自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち ネタバレ 原作 48話 あらすじ マンガ 55、56話 思慮深いアイニと最側近の座を取られたくないサーナット卿

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48話 亡くなったはずのヘウンの声を聞いたアイニでしたが・・

◇消えた恋人◇

どうして、死んだ恋人の声が

聞こえてくるの?

それも、すぐ後ろで?

 

アイニは、椅子の手すりを

しっかりつかみました。

 

後ろを振り向くべきか?

振り向かないで

誰?と尋ねるべきか。

護衛を呼ぼうか?

アイニに、様々な考えが

同時に浮かびました。

 

声が聞こえなくなると、

アイニは決心して、

後ろを振り返りました。

しかし、椅子の背もたれが高いので、

後ろを向いても、

目に見えるものは

ほとんどありませんでした。

 

彼女は固唾を飲んで、

身体を少し傾けました。

しかし、人も幽霊も

誰もいませんでした。

 

ところが、アイニが安心するや否や

 

痛い、アイニ。

 

と耳元で声がしました。

驚いたアイニは悲鳴を上げて、

目をぎゅっと閉じました。

いつもヘウンの声を

懐かしんでいましたが、

実際に死者の声を聞くと

鳥肌が立ちました。

 

その瞬間、

 

皇后陛下皇后陛下

 

と誰かがアイニの腕に手を乗せて

叫びました。

アイニは目を丸くして

息を吸い込みました。

心臓がドキドキしました。

 

陛下、お加減はいかがですか?

 

と侍女が尋ねました。

アイニが目を開くと、

侍女と護衛たちが、怯えた顔で

自分を見ていました。

腕を触っていたのは侍女でした。

 

侍女は具合が悪いのかと

もう一度尋ねましたが、

アイニは、

周りをきょろきょろ見回し、

 

ヘウンは?

 

と尋ねました。

アイニはヘウンの声を

4回もはっきり聞いたのに

ヘウンはいませんでした。

アイニは侍女を見ましたが

返事はありませんでした。

 

アイニはもう一度、

ヘウンはどこへ行ったのかと

尋ねましたが、

別の侍女が、

皇居は耳が多いので、

ヘウンの名前は出さない方がいいと

小さな声で話しました。

 

アイニは、

侍女たちが誤解していることに気づき

すぐに首を振ると、

自分はヘウンの声を聞いた、

彼を見ていないのかと尋ねました。

 

侍女も護衛たちも、

皇后陛下

どうしたのだろうという顔で、

首を振りました。

中には、アイニが

ヘウンを恋しがっていると言って

泣く者もいました。

 

本当はそうじゃないのに。

 

アイニは唇を噛みしめました。

ヘウンを恋しがっているのは

正しいし、

声を聞く前から、

ずっと恋しかったけれど、

幻聴なら、

こんなに恐ろしく

聞こえるはずがないと

アイニは思いました。

 

アイニが可哀そうな顔をしているのを

見ていられなくなった護衛は、

立ち上がり、

 

向こうは壁が高いので

人は容易に出入りできず、

出入りすれば音がする。

もう一方の道は

自分たちがしっかり守っていた。

居眠りした人はいないし、

死角もない。

交代する時の隙間時間もない。

ここに来た人は

本当に誰もいない。

 

と報告しました。

 

アイニは椅子の後ろへ歩いて行き

地面を見下ろしました。

湿った芝生が押さえつけられていて、

誰かが立っていたようでした。

 

アイニは、護衛たちに

この跡を見るように

言おうとしましたが止めました。

彼らは、自分たちが、

しっかり警備したと思っているので、

芝生が押された跡を見ても信じない、

アイニ自身がそこに立っていて

草が押されたと思うに違いないと

考えました。

 

アイニは、わかったと言って、

それ以上、話すのを止めました。

自分と父親が、

ヒュアツィンテに

人を付けているように

彼も自分に人を付けているはず。

彼らは、自分がヘウンの話をすれば

あらゆる誇大妄想をすると

思いました。

 

アイニは、

 

行きましょう。

 

と冷たく言い放ち、

戻って行きました。

 

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◇ラティルはロード?◇

自分も一緒に尋問しようかと

タッシールに聞かれた

ラティルでしたが、

彼女は自分1人で大丈夫だと言って

捕まえた者たちを、

地下の別々の牢屋へ閉じ込めるように

指示しました。

 

以前は、大神官がここにいることを

ばれないようにするためでしたが、

今回は、狐仮面が呟いた

忌まわしい

ロードという言葉のせいでした。

 

わざとそんな風に見せかけたのだと

ラティルは思いました。

彼女は、自分が

500年に1度現れる

ロードだとは思っていませんでした。

自分は、母親がおなかを痛めて

産んでくれて

乳母がおむつを替えて

ミルクを飲ませてくれた。

ラティルが成長する姿を見た人は

数百人。

当然、ロードであるはずが

ありませんでした。

けれども、その言葉を聞いて

嫌がる人もいると思いました。

 

今回の件で、タッシールのことは

とても信頼しているけれど、

彼は、かつて先帝の命令で

ラティルのことを調べ

彼女を暗殺犯と疑ったことが

ありました。

もしも襲撃者たちが、

ラティルについて

変なことを言ったら、

タッシールが先帝に忠誠心を示すか

ラティルに示すかは

分かりませんでした。

 

そして、彼女は、

仲違いや告げ口は

トゥーラの特技だったので、

狐仮面はトゥーラの部下に

間違いないと思いました。

 

服を着替えたラティルが

扉を開けるように命じると、

刑務所の前に立っていた

2人の看守が扉を開きました。

 

ラティルは松明を持って

地下に下りると、

ラティルを襲撃しようとした者が

12名、

タッシールが捕まえた者が2名、

独房にいるのが見えました。

しかし、そのうちの何人かは、

猿轡をはめられ、

後ろ手に縛られた状態で、

壁に頭をぶつけて自決していました。

ラティルは心の中で

悪態をつきました。

 

ラティルは

自決していない襲撃者の所へ

行きましたが、

彼も、猿轡を外すや否や

舌を噛んで自決しようとしたので、

ラティルは彼の口の中に

指を突っ込み、

舌を噛むのを防ぎました。

そして、死体を片付けるために

連れて来たのではないと言って

陰惨に笑いました。

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皇位に就く本当の主人◇

ラティルが刑務所の外へ出ると

サーナット卿とタッシールが

ラティルに近づきました。

侍従長もラティルを待っていましたが、

彼女が出てくるや否や、

2人がラティルの両脇に

くっ付いてしまったため

近寄ることができず、

顔をくしゃくしゃにしました。

 

サーナット卿は、ラティルに

大丈夫かと尋ねました。

彼女が、大丈夫だと答えると

タッシールはハンカチを取り出し

ラティルの顔に付いた血痕を

拭いてやりました。

その間、サーナット卿は

じっと立って、

その姿を眺めるだけでした。

 

タッシールがいなければ、

サーナット卿がやることなのに、

側室のタッシールが

目の前で

ラティルの世話をしている時に

彼が前に出るのは微妙でした。

 

その姿を見た侍従長は、

先程、自分が

後回しにされたことを思い出し、

心の中で快哉を叫びましたが、

サーナット卿が黙って

地面ばかり見ていると、

妙に変な気分になり

視線をそらしました。

 

一方、ラティルは

刑務所でのことを

思い出していたので、

3人の微妙な雰囲気を

あまり気にしていませんでした。

ラティルを襲った者たちは、

彼女が皇帝であることを

知りませんでした。

捕まえた敵の中で、

ラティルと狐仮面を襲った彼らは

尾行が付いているから

処理しろという命令を

受けて来た者たちでした。

彼らは指示を受けたことを

そのまま行う者たちなので、

知っていることは

ほとんどありませんでした。

そのため、

事実上、何かを知っているのは

タッシールが捕まえた

2人だけなのに、

ポールが接触しようとした者は

残念ながら自決してしまい、

何も明らかにできませんでした。

 

第一警備団のスパイの言葉です。

 

ずっと黙っていたラティルが

口を開いたので、

タッシールはハンカチを片付け

サーナット卿は頭を上げました。

侍従長も近づきました。

 

タッシールが、

ポールのことかと尋ねると

ラティルは頷きました。

そして、ポールは土壇場で

もうだめだと思ったのか、

ラティルのことを非難したと

話しました。

 

それを聞いた

サーナット卿の表情は

くしゃくしゃになりましたが、

タッシールは眉をひそめる代わりに

目を輝かせて

何と言ったのかと尋ねました。

 

サーナット卿は

タッシールが、

ラティルの最側近のように

割り込んできた状況が

気に入らず、

彼を睨みましたが、

ラティルがじっとしているので、

前へ出で

話すことができませんでした。

 

ラティルは宮殿へ向かって

歩きながら、

 

皇帝の座にふさわしい

本当の主人のため、

先帝を殺害した私に

警告をしたのだそうです。

 

と答えました。

 

侍従長は呆れかえり、

サーナット卿は顔が冷たく強張り、

タッシールは、

 

はい?

 

と聞き返しました。

 

3人共、

これはとんでもないという

反応でした。

 

ラティルは、

 

おかしいですよね?

でも、本人は本当に

そのように信じていました。

自分が正義であり、

私が悪であるかのように。

 

と話しました。

 

その後、ラティルは

寝宮へ到着するまで

何も話しませんでしたが、

寝室の前に到着すると

人を退け、3人を見ると、

ポールの言う本当の主人は

トゥーラのことだと思うかと

尋ねました。

驚いたタッシールは、

 

それでは、墓の件は、

トゥーラの皇子の支持勢力の

仕業ですか?

 

と尋ねました。

 

ラティルは、それに対して

生きているトゥーラのことだと

訂正したので、

タッシールはもっと驚き、

トゥーラは死んだのではないかと

確認しました。

 

ラティルは、

死んだはずの人の話が

しきりに聞こえてくる理由は

何なのかと言って

数日前の襲撃者の話をすると

タッシールは

さらに当惑した顔になりました。

 

サーナット卿は、

このような大事な話を

タッシールまで知るのが嫌で

顔が暗くなりました。

サーナット卿と侍従長にしか

秘密の話をしていなかった

ラティルがタッシールに、

色々話をするようになると、

彼が彼女の最側近になったようで

気分が悪くなりました。

 

タッシールは

ラティルが一緒に寝ていない

唯一の側室でしたが、

サーナット卿の目には、

彼が一番信頼されているように

見えました。

 

タッシールは、

ラティルに集中しながらも

サーナット卿の冷たい視線を感じて、

にやりと口の端を上げました。

それを見たラティルは、

トゥーラが生きていることが、

そんなに嬉しいのかと尋ねました。

タッシールは、

そうではないと答えました。

しかしラティルが、

タッシールの口の端が

上がっていることを指摘すると、

彼は、彼女がとても明敏なので

嬉しいと言いました。

 

そして、タッシールは、

これ見よがしにラティルにくっつき

髪を擦り付けたので、

サーナット卿の顔が

一段と暗くなりました。

 

しかし、彼は

タッシールに何か言う代わりに、

皇帝の座の本当の主人は

他の人である可能性はないかと

真剣に尋ねました。

 

ラティルは、

タッシールを軽く叩きながら

 

他の人?

 

と尋ねましたが、

サーナット卿は名前を言わず、

重苦しい目で

ラティルを見つめるだけでした。

しかし、ラティルは

その目つきで、

サーナット卿が

レアンのことを

言っていることがわかり

当惑しました。

 

レアンと仲の良いラティルは、

 

兄は私と喧嘩をして

退いたのではない。

じっとしていれば、

楽に皇位に上がれたのに、

彼が嫌だと言って退いた。

彼の支持者たちも、

皆、それを知っている。

 

と鋭い声で訴えました。

 

サーナット卿は、

素直に失言を謝罪しましたが、

ラティルは固い表情のまま、

張り付いていたタッシールを

剥がしました。

そして、3人に、

疲れているだろうから、

帰って休むように指示しました。

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◇誰も信じない◇

3人を帰して、

1人で部屋に入ったラティルは

服を脱ぎ、

浴槽に身を沈めました。

お湯に浸かっていると

襲撃者たちを尋問した時に

積み重なった緊張が

少し緩んだような気がしました。

しかし、ラティルの顔は

強張ったままでした。

彼女は兄が好きでしたが、

サーナット卿の言葉も

一理ありました。

 

後になって、レアンが

心変わりしたかもしれないし

彼の気持ちは変わっていなくても、

レアンの支持者の中には、

ラティルに

不満を抱いている人もいました。

 

可能性は低くても、

油断してやられるよりは、

あらかじめ警戒して

備えておいた方が良い。

 

ラティルは

浴槽に浮いている花びらを

ぎゅっと握りました。

 

彼女は、

問題が解決するまで、

誰も信じてはいけないと

誓いました。

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◇酒の力を借りる◇

誰も信じてはいけないと誓ったものの、

1人で全てのことをすることは

できませんでした。

謎を解決することも大切ですが、

国をうまく治めることも

ラティルの仕事でした。

 

国務は一日中頭を抱えて悩んでも

足りないほど多く、

皇女の時のように、

自由にあちこち行き来することが

できないので、

彼女は、

信頼できる人とできない人を選んで

本音を聞き、

仕事を任せることにしました。

 

その最初の対象となったのは、

ラティルと一番一緒にいる

近衛騎士団長であり、

幼い時から信頼していて、

すでに複数の機密を任せた

サーナット卿でした。

 

彼のことは信じられるけれど、

兄との友情も深いので

よく調べなければと

ラティルは思いました。

だからといって、

サーナット卿を犯罪者のように扱い、

精神力を

弱めるわけにはいかないので、

酒を飲ませて、彼の精神力を弱め

本音を聞き出すことにしました。

 

そう心に決めたその夜、

ラティルは、

お酒の瓶を何本も持ってきて、

サーナット卿を部屋へ呼びました。

彼は、テーブルの上に

ぎっしり置かれた酒瓶を見て、

驚き、ラティルを見つめました。

 

なぜ急に酒をと尋ねる

サーナット卿に、

ラティルは、

少し心が苦しくなったので

相手をしてほしいと頼みました。

 

ラティルは

酒瓶を1本手にして軽く振ると、

サーナット卿は躊躇っていましたが

反対側の席に座りました。

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アイニがヘウンの声を聞いた時と、

その後のシーン。

マンガを読んだ時は、

アイニが、ただヘウンを恋しがり、

彼の声を聞いたことを

他の人に

信じてもらえないことに

失望しているように感じましたが、

原作のアイニは、

恐怖を感じながらも

どうしてヘウンの声がするのか

冷静に考えて、

行動しているように思いました。

後ろに幽霊が

いるかもしれないのに、

振り返って確認できるアイニは

案外、強い女性で、

ヘウンの声を懐かしがっていても

実際に死んだ人の声を聞くのを

怖いと思うアイニは

現実主義者のような気がします。

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