自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち ネタバレ 原作143話 あらすじ マンガ 137、138、139話 サーナット卿を心配する父親

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143話 ラティルはゲスターと共にメロシーを訪れました。

◇息子の顔◇

メロシーの領主は、

久しぶりに会う息子を出迎えるため

城の外へ出て、

しばらく、うろうろしていました。

 

気持ちとしては、

領地を取り囲んでいる城壁の正門まで

出ていたかったけれど、

領地の主として、彼は

城の外で皇帝を

出迎えなければなりませんでした。

 

どれほど、そうしていたのか、

今来るか今来るかと

待ちわびていると、

遠くから人々の歓呼の声が

聞こえてきました。

 

領主は、素早く身なりを整えて

威厳のある顔をしました。

一緒に待っていた他の家族も

急いで、手鏡を見ながら

髪を整えました。

 

歓呼の声と共に、

皇帝が到着しました。

メロシー領主は、にっこり笑って

皇帝を迎えるために

そちらへ身体を向けましたが、

彼の目に一番先に入ったのは、

白馬に乗った皇帝ではなく、

その後ろで、

彼女にぴったりと寄り添っている

男でもなく、

見事な馬車でもなく、

騎士たちの後ろに隠れて

泣き出しそうな目で

皇帝の後ろ姿だけを見つめる

息子のサーナット卿の姿でした。

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◇父親の心配◇

格式通りに皇帝一行を迎え

彼らが滞在する部屋に案内するなど、

忙しく働いていた領主は、

しばらくして、

騎士たちと一緒にいた息子を捕まえて

自分の部屋へ連れて来ました。

 

どうしたのかと

尋ねるサーナット卿に

領主は眉をひそめて、

ソファーを指差しました。

 

サーナット卿は、

行かなければならないと

言いましたが、

領主は、少し待って欲しいと

頼みました。

 

息子をソファーに座らせると

領主は、すぐに話ができなくて

もじもじしていました。

サーナット卿は、

もしも、大変なことがあるなら

話して欲しいと、父親に言いました。

しかし、彼は首を振って

自分のことではないと言うと、

サーナット卿の向かい側に座って

膝を2-3回、叩きました。

 

何回か、それを繰り返した後、

ようやく、領主は息子に、

もしかして、まだ

気持ちは変わっていないのかと

尋ねました。

サーナット卿はぎくりとしました。

 

領主は、

今からでも、

サーナット卿の気が変われば

彼を皇帝の側室にして欲しいと

自分から頼む。

自分はアトラクシー公爵のように

第一功臣ではないけれど、

最初に皇帝を助けた功臣であり、

彼女は公私を徹底しているので

願いを聞いてくれると思うと

話しました。

 

領主は、息子が皇帝の最側近として

堂々とやって来ると思ったのに

元気のない姿だったので、

非常にショックを受けて

息子を心配していました。

 

しかし、サーナット卿は

ニコッと笑って

ソファーから立ち上がりました。

 

なにをおっしゃっているのかと

思ったら。

 

と言うサーナット卿に

父親は本気だと、

きっぱり告げました。

 

サーナット卿は、

両手で父親の肩を揉み、優しく笑うと

まだ耐えられる。

大丈夫なので、

訳もなく、変なことに気を遣って

ストレスを感じないようにと

言いました。

領主は、息子が、無意識に

まだ耐えられると言ったように

感じました。

 

サーナット卿が出て行くと、

領主は力なくソファーに座りました。

彼は他の人とは違う

特別な存在なので

同年代の令息のように

早く婚約させたり、

結婚させたりしませんでした。

しかし、

それが正しい選択だったのか、

何としてでも、賢い令嬢を探して

縁談を取り持つべきだったのではと

心配しました。

 

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◇テラスで◇

明日は、領地を一周し、

行く途中で、

小さな町にも寄ってみると時間が・・・

 

ラティルはテラスの欄干にもたれて

日数を指折り数えていましたが、

テラスの向こう側で、

ガタガタ音がしました。

じっと見ていると、

しばらくして扉が開き

サーナット卿が出て来ました。

久しぶりに家に帰って来たせいか、

楽な服装をして、

手には酒か飲み物か分からない

大きな瓶をを持っていました。

サーナット卿は

ラティルが横にいることを

気づいていないようなので

彼女は足音を殺して近くまで行き

手すりをカーンと叩きました。

サーナット卿は振り向いて

ラティルを発見すると。

意地悪な表情で笑い、

疲れていないかと尋ねました。

彼女は返事の代わりに

手すりに腰かけました。

サーナット卿から笑顔が消えて

驚いた彼は、

彼女に手を伸ばしましたが

届きませんでした。

どれだけ驚いたのか、

彼の持っていた瓶が床に落ちて

ガチャンと割れました。

 

ラティルは落ちるのではないかと

心配するサーナット卿に、

彼女は、落ちたりしないと

言いました。

けれども、サーナット卿は

気を付けないと滑ると

言いました。

その言葉に対し、ラティルは

滑ったのは、

サーナット卿が持っていた瓶だと

指摘し、

逆に彼に大丈夫かと尋ねました。

サーナット卿は

湿った足元を見下ろして

肩をすくめました。

 

どうしたらいいのかと言う

サーナット卿に、

ラティルは頷くと、

訳もなく足をバタバタさせたので、

その度に、サーナット卿は

手をびくびくさせましたが、

今度は訳もなく騒ぐことなく、

ラティルが落ちるのではないかと

注意深く見守るだけでした。

 

幼い頃から見慣れた視線なので、

ラティルは平然と欠伸をしながら

夜風に当たりました。

サーナット卿は、

ラティルが少しでも危険な行動をすると

いつも、ハラハラしながら

彼女を眺めていたものでした。

 

サーナット卿は、

他の人が、

この姿を見ないことを願う。

体面はどこにいったのかと尋ねました。

 

ラティルは、他の王たちも

誰も見ていなければ

自分勝手に行動すると主張しました。

サーナット卿は、

とんでもないと反論しましたが、

ラティルは、

それは理にかなっている。

彼らは自分たちの宮殿で

最も重要な人なので、

どれだけ、

自分勝手なことができると思う?

と聞いて、鼻で笑いました。

サーナット卿は

それはそうだと納得して、

2人は意味のない冗談を交わしながら

風に当たり続けました。

 

ラティルは、

そろそろ戻らないと

翌日の歴訪を無事に終えて

すぐに帰ることができないと

言って、

手すりから降りました。

そして、サーナット卿にも、

スケジュールがきついので、

もう寝るように言って、

中へ入ろうとしましたが、

5秒も経たないうちに

テラスに戻ってきて、

なぜ、サーナット卿の父親は

彼のことをサーナット様と呼ぶのかと

尋ねました。

普通、息子をそんな風に

呼ばないと思い、

ラティルは以前から

気になっていました。

 

サーナット卿は腰を屈めて

床に落ちているガラスの破片を

拾い始めました。

ラティルは、

彼がケガをすることを心配し、

後で人を呼ぶように言いました。

 

しかし、サーナット卿は

ガラスの破片を

全てテーブルの上に置いた後、

ラティルがいたずらで

自分に騎士の口調で話すように

父親も、自分が幼い頃から

似たような遊びをしていたのが

習慣になったと答えました。

 

ラティルは、

そんなことを言う割には

返事が遅すぎたと言いましたが、

サーナット卿は、

ガラスの破片が気になったからだと

答えました。

ラティルは、彼を不審に思いましたが、

誰かが扉を叩いたので

それ以上、話ができず、

今度は本当に部屋の中へ入りました。

 

サーナット卿は

しばらくその場にいましたが、

ガラスを拾った時に

過って切ったのか

親指から血が流れていました。

彼は親指をゆっくり

口に持って行きましたが、

すぐに顔をしかめて、

親指を口から離しました。

 

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◇激しい嫉妬◇

歴訪中、ラティルは馬から降りて、

商店街の人々に会っていた時、

商人たちは、皇帝が近くで

自分たちに話しかけて来たので

驚きと感激のあまり興奮しました。

 

メロシー領主が、

ラティルを支持して以来、

彼らもラティルと共に

彼女の危機と復興を

共にするようになり、

ラティルに対して、

より好意的に振舞いました。

 

しかし、

ラティルの周りに集まった人の中に

外部の人がいるかもしれないし、

領主とは異なる意見を持つ人もいるので

近衛騎士たちは、

皆、ラティルの周りに集まり

密着護衛をしました。

 

ゲスターは、ゲスターなりに

村の子供たちを連れて

楽しい話をしていましたが、

事あるごとに

ラティルがいる方を確認して

満足気に笑っていました。

 

今回のあなたの誕生日プレゼントは

これを代わりにしよう。

 

馬車に乗って移動している途中で

休憩した時に、

ラティルの言った言葉が

想像の中でも

鼓膜をくすぐりました。

 

トゥーリは、元気な子供たちと

ボール遊びをしながら、

そのようなゲスターを見て、

嬉しそうに笑いました。

 

彼が皇配になれば、必ず、

このような雰囲気になると

思いました。

ゲスターは優しくて穏やかなので

きっと良い皇配になるはず。

身体は少し弱いけれど

骨格はしっかりしているし、

背が高い。

顔も美しいので、

ゲスターと皇帝の間に生まれる

子供たちは

愛らしくて善良な子供たちだけだろう。

その反面、クラインとの子供たちは

父親に似て、

皆、暴力的になるだろう。

ラナムンとの子供たちは

偉そうにして、

傲慢極まりないだろう。

率直に言って、

2世のことを考えても、

皇配になれそうなのはゲスターだと

トゥーリは満足していました。

 

子供がボールを強く蹴り過ぎて

トゥーリはボールを取りに、

しばらく別の方向へ

走って行きました。

そのため、トゥーリは

にっこり笑いながら

子供からボールを受取っていた

ゲスターが、子供の肩越しに

サーナット卿がラティルと並んで

笑っている姿を見て、

鉄でできたボールを

ぐしゃぐしゃに丸めてしまうのを

見られませんでした。

 

実の兄弟よりも

優しく接してくれる側室に夢中になり

一番の宝物のボールを

持ってきた子供は、

驚いて、そのまま凍り付きました。

 

ゲスターは固まった子供を見ると、

先ほどのように優しく笑いながら

懐から金貨を取り出し、

ボールが壊れたから

新しい物を買うようにと

渡しました。

子供は固まったまま金貨を受取ると

素早く頷きました。

 

ゲスターは子供に

両親の所へ行きなさいと言って

ポンと背中を叩きましたが、

子供が振り向くと、

ゲスターの表情は再び冷ややかになり

ラティルの横に立っている

サーナット卿を

じっと見つめました。

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深夜、ダガ公爵は

娘は無事に別宮へ到着しただろうか、

ルイスはきちんと

指示通りにしただろうか、

ヘウン皇子は、

まだ娘のそばにいるだろうかと

悩んでいた時、

部屋の明かりが突然消えて、

窓が開き、

冷たい風がぱっと入ってきました。

ソファーに座っていたダガ公爵は、

音のする方を見ました。

 

私を呼んだ?

 

ヘウン皇子でした。

ダガ公爵の予想通り、

彼はパーティ会場から逃げた後も

アイニの周りをウロウロしていました。

 

ダガ公爵はゆっくり身を起こすと

生前の彼にしたように挨拶をしました。

このような状態になってから

皇子扱いされたことのない

彼の瞳が揺れました。

ダガ公爵はヘウンの本音を察しました。

 

ヘウンは、

どうしたのか。

今回は何を望んでいるのかと

尋ねました。

 

ダガ公爵は、敬意を払って

彼の前に立ちました。

かつて彼の婿になるはずだった

高貴な皇子は、

今は怪物になってしまったけれど、

まだまだ使い道があるので、

礼儀を尽くす必要がありました。

 

ダガ公爵は、ヘウンのおかげで

アイニが皇后になれたけれど、

彼女は皇帝と仲が良くないと

言いました。

 

ヘウンは、

時間をかけるしかないと

返事をしました。

 

ダガ公爵は、

皇帝はアイニとの間に

子供を持つつもりはなく、

離婚しようとしている。

その隙を狙っている人は

1人や2人ではなく

今後、もっと増えるのではないかと

心配していると言いました。

 

ヘウンは、

自分に兄を殺して欲しいのかと

尋ねました。

 

ダガ公爵は、

それは断る。

皇帝を殺したところで、

アイニが皇后の座から

降りるだけなので、

そうするわけにはいかないと

答えました。

 

それでは、望むことは何か?

 

とヘウンが尋ねると、

ダガ公爵は、

皇帝は生きているけれど、

一生ベッドに横になったまま

何もできないように

しなければならない。

そうすれば、アイニが

代理皇帝になると答えました。

 

ヘウンは、

兄の体調がそれほど悪くなれば、

他の皇族が後を継ごうとして、

アイニを代理皇帝にしないと思うと

言いました。

 

ダガ公爵は、

一般的にはそうだけれど、

ヘウンが助けてくれるなら

不可能なことでもないと

言いました。

 

ヘウンは眉を吊り上げ

苦笑いしながら、

自分の姿を見ろというように、

両腕を広げ、

自分には、もう力がない。

死んで目覚めて強い力を得たけれど、

この力は、

アイニに権力を与える力ではないと

言いました。

 

しかし、ダガ公爵は

クスクス笑いながら、

とても大きな助けになることができると

言いました。

 

その不吉な笑みに、

ヘウンは眉間に皺を寄せました。

数年前も、ダガ公爵はあんな顔で

提案しました。

 

彼は、アイニの手により

みんなの前で、非常に壮烈に

もう一度死んでくださいと

ヘウンに頼みました。

 

ヘウンの表情に浮かんでいた

悲しい笑みが消えました。

そして、ダガ公爵は変わっていない。

以前も今も

自分に死んで欲しいと頼むだけだと

皮肉を言いました。

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ヒュアツィンテとヘウンが

争っていた時に、

ヒュアツィンテの方が優勢になると、

ダガ公爵は、ヘウンに死ぬように

提案していたのですね。

実際に、その言葉を

口にしたかはわかりませんが、

ダガ公爵が、ヒュアツィンテの

味方をすると言った時点で

ヘウンは死の宣告をされたのと

同じだったと思います。

それを甘んじて

受け入れざるを得なかった

ヘウンが哀れです。

元はと言えば、

ダガ公爵にそそのかされて

反乱を起こしたヘウンにも

責任がありますが、

気の弱いヘウンは、

アイニを出しに使う

ダガ公爵の言うことを

聞かざるを得ない状況に

なっていたのではないかと思います。

死んだヘウンさえ利用しようとする

ダガ公爵の権力欲が恐ろしいです。

また、鉄のボールさえ壊してしまう

ゲスターの嫉妬心も恐ろしいです。

 

サーナット卿は特別な存在である。

この言葉の意味が

とても気になります。

 

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