自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち ネタバレ 原作80話 マンガ 86、91話 あらすじ ラティルに縛られているヒュアツィンテ

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80話 ラティルは彫像に化けてカリセンの宮殿に入り込みました。

◇気に入った◇

商人が、もじもじしながら、

後ろから話しかけてきたので、

ヒュアツィンテは慌てて

振り返りましたが、

彫刻が「私よ、ラティル」と

話しかけてきたことに驚き過ぎて

先程とは違い、

強張った顔をしていました。

商人を叱責するような顔では

ありませんでしたが、

ただでさえ

居ても立ってもいられなかった

商人には

そのように見えました。

結局、彼は良心に呵責を感じ、

先のことを考えると怖くなったので

自分が用意した彫像は

あれではない。

途中で手違いが生じたようだと

正直に打ち明けました。

そして、元に戻すので

お怒りにならないようにと

話している途中で、

ヒュアツィンテは、

あの彫像が気に入ったと言って、

商人の言葉を遮りました。

 

商人は驚いて、彫像を見ました。

確かに躍動感のある彫像だと

思いましたが、

先ほどと表情が

変ったような気がしました。

先ほど、皇帝が

動いたみたいだと言っていたけれど、

自分が見ても、

表情がやや変わっていました。

 

陛下、あの彫像・・・

 

と商人が言いかけると、

ヒュアツィンテは慌てて

彼の顎を自分の方へ向けました。

皇帝が強引に顎をつかんで

目を合わせると、

商人は心臓が張り裂けそうなくらい

驚きました。

そして、

暗い森のエルフのように美しい顔で

視線を合わす人に

何も言わせない顔で、

 

あれにする。

 

とそっと命令しました。

商人は、つい頷きました。

今のヒュアツィンテを前にすれば

商人以外の誰であっても、

彼の言葉を拒否できませんでした。

 

ヒュアツィンテは商人の顎を離すと、

あの彫像を自分の部屋へ置けば

うまく行くと思うので、

自分の部屋へ移すようにと

侍従に指示しました。

彼は驚きの目で

ヒュアツィンテを見ましたが、

彼は返事をする代わりに

彫像に布をかぶせて、

ほこりが付くといけないと

呟きました。

 

顎が外れるかと思っていた

ラティルは、心の中で

ヒュアツィンテにお礼を言って

ため息をつきました。

そして、ともかくも

通過できたことを幸いだと思いました。

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◇執務室にて◇

使用人たちが、

ラティルの立っている壇を持って

ヒュアツィンテの執務室へ向かう間、

ラティルは倒れないように、

足の指にしっかりと、

力を入れなければなりませんでした。

 

落ちても、

大きなケガをする高さでは

ありませんでしたが、

身体は傷つかなくても、

プライドは非常に細かく

砕けるに違いなかったので、

全力を尽くして

バランスを取っていました。

一生懸命、修練した結果が花を咲かせ、

ラティルは、

執務室の中に運ばれるまで

倒れずに済みました。

 

彫像は元々

こんなに重いものなの?

 

彫像にしては軽いんじゃないの?

 

などと、使用人たちが

ブツブツ言いながら

執務室の扉を閉めると、

ラティルは布をめくって、

ちらっと外を見ました。

誰もいませんでした。

 

最大限、

楽な姿勢を取っていましたが

彫像のふりをするのは

演武場を50周する以上に

大変でした。

 

出ても大丈夫だと思ったラティルは

布をどけると、

ため息をつきながら座り

執務室の中を見回しました。

彼らしく飾ってありました。

 

ところでヒュアツィンテは

いつ来るのだろうか?

 

10分程、彼を待っていると、

扉が開く音がしたので、

ラティルは驚き、

反射的に頭を上げて

彫像の真似をしました。

入って来たのは

ヒュアツィンテの秘書でした。

 

最初、彼は彫像を気にせず、

自分の仕事に集中していましたが、

後になって、

好奇心に耐えられなくなり

ラティルの前に立つと、

なぜ、皇帝はこんな彫像を

執務室に置けと言ったのかと

舌打ちをしました。

 

そして、座っている彫像を

机の後ろに置いたら

頭しか見えないと

首を横に振りました。

 

秘書が執務室を出て行くと、

ラティルはため息をついて

立ちあがりました。

ところが3分もしないうちに、

掃除道具を持った下女が

中に入ってきました。

ラティルは心の中で

ヒュアツィンテに悪態をつきました。

 

下女は、仲間同士で、

彫像について

話が盛り上がっていたのか、

机の上を片付けながら

しきりにラティルを見つめました。

彼女は、

 

陛下が一目ぼれした彫像が

これなのね。

 

と言って、

彫像をじっくり見るために

顔を近づけたので、

ラティルは息をするのも

我慢しました。

 

下女は、

自分の審美眼が足りないのか、

皇帝の審美眼が特別なのか、

去年の「踊る像」の方が

ずっと良かったのでは?

この像は、

のっそり立っているだけだしと

言って、部屋を出て行きました。

 

今回も、

無事に乗り切ることができた

ラティルは、

小声でヒュアツィンテの悪口を

言いながら、歯噛みしました。

 

幸い、次に入って来たのは

ヒュアツィンテでした。

ラティル自身は

2回も危機を乗り越えて

心臓が縮み上がっているのに

ヒュアツィンテは

この状況が面白いのか、

入って来た時から、

口元が上がっていました。

 

それを見たラティルは、

部屋の中に誰も入らないように

指示してはいけなかったのかと、

腕を組んでヒュアツィンテに

ブツブツ文句を言うと、

ヒュアツィンテは低い声で笑いながら

ラティルがそのようにしているので、

皆が、幽霊の彫像だと騒いでいると

返事をしました。

 

ラティルは、

自分が何をしたのかと抗議しましたが、

ヒュアツィンテは、

座っている彫像はおかしいとか

ぼそっと立っている彫像はおかしいと

宮廷人は話しているし、

運搬した人たちは、

笑う彫像だと話している。

そのうち、夜中に走り回る彫像の

階段話が出てきたら

どうするのかと尋ねました。

 

ラティルは、

ヒュアツィンテが

遅れて来たせいだと文句を言うと、

彼は、

ラティルはいつも自分のせいにすると

言いました。

 

ラティルは、定期的に

ヒュアツィンテのせいにしていると

答えると、

彼は「はいはい」と言って、

元恋人が彫像のふりをして

入って来ることがあるか、

通りすがりの人100人に

聞いてみるように勧めました。

 

そして、

椅子を部屋の中央に持って来て座ると、

自分が使節団になりすましたことは

本当に無難だったと皮肉を言いました。

 

ラティルが怒ると、

 

愛している、会いたかった。

君が来てくれて嬉しい。

 

と口にしたので、

ラティルは皮肉の方がましだと

返事をしました。

 

すると、ヒュアツィンテは

元の彫像はどこにあるのか、

お金を払っているので

置いてある場所を教えてから

帰るように告げました。

 

ラティルは、

ヒュアツィンテが

本当に中途半端だと唸ると

彼は、笑いながら

 

ハンカチ?

 

と尋ねました。

 

ラティルは、

これ以上言い争う余裕もなかったので

 

とても大きなハンカチで。

 

と答えました。

 

ラティルは、ここまで来る間、

全身緊張していたので、

身体がとても辛く、

肩が凝り、足はつったようで

腕は本物の彫像になった感じでした。

その上、心臓は何度も

ドキッとしました。

 

ヒュアツィンテは

ハンカチを渡す代わりに、

マントを脱いでラティルに着せて

帽子をかぶせました。

 

どうして?とラティルが尋ねると、

ヒュアツィンテは笑いながら

扉を指し、

今のラティルに必要なのは

浴槽のようだから、

タオルはその後でと答えました。

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◇カリセンへ来た理由◇

最も近い浴室に入ったラティルは、

ヒュアツィンテが遅れたのは

お風呂の準備をするためだったことに

気がつきました。

浴室にはタオルとバスローブまで

用意されていました。

 

ラティルはお湯の中で

堅くなった筋肉をほぐし、

皮膚に付いた白い塗料を剥がすために、

ざらざらした布で、

顔と身体をゴシゴシこすりました。

約40分後、鏡を見ると、

髪は白に近い灰色になっていましたが、

もう彫像のようには見えませんでした。

しかし、完全に白い塗料が

落ちているわけではないので、

ところどころ白いシミが

見えました。

しかし、これ以上時間がかかると

ヒュアツィンテに申し訳ないので、

ラティルはタオルで頭を包み、

バスローブを着て浴室を出ました。

 

その間、本を読んでいた

ヒュアツィンテは

扉の開く音がしたので

そちらを向くと、

奇妙な表情をしました。

 

ヒュアツィンテは、

ラティルが彫像に扮していた時、

顔が違って見えると思ったけれど、

塗料を落としても

別人のように見えると言ったので、

ラティルは、魔法で変えたと

答えました。

 

ヒュアツィンテは、

ラティルが魔法まで使っているのかと

尋ねましたが、彼女は、

自分は使わないけれど

誰かは使っていると答えました。

 

ラティルは頭を包んだタオルで

髪の水分をぎゅっと絞ると

ヒュアツィンテの向かい側に

座りました。

そこから、

彼が用意してくれた

淡い紫色の楽な服が見えました。

 

ヒュアツィンテは、話題を変えて、

どうしてラティルが

こんな風に現れたのか、

これはとても危険な方法だった、

彼女の体面が

丸つぶれになるところだったと

問い詰めました。

ヒュアツィンテは本を閉じて

ラティルをじっと見ていました。

 

彼女は、わかっているけれど

緊急事態だったから

こうするしかなかったと、

言い訳をしました。

 

ヒュアツィンテは

 

緊急だって?

 

と聞き返しました。

 

ラティルは、

苛立たしそうに、

指でタオルを押さえ続けました。

 

母と兄の話を

しなければならないのか。

自分が吸血鬼のロードと

疑われたことを

話さなければならないのか。

そんなことを言って、

ヒュアツィンテまで

自分を神殿に閉じ込めようとしたら

どうしよう?

この話はしない方がいいのか。

どこからどこまで話せばよいのか。

 

結局、彼女は、

ヒュアツィンテと一緒に、

カリセンの国境の町へ行った時に、

用事を済ませてタリウムへ帰ったら、

自分にそっくりな偽者が

皇帝の席を占めていたと話しました。

 

偽者と聞いてヒュアツィンテは

目を丸くして、顔をしかめました。

 

ラティルは、

アイニ皇后に伝えて欲しいと頼んだ、

ヘウン皇子について

思い当たることがあると書いた

メッセージを覚えているかと

ヒュアツィンテに確認しました。

そして、自分の所でも

同じようなことが起こっていて、

死んだと思っていたトゥーラも

生きている状況が

いくつか発見されたと話しました。

 

ヒュアツィンテが驚くと、

ラティルは、

黒魔術がかけられた死体も

現れたことを話しました。

 

続けてラティルは、

500年周期で現れるロードという存在。

ロードが目覚めると、

黒魔術師たちが

一緒に復活するという話を

追加説明して

重いため息をつきました。

 

そして、そのために、

自分たちは黒魔術師について、

すでにかなり警戒していたところ、

そのために、

自分がやられてしまった。

偽者が自分の姿と地位を盗み、

自分が突然邪悪な力で、

皇帝の真似をしようとした

黒魔術師になってしまったと

話しました。

 

ヒュアツィンテは

どうやってラティルの姿を

盗んだのかと尋ねると、

彼女は、自分が顔を変えるのに

使った魔法物品があるけれど、

それと似たり寄ったりの品を

持っているようだ、

それが何かわからないけれどと

答えました。

 

ヒュアツィンテは

しばらく考え込んでいました。

そして、

いくら偽者でも

性格が違うはずだから、

みんながそれを

信じているのかと尋ねました。

 

ラティルは

兄が偽者を助けていると話しました。

ヒュアツィンテの顔が

一瞬にして険しくなりました。

 

ヒュアツィンテは、

タリウムに留学していたので、

たまにレアンと一緒になることが

あったし、

ラティルが自分の兄を

どれだけ大切にしているかも

知っていました。

そのレアンがラティルを裏切ったとは。

ヒュアツィンテは

レアンを卑怯者呼ばわりして、

彼は欲のない顔をしていたくせに、

どうしてラティルを

裏切ることができたのかと

怒りを露わにしました。

 

ラティルは、兄と2人で

ヒュアツィンテの悪口を

言っていたのが

昨日のことのようだけれど、

反対になったと言いました。

 

ヒュアツィンテは、

拳を握ったり緩めたりを繰り返した後

椅子から立ち上がって

ラティルに近づき、両手を広げ、

ぎこちなく手を動かしましたが、

結局、ラティルを抱き締められず、

力なく腕を下して、

元の位置に戻りました。

 

ラティルは、

偽者が偽者であることを

明らかにしても

タイミングが重要だ。

兄が、

「あの黒魔術師が本物を偽者にした。」

と言って、

追い詰めるかもしれないから。

自分の支持勢力は、

兄の支持勢力をそのまま引き継いだので

完璧な証拠がなければ

兄の言うことを信じると話しました。

 

ヒュアツィンテは、

ラティルの前にしゃがみこんで

目を合わせ、

自分はどうやって助ければ良いかと

尋ねました。

 

ラティルは、助けてくれるのかと

聞き返しました。

 

ヒュアツィンテは、

 

どうしたの?

君もわかっているから

来たんじゃないの?

私が、まだ君に縛られていることを。

 

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◇変な女◇

皇后陛下大変です!

 

応接室から聞こえて来た

けたたましい声に、

アイニは、目の上に乗せていた

おしぼりを片付けて横を見ました。

侍女が青い顔をして、

拳を震わせながら

息を切らしていました。

 

アイニは、どうしたのかと尋ねると

侍女は、皇帝が

変な女をこっそり連れて来たと

報告しました。

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何はともあれ、ラティルが無事に

ヒュアツィンテに会えて、

事情を説明することができて

良かったです。

 

レアンがヒュアツィンテのことを

ひどく怒っていたのは、

彼がラティルを裏切らず、

彼女がカリセンの皇后に

なっていれば、

ラティルが皇帝にならずに済んだと

思ったからなのでしょうね。

けれども、

ラティルがロードである可能性を

知っていたにもかかわらず、

自分は大賢者になりたいために

皇太子を辞めて

ラティルに皇太女の座を

譲ったのですから、

本当に自分勝手だと思います。

 

ヒュアツィンテが

ラティルを

抱き締められなかったのは

彼女は自分のことを

もう愛していないと

思っていたからなのでしょうか。

もしも、抱き締めていたら、

2人の関係が

少し変わったでしょうか。

愛する人が目の前にいるのに

何もできないヒュアツィンテに

もどかしさを感じます。

 

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