラスタは
リルテアン大公に頼んで
大きなパーティーを開いてもらい
その場で、
その子は自分の子ではないし
結婚したこともないと
言いましたが
効果はありませんでした。
あまりにも似ている
2人の子供について
誰もラスタの言葉を
信じませんでした。
そんな中、アレンは
人々が家の中を見ようと
しきりに訪ねてくると言って
ラスタに助けを求める
手紙を送ってきました。
ラスタは、ルベティではなく
アレンを殺しておけばよかったと
思いました。
ラスタは
トゥアニア公爵夫人の時のように
別の人の噂を流すことを
考えましたが
今の社交界に
彼女ほどの有名人は
いませんでした。
そして、とうとう親子検査の話まで
飛び出しました。
ソビエシュは、
親子検査をすることで
皇女と皇后の
噂を消すことができるなら
当然やると言いました。
けれでも、ラスタは
親子検査を受け入れませんでした。
パルアン侯爵が
ついでに、ラスタの生みの親の
血液検査もすればいいと
言ったからでした。
ハインリが凍り付く姿と
ナビエ様が心の中で
痛快に笑う姿が
マンガでどんな風に描かれるのか
楽しみです。
とうとうラスタに
子供がいたことが
宮廷の人たちにも
ばれてしまいました。
パルアン侯爵は
ここぞとばかりに
恨みを晴らしています。
この先、他にも
ラスタに恨みを抱く人から
復讐される予感がします。