79話 ナビエは、コシャールが用意したとされる偽親を問い詰めていると、ソビエシュがやって来ましたが・・・
◇離婚の理由◇
ソビエシュは、
◇ハインリへの手紙◇
◇離婚の前の準備◇
◇罪悪感◇
ナビエは数日間、
アルティナ卿を待っていましたが
やってきたのはエルギ侯爵でした。
エルギ侯爵は東大帝国の貴賓なので
拒否するわけにいきませんでした。
ナビエは
エルギ侯爵が来た理由を尋ねましたが
彼は答えず
彼女の机の上の書類の山を見て感嘆し
副官と一緒にやらないのかと
尋ねました。
副官に
数年分の業務を事前に指示したら
怪しまれるので
ナビエは
一人でするしかありませんでした。
彼の質問に答える代わりに
ナビエは、もう一度
エルギ公爵が来た理由を尋ねると
彼は、自分を
罪悪感で苦しめるつもりなのかと
わけのわからないことを
言いました。
ナビエは首を傾げて
エルギ公爵を見ていると
彼は片手で頭を支えながら
ナビエを見ました。
どのくらい時間が経ったのか
エルギ公爵は
ナビエが夢に出てきそうだと
言って、挨拶をした後、
部屋を出て行きました。
彼の行動は
理解できませんでしたが、
彼を追いかけて、
その意味を尋ねるほど
ナビエに時間はありませんでした。
そして、翌日
アルティナ卿が戻ってくる前に、
大神官が到着しました。
彼が来るなり
ソビエシュに会いに行ったことを聞き
ナビエは崩れ落ちそうな気持を
必死で支えました。
再婚申請をする時に
ソビエシュは
邪魔をするかもしれないけれど
何か方法はあるはず。
ハインリの気持ちさえ
変わらなければ
何とかなる。
離婚申請が承認される時に
再婚まで申請する必要はないと
ナビエは思いました。
◇不妊の理由◇
大神官は、
ソビエシュの所へ行きました。
小さいころ、
とても可愛らしかった
ソビエシュとナビエは、
幼くして結婚しました。
結婚式と披露宴での
仲睦まじい2人の様子を思い出し
大神官は、この二人が
離婚することが
信じられませんでした。
大神官は、離婚の理由について
ナビエに落ち度はないと
言いました。
そして、離婚の理由の一つの
ナビエが不妊だという根拠について
ソビエシュを言及しました。
ソビエシュは、
この話は秘密にして欲しいと
前置きをして、
その理由を話しました。
ソビエシュが皇太子の時、
大きな行事のために
各地から集まってくる人々へ
最大限完璧で絵のような
皇太子夫妻を見せるために
皇太子妃であるナビエは
食事制限を強いられていました。
1日4時間近く、剣術や格闘術、
騎士たちと一緒に訓練したり
乗馬をしていたソビエシュも
いつもより、
食事を減らされていました。
おなかをすかせて
かわいそうなナビエのために
ソビエシュは、
母親に食べ物をもらおうと
母親の部屋へ行きました。
母親は不在でしたが、
テーブルの上に
きれいな包み紙とリボンに
半分包まれた
クッキーの箱が置いてありました。
いつものソビエシュは
人さまにあげる物を
持って行ったりしませんでしたが
周囲を見回すと
侍女はいなかったので
ソビエシュは
そのクッキーを持っていき
ナビエと分け合って
食べてしまいました。
実は、このクッキーは
ソビエシュの父親が
一番大事にしている側室に
彼の母親が
食べさせるために作ったもので
中には、
中絶薬が入れてありました。
その薬には、
不妊の副作用がありました。
母親から、
クッキーを食べたのかと
問い詰められたソビエシュは
自分は食べたけれども
ナビエは食べていないと
嘘をつきました。
残念ながら、
アルティナ卿よりも先に
大神官が到着してしまいました。
ナビエ様の思い通りに
いきませんでしたが、
離婚と同時に
再婚要求ができなくても
ハインリの心変わりさえなければ
何とかなると、
すぐに心を切り替えられた
ナビエ様は、
どんな困難なことが起きても、
自らの力で立ち向かえる強さを
持っていると思います。
それにしても、
ナビエ様の不妊の原因が
ソビエシュの母親が作った
中絶薬入りのクッキーだったとは。
マンガの41話に、
ソビエシュの回想シーンで
彼がナビエ様と一緒に
クッキーを食べている
シーンが出てきましたが
あれが、中絶薬入りの
クッキーだったのですね。
ソビエシュはナビエ様のために
ずっと秘密に
していたのでしょうけれど、
きちんとナビエ様に、
その事実を説明するべきだったと
思います。
ソビエシュは、ナビエ様ではなく
自分と母親の名誉を選んだのだと
思います。