ナビエとハインリの会話を聞いていた
ローズとマスターズに誤解され
また、噂になるのを恐れたナビエが
慌ててハインリを部屋の中へ入れましたが
その時に、
ハインリとかなり接近してしまいました。
その後、2人は
ティーテーブルの前の椅子に座りましたが
ハインリが
さっきはドキドキした。
と言うのを聞いて
ナビエは、知らぬが仏と言いました。
ハインリは、自分がそばにいれば
寂しくないかと
ナビエに尋ねました。
ナビエはハインリの心遣いが嬉しくて
彼の手を握りながら
古くからの友人が懐かしいのは
仕方がないけれど
ここには、ローズがいて
マスターズがいて、兄がいて
あなたがいるから寂しくない。
と言うと、ハインリはにっこり笑って
はい、と言いました。
その微笑みを見ていたナビエは
妙にムズムズしたので
彼女は話題を変え、
結婚式の準備をしている場所へ行ってきたことを
ハインリに伝えました。
彼は、目を輝かせながら
最大限に華やかで美しく準備をするように
指示したと、ナビエに言いました。
あまりにも派手なようで心配だと
ナビエが言うと
西王国は宝石の産出国だから大丈夫だと
答えました。
ナビエは、派手にするのが嫌いだと
ハインリに思われたのではと思い
派手なのは嫌いではないと
言いました。
すると、ハインリは笑っているのではなく
何かを自慢したいような顔をしていました。
そして、ナビエに、告白することがあると
言いました。
ナビエは、ハインリが愛の告白をするものと思い
そうなった場合、どうしたらよいか考えていると
ハインリが、輝かしい未来を夢見る明るい顔で
私たちの結婚式の日、
あなたは西大帝国の初代皇后になります。
と言いました。
ナビエは、しばらくハインリの言っていることが
理解できませんでした。
愛の告白ではなく、皇后?
慌てていたナビエの顔を見て、ハインリは、
皇后になることは嫌かと
ナビエに聞きました。
翌日、ハインリが言ったことが
どれだけ素晴らしいことだったか
ナビエは実感しました。
西大帝国の最初の皇后になる。
西王国が西大帝国を名乗るのに
十分な力と富を持っていることを
誰もが知っていましたが
なぜ、そうしなかったのか
理由はわかりませんでした。
ナビエは、王国が帝国になる瞬間に
その場に自分がいるかと思うと
胸がときめきました。
ナビエは最初の再婚皇后であり
初代西大帝国の皇后になるので
良い皇后になるために、行動に注意し
皇后として、職務に力を入れるべきだと
思いました。
ナビエは食事の時間以外はずっと
西王国の書記が20年間
王の会議について記録した本を読みふけっていました。
そんな中、宮殿に出入りを許されている
3つの新聞社のうちの1つのブルー新聞社の
モンドレ記者が、ナビエに会いにきました。
宮殿に出入りしている3つの新聞社は
互いに競争相手。
そのうちの1つから
2度インタビューを受けているので
それよりも、刺激的な記事を書きたいと
思っているだろう。
ナビエは、困難な質問をされることを覚悟して
記者を迎え入れました。
記者は、当たり障りのない質問をいくつかした後で
ナビエが、
そろそろ来るかな?
と思った時に、彼女が予想していたよりも
答えるのが困難な質問をしてきました。
王妃殿下は、評判が良く、その能力についても
広く知られています。
だから、西王国の良い王妃となるでしょう。
それだけ、王妃が皇后として名を馳せたのは
王妃が、東大帝国に愛情があったからでしょう。
2つの国が、反目していない時は問題ありませんが
もしも両国が争うことになったら
困りませんか?
ソビエシュは、ナビエに送った手紙が
無事に届くか心配していました。
手紙を持たせた騎士が道に迷ったり
盗賊に襲われたり、心臓発作を起こして
手紙を渡せなかったり
手紙をなくしたりしないか、など
あらゆる事態を想定していました。
手紙がナビエの元に届けば
全て元通りになると思っていました。
ソビエシュは、焦りながらも
時間になると、強制的に謁見室に入りました。
気持ちが落ち着かない時に限って
結婚の祝福をしてくれというカップルが多く
ソビエシュは気が重くなり
本気で祝福をしませんでした。
しかし最後に訪れたのは
養子縁組をした子供を祝福して欲しいと願う
夫婦でした。
ソビエシュは、その子を心から祝福した後で