自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち 289話 ネタバレ 先読み 原作 大神官への嘘と母親との再会

f:id:myuieri:20210206055100j:plain

 

289話 大神官はラティルがロードだと疑っています。

◇お芝居◇

ラティルの心臓はヒヤヒヤして

大神官の手を握る力が

強くなりました。

 

大神官が知っていた。

知らないと思っていたのに。

一体、いつから

知っていたのだろうか?

自分の部屋の近くで、

変なオーラだか、悪いオーラだか

不吉なオーラだか、

何て言っていたか忘れたけれど

そういうのを感じたと

言っていたので、

それで分かったのか。

それとも、イヤリングだったか

ピアスが割れた時?

いつでも、大神官が

疑う機会はあったと

ラティルは思いました。

 

ラチルは、東屋の上に上がっても

大神官の手を離さずに握っていました。

彼が、

しっかりと握っているラティルの手を

今にも振り払うのではないかと

気になりました。

 

しかし、幸いなことに、

レオン皇子が嘘をついたかもしれないと

大神官の心の声が聞こえて来たので

まだ、彼は、確信しているわけでは

なさそうでした。

しかし、安堵するよりも、

レアンが大神官に、

その話をしたことを知ったラティルは

カッとなりました。

大神官が自ら、

自分の正体を類推したなら

仕方がないけれども、

告げ口した人がレアンで、

キルゴールに続き、大臣官にまで

妹が「ロード」だと言ったので、

ラティルの頭に血が上り、

表情が今にも

険悪になりそうでした。

ラティルは意図的に

大神官の後ろへ行き

自分の心の中を隠すために

彼を抱きしめました。

そして、大神官が

レアンを助けてくれたことに感謝し、

彼は元気そうだったと伝えました。

大神官は、

当然のことをしただけだと言いました。

けれども、ラティルは、

彼以外、その仕事は

誰もできないのではないかと言って

指で大神官の服の裾をつかみました。

そして、ラティルは

大神官の背中に額を当てたまま、

1から100まで数えました。

何とか、この怒りを

隠す必要がありました。

 

大神官はラティルの手の上に

自分の手を重ね、軽く腕を揉みました。

彼女は、まだ兄のことを

怒っていないわけではないけれど

それでも一人だけの同母兄だから

心配だと、

わざとレアンのことが好きなように

呟きました。

レアンがラティルについて、

陰で何を言っているか

知らないふりをして

彼の同情心を刺激するつもりでした。

幸い、大神官にそれが通じて、

彼は困惑したように

小さなうめき声を上げました。

ラティルは安堵したものの、

彼の腰から手を離し、

自分は大神官を利用しようとしたと

告げました。

彼は、目を丸くしました。

 

ラティルは、

レアンがケガをしている姿を見ると、

彼を許してしまいそうで怖かったので

大神官を先に送ったと説明しました。

レアンが、

すでに自分を裏切ったことと、

彼の言うことを全て信じるなと

大神官に知らせるためでした。

 

彼の瞳が揺れました。

ラティルはその目を見て、

何も知らないふりをして笑い、

兄が治ってよかった。

急に彼が死んだら、

自分はショックを受けて

まともに働くことも

できなかったと思うと

明るく言いました。

そして、

そんなことになれば、

国民が安全で平和に

暮らせるようにしたいという

自分の願いを

叶えることができなかった。

もちろん、

それを実現させるつもりだけれどと

純粋な抱負と夢に満ちた

子供のように笑ったラティルは

照れくさそうに、

「あ、恥ずかしい」と

腕をこすりながら正面を見ました。

大神官の反応を

隅々まで確認したかったものの

それは不自然だと思い、

敢えて彼を見ませんでした。

 

しかし、大神官が

自分を見つめていることは

確実に分かりました。

そして、

皇子が陰で何を言っているか

皇帝が知ったら残念がる。

これだけ無害で、国を愛する皇帝が

果たしてロードなのか?

皇子が何か

勘違いをしたのではないかと

彼の心の声が聞こえて来ました。

 

大神官に、

レアンの言葉を

そのまま信じさせなくすることに

成功したので、

彼から見えない方の

ラティルの口の端が少し上がりました。

けれども、大神官は、

すでにラティルに

いくつかの特別な兆候を

見ているので、

彼は最終的に、

レアンの言葉が正しいという結論を

下すかもしれませんでした。

だから、ラティルは、

もっと確実に、大神官の心を

捕えておく必要がありました。

 

ラティルは、大神官に

こういう時は、

自分の後ろではなく、

横に立つものだと、

悪戯っぽく語りました。

彼は縮こまりながら、

横に近づいて来ました。

ラティルは、彼と目が合うと

ニッコリ笑いながら、

かすめるように、

彼の手の甲に触れました。

 

大神官は指を縮めました。

ラティルは彼の手を握らずに、

手を離しましたが、

今度は大神官が

ラティルの手をぎゅっと握りました。

力を入れ過ぎたのか、

すぐに手を離しましたが、

敵を探るような手つきとは

全く違っていました。

 

大神官に気づかれないように、

横目で彼を見ると、

彼は緊張しているのか、

肩が下がっていました。

そして、

ラティルの手は柔らかいと

心の声が話していたので、

彼女は呆れしまいました。

 

ラティルは、幼い頃から

剣を握って、馬に乗って、

弓を射ていたので、

手にはたくさんのタコが

できていました。

乳母が必死に手入れをしてくれたので

手の甲だけ見れば、

きれいな貴族の手のようでしたが、

手が柔らかいのは、

レアンやアイニでした。

 

ラティルは、

次の段階に進むために話題を変え、

自分とラナムンとアイニが

対抗者の剣を抜いたことは、

大神官も知っているはずだと

確認しました。

彼は、噂が広まったので知っている。

皆、興奮していると答えました。

 

ラティルは、

3人のうち、誰が対抗者だと思うかと

大神官に尋ねました。

ラティルはロードだと

レアンに言われたのに、

彼女から、

対抗者の言葉が出て来たので

彼は動揺しました。

何も知らないように見える

ラティルが気になるのか、

大神官は指をくねらせました。

彼女は、わざと、

ひときわキラキラした表情をして

笑ってばかりいました。

これは、ラティルが

弱くて純粋な振りをする時に

主に使っているもので、

トゥーラが宮殿を占拠した時、

周辺国の指示を得るために使用し、

トゥーラを死刑、

アナッチャを幽閉するという

判決を下す時にも使いました。

ラティルの側近たちは、

この表情が

作り出したものであることを

すでに知っているけれど、

大神官は、

ラティルが仕事をしている時に

そばにいないので、

知るはずがありませんでした。

 

皇帝は何も知らずに、

あんなに明るく笑っている、と

大神官の心の声を聞いたラティルは

笑い出しそうになりましたが、

今は、自分の命と未来、

そして、長い目で見れば

彼の命にもかかわる問題なので、

彼女は真剣に演技を続けました。

 

ラティルは、

ラナムンが対抗者だと思う。

彼と、カリセンにいた時に、

タンパクとかいう、

別の聖騎士団の団長が、

ラナムンに近づき、

彼が一番対抗者らしいと言ったという

ラナムンから聞いた話を伝えました。

そして、

さも思い出したような振りをしながら

自分が調べたところ、

歴代の大神官は、

指示があったわけではないのに、

ロードと対抗者の戦いに

参加しなかったようだけれど、

その理由を知っているかと尋ねました。

 

彼は、よく分からないと答えました。

けれども、

ラティルの意図したように、

皆、参加しなかったということは

何か理由があるはずだと、

大神官が考えていたので、

ラティルは笑いを隠すために

口元を手で覆いました。

そして、大神官が

一度、理由を調べると考えたことで

ラティルは、自分への疑いを

レアンへの疑いに変えることに

成功したと思いました。

 

ラティルは、大神官を連れて

さらに花園を3周歩きながら、

大神官の心の中を探りました。

人の心を読む能力が

必要のない時にばかり、

発揮されていたので、

丁度良い時に発揮されている今、

本当に良かったと思いました。

大神官の心が読めなかったら、

彼が自分の正体を知っていることを

知らずに、

バカみたいに過ごしたと思いました。

そして、ギルゴールに続き、

大神官にまで、

自分がロードだと話したレアンは

ろくでなしだ。

ロードが死なずに済む方法を

探してみると言っていたけれど、

それは嘘だと思いました。

◇母親との再会◇

数日後、

ラティルの母親と、

アナッチャの妹だけれど、

ラティルに忠誠を誓った

ショバー侯爵家のメイシーが

ほぼ同時に到着しました。

ラティルは、

どちらと先に会うかと聞かれました。

 

母親の顔を見る自信がなかったし、

メイシーには追求したい点もあるので

先に彼女と会いたいと思いましたが

結局、ラティルは母親を選び、

メイシーにはお茶とお菓子を出して

しばらく待ってもらうことにしました。

 

アナッチャが完全に失踪した今、

ショバー侯爵家の後継者は

メイシーでしたが、

中央官職で働かず、

名誉だけ持っていて実権のない

ショバー侯爵家のメイシーに

先に会うことで、

遠い所から来た母親に

待つように言えば、

ラティルの意図と関係なく、

社交界の人々は、

皇帝は、わざと母親を侮辱した。

まだ彼女の怒りは収まっていないと

陰口を叩かれる。

それだけでなく、

ラティルによく見られようとして、

母親を社交界方式で

巧妙に苦しめるかもしれないので

母親が、宮殿内での元の位置を

取り戻すまで、

ラティルは

細心の注意を払う必要がありました。

 

サーナット卿は、ラティルが

先皇后のことを気にしていると

指摘しました。

ラティルは、どうにもならないと

返事をしました。

サーナット卿は、

先皇后は強靭なので、

すぐに慣れるだろうと言いました。

 

彼の言うことは合っているけれど、

ラティルの母親は、

最初から強靭ではなく、

強靭になる必要がありました。

 

ラティルは、幼い頃に見た、

母親の涙を思い出すと、

気が重くなりました。

皇帝の王笏を持つ自分の姿を

母親に見せたかった。

もう誰も、母親を

無視できないと教えたかったと

考えていると、

ラティルの表情は暗くなりました。

サーナット卿は、

それ以上話しかけませんでした。

 

2人はいつの間にか、

母親が待っている部屋の前に

到着しました。

ラティルは深呼吸をして、

兵士にドアを開けるよう指示しました。

扉が開くと、

ソファーにきちんと座っている

母親の後ろ姿が目に入りました。

そのそばには、

ラナムンの弟が立っていました。

確か、カボチャみたいな名前だったと

考えていると、

彼は、

アトラクシー公爵家

次男パンクシュだと挨拶をしました。

名前が思い浮かばなくて、

訳もなく、

きまずい思いをしていたラティルは、

相手がすぐに

自己紹介してくれたので

気分が良くなりました。

そうだ、パンプキンだったと、

笑いながら頷きました。


ラティルは、パンクシュが

母親を連れて来てくれたことを労うと、

彼は照れ臭そうにお礼を言いました。

ラナムンとは性格が

全然、似ていないので、

ラティルは自然に笑いが出ました。

彼女は、

来たついでにラナムンに会っていくよう

勧めました。


パンクシュが外に出て行くと、

サーナット卿は、

パンクシュとラティルの方を

交互に見た後、

素早く、その後を追いました。


あの青年は、

何も考えていないようだけれど

アトラクシー公爵は

頭を非常に働かせる人なので、

ラナムンがラティルから

大きな寵愛を受けられない場合、

次男を押し付ける可能性を

調べる必要がありました。

 

そんなサーナット卿の本音を

知らないラティルは、

もう一度深呼吸をして、

ゆっくり母親の向かい側に座りました。

けれども、

心配したのが恥ずかしいくらい、

母親と向かい合って会話するのは

平気でした。


時々「偽皇帝」事件のことが思い浮かび

一人で泣きそうになりましたが

その一方で、ラティルは、

母親が痩せてないか、

手が荒れていないか、

もしかして、

きちんと寝ていないのではないか。

食事を取れていないのではないかと

しきりに目で調べるようになりました。

そうするうちに

母親も同じ行動をするのを見て、

ラティルは訳もなく悲しくなり、

心の中で「私は皇帝だ」と

百回叫びました。

幸い、母親から、

自分の支持する最高の婿である

カルレインとは仲良くしているかと

聞かれたので、

驚いたラティルは、

涙を堪えることができました。

f:id:myuieri:20210206060839j:plain

f:id:myuieri:20210206071517p:plain

ラティルが、

純真な大神官を

色仕掛けでたぶらかす悪女に

見えてしまいますが、

彼女にしてみれば

大神官を敵に回さないために

必死で取った行動だと思います。

 

大神官はラティルに

騙された形になりましたが、

彼がラティルのことを

信頼していなければ

真剣に悩むこともなかったと

思います。

 

歴代の大神官たちが

なぜ、ロードと対抗者との戦いに

参戦しなかったのか。

もしも中立の立場で

戦いを傍観していたとしたら、

大神官たちは、この戦い自体が

意味がないと思っていたのかも。

 

ザイシンもレアンの言葉に

惑わされずに、

自分の目で見たことだけを

信じて欲しいです。

 

f:id:myuieri:20210206060839j:plain