自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち 原作107話 ネタバレ あらすじ マンガ 111、112話 帰って来たサーナット卿と大神官が落ち込んだ理由

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107話 前にラティルが大神官にしたこととは何でしょうか?

◇大神官<サーナット卿◇

前にしてくれたこと?

 

ラティルは、

まだ、ぼーっとしていたので

反射的に尋ねましたが、

大神官が親指で押さえている

唇の形が崩れると、

彼女は眠気から覚めて、

上体を起こし、

 

キス?

 

と尋ねました。

大神官は、どうして聖職者が

そのような言葉を

口に出せるのかと言わんばかりに

かすかに笑って頷きました。

 

ラティルは、

そんな風に唇を触るより

言葉で言った方がいいのではと

思いましたが、

それを指摘すべきかどうか悩むだけで

何も言えませんでした。

大神官の指に押されて

いつもよりも膨らんだ唇が

ラティルの視線を奪っていました。

 

以前、ヒュアツィンテが来た時に

腹立ちまぎれに

大神官にキスをしたことを思い出すと

当時の背徳感が再び押し寄せて来て

ラティルの手がブルブル震えました。

彼女は何と言えばいいのかと思い

ぎこちなく耳を撫でました。

あの時は、

腹立ちまぎれにキスをしたので

相手が大神官でなくても良かった。

何とかして、あの場で

ヒュアツィンテに

冷や水を浴びせたかっただけでした。

ところが、

このように2人きりでいる所で

このような雰囲気で

大神官にキスをせがまれると

ラティルの心臓が

勝手に形を変えました。

 

あなたは大神官で、今は、

偽装して側室になっているのに

どうするの?

 

と言おうか言うまいか、

ラティルは横目で大神官を見ました。

彼は、生まれて初めて味わったキスが

とても気に入ったのか、

目が生き生きとしていました。

このようにキスをせがまれたのは

初めてなので

ラティルはしきりに

足の指を動かしました。

 

ラティルは、

神が最も愛する天使を送ったかのような

禁欲的で高潔な大神官の顔を

そっと眺めました。

結局、ラティルは咳ばらいをして

 

しましょうか。

 

と呟きました。

答えを聞くや否や、

大神官はラティルに近づき

彼女を見上げました。

ラティルは固唾を飲んで、

大神官の顎を軽く押さえました。

指で柔らかい肌に触れると

唇を合わせる前に

心臓の鼓動が速くなりました。

ラティルは彼の唇の上に

自分の唇を重ねました。

とても柔らかい感触でした。

彼女は手で大神官の頬を包むと

目を閉じました。

すると、

手と唇に触れる大神官の感触が

より生々しくなり、

頭がくらくらしてきました。

ラティルは、自分の身体が

どんどん後ろに

押されている感じがしました。

バランス感覚が崩れて

何か傾いているようでした。

最初は、

じっと顔だけ出していた大神官が

次第に積極的になると、

大神官はラティルを押すことに集中し

彼女は彼の唇を貪ることに

集中しました。

背中にふわっとした感触があり、

ラティルは我に返りました。

いつの間にかラティルは

ベッドに横になっていて、

その下に座ったまま、

ラティルの方へ

顔だけ出していた大神官は、

自然にラティルの上に

乗っていました。

キスをお願いすることさえ

恥ずかしがっていた彼の顔は

真っ赤になっていました。

ラティルが驚きの声を上げると、

大神官はラティルの手を取り

自分の唇に擦りつけました。

その姿に、

ラティルは一瞬我を忘れていると、

大神官はしかめっ面をして

目を開き、

ラティルを見下ろしました。

普段よりもしっとりとした

紫色の瞳の中は、

ラティルが推測することさえ難しい

感情に満ちていました。

それが何なのかと思い、

もう片方の手で、

大神官の頬に触れると、

大神官はいつもより濁った目をして

眉間にしわを寄せると、

気分がおかしいと言いました。

ラティルが「大神官」と呼ぶと、

彼は「ザイシン」と呼ぶように

言いました。

ラティルが、そうすると、

彼は大きな手で

乱れたラティルの髪を撫でて

 

堕落してみたくなります。

神の僕である私が陛下に酔えば、

神は私を見捨てるでしょうか。

怖いです。

でも今は、

こうしているのが好きです。

 

と言いました。

 

言葉だけ聞いていると

大神官ではなく、自分こそ

人を誘惑して堕落させる

悪魔に近いとラティルは思いました。

彼女は、

鼓膜をくすぐるような息遣いに、

思わず大神官の背中を抱き締めました。

美しい顔や聞きやすい声も

誘惑的だけれど、

誰よりも禁欲的な顔をしているのに、

こうしているので、

その乖離感から来る恐怖に耐え切れず

心臓がドキドキしました。

 

ザイシン、ザイシン。

 

その瞬間、

誰かが扉をドンドン叩いたので

ラティルは我に返り、

 

誰だ?

 

と尋ねました。

ラティルの堅い声に、

大神官はため息をつき、

肩に顔を埋めました。

ラティルを訪れたのは、

意外にも侍従長でした。

ラティルは、大神官に

横へ離れるように軽く言うと

身だしなみを整えながら、

どうしたのかと

侍従長に尋ねました。

彼は、

サーナット卿が帰って来たと

ラティルに告げました。

彼の名前を聞いたラティルは

急いで立ち上がり

部屋の扉へ駆けつけ、外へ出ると、

侍従長が嬉しそうな顔で

立っていましたが、

彼は驚いて、

部屋の中にいる大神官を眺めました。

他の側室なら、

驚くことはないけれど

相手が大神官なので、

思わず驚きました。

しかし、ラティルは

サーナット卿が帰って来たことしか

考えられませんでした。

彼女は、サーナット卿が

どこにいるか尋ねると、

遠くない所から、

ラティルを呼ぶ声がしました。

柱の横で、サーナット卿が

笑顔で立っていました。

いつものように、

きちんと制服を着た彼は、

昨日退勤して、今日出勤した人と

何ら変わるところがありませんでした。

ラティルが慌てて駆けつけると

サーナット卿は満足げに笑い、

いつものように鼻高々に、

傲慢な口調で

 

久しぶりに私を見たら

本音が出て来ますね。

そんなに嬉しいですか?

 

とラティルをからかいました。

彼女は

 

嬉しくないですよね?

 

と、彼にだけ使う騎士の口調で

答えながら、

両腕を広げて

彼をぎゅっと抱き締めました。

サーナット卿はにっこり笑い

ラティルが懐に入ると、

すぐに彼女を抱き締めました。

 

侍従長はその姿を

快く思わなかったものの、

連絡がぱったりと途絶えてから

戻って来たので、

今日は知らんぷりを

することにしました。

 

ラティルは、

サーナット卿がどこにいたのか、

なぜ、今になって

帰って来たのかと尋ねました。

彼は人里離れた所に隠れていたので

知らせを聞くのが遅れたと答えました。

ラティルは、人里離れた所へ

隠れるべきではないと怒りました。

サーナット卿は、

ラティルが強引だと言いました。

彼女が顔を上げて睨むと、

サーナット卿は満足感に満ち溢れて

ラティルを抱き締めました。

そして、一番必要な時に、

そばにいなかったことを謝りました。

ラティルは、

戻って来てくれたので構わないと

答えました。

 

サーナット卿の制服から、

洗濯したばかりの香りが

漂ってきました。

ラティルは、

サーナット卿が帰って来た喜びで

部屋に残してきた大神官のことを

すっかり忘れてしまいました。

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◇悩んでいる理由◇

大神官がロッキングチェアに座り、

ぼんやり空を眺めていると、

修行司祭兼侍従のクーベルは、

心配そうに彼を呼び、

大丈夫かと尋ねました。

乱れた蒲団と彼の腫れた唇から、

皇帝が来た時に何があったか

クーベルは把握していました。

しかし、

以前、皇帝と口づけをしたと

喜んでいた時とは違い、

今回のザイシンの反応は

尋常ではありませんでした。

何かあったのかと尋ねても、

何の説明もなしに、ただ椅子に座って

空をぼんやり眺めているだけなのに

その表情は、とても憂鬱そうでした。

 

サーナット卿は、子供の頃から

陛下のそばにいた人。

陛下は、先皇后、同母兄、異母兄に

裏切られた。

長く付き合っている人の中で、

信義を守った人は

侍従長と乳母とサーナット卿くらい。

侍従と乳母は、

最初から無事であると知っていたけれど

サーナット卿は追われて

行方不明になっていた。

最初に、サーナット卿の

お祝いをするしかない。

 

とクーベルが慰めると、

大神官は渋々、

 

分かっている、

説明しなくてもいい。

 

と答えました。

しかし、クーベルは

全然分かっている表情ではないと思い

ため息をつきました。

すると、大神官は、

今まで一度も

人を憎んだことがないけれど

今回、初めて人を憎んでしまった、

と、クーベルが

信じられない話をしました。

彼が驚いて顔を上げると、

大神官は両手で顔を覆い、俯くと、

 

でも、憎まない自信がない。

当分はずっと憎みそうだ。

サーナット卿にすまないので

顔を合わせられない。

どうしよう?

 

と尋ねました。

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◇何かおかしい◇

その時刻、

ゾンビの群れを半分追い払うと、

その前に、ゾンビではない、

派手な身なりの男が現れました。

タッシールは一目見て、

トゥーラだとわかりました。

タッシールは、

大きな歯をむき出して

襲いかかって来るゾンビを

蹴飛ばしながら、

このゾンビたちは、

皇子様が呼んだのかと

尋ねました。

タッシールはトゥーラも

ゾンビかと思いましたが、

彼は他のゾンビたちとは違い

青白い肌がきれいで、

腐っているところも

ありませんでした。

理性を失って

飛びかかってくるゾンビたちと違い

とても落ち着いた態度を

維持していました。

その状態で、トゥーラが

ゆっくりと腰から剣を取り出すと、

タッシールは、彼を制圧するために

2階から頭上に飛び降りて来た

ゾンビをナイフで切りつけ、

トゥーラへ駆けつけるための

スペースを確保しました。

ところが、タッシールが

トゥーラの方を見た時、

すでにカルレインが、

一方的に勝機を握ったまま、

彼を引き受けていました。

助けなければいけないかと

ほんのしばらくタッシールは

考えていましたが、

その必要がないことに気づき

感心しました。

傭兵王と話は聞いていたけれど、

あれだけ乱暴に敵を制圧するとは、

噂以上に凄いと思いました。

彼は人間の顔をした

野獣のようでした。

 

わぁ~、かっこいい!

 

口笛を吹きながら

カルレインを応援していた

タッシールは

すぐに変なことに気づき

応援を集めました。

格好よく、ラスボスのように現れた

トゥーラが、カルレインを相手に

こんなはずではないのにと

当惑した表情でした。

タッシールは、

腰に飛びかかるゾンビを

切り落としながら、

なぜ、トゥーラが

あんな顔をしているのかと

考えました。

死んで蘇ったら、

自分がすごく強くなったと

思っているのだろうか。

傭兵王が、

こんなに強いことを

知らなかったのだろうか。

その考えをした矢先に、

トゥーラが持っていた剣を

大きく振り回し、

カルレインを後ろに下がらせると

急いで隅にある地下室へ下りました。

地下室の入口には、

逃げたトゥーラの母親アナッチャが

うろうろしていましたが、

息子が戻って来ると

一緒に逃げ出しました。

 

タッシールは、

部下が間違った処理をしたのか、

倒れたまま

自分に向かってくるゾンビに

最後の一撃を加えると

首を傾げました。

タッシールには、カルレインが

トゥーラを放してやったように

見えました。

しかし、カルレインは

ゾンビを全て退治した後も、

その点を指摘し追求しませんでした。

 

こんなにたくさんのゾンビを

退治するなんて!

陛下は、これから

私たちだけを愛してくれますね。

 

とカルレインに冗談を言っても

無視されたので、

タッシールは落ち込みました。

 

その代わりにカルレインは

黒死神団の傭兵たちに、

散らばって屋敷内を捜索するように、

逃げた皇子と先帝の側室を探し出し

それ以外の怪しい痕跡も

すべて見つけるように命じました。

 

タッシールは自分の部下を呼んで

別々に命令を下しました。

 

捜索は傭兵に任せておいて、

お前たちは

一緒に捜索するふりをしながら、

彼らが何か隠していないか、

隠していることがないか調べろ。

 

屋敷に地下通路があり、

敵がそこへ抜け出したという前提で、

どの辺で、彼らが再び現れるか

把握しろ。

中ではなく、外を見るように。

 

最後にタッシールは、

最も情報をよく扱う部下を呼び、

傭兵王について調べろと

密かに指示しました。

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大神官が落ち込んでいたのは、

ラティルが彼を放って

行ってしまったことではなく、

サーナット卿を

憎んでしまったことを

恥じていたからなのですね。

やはり、神に仕える人なんだと

思いました。

もしも、あのまま、

ラティルと一緒にいれば

大神官は越えてはいけない一線を

越えてしまったかもしれないので、

一時、

サーナット卿を憎んだとしても

彼が帰ってきてくれて

良かったのだと思います。

 

そういえば、ここしばらく、

クラインが出て来ないので、

少し寂しいです。

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