自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち 632話 ネタバレ 先読み 原作 あらすじ 聖騎士団兄龍酒の新しい団長

f:id:myuieri:20210206055100j:plain

 

632話 ラティルは、サビの姿でタッシールに声をかけました。

◇のらりくらり◇

タッシールの目が

少し大きくなりました。

ラティルは、タッシールが

自分に気づいたと確信し、

 

何か落としたものはありませんか?

 

と、こっそり遠回しに尋ねました。

ラティルは、タッシールが

自分の意図に気づくことを

期待しながら、

椅子を斜めにしました。

 

タッシールは微笑みながら

 

私のハートですか?

 

と答えました。

レッサーパンダに気を取られていた

聖騎士たちが、

ラティルたちの方へ

視線を向けました。

 

ラティルは、

どういうことかと思いましたが、

「私のハート」は否定し、

 

本当に落としたものは

ありませんか?

さっき、こちらへ歩いて来た時、

何か落としたような

気がしたんですけれど。

 

と、眉をひそめて、再び尋ねました。

このような状況でも、

彼がふざけているように

笑っていることが、

信じられませんでした。

 

タッシールはラティルに

 

かわいいお嬢さん。

そんな風にして、私に

話しかけようとしているんですか?

私のことが気に入りましたか?

 

と尋ねました。

ラティルは、ポカンと

口を大きく開けました。

 

タッシールは、

とても機転の利く男なので、

ラティルの意図に、

気づかないはずが

ありませんでした。

それなのに、

あんな風に出てくることに

ラティルは呆れていると、

タッシールは、

 

すみません。私は結婚しています。

 

と、ヘラヘラ笑いながら答え、

自分のコップを持ち上げると、

 

お嬢さんの優れた目に乾杯!

 

と言いました。

 

ラティルの指示通り、

食堂の真ん中を歩いて

壁まで到達したクリーミー

目を、ゴロゴロ転がしました。

マントのフードを目深にかぶって

顔を隠しながら、

旅館に入って来たカルレインは

眉をしかめました。

クリーミーは、

すぐにカルレインに駆け寄り、

抱き着きました。

 

いえ、あなたが本当に

何かを落としたんですよ。

それに、私は

あなたに興味がありません。

あなたは、

麻薬の売人みたいだから。

 

ラティルはカッとなって

タッシールに言い放ちました。

彼はショックを受けた表情をして、

自分の顔を

手探りするふりをしながら、

 

ひどいです。

私が断ったからって、

そんなに悪く言うなんて。

 

と嘆きました。

 

聖騎士たちは首を傾げ、

ラティルはタッシールの唇を

引っ張りたくなりました。

せっかく、彼と話をしに来たのに、

なぜ、あんなに、

のらりくらりしているのか

訳が分かりませんでした。

 

その上、タッシールは、

 

実はお嬢さんは、

私の妻に比べて大したことない。


と言い出したので、

ラティルはカッとなって

一言、言おうとした瞬間、

二人の会話を見守っていた

聖騎士の一人が立ち上がり、

ラティルを捕まえました。

 

どうして?


ラティルが抗議すると、聖騎士は

ラティルの手首を強く握り、


仲間だな。

 

と冷たく言い放ちました。

 

ラティルは目を丸くし、

どうして分かったのかと思いました。

 

事態を見守っていたカルレインは、

ため息をつくと、

クリーミーだけを連れて

旅館の外へ出ました。

彼は顔を変えていないので

この状況では、

彼らに近づくのは難しく、

遠くから事態を見守りながら

付いて行かなければ

ならないようでした。

◇陛下は苦労したから◇

ラティルは、

両手をしっかりと縛ったロープを、

ぼんやりと見つめました。

急いでタッシールを追いかけたものの

このようなやり方で、タッシールと

一緒にいるつもりはありませんでした。

聖騎士たちは、ラティルを

完全にタッシールの仲間だと

疑っていました。

 

ラティルは、

なぜ、自分だけ縛っておくのかと

抗議すると、聖騎士は、

タッシールは皇帝の側室で、

ラティルは皇帝の側室の部下だからと

彼女をタッシールよりも

格下扱いしました。

 

タッシールは、

顔を手で扇いていましたが、

ラティルと目が合うと、

そっと視線を避けました。

 

その後、

馬車を手に入れてくると言って

一人で城門の内側へ再び入った

黒髪の聖騎士が近づき、

馬車を手に入れて来たと

告げました。

聖騎士と一緒に、

古くて小さな馬車が

ゆっくりと近づいて来ました。

 

黒髪の騎士は、

馬車が古過ぎるのではないかと

非難されましたが、彼は、

急に借りられるのはこれだけだったと

言い訳をすると、

リーダーに見える青い髪の聖騎士に

この馬車で問題ないか確認しました。

 

それから、ラティルは

タッシールと一緒に、

半強制的にその馬車に

乗ることになりました。

 

二人が馬車に乗り込むと、

黒髪の聖騎士も

一緒に乗り込みました。

ラティルとタッシールが、

余計なことをしないように

監視するのが目的のようでした。

 

しばらくすると、

馬車がガタゴト音を立てながら

城門から続く広い道を

進み始めました。

聖騎士は腕を組み、厳しい目で

タッシールとラティルを

交互に見ていましたが、

ラティルは窓の外に目を向けて

馬車の車輪が、小さな石を

踏む音だけを聞いていました。

 

しばらくして、黒髪の聖騎士が

退屈そうに、

瞼をパチパチさせている頃、

ラティルは、

ずっと窓の外に向けていた目を

初めて聖騎士に移しました。

それど、ほぼ同時に、聖騎士は

タッシールと反対側の

馬車の壁の方に倒れました。

ラティルの仕業では

ありませんでした。

 

彼女が目を丸くして見つめると、

タッシールが「シーッ」という

ジェスチャーをして笑いました。

 

あなたがやったの?


ラティルは声を出さず、

口の形だけで尋ねると、

タッシールは頷き、

自分のポケットに入っていた

小さな薬瓶を出して振りました。

ラティルは、その薬が何であるかは

分かりませんでしたが、

それで聖騎士を

一気に眠らせたようでした。

 

ラティルは、

本物の麻薬の売人みたいだと

思っていると、

彼女と目が合ったタッシールは

ニッコリ笑って、

薬瓶を再び振りました。

瓶の中で、微かな光を放つ液体が

揺れました。

 

ラティルは馬車の壁に

耳を当てました。

静かな話し声が聞こえて来ましたが

落ち着いている様子でした。

話の内容を把握することは

難しかったけれど、

他の聖騎士たちは、

馬車内部の状況を知らないことは

明らかでした。

 

安堵したラティルは、

手を縛った紐を解きながら

タッシールに耳を近づけるよう

手招きしました。

馬車が狭いので、

タッシールが腰を屈めるだけで、

彼の顔が近くなりました。

ラティルはタッシールの耳をつかんで

口を近づけると、

どういうつもりで、

聖騎士たちと一緒に来たのかと

尋ねました。

 

タッシールは首を傾けると、

ラティルの耳に口を当てて、

それを聞きに来たのかと

囁くように尋ねました。

 

彼の息が鼓膜に触れると

ラティルの産毛が立ち上がりました。

彼女は、このような状況でも、

彼の息に反応する自分が恥ずかしくて

努めて真顔で頷くと、

 

その通り。

 

と答え、タッシールが何かを

計画しているようだけれど、

見当がつかない。

もし、そうであれば、

むやみに手を出すことで、

タッシールの計画を

台無しにするかもしれないからと

話しました。

 

タッシールは、

タリウムの宮殿で事を起こせば、

ラティルに

面倒をかけるかもしれないので、

舞台を変えた。

タリウムの外で実行する方が

信憑性を高めやすいと説明しました。


ラティルは、

ぼんやりと彼の黒い瞳を見つめながら

 

え?

 

と聞き返しました。

 

よくあることだけれど、彼の説明は、

あまりにも省略された部分が多く、

ラティルは理解しにくかったので、

何が面倒で何が信憑性を高めるのかと

尋ねました。

しかし、タッシールは、

ラティルが気にする必要はないと

言いました。

ラティルは、

何もするなということかと

抗議しましたが、タッシールは

これは、自分の仕事だと

きっぱり言いました。

 

ラティルは

タッシールの言葉にビクッとして

彼を見つめました。

近すぎる距離のせいで、

彼の瞳が目の前にありました。

 

ラティルは、

なんだか気分が悪くなりました。

彼がきっぱり、

「これは自分の仕事」と言うと、

彼と自分の間に

壁ができたように感じられました。

 

ふと、ラティルは、

いつも彼に助けを求めるのは

自分であり、

その反対はなかったことを

思い出しました。

タッシールは、彼自身に関する話を

ラティルに、ほとんどしませんでした。

 

もしかして、タッシールは、

私のことを

信用していないのだろうか。

 

その考えが強くなる前に、

温かくて大きな手が

ラティルの手を包みました。

 

タッシールは、

すでに、皇帝は大変な苦労をした。

皇帝の最大の敵を失くしたので、

今は皇帝の未来を考えることだけに

力を注げばいいと言いました。

 

でも、あなたは、

まだ、あなたの敵の問題を

解決していないでしょう?

 

ラティルは、喉元まで

上がってきた言葉を、

まともに吐き出すことが

できませんでした。

 

その代わりに、ラティルは、

そんなことを言っている場合ではないと

思いながらも、

聖騎士たちに圧力をかけるなど

自分がすべきことが

あるのではないかと尋ねました。

 

タッシールは、

捜査に協力しろと言われたら

よろしく頼む。それで十分だ。

皇帝は、いつものように

誇りを持って、堂々とした態度で

行動すればいいと話しました。

 

ラティルは、もう片方の手を

タッシールの手の上に乗せると、

彼を危険な目に遭わせたくないと

言いました。

しかし、タッシールは、

 

私を信じてください。

 

と、きっぱり言いました。

 

その時、眠っている聖騎士が

ぎくりとしました。

タッシールは、

短い間、眠らせただけなので

すぐに目を覚ますだろうと

囁きました。

 

それから、窓のカーテンを、

そっと横に押すと、

ここを出るつもりなら、

もっと宮殿から離れる前に、

行かなければならないと勧めました。

 

ラティルは、

自分がここからいなくなれば、

もっとタッシールが

疑われるのではないかと

心配しましたが、タッシールは

大丈夫。

それも全部まとめて、

そのまま投げるつもりだからと

答えました。

ラティルは躊躇いましたが

聖騎士が鼻を鳴らしました。

 

彼女は仕方なく頷くと、

足で馬車を蹴りました。

バタンという音がして、

馬車の片側が壊れると、

馬が驚いてヒヒーンと鳴きました。

前に進んでいる馬車が

揺れている間に、

ラティルは地面に飛び降りました。

 

捕まえろ!

 

聖騎士たちは、

ラティルに飛びかかりました。

青い髪の聖騎士が剣を抜いて

振りかざしましたが、

ラティルは彼の肩を叩いて剣を避け、

他の聖騎士を踏みつけ、

彼らを乗り越えて走って行きました。

 

捕まえろ!

逃してはならない!

 

ラティルは、

聖騎士たちが追い付かない程度に

速度を上げました。

あまりにも速く走り過ぎたせいで、

後で、人ではないという誤解を

受けたくなかったからでした。

 

よく整備された道路の脇を

走り続けると、

足首まで生い茂る草に、

ぎっしりと覆われた平地が

現れました。

ここをまっすぐ進めば、

山へ行くことができました。

 

ラティルは、

聖騎士たちを引き離すために

そちらに走り続けましたが、

聖騎士たちの姿が見えなくなると、

ラティルは、

思い切りスピードを上げました。

流れるように、

素早く通り過ぎる風景を

見送りながら走っていたラティルは

建物の3階ほど

高くそびえる木を発見すると、

リスのように、

素早く木に登りました。

そして、真ん中辺りまで登ると、

ラティルは下を見下ろしました。

静かでした。

 

聖騎士たちは、かなり前に

ラティルを見逃し、

この付近にも、

来られなかったようでした。

 

ラティルは、ほっとしていると、

下からガサガサ音がしました。

ラティルは木の枝に足をかけて、

ぶら下がりました。

ひっくり返った視界の中に、

レッサーパンダを抱いた

カルレインの姿が現れました。

彼の無愛想な表情を見たラティルは

きまり悪そうに手を振り、

彼を呼びました。

◇頼まれたから◇

数日後、タッシールが言ったように、

ラティルは兄龍酒の捜査に

協力するよう求められました。

彼らは、タッシールが

黒魔術師たちと関係があるという

話をしながら、主な証人として、

彼の侍従であるロープを召喚しました。

 

ラティルの気持ちとしては、

ロープを行かせたくなかったし、

彼を行かせなくする権力もありました。

しかし、タッシールに

事前に頼まれていたので、

渋々、ロープを送り出しました。

タッシールに、

何か考えがあるようでしたが、

それでも不安でした。

 

ロープを聖騎士たちに送った後、

ラティルは、その日の夜、

徹夜しなければなりませんでした。

◇兄龍酒の新しい団長◇

大きな部屋の中にある唯一の椅子に、

タッシールは座っていました。

兄龍酒の聖騎士たちは、

部屋の壁際に立って、

タッシールを取り囲んでいました。

 

2日間、タッシールはここにいて、

彼らは交互に、

彼に質問をしました。

たまに、聖騎士に見えない

他の人が来たりもしました。

だから、扉が開いて

新しい人が入ってきた時も、

タッシールは驚きませんでした。

入ってきた人が

ザリポルシ姫の侍女であり、

洞窟に入って生き残った

唯一の兄龍酒の聖騎士だということを

知った時も同じでした。

 

しかし、青い髪の聖騎士が、

 

証人を連れてきました 団長。


と、その女性を団長と呼んだ時は

少し驚きました。

ザリポルシ姫に代わって、彼女が

団長職に就いたのかと思いました。


タッシールは、

自分を見下ろす女の冷たい表情に

敵意が満ち溢れていることに

気づきました。

女は、無実の罪をでっちあげてでも

タッシールを苦しめたいという

顔でした。

タッシールが笑うと

新しい兄龍の額がピクピクしました。

しかし、怒る代わりに、

新しい兄龍は

 

入って来るように言え。

 

と落ち着いて指示しました。

まもなく扉が開き、

黒い髪の聖騎士が、

ロープを連れて入って来ました。

彼はタッシールを見ると

肩をすくめて視線を落としました。

 

タッシールから6歩ほど離れた所に

ロープが立つと、新しい兄龍は

タッシールを見つめたまま、

口を開きました。

 

新しい兄龍は、

ロープに説明するためなのか

ダガ公爵家

怪異な出来事が起きた時期に、

タッシールがそこにいたと

供述した目撃者たちと、

タッシールは何回も会っていた。

そして、

彼が公爵家を偵察している最中に、

パフュームローズ商団の頭が

死亡した事件があったけれど

知られていることとは違い、

タッシールがその人と

親密に過ごしていたという

証拠も多いと、数日間、

タッシールを調査して得た内容を、

あえて、分かりやすく話しました。

すでに多くの証拠があるので、

主人のために偽証するなと

ロープにプレッシャーを

かけているようでした。

 

続けて、新しい兄龍は、

ダガ公爵家を裏切った使用人のうち

2人は、タッシールから

お金を受け取ったと証言している。

彼らは偽証していないと話しました。

そして、チラッとロープを見ながら、

これですべての状況が一致した。

ロープは、タッシールが

いつも怪しいことをしていると、

1回目の陳述の時に話した。

タッシールが秘密裏に作成した書類を

どこに保管しているのかも知っていて、

その一部は、

ロープが同じ内容を作成して

隠しておいたという話もしました。

 

タッシールと目が合うと、

ロープは首をすくめながら、

自分の言ったことに間違いない。

それらを今日、全て持って来たと

返事をしました。

そして、タッシールから

視線を逸らしながら、

タッシールが作成する書類には、

黒魔術に関する単語が

たくさん書かれていた。

あまりにも怪しくて怖かったので

別に用意しておいたと話すと、

ロープを連れてきた聖騎士が、

胸に抱いていた箱を

新しい兄龍に渡しました。

 

彼女はタッシールを見下ろしながら

書類を数枚、手に取りました。

しかし、書類に書かれた文章は

商団の仕事をしながら得た情報、

有力な取引品目の今後の展望など、

ほぼ商段の仕事に関するものでした。

 

新しい兄龍は、

眉をひそめて書類を見つめると、

ロープは、

ほとんど、そのようなことだけれど

途中、怪しいものが出て来ると

素早く言いました。

ロープを連れて来た別の聖騎士も、

ロープの言う通り、 何枚かは、

「血に染まった腹」とか「完璧な骸骨」

「黒魔術で作った恋」みたいな言葉で

いっぱいだった。

そして地図と位置が書かれていたと

説明しました。

 

新しい兄龍は

タシールを見下ろしながら、

これでもタッシールが

黒魔術とは関係ないと言うのかと

尋ねました。

タッシールは否定もしないし、

認めもしませんでした。

しかし、怯えているように

眼を伏せました。

 

それでも新しい兄龍は、

タッシールが

直接口を開く時間を与えました。

彼女はタッシールが、

ラトラシル皇帝の側近だという

理由だけでも嫌でしたが、

最小限の公正さは

守りたいと思っていました。

しかし、タッシールは

じっとしていました。


新しい兄龍は、持っていた書類を

箱に投げ入れながら、

地図に書かれている

一番近い所はどこか。

そこへ行って品物を探して来いと

指示しました。


一方、アイニは大きな柱の陰で、

マントをかぶって身を隠し、

タッシールの髪を

じっと見つめていました。

 

既存の侍従が負傷したことで、

タッシールが新しい侍従を

雇ったことは、

彼女にとって幸いなことでした。

忠誠心のない侍従のおかげで、

事がうまく運ぶように

なったからでした。

アイニは、

目下の者を懐柔できるのは、

タッシールだけではないと

思いました。

 

約40分後、新しい兄龍の指示で

出て行った聖騎士たちは、

蓋が釘で打ちつけられている

木箱を13個、持ち帰って来ました。

アイニはマントのフードを

軽く押さえながら、

柱に頭をもたれました。

 

これで家族を守れた。

タッシールさえ倒せば、

公爵家を脅かす者はいない。

 

ラトラシル皇帝が

タッシールの復讐をしようとしても

自分が報告者であることは

分からないだろうし、新しい兄龍は、

ラトラシルを憎悪しているので、

絶対に情報を漏らさないと

思いました。


アイニは、箱を壊す音を聞きながら、

半分、身を翻しました。

あえて誰かが没落する姿を

見守る必要はありませんでした。

 

しかし、アイニが

聖騎士たちの後ろを通って

外に出ようとした瞬間・・・


これは何だ!

 

と鋭い怒鳴り声が聞こえてきました。

アイニは、そちらを向きました。

椅子に座ったタッシールが

新しい兄龍ではなく、

アイニを見つめながら

微笑んでいました。 

 

?!

 

何か変でした。

f:id:myuieri:20210206060839j:plain

f:id:myuieri:20210206071517p:plain

聖騎士に捕まるような

無茶をしたラティルを

とんでもないと思いましたが、

ここで、ラティルが

タッシールと話をしなければ、

聖騎士がロープが召喚した時、

ラティルは拒否したかもしれないので

彼女の無茶が功を奏したという

ことなのかもしれません。

 

聖騎士に捕まったタッシールが

拷問を受けていなくて良かったです。

 

束の間の勝利に酔ったアイニ。

残念ですが、タッシールは

彼女の何倍も上手。

彼に勝とうというのが無理な話。

しかも、タッシールは

自分がいる所に、

アイニがいることも知っていて、

彼女の行動を何もかも

お見通しな気がします。

アイニの企みなど物ともせず、

彼女を見て微笑んでいる

タッシールは

とってもカッコいいです。

 

運動能力が

飛躍的に高まったラティル。

いつか、ギルゴールみたいに、

さっきまで、あそこにいたけれど、

いつの間にか、後ろにいる

みたいなことができるようになると

面白いと思います。

 

ラティルを逃がした後、

タッシールが聖騎士たちに

どのような言い訳をしたのかは

書かれていませんでした。

そして、ロープを送り出した晩、

なぜ、ラティルが

徹夜をしなければならなかったのか、

その理由も書かれていませんでした。

f:id:myuieri:20210206060839j:plain