自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち 304話 ネタバレ 先読み ラティルの審美眼に感嘆する侍従長

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304話 タッシールが、ゲスターをダガ公爵に会わせる作戦を考えてくれました。

◇ラティルの審美眼◇

午前中、ラティルは仕事をする前に、

昼食はゲスターと一緒に取ることを

彼に伝えるために、

秘書を送り出しました。

そして、執務室に入ると、

仕事に没頭し、午前の日課を着実に

進めて行きました。

数日前、

新しい側室を迎えると言われて

表情管理ができなかった侍従長

感動するほどでした。

 

そのギルゴールという人は、

一体、どんな性格なのか。

彼を側室にするために、

こんなに熱心に仕事をするのか。

侍従長は、

自分が新しい側室の話をするのを

渋っているのを見て、

ラティルが、新しい側室に

火の粉が飛ぶのを恐れ、

このように熱心に

働く姿を見せているのだと思いました。

皇帝がまともに働かなければ

いつも非難の矢は、

側室に向けられたりするものでした。

 

侍従長は、数日前、

新しい側室に

良い反応をしなかったことを

申し訳ないと思うと共に、

直接、ギルゴールに

会ってみることにしました。

温室を、

彼が使う部屋に改造しているので、

好きなスタイルや色があるか

聞いてみれば、

さらにいいだろうと思いました。

 

そうと決めると、侍従長は、

適当に暇を見て、

抜け出す余裕ができると、

ギルゴールに会うために

客用の宮殿に急ぎました。

ラティルを驚かせるために、

わざと彼に会いに行くことを、

話しませんでした。

 

月楼の使節団は、

侍従長を見ると歓迎しましたが

彼が、

ギルゴールに会いに来たと言うと

表情がすぐに固まりました。

侍従長は、それを見て、

少し残念に思いました。

先皇帝の時から、

侍従長の役割を果たして来た彼が

月楼使節団が、本当に王子を

留学に来させたのかどうか

区別できないはずは

ありませんでした。

本当の留学生なら、

ヒュアツィンテ皇帝のように、

たくさん、

勉強する準備をしてくるので

パッと見ただけで分かりました。


しかし、月楼は、

力で側室を押し入れるほど、

強い国でもなかったし、

外交問題も、

複雑に絡んでいませんでした。

月楼の王子は、端正な顔立ちで、

ハンサムな方ではありましたが、

ラティルが

最初に側室に迎えると決めた

ラナムンとクラインが

あまりにも美し過ぎて、

彼らと比べれば、月楼の王子が

ラティルの目に入るはずが

ありませんでした。

しかし、同情すれば、

相手のプライドが傷つくので、

侍従長は何も知らないふりをして

道を教えてくれるのを待ちました。

ようやく、月楼の使節は、

ギルゴールの泊まる部屋に

案内しました。

使節は、ギルゴールが

部屋にいないことを願いながら、

侍従長に、彼は部屋の中に

あまりいないこともあると

告げてから帰りました。


侍従長は咳払いをした後、

ドアを直接叩きました。

2回叩くや否や、

「誰だ」と言う質問より先に

扉がガタンと開き、

ギルゴールが現れました。

一晩中、積もった雪が

朝日を浴びて輝くような外見に

侍従長はラチルの審美眼に

賛辞を送りました。

 

即位の贈り物として受け取った

美しい男たちは全て下男にしたのに

いきなり留学に来た王子の友達を

側室に入れると言った時から

何かがあると思いましたが、

遠くから見ても一目で目を引く

ギルゴールという男は、

近くで見ると、

はるかに印象的でした。

髪の毛を前に何本か残したまま、

残りは全て後ろに回していましたが

露わになっている目鼻立ちは

調和が取れていて

感嘆詞が出るほどでした。


不思議なほど無垢な肌。

宝石を加工して、

打ち込んだかのように

美しい赤い瞳。

その中でも、最も印象的なのは

両端の、

口角が意地悪く上がった唇でした。

皇帝が、

急に側室にすると言ったのに値すると

侍従長は独りで納得しました。

ラティルがそれを聞いたら、

「いつ、私がせがんだのか」と

悔しがるだろうけれど、

今、この場に彼女はいませんでした。

 

ギルゴールは、侍従長

誰なのかと尋ねました。

彼は、声まで美しく、

侍従長は、心の中でもう一度、

皇帝の審美眼に感嘆しながら

自分は皇帝の侍従長である

シャレー侯爵だと自己紹介しました。

 

ギルゴールは扉の近くに寄りかかり

侍従長を上から下へと

ジロジロ眺めました。

一瞬、

気持ち悪さを覚えた視線でしたが

すぐにギルゴールの目が曲がり、

お手本のような笑みを浮かべると、

侍従長は、

自分が何かを見間違えたのかと

思いました。

そして、ギルゴールは

唇が美しいせいか、

微笑むと、さらに美しさが増すと

思いました。

 

ギルゴールは、

侍従長が訪ねて来た理由を聞きました。

彼は、答える前に、

ギルゴールの肩越しに、

部屋を埋め尽くした

植木鉢を発見しました。

単純に部屋の雰囲気を変えるために

育てているというには

あまりにも多くの花がありました。

それをしばらくぼんやりと見ていると

ギルゴールは、同じ質問を繰り返し

侍従長のことを

坊っちゃん」と呼びました。

侍従長は視線を植木鉢に向けたまま、

部屋をどのように飾りたいのか

尋ねようとしましたが、

坊っちゃん」と呼ばれたことに

後から気付き、

驚いてぎくりとしました。

 

侍従長は、モヤモヤしながら

坊っちゃんですか?」と

聞き直しました。

侯爵の爵位を継いで以来、

坊っちゃん」と言われたのは

初めてでした。

おそらく20年は、

そのように呼ばれていませんでした。

しかし、ギルゴールは

何が問題なのかという風に

彼を見ました。

侍従長

「侯爵」だと言おうとしましたが、

平民出身の青年が、プレッシャーを

感じるのではないかと思い、

自分は40代だと伝えました。

ところが、ギルゴールは、

それなら、

「赤ちゃん」だと言ったので

侍従長は絶句しました。

さらに、ギルゴールは、

 

坊やと呼ぼうか、

どうしたの?坊や。

 

と囁くように尋ねる声に、

侍従長は鳥肌が立ち、

素早く後ずさりしました。

彼は向かいの廊下に

背中をぴたりとつけて立ち、

まだ戸口に寄りかかって

笑っている青年を

ぼんやりと眺めました。

◇ゲスターの提案◇

その頃、ラティルは、

午前中に仕事を終え、

ゲスターと食事をするために

食堂へ降りて行きました。

中へ入ると、

ゲスターはイライラしながら

テーブルの周りをうろうろしていて

トゥーリは、

その後ろで櫛を持ったまま、

じっとしていてくれないと、

髪が変な方向に曲がると

小言を言っていました。

ゲスターは、

トゥーリの話を聞きながら

ずっといらいらしていましたが、

ラティルが扉のそばに立って

笑っているのを見つけると、

顔を真っ赤にして挨拶をしました。

トゥーリも、すぐに櫛を下ろして

腰を深く下げました。

ラティルは、

頭を上げるようにと手で合図をして

中へ入り、

トゥーリが押さえつけようと

格闘していたゲスターの髪を

少し引っ張り、

この部分が可愛いと言いました。

ゲスターの耳まで赤くなると、

トゥーリは嬉しそうに

後ろに下がりました。

実は、あの部分は、

トゥーリが、

わざと立てておいたのでした。

ラティルが席に着くと、

ゲスターも椅子に座り、

待機中だった下女たちも

ワゴンを引いて中に入ってきました。

彼女たちが料理を並べている間、

ゲスターは視線を下げ、

頭さえ上げませんでした。

下女たちが出て行った後も同じなので

ラティルは笑いがこみ上げました。

あのようなゲスターが、

いつ黒魔術を覚えたのか。

黒魔術は、

本を読んで身につけると

言っていたけれど、

それならば、ゲスターのように、

弱い人でも覚えられるのかと

思いました。


ようやくゲスターは

縮こまっていた肩を少し下げて

ラチルを眺めました。

彼女が、

いつになったら、

自分を見てくれるだろうかと

考えていたと言うと、

ゲスターは謝りました。

しかし、ラティルは、

ゲスターが照れる姿も好きなので、

謝る必要はないと言いました。

ゲスターは、

どうしたらいいか分からず、

目をあちこち動かしました。

ラティルは、

魚は好きか、サラダは好きかと

尋ね、彼が好きだと答えると

料理を彼の前に押し出し、

たくさん食べるように促しました。


彼は、

たくさん食べているようなのに、

なぜか、ゲスターを見ると、

もっと食べさせなければならないと

思いました。

ラティルは、

広い肩とバランスの取れた体を持った

ゲスターを見て、

自分の偏見がどこから来るのか

しばらく悩みましたが、

とにかく、

ゲスターがよく食べるのを見て

嬉しかったので、

商人として、

カリセンに潜入する仕事の話は、

全て食べさせてから、

しようと思いました。

 

彼は、フォークを持ち、

ラティルの顔色を伺いながら

陛下は食べないのかと

聞いて来たので、

ラティルは、

ようやくフォークを握りました。

ところが、

ラティルが食べている間、

しきりに、ゲスターは

彼女の顔色を窺いました。

 

ラティルは、

どうしたのかと尋ねると、

ゲスターは何でもないと呟いたので

彼女は、

再び食事をしようとしましたが

ゲスターは、

 

陛下はあの塀・・・

 

と、ぼそっと呟きました。

しかし、ラティルを見ると、

彼は、すぐに口をつぐみ、

首を横に振りました。

ゲスターが「塀」と言ったことを

疑問に思いましたが、

ゲスターが話そうとしないので、

あえて問い詰めたくなかったし、

言いたくないことを

言わせたことで、

ゲスターが後悔するのも嫌でした。

ラティルはもっと聞く代わりに、

ゲスターが適度に

食事を終えるのを待ってから、

タッシールが、

ダガ公爵家に商品を納めている

商団と親交があり、

ゲスターの正体を隠したまま、

その商団に、

こっそり入れることができると

言っているけれど、どうだろうか。

そうすれば、ダガ公爵に

会ってくることができるかと

尋ねました。

 

ラティルは心配そうに

ゲスターを見ました。

ダガ公爵家と取引する商団とはいえ

ダガ公爵に会えるとは

限りませんでした。

そこに行った後も、

ダガ公爵に会う方法を

探さなければならないかもしれない。

そんなことを、

ゲスターがうまくできるのか。

彼は、思ったより強い黒魔術師では

あるけれど、

依然として気弱でした。

前日、タッシールに、

商団の話を聞いた時は、

ただ喜んでいただけだけれど、

いざ、ゲスターを見てみると、

彼が身元を隠したまま、

商団についていけるかどうか

心配でした。

 

ラティルは、

不安なら他の人を一緒に行かせる。

ゲスターの安全が

一番大事だと言うと、

彼は、ためらいながら、

ちらりと後ろを向きました。

ダガ公爵の話を聞いて

驚いていたトゥーリは、

ゲスターとラティルが

同時に自分を見ると慌てて腰を下げ、

うちの坊ちゃんは、

気弱なので、誰かを騙すのは苦手だ。

相手がダガ公爵なら、なおさらだと

言いました。

ラティルは、もう一度、ゲスターに

できないのかと尋ねました。

彼は簡単に答えられずに

躊躇していました。

 

ラティルは、ゲスターが、

当然、すぐ行くと言うと

思っていたので、

少し戸惑いを感じながら

氷が溶けて薄くなったジュースを

一口飲みました。

気弱ではあるけれど、

ロードの味方なので、

当然こんなことはうまくやれると

思っていたけれど、

そうではなかったのか。

だからといって、

怖がりなゲスターを、

無理やり敵陣に

送ることもできませんでした。


ラティルは、

ダメだと思ったら、

やらなくてもいいよと言いました。

そして、彼の青白い顔色を

見続けることができず、

ラティルは笑いながら、

ゲスターがだめなら

他の人に頼めばいいことだからと

言いました。

 

その「他の人」という言葉に

危機を感じたのか。

ずっと躊躇していたゲスターは

急に、やると言いました。

ラティルは眉をひそめて、

無理にやらなくてもいいと

言いましたが、

彼は、

やりたい。陛下の役に立ちたい。

その、代わりに、

陛下が一緒に行ってくれないかと

頼みました。

ゲスターの頼みを聞いて、

トゥーリの目が先程の

何倍も大きくなりました。

直ちにゲスターの口を

塞ぎたいという表情でした。

 

ゲスターが、

その表情を見て躊躇したので、

ラティルは、

トゥーリに出て行くよう指示し、

ゲスターに話し続けるよう

合図しました。

トゥーリが出て行くと、

ゲスターは躊躇いながら、

自分は強くないし、

ダガ公爵が本当に食餌鬼だったら、

彼にやられるかもしれない。

けれども、食餌鬼たちは

本能的にラティルを恐れるので

彼女が一緒に行ってくれれば、

安心できると思うと言いました。

 

ラティルは、

またカリセンへ行くという

予期せぬ状況に困惑しました。

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ギルゴールの見た目は青年なので

彼に、坊っちゃんと言われたら

侍従長が戸惑うのも、

無理はありません。

でも、何千年も生きている

ギルゴールにとっては、

たかが40年余りしか

生きていない侍従長

赤ちゃんも同然なのでしょう。

この2人のギャップが面白いです。

 

そして、ラティルが

餅みたいな顔と言って

けなしまくっている月楼の王子が、

侍従長から見れば

ハンサムな方だというのも

面白いです。

人は、何を基準にして、

物事を判断するか、

それぞれ違うので、

意見が違うのも当然です。

ラティルは

極上のイケメンばかり見ているので

普通のイケメンですら、

カスにしか見えないのだと

思います。

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