自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

問題な王子様 169話 外伝 16話 ネタバレ 原作 あらすじ 賢さを恋愛に使う才能がない人

 

169話 外伝16話 ビョルンは勝てるゲームから降りて、大公邸へ戻りましたが・・・

 

レッスンをすることになっている

時間に合わせて、

何の前触れもなく、

ビョルンが帰って来ました。

 

ノックもなく開いた扉の方へ

思わず顔を向けたエルナは、

ぎょっとし、

姿勢を正して座りました。

テーブルの向かい側に座って

お祭りの日に庭園を飾る物品の

注文内容を報告していた

フィツ夫人の顔にも

すぐに当惑の色が浮び上がりました。

 

フィツ夫人は、

互いをじっと見つめる

大公夫妻の様子を見ると、

書類をたたんで持ち上げ、

続きは夕食後に改めて話すと告げ

席を立ちました。

 

ビョルンは、

扉の前から一歩退き微笑むことで

気の利く乳母に

感謝の意を表しました。

 

扉が閉まり、

応接室に2人だけになると、

最初に視線を避けたのは

エルナでした。

彼女はビョルンに

どうして許可もなしに、

むやみに入って来たのかと、

すでに知っていることを

澄まして尋ね、

慌ててドレスの裾のしわを

伸ばしました。

続いて曲がった袖のリボン飾りを

整えている間、

テーブルの前に近づいた

ビョルンが立ち止まりました。

 

エルナは首をまっすぐにして

ビョルンを見ました。

金色の午後の日差しが

乗馬服に身を包んだ彼を照らしました。

とても素敵で、

だからこそ、憎たらしい姿でした。

 

なぜ何も言わないのかと

問い詰めたエルナの声は

最初よりも

一段と穏やかになりました。

 

彼が来てくれてうれしかった。

このように、簡単に

心が弱くなってしまう自分に

呆れていましたが、

エルナは、確かにそうでした。

この男が先にプライドを捨てて

手を差し伸べてくれるとは

全く思っていなかったので

なおさらでした。

 

本当にビョルンが

憎いわけではありませんでした。

悪い言葉に腹が立ったのは

事実でしたが、

それでもエルナは、

その不器用な愛の約束を守るために

この傲慢な王子が

最善を尽くしているということ。

良い馬をプレゼントしてくれて

忙しい日程の中でも

毎晩時間を割いてくれること。

配慮と忍耐が多少欠けていても、

それなりに最善を尽くして

乗馬を教えてくれていること。

この男にとって、

そのすべてが間違いなく愛であることを

知っていました。

 

だから、エルナは、彼の本心を

疑うことはありませんでした。

ただ、もう少し

優しくして欲しかっただけ。

だから、このように

彼が先に近づいて来て

謝ってくれれば

知らないふりをして

受け入れられない理由は

ありませんでした。

 

そんな決意を固めた瞬間、

ビョルンが手を差し出し、

もうレッスンに行こうと言って

エルナを斜めに見下ろしながら

微笑みました。

昨日のことは、

きれいに忘れたかのように

平気な顔をしていました。

 

エルナが、なんだか少し

変な気分になっている間に

昨日のことは

なかったことにしてあげると

エルナの期待とは随分違う言葉を

ビョルンが発しました。

 

エルナは、

謝りに来たのではないのかと尋ねると

危うく、彼の手を握りそうになった手で

ドレスの裾をギュッと握りました。

とんでもない話を聞いているかのように

彼女を見ていたビョルンは、

やがて空笑いをすると、

「謝罪?私が?」と聞き返しました。

 

エルナは、

妻を馬より劣っている

馬鹿者扱いしたことを

謝りに来たと思ったと言い返すと

ビョルンは、そんな風に

無理に話を飛躍をさせるな。

乗馬に関しては、エルナより

ドロテアの方が優れているのは

事実ではないか。

自分はエルナを卑下したのではなく、

客観的な事実を言っただけだと

返事をすると、エルナは

「なんですって?」と反論しました。

 

続けて、ビョルンは、

馬は愚かな動物ではない。

もし自分が、本当にエルナを

そのように扱いたかったら、

そんな賢い動物と

比較しなかっただろうと

眉を顰めながら、低い声で話しました。

 

謝罪どころか、

再び喧嘩をふっかけているような

発言でしたが、そのような中でも

極めて落ち着いて冷徹な態度が

エルナをより呆れさせました。

 

エルナは、

ドロテアが自分より乗馬が上手で、

馬は賢い動物だから、

ビョルンが正しいという意味なのかと

尋ねました。

ビョルンは、

そういうことではないと反論しました。

エルナは、

それでは、どういう意味なのかと

尋ねると、ビョルンは、

今、自分はエルナの誤解を

正してあげている。

エルナを理解するという

意味でもあると答え、

寛大な笑みを浮かべました。

 

彼の意図が何であるかを

はっきりと理解したエルナは、

ぼんやりとした目だけを

ゆっくりと瞬かせました。

 

だから、この男は

本当にこんな言葉で

和解できると信じているんだ。

いや、自分が許せば解決することだと

思っていると見た方が

より適しているかも。

一体、馬より愚かなのは誰なのか。

ビョルンは、

大陸最高の名門と呼ばれる

シュベリン王立大学の名だたる秀才で

一気にレチェン金融街を支配する

地位に上った銀行家という

輝かしい知性を持っているけれど、

どうやら、その良い頭を

恋愛に使う才能がないのは

確かなようでした。

 

エルナは返事の代わりに

静かなため息をついて

席から立ち上がりました。

よく磨かれたブーツを

見下ろしていたエルナの視線が

ゆっくりと上に向かって

動き始めました。

 

すらりと伸びた長い脚と

赤い乗馬ジャケット。

優雅な笑みを浮かべた顔。

エルナは改めて

驚嘆のまなざしで彼を見ました。

ハンサムな顔は喜びを与え、

その喜びが怒りを和らげ、

かつてない忍耐心が

生まれたりもしましたが、

どうやら今日は、それだけで

全てが解決されるのは

難しそうでした。

 

沈黙が長くなると、ビョルンは、

今、エルナが、

無理にしなくてもいい余計なことに

執着しているせいで

その重圧に苦しんでいる。

だから、エルナは感情的で敏感に

反応しているのではないかと

再び、言葉を続けました。

エルナが反論するなら、

いくらでも新しい論争を

繰り広げるつもりのような

顔をしていました。

 

じっと彼を見つめていたエルナは、

両手をきれいに合わせて握り、

礼儀正しい笑みを浮かべながら、

もう、自分の部屋から

出て行ってくれないかと頼みました。

この美しい馬鹿に

エルナが言いたいことは

それだけでした。

今年も夏祭りの主役は

レオニード・デナイスタでした。

ボートレースに

参加しなかったにもかかわらず、

ついに彼がボートレースの貴賓席に

美しい女性と一緒に登場すると、

レオニードに注がれる関心は

優勝トロフィーを掲げた年以上に

熱烈でした。

 

独身主義者だ。

いや、もしかしたら

男が好きなのかもしれない。

まったく女性を寄せ付けず、

様々な憶測が飛び交っていた

レオニード・デナイスタが、

公の席に帯同した淑女なら、

間違いなく

王太子妃になる人だろうと、

その淑女を紹介される前に

皆は確信し、期待に満ちました。

 

熱い興奮がおさまると、

ところであの女性は

一体誰なのだろうと、群衆の目は

好奇心で輝き始めました。

 

社交界では

見た記憶がない顔なので、

もしかしたら、

外国の王族ではないだろうか。

グレディス王女のことがあっても

他の国の王女を

王太子妃にするのだろうか。

このレチェンのお嬢さんなら

いいのにと、

低い声で速く交わされる言葉が

一つの巨大な波を作り始めた頃、

祝辞を終えた国王が、

王太子と、その見慣れない淑女を

演壇の上に立たせ、

王太子の婚約を発表しました。

 

ロゼット・プレベ

すぐに、祭りの場は、

王太子妃と紹介された

その名前が与えた衝撃に

沸き始めました。

庭の隅にある木の下に立ち、

一息ついていたレオニードは

問題を起こしてみた感想はどう?

と言う、笑いが混じった声を聞くと

疲れた笑みを浮かべながら

声のする方を向きました。

いつの間にか近くに来た

ビョルンがそこに立っていました。

ビョルンとレオニードは、

何も言わずに並んで立ち、

夕闇が迫りつつある

風景を眺めました。

 

疲れているレオニードの肩を

力いっぱい握りしめ、

手を離したビョルンは、

なぜ、レオニードが

まだ、この眼鏡をかけているのかと

眉を顰めて、眼鏡を指差しながら

尋ねました。

ビョルンが外した薄い金縁眼鏡は

依然として皇太子の顔の上を

守っていました。

 

レオニードは、

ジーが、こちらの方が

見慣れていると言うからと

答えました。

 

「ロジー?」

聞き慣れない名前に

眉を顰めたビョルンは、

しばらくして、呆れたように

ため息をつき、

狂った奴だと言いました。

 

女に夢中になっていることが

明らかな双子の弟に、

ビョルンが言ってあげられる言葉は

それだけでした。

「ふざけているね」という言葉を

省略したのは、

今日婚約したばかりの恋人たちへの

最小限の配慮でした。

 

ジーは、大公妃が

かなり気に入っているようだし

大公妃もそのようだと、

レオニードは、

その面映ゆい愛称を口にしながら

眼鏡を持ち上げました。

 

短く身震いしたビョルンは、

レオニードの

穏やかな視線が向いている所へ

ゆっくりと顔を向けました。

シュベリン大公妃と新しい王太子妃が

噴水台の横の

リンゴの木の下に置かれたテーブルに

向かい合って座り

談笑していました。

主に話をする側はエルナで

ロゼットは聞き役でしたが

かなり楽しそうな表情なので、

レオニードの言葉通り、

お互いが気に入った様子でした。

 

大公妃はいい人だと、

レオニードは、

とても真剣な目で言いました。

ビョルンは何も言わずに

妻を見つめることで

肯定の意を示しました。

 

エルナは、庭園を飾ることから、

パーティーの料理、

客の席の配置一つ一つを

細かくチェックするなど

今日のために最善を尽くしました。

この場が不慣れで不便な

新しい王太子妃のそばを

影のようにうろつき、

些細な部分まで配慮して

気を遣ったりもしました。

いい人。

夫にとっては

荒々しく鋭い淑女ではあるけれど、

それ以上に自分の妻を

よく説明できる言葉もないことを

ビョルンも、よく知っていました。

 

レオニードはビョルンと目が合うと

だから上手くやってみろと

思いがけない言葉をかけました。

ビョルンが眉を顰めると、

彼はククッと、普段とは違う

茶目っ気がこもった笑いを

漏らしました。

 

「喧嘩したんだろう?」と

見た目より鋭いところがある

王太子が虚を突いて来ました。

それから、レオニードは、

もう仲直りしたらどうか。

また彼女を失って涙を流した

冬のような不祥事が

あってはならないだろうと、

特に「冬」に力を入れて発音した

レオニードの意中が何なのか

気づくのは、

それほど難しいことでは

ありませんでした。

 

ビョルンは、

「レオ、黙れ」と言うと、

再びその恐ろしい悪夢の日を呪って

微笑みました。

涙など見せたことがないという

話はしないことにしました。

高い確率で、

さらに、だらしのない恰好に

なるだけだからでした。

 

静かに一発を食らわせたレオニードは

ちょうどエルナとの話を終えて

立ち上がった自分の婚約者に向かって

悠々と立ち去りました。

一日中、狂気に近い関心に

悩まされた人らしくなく、

超然としている姿を

見守っていたビョルンは、

ため息をつくように

笑ってしまいました。

レオニードは

極めてレオニードらしく

嘆きの壁ようなあの王太子

これ以上心配する必要はないという

結論を下したビョルンは、

今や、妻1人が残った

リンゴの木の下のテーブルに

視線を移しました。

 

エルナは清らかな笑みが

滲み出た顔で、

明かりを眺めていました。

限りなく純粋で

無垢に見える姿でした。

 

これだから、いつも自分だけ

クソ野郎になる。

ビョルンは、

少しがっかりした気分で

笑ってしまいました。

 

頭のてっぺんまで

怒りがこみ上げてきた怒りは、

すぐに消えてしまったけれど、

よそよそしくなった仲を

取り戻すほどの機会を

見つけられませんでした。

エルナは相変わらず忙しかったし、

彼も自分の仕事に

邁進しているうちに

いつの間にか祭りの日に

なってしまいました。

 

また手を差し伸べるべきなのか。

疑問を抱くビョルンの目が

細くなりました。

一体、自分がどうしてと

反感が湧き起こった瞬間、

エルナが、こちらを向きました。

祭りの夜を照らす明かりの中で、

冷戦中の大公夫妻の目が合いました。

f:id:myuieri:20210206060839j:plain

f:id:myuieri:20210206071517p:plain

ビョルンが素直に謝って、

2人は仲直りするかと思ったら

まだまだ、喧嘩は継続中。

2人とも、

かなり意地を張っているけれど

列車事故のことをレオニードに

指摘されて、ビョルンも

ようやく、自分の方が

折れる気になったのでしょうか。

まだまだ不満そうだけれど(笑)

けれども、以前のように

2人の仲が絶望視されるような

喧嘩ではないので、

安心して見ていられます。

***********************************

皆様の心遣いに

感謝の気持ちでいっぱいです。

毎年、1日の気温差が激しい

6月、10月、11月は、

体調が悪くなりがちで、

今年は猛暑だった分、

余計に体調が悪いのかもしれません。

そろそろ、お風呂に

ゆっくり浸かれる季節になったので

良い香りの入浴剤を入れて

入浴したいと思います。

f:id:myuieri:20210206060839j:plain