自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち ネタバレ 原作 37話 あらすじ マンガ 40、41話 バスローブを床に投げつけたクライン

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37話 クラインの所にいたラティルをサーナット卿が呼びに来ました。

◇クラインの悲しみ◇

サーナット卿は

ちょっとやそっとのことでは、

絶対に深刻だと言わないので、

彼がそう言うからには、

本当に、すぐに聞く必要のあることに

違いないと

ラティルは思いました。

彼女は頷いて、

急いで立ち上がりました。

 

ラティルが外へ出ると、

クラインの侍従が

不安そうに立っているのが

見えました。

突然、騎士団長が中に入ったので、

何が起こったのかと

焦ったようでした。

そして、サーナット卿と一緒に

ラティルが外へ出ると、

侍従は驚いて

ラティルを捕まえました。

 

彼は、

 

陛下、今お帰りになったら・・・

 

と言いかけましたが、

サーナット卿の氷のような視線に

話を続けることができませんでした。

 

ラティルは、

自分は急用があり、

急いで戻らなければいけないので、

クラインがバスルームから出てきたら

代わりに慰めてと頼みました。

 

ここへ来てから、ずっと陛下だけを

待っていたのに、

こんな風に、帰られては・・・

 

侍従はラティルを

切実に見つめましたが、

彼女はサーナット卿を連れて

行ってしまいました。

侍従とアクシアンは視線を交わし、

急いで部屋の中へ入りました。

クラインは、まだ

バスルームから出ていませんでした。

 

侍従は、クラインに

皇帝が行ってしまったのだから

もう出て来いと言うべきか、

バスルームから出てくるのを待って

話すべきかわからず

緊張していました。

 

しばらくして、扉がゆっくり開き

クラインがバスルームから

出てきました。

じっとしていても

偉そうな姿でしたが

洗顔をして、髪に潤いがあるせいか

いつもより美しく見えました。

中で香水を振りかけたのか

身体から、ほのかに

甘いフルーツの香りが

漂ってきました。

バスローブをゆるく着て

出てきた皇子を見て

侍従は涙が出そうになりました。

 

まだ、事態を知らないクラインは、

 

どうしてお前たちが

ここにいるんだ?

 

と言って、訳のわからないまま

アクシアンと侍従を交互に見ました。

クラインは、

 

陛下は?

 

と尋ねました。

 

クラインは

ラティルが待っているはずの

自分のベッドに向かいましたが、

そこには誰もいませんでした。

彼女が座っていた場所に、

「陛下2」の名札を付けた

熊のぬいぐるみが

ぽつんと置かれているだけでした。

クラインは、死にそうな顔で

 

これを見て、怒って帰られたのか?

 

と尋ねました。

 

侍従は、それを否定し、

皇帝は急用ができて帰ったと

答えました。

 

クラインは、

 

この夜中に、

俺を置いて行ってしまうほどの

急用は何か?

 

と尋ねました。

 

侍従は、

わからないけれど、

騎士団長が直接皇帝を迎えに来たので、

本当に緊急のことのように見えたと

答えました。

 

実際は、そこまででは、

なさそうでしたが、

クラインを傷つけないために、

侍従はわざと大げさに言いました。

しかし、すでにクラインは

十分傷ついたようで

瞳が揺れていました。

クラインの頭の中には

「非常に急ぎの仕事」よりも、

ラティルの後について回る

騎士団長の

真面目で偉そうな顔だけが

思い浮かんできました。

 

クラインは拳を握りしめたまま、

空のベッドを見つめ、

バスローブを脱ぎ、

床に投げつけると、

バスルームに入ってしまいました。

 

侍従はクラインを呼びましたが、

彼は、風呂に入るから

入ってこないように命じました。

 

侍従は、

 

お風呂は先程・・・

 

と言いかけましたが、

はい、と返事をしました。

 

バスルームに入ったクラインは

扉をしっかり閉めて、

そこへ、もたれかかって座ると

膝に顔を埋めました。

目元が熱くなり、

心は乾いていました。

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五里霧中◇

クラインが

どれだけ自分を待っていたか、

そして、今、

どれだけがっかりしているかも

知らずに、

ラティルは早足で

ハーレムのドーナツ型の建物を

抜け出しながら、

サーナット卿に、

急ぎの用かと尋ねました。

 

彼はヒッラ老神官が殺されたと

告げました。

ラティルは、

並大抵の急務ではないと

思っていましたが、

その知らせは、予想外に

良くない話でした。

 

ラティルに呼ばれて

ヒッラ老神官が来たのは、

その日の昼でした。

まだ帝都から、

遠く離れていないはずなのに

殺されたなんて。

もしかしたら、犯人は

まだ帝都内にいるのではと

ラティルは考えました。

 

ラティルは、

老神官が、

どこで誰に殺されたのか

そして、犯人について

尋ねましたが、

サーナット卿は、

歩きながら話すと答えました。

場所が場所なだけに、

そのような話をするには

ふさわしくなかったので、

ラティルは頷いて歩きました。

 

サーナット卿は、ヒッラ老神官は

帝都を出て、

馬車で15分程移動した後

殺害されたと報告しました。

 

ラティルは、

黒魔術師に殺されたのかと

尋ねましたが

サーナット卿は、

死体には、

そのような形跡はなかった。

御者も侍従も殺害されたので、

犯人が誰なのか、

全くわからない。

それと、

大神官宛の手紙が消えたと

答えました。

 

ラティルは執務室へ入るや否や、

荒々しく椅子を引いて座ると、

侍従長を呼ぶように命じました。

彼が来るまで

ラティルは考え事をして、

一言も話しませんでした。

 

侍従長が来てから30分後、

ラティルは、

 

犯人は、私に大神官を

呼んでほしくないと

思っていることは確かだ。

 

とゆっくり口を開きました。

 

ラティルが考え事を止めるまで

待っていた侍従長

黒魔術師たちが、先帝暗殺犯と

関係があるのだろうかと

問いかけましたが

ラティルは首を横に振りました。

 

そうとは言い難いです。

彼らが皇帝の暗殺犯なら、

そのまま、静かに、

身を潜めていればわからない。

あえて、私に存在を

示す必要があるでしょうか?

墓を壊したり

あなたのせいで皇帝が死んだと

手紙を書いたり

偽の犯人を送って来たり

呆れることばかりです。

四方に敵がいる彼らが、

あえて、そんなことをする

理由があるのでしょうか。

 

と言いました。

 

それなら、

先帝を殺した犯人と

関連がないのですね。

 

侍従長が言うと、

ラティルは、

 

それは確信が持てません。

自分たちの悪事を

吹聴するのを楽しむ

頭のおかしな奴らもいますから。

皆殺しにされた集団だから、

「我々は戻ってきたぞ!」

と合図を送っているのかもしれない。

 

と言いました。

 

色々な方向から同時に考えると、

却って答えが出ませんでした。

 

暗殺犯が黒魔術師と

手を組んだのだろうか?

いや、トゥーラの名を出した。

もしかして、トゥーラが

黒魔術師と手を組んだのか。

父上を殺したのが私だと思って

復讐を・・・

いや、トゥーラは死んだ。

 

トゥーラとは仲が悪かったけれど、

父親が長生きをして、

ラティルの皇太女の期間が

長くなればなるほど

彼女にとって有利であることを

トゥーラは知っていた。

そんなこともわからないほど、

トゥーラが愚かだったと、

ラティルは思いませんでした。

 

それでは、一体、誰なのだろう?

 

侍従長とサーナット卿が

横から意見を出しましたが、

これといったものは

何もありませんでした。

ラティルは犯人を捜し出すように

命じましたが、

本能的に

犯人は捕まえられない予感がしました。

あえて、帝都を出るのを待ち、

人気のない所で殺害したことから、

相手は周到に準備していることが

わかりました。

 

考え事をしていたラティルが

 

とりあえず。

 

と口を開くと、

サーナット卿と侍従長

調査の方向性について

意見を交わすのをやめて

ラティルを見ました。

 

大神官を呼ばなければ

ならないようですね。

敵はそれを防ごうとして

ヒッラ老神官を殺害したのですから。

敵が阻止しようとしたことは

やらなければならない。

 

とラティルは言いました。

 

侍従長

ラティルの意見に同意しながらも、

老神官が、大神官のいる場所を

誰も知らないと言っていたと

話しました。

 

ラティルは、

 

知りません。

しかし、大神官自身はご存じです。

ラトラシル皇帝が大神官を

招待すると、

堂々と公表してください。

 

と指示しました。

 

それを聞いたサーナット卿は驚き

老神官を殺した犯人が

ラティルを狙うのではと

心配しました。

 

けれどもラティルは鼻で笑いながら、

 

私の書いた手紙を盗んだでしょう?

私が大神官を探していることを

犯人は知っているのだから。

 

と言いました。

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◇忘れられたクライン◇

翌日、ラティルの命により、

国中に、

大神官を探しているという内容の

公文書が貼られました。

人々が動揺するのを恐れて、

黒魔術師や呪い、

暗殺の話は

書いてありませんでしたが、

大神官ともなれば、

ヒッラ老神官が殺されたことを

すでに知っている、

自分の正体を徹底的に隠す人が、

それを知っている数少ない人を、

放っておくはずがないと

ラティルは考えました。

大神官が身を隠すために、

自分の呼びかけに応じない可能性も

ずっと念頭に置いていました。

黒魔術師と噂されている人たちは、

まだ捕まっていませんでした。

 

そのようにして、

ラティルは大神官を待ち、

黒魔術師事件について

悩んでいるうちに、

数日前、クラインの部屋へ行って

黙って帰ってきたことを

すっかり忘れていました。

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◇穏やかな悪意◇

タリウムへ来てから、

クラインは

不快な経験をしていました。

 

ラナムンというムカつく奴に

嫌みを言われた。

ゲスターとかいう、へなへな野郎に

水をかけられた。

その、へなへな野郎の侍従は、

自分の主人が

水をかけたことはさて置き

彼が水を浴びせられるや否や、

襲ってきて暴言を浴びせた。

お金を払っても買えない、

大切な御札は消えてしまい、

このことで、

即位祝賀パーティの準備をするのを

へなへな野郎と

目の落ち窪んだ奴に取られてしまった。

 

その上、数日前、

自分を訪ねてきた皇帝が、

お風呂に入っている間に、

何も言わずに帰ってしまった。

カリセンでも黙って母国へ帰り、

今度も黙って、

自分の部屋へ帰ってしまった。

 

クラインは誰もが認めるほど

性格がよくありませんでしたが、

それでも、

他の国の側室としてきたので

それなりに性格を抑えていましたが、

不快な出来事が重なったせいで、

彼の忍耐力は限界に来ていました。

 

誰も、私たちの皇子様に

触れてはならない。

 

クラインの侍従は、

毎日、絶壁を

綱渡りしている気分でした。

ところが、ある日、

その綱が揺らされてしまいました。

 

クラインが一人、部屋の中で

重苦しい雰囲気に陥っていたので、

侍従とアクシアンは

彼の気分を晴らすために、

無理やり外へ連れ出しました。

 

クラインと侍従、アクシアンは

ドーナツ型の建物に沿って

ゆっくりと散歩をしていると、

侍従を連れたゲスターと

出くわしてしまいました。

クラインとゲスターはもちろん、

侍従たちまで、

皆表情が固くなり、

互いに見つめ合いました。

 

幸いにも、クラインは

ゲスターと戦う余力がなかったので、

彼は

 

どけ。

 

と言って、手を振りました。

 

消えろ。

 

普段より力がないだけで、

相変わらず荒っぽい言葉でしたが、

ゲスターは退くことも

消えることもせず、

 

陛下がクライン様をお訪ねになり、

5分もしないうちに、

お帰りになられたと聞きました。

もしかして、顔色が悪いのは

そのせいでしょうか?

 

と言いました。

ゲスターの消入りそうな声が

クラインの傷をかきむしったので、

彼の額に青筋が立ちました。

 

そして、

 

クライン様は、とてもハンサムだから、

すぐに陛下がお出でくださるでしょう。

そんなにがっかりしないでください。

 

と慰めるように言うと、

そそくさと脇へ避けました。

その声は、穏やかで優しかったが、

クラインには、

黒板を引っ搔くのと同じくらい、

ぞっとする音に聞こえました。

 

クラインの中の忍耐心が

プツンと切れました。

 

こいつ、人をからかっているのか?

 

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◇国へ帰れ!◇

タッシールに

黒魔術師のことを聞こうと

ハーレムにやって来たラティルは、

呆れた光景を見て苦笑いしました。

 

あのトラブルメーカーは、

まったく!

 

クラインはゲスターの髪の毛を

かきむしり、

ゲスターは髪が抜かれ、

首も抜かれる直前でした。

ゲスターの護衛兼侍従のトゥーリは

悲鳴を上げながら、

クラインを引き離そうとしましたが、

クラインの護衛の

アクシアンに阻まれ、

ゲスターの裾に触れることも

できませんでした。

 

アクシアンは、

人目につかない所で

殴るようにと言って

彼を止めていましたが

役に立ちませんでした。

 

ラティルは冷たく

荒々しい声で

クラインを呼びました。

5人は慌てて離れました。

 

あらゆることが重なり

頭が痛いのは、

ラティルも同じでした。

けれども、

ムカつく元恋人の弟のクラインは

来てからずっと

騒ぎを起こしているので、

ラティルはひどく腹を立てていました。

クラインのように、

怒りを露骨に吐き出すことは

ありませんでしたが、

目つきが、いつもより

沈んでいました。

 

ラティルはゲスターの前で

クラインを叱ることは

できなかったので、

トゥーリに

彼を連れて行くように指示しました。

2人が見えなくなると、

ラティルは冷たい声で、

 

あなたには

自制心というものがないの?

公衆の面前で何をしているの?

どうして他の人の頭を

かきむしるの?

 

と尋ねると、クラインは

あの腹黒い奴が先に

自分をからかったと答えました。

 

それを聞いたラティルは、

 

あなたも一緒にからかって。

手を上げないで、口を動かして!

それができないなら、

あなたの国へ帰りなさい。

私は側室に

くだらない奴を入れたのではない。

あなたみたいな人は必要ない。

今すぐ、荷物をまとめて

あなたの国へ帰りなさい!

 

と言いました。

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クラインは、

とても寂しがりやさんのように

思います。

遠い異国で、話す人と言えば

侍従とアクシアンだけ。

頼りになるのは、

自分を愛してくれていると

思っているラティルだけ。

それなのに、

やっと来てくれた彼女は

すぐに帰ってしまった。

大事にしていた御札もなくなり、

可愛いふりをした

原黒いゲスターにからかわれたので

彼に手を出さずには

いられなくなって

しまったのでしょうね。

ラティルとクラインが会う時は

なぜか、タイミングの悪い時ばかり。

彼が可哀そうになってきます。

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