自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち ネタバレ 原作163話 あらすじ マンガ 150話 サディに近づくギルゴール

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163話 カルレインは、ラティルとギルゴールが一緒にいるところを見てしまいました。

◇サディとギルゴール◇

1人で夜の街を歩き回っていたラティルは

頭の上から聞こえて来た

トントンという音に驚いて

頭を上げました。

高い塀の上に

ギルゴールが傘をさして

座っていました。

しかも、片手で立派な花束を

持っていました。

 

どうして、あそこに座っているのか。

ラティルは戸惑いながらも

不思議に思い、

彼をぼんやりと見ていると

ギルゴールは、軽やかに

塀の上から飛び降りました。

そして、ラティルに近づくや否や

彼女に花束を差し出しました。

 

ラティルは花束を受け取る代わりに

彼と花を交互に見ながら、

どうして、自分が

ここにいることが分かったのかと

尋ねました。

 

丘でギルゴールと会ったのも

変だったけれど、

今回、彼女は、目的地を決めずに

足の向くまま歩いていたので

こんな所でギルゴールと会ったことに

とても驚きました。

そして、2度も偶然会ったことが

奇妙に思われました。

 

ギルゴールは、

知り合いでもないのに、

何度も会うのは運命かもと、

さも、この出会いが

偶然であるかのように言うと

ラティルは、

かえって不思議に感じました。

 

その間にも、ギルゴールは

花束を受取れと言わんばかりに

花束を振りましたが、

ラティルは、受け取りませんでした。

 

私と会うことを知らずにいたのなら

その花束は他の人に

あげるつもりだったんじゃない?

それを私にくれてどうするの?

 

違うよ。

私が食べようと思って買ったの。

 

それなら、私にくれないで

あなたが食べて。

 

ギルゴールは、

サディが自分に花束をくれた時に

彼女を好きになったから、

自分もサディに花束をあげれば

彼女も自分を

好きになってくれそうだからと

言いました。

 

ギルゴールは

もう一度花束を振ると、

ラティルはそれを受け取り呟きました。

 

私は花を食べないんだけど。

 

美味しいのに。

 

私は肉が好き。草食はしない。

 

私も草食はしない。

 

よくやったのに。

 

私は主に飲むのが好き。

 

飲むの?

 

ラティルは、花束に鼻を近づけ

花の香りを嗅ぎながら、

彼を見上げました。

ギルゴールは妙な笑みを浮かべて

ラティルを

じっと見下ろしていましたが、

目が合うと、秘密を隠した人のように

さらに笑いました。

 

それを見ていると、

何だか彼に巻き込まれる感じがして

ラティルは花束から顔を離すと、

 

あなたは、

私が誰なのか覚えていないのに

どうして、

こうしているのか分からない。

私はあなたを見たことがあるから

知っているふりをしたけれど、

あなたははそうではない。

好きだから、

こういうことをしているという

嘘はつかないで。

どうして知らないのに、

好きになることができるの?

 

と呟きました。

 

ギルゴールは手を伸ばして、

ラティルにあげた花束から

1本、花を抜き出すと

彼女が、自分をどこで見たのか。

教えてくれれば、

思い出すかもしれないと

言いました。

 

ラティルは、ギルゴールが

自分の恋人と浮気をしたと話すと

彼はすぐに謝りました。

その態度に、

ラティルは低い声で笑うと、

やはり、話しても思い出せない。

そんなことはしていないと

言いました。

 

ギルゴールは口元を上げながら

花を唇の近くへ持って行くと、

 

そうだと思った。

私の愛はいつも別れで終わるから。

奪ったことはないけれど、

奪われたことはある。

 

と言いました。

 

ラティルはギルゴールが

また花を食べるかと思い、

彼をじっと見ましたが

ギルゴールは、

そうしませんでした。

 

彼は花びらの上に唇を当てると

ラティルの視線が

どこに向かっているのか

知っているかのように笑いました。

ラティルは、意図せずに

ギルゴールの血色の良い赤い唇を

 

露骨に見つめていたことに

気づきました。

慌てて視線を落とすと

頭の上から笑い声が聞こえました。

 

ラティルは、その笑い声を

聞かなかったふりをして、

 

よく振られるの?

ドミスにも振られたの?

 

と呟くと、ギルゴールは、

だから、サディにも振られると

悲しくなると言って、

一度も

振られたことがないような顔で

花びらを一枚かじって食べました。

赤い唇の上で

赤い花びらが崩れる様子は

危険で陰険に見えました。

 

ラティルは、

彼の口の中に消えていく

花びらを眺めていたので、

彼がドミスから自分の話を聞いて

このようにしているのかと

尋ねるタイミングを

逃してしまいました。

その時、ギルゴールが首を回して

どこかを、

じっと見つめていることに

気がつきました。

 

何を見ているのか。

ラティルも、そちらを見ると

黒い傘が1本開いたまま、

置かれていました。

 

ラティルが通り過ぎる時は

その傘はなかったし、

周りに傘を置いて行く人も

いませんでした。

どこからか飛んでくるほど、

強い風は吹いていませんでした。

 

ラティルはちらっと

ギルゴールを見ると、

傘を見ていた彼の口元が

上がっていました。

 

なぜ、笑っているのか、

ラティルが変に思っていると

ギルゴールは、小さな声で

また後で会おうと呟くと、

傘の方へ歩いて行きました。

そして、ギルゴールは傘をたたむと

両手で大切に握って、

そこに鼻を当てていました。

ラティルは、彼のことを

本当に変な人だと思いました。

 

ラティルは首を傾げましたが、

ギルゴールは

再び、彼女を見ませんでした。

ラティルは身を翻し、

その場を離れました。

 

傘の匂いだけを嗅いだ後、

ギルゴールは、

その傘を再び開き、

2本の傘をさすと、

ある方向を見て

にっこり笑いました。

 

我慢できずに付いてきたのかな?

 

両手に傘を広げて持ったその姿は

滑稽でしたが、

暗い路地から、

ゆっくり姿を現したカルレインは

笑いませんでした。

 

カルレインは無表情で、

ゆっくりギルゴールの近くへ歩きながら

何も言わずに、腰に差している剣に

手を持って行きました。

 

カルレインが見たところ、

今のギルゴールは

サディが皇帝で

皇帝がロードであることを

知らないようでした。

それが、せめてもの救いとはいえ

余計な好奇心を持っても

すぐに飽きてしまう

ギルゴールが

サディと長く会話をしたのが

気になりました。

 

今、殺さなければならないと

カルレインは考えました。

その殺気立った姿を

眺めていたギルゴールは

何がそんなに面白いのか

空に顔を上げて狂ったように

笑いました。

その姿からは、

カルレインに対する少しの警戒心も

見られませんでした。

どのくらい笑ったのか

ギルゴールは真顔になると  

 

赤ちゃん、遊んで欲しいって?

 

と言って

持っていた2本の傘を振ると

瞬く間にギルゴールの背丈ほど細長い

槍に変わりました。

カルレインは返事の代わりに

彼に向かって

目に見えない速度で飛び込みました。

◇揺れる心◇

ラティルは、

花束を差し出したギルゴールの姿と

カルレインの言葉を交互に思い出し

なかなか眠れませんでした。

 

ただの皇帝、平凡な皇帝。

ドミスを忘れる避難所を

作ってくれた皇帝。

 

彼女は、「避難所」と

自分が小さく呟いた声に驚き

訳もなく周りを見ました。

しかし、全員、

外へ出るように言ったので

誰もラティルの呟きを聞く人は

いませんでした。

 

ところで、避難所ってどこよ?

 

カルレインは、

関心なさそうに言ったけれど

嫌がっているようには

言いませんでした。

この程度なら、

互いに相手を利用するのに

適切な距離だと思いました。

 

ラティルは、

失望することはない。

側室の中で

自分を本当に愛する人はいない。

自分に理性的な好感を持っているのは

ゲスターぐらいだと

思いました。

 

ラティルは、

自分も彼らを愛していないのに

彼らが自分を愛することを願うのは

利己的だと思いました。

彼らの義務は

ラティルの前で

愛するふりをすることであり

心を尽くそうとすることでは

ありませんでした。  

 

幸いにも、2時間ほど経つと

ラティルは、

徐々に眠気に襲われて来たので、

気づかないうちに

眠ることへ意識を集中していました。

しかし、朧げな記憶の向こうから

カルレインの顔が見えそうで、

ラティルは無理矢理、目を開けました。

普段から、ドミスの記憶を見るのは

気が向かなかったのに、

今、ドミスを眺めて

笑いながら話しかけている

カルレインを見たら

もっと気分が良くないと思いました。

 

ラティルは手を伸ばして

枕元にある鐘を鳴らしました。

侍女がやって来ると、

ザイシンを連れて来るように

指示しました。

◇大ケガをしたカルレイン◇

ラティルはベッドから起き上がり

薄いガウンを羽織ると

部屋の中をぐるぐる歩き回りました。

ところが、いつもなら

ザイシンが到着してもいい頃なのに

彼は、まだ

やって来ていませんでした。

 

寝ているところを

起こしているのだろうか?

まさか、

お風呂に入っていないよね?

 

ラティルは眉を顰めて扉を開き

寝室から出ると、

同時に向かい側にある応接間の扉が開き

警備団長が入ってきました。

 

彼は、

カルレインが大けがをした。

ザイシンは、

こちらへ向かっている途中で、

その知らせを聞いて、

急いで、カルレインの所へ向かったと

報告しました。

 

驚いたラティルは、

どこでケガをしたのか尋ねましたが

騎士団長は申し訳ない顔をして、

使用人が庭で発見した。

その時は、

すでにケガをした後だったので、

誰にやられたのか、

どこでケガをしたのか分からないと

告げました。

 

ラティルは急いで廊下へ出て

ハーレムのカルレインの部屋へ

向かいました。

彼は傭兵王で、

権力や身分に関係なく、

自分の力だけで

武力の頂点に立った人なのに、

そのカルレインを

一体誰が攻撃できるのか。

ラティルは想像がつきませんでした。

昼に彼と話をしていた人を

思い浮かべましたが、

あの時、カルレインは

ケガをしていなかったし、

もし、その後にケガをしたら、

すでに知らせが

入ってきているだろうと思いました。

それは、ともかくとして

今、重要なのは

カルレインの状態を

確認することでした。

 

ところが彼の部屋に入ると、

宮医たちはカルレインのベッドから

数歩離れていて、

彼の治療をするために

すぐに駆け付けたザイシンは

困った顔で

ベッドの近くにいるだけでした。

 

ラティルは、

なぜ治療をしないのかと尋ねると

ザイシンは、

カルレインが治療を拒否していると

答えました。

ラティルは、呆れて

カルレインを見ました。

彼はベッドに横になっていましたが

意識はあるようで、

目を開いていました。

そしてラティルを見ると

身体を起こそうとしましたが

腕に力が入らないのか

すぐにふらついて、横になりました。

それなのに、

包帯を巻いておけば治る、

大丈夫だと言うので、

ラティルは突然怒り出しました。

 

パッと見ただけで、

胸とお腹から血がたくさん出ているのに

包帯を巻いただけで治るわけがない。

 

ラティルはカルレインの額を叩くと

ザイシンに、

カルレインが治療を拒否しても、

直ぐに治療をするようにと

命じました。

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ギルゴールは、

かなり遠くの音も聞こえるし、

カルレインが匂いで

偽皇帝が偽者だと気づいたように

たぶん、ギルゴールも

嗅覚が優れていて、

めちゃくちゃ早く移動できるし、

城壁を蹴るだけで

振動させられるくらい力があるし、

傘を槍に変えたことから魔法も使える。

性格は、かなり悪い。

もはや化け物としか思えない

ギルゴールですが、

見た目だけは、美しいので

彼の本性を知らない人は

つい、近づいてしまうのでないかと

思います。

少なくとも

1000年以上生きていると思うので

その間、彼を倒す人がいないくらい

本当に強い吸血鬼なのだと思います。

おそらく、カルレインは、

その力を知っているけれども、

ラティルを守るために、

彼と戦ったのでしょうね。

彼のラティルへの愛を感じます。

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