自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち 308話 ネタバレ先読み 原作 いい加減な食屍鬼とタッシールの不快な感情

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308話 ゲスターはダガ公爵の部屋へ侵入するのに成功しました。

◇点検◇

ダガ侯爵は

深く考え事をしている時、

無意識の状態に近いので、

自分のこの状況を

「眠っている」と表現していました。

けれども、

本当に寝ているわけではないので、

周りで何が起こっているか、

ぼんやりと感じ取れました。

 

扉の外で騒いでいる声。

首が転がって行ったという叫び声。

声を低くして、ひそひそ話す声。

タイミング悪く、

捕まってしまった商団の話。

 

そうしているうちに、

ダガ公爵は、

かすかに扉が開く音を聞きました。

勘違いかと思いましたが、

そうでなくても構わないので

ダガ公爵は、目を開けませんでした。

 

彼が眠っていると、

皆、音を出さないようにして、

行ったり来たりしました。

ある人は、公爵家で起きている事件が

塀の外へ漏れないように口止めし、

ある人は、

公爵が早く正気に戻ることを

望んでいました。

 

執事や下男は、

公爵が食べられそうな

色々な料理を運んできて

テーブルの上に置き、

公爵が食べなかった料理を

持ち帰ることを繰り返していました。

 

ところが、今日は、

かすかに扉が開く音に続き

弱い足音が聞こえたかと思うと、

他の音は聞こえず、

彼を起こすこともありませんでした。

誰か来たのかと思い、

公爵はゆっくり目を開けると、

可愛い狐の顔が目に入りましたが

改めて見ると、

本物の狐のように巧みに作られた

狐の仮面を被った背の高い人が

いました。

公爵は驚いて、起き上がり

「誰だ!」と聞こうとしたのか、

それとも「誰かいないのか?」と

叫ぼうとしたのか、

分かりませんでしたが、

言葉を口にしようとした途端、

大きな手で塞がれました。

 

公爵は目を大きく見開きました。

食餌鬼になって以来、

彼の力は飛躍的に強くなったものの

相手は、それよりも強く、

口を塞いだ手を退かそうとしても

相手は手を伸ばしただけで、

公爵の力を無力化させました。

 

公爵はブルブル震えながら

狐の仮面を見ました。

彼は公爵の口を塞いでいない方の手を

自分の口に持っていき、

人差し指を持ち上げると、

「シッ」と合図をしました。

ダガ公爵は、口を塞がれいたので、

頭がよく動かなかったけれど、

必死に頷きました。

仮面の内側の瞳が細くなりました。

 

狐の仮面は、

彼の口から手を離すことなく、

その代わりに、

自分の口に当てていた手を離すと、

公爵の上着を上に上げました。

やがてその手が公爵のお腹を

あちこちもみ始めました。

お腹のあちこちを

指先で押しているのを見ると、

何かを探しているようでした。

 

狐の仮面は思いやりの欠片もなく、

孔雀の体を粘土の塊のように

荒々しく扱いました。

公爵はかなり強い痛みを感じ、

特に狐の仮面が肋骨のどこかを押すと

悲鳴が出そうになりました。

屍鬼になって以来、

一度も感じたことのない苦痛でした。

なぜ、狐の仮面が

自分の口を塞ぎ続けたのか

その理由が分かりました。

ついに狐の仮面は 

公爵のお腹から手を離し、

彼の上着を下ろしながら、彼が、

いい加減な身体にされたことを

哀れみました。

 

ダガ公爵は、

妙な言葉だと思いました。

まるで自分が人間ではないことを

知っているニュアンスでした。

そういえば、アナッチャも

公爵の身体の状態を点検する時、

お腹と首をしきりに

確認しているようでした。

 

公爵は目を開き

狐の仮面の方を見ました。

その言葉の意味を

聞きたいと思いました。

 

ダガ公爵は冷や汗を流しながら

普通の人には出せないスピードで

瞳を転がし、

部屋のあちこちをくまなく見て、

さらに上半身を起こしました。

自然に、はあはあと

息切れする音が漏れました。

そして公爵は、

両手で顔を覆って下ろしたところ、

彼は眠っていました。

狐の仮面もいなかったので、

先程のあれは夢だったのかと

不思議に思いました。

 

すると、

誰かが扉を叩く音が聞こえたので

公爵は手を布団の上に置きました。

入る許可を与えると、

アイニとかなり歳が離れている

彼の幼い娘ライディが

入って来ました。

公爵はライディを見ると、

無理やり笑みを浮かべながら

両腕を広げました。

食餌鬼になってから、

彼はできるだけ二番目の子を

見ないようにしていましたが、

彼女は頻繁に、父親を訪ねました。


公爵が、早く自分の身体を

正常にしたいのは、

まだ具合が悪いのかと心配する

ライディのためでもありました。

アイニは公爵の体調を知り、

適当に距離を置きながら

彼の安全を守っていましたが、

ライディは、

まだそのようなことを

知りませんでした。

ただ父親の具合が悪いことを

心配するだけでした。


ダガ公爵は、

まだ具合が悪いと告げると

子供は駆けつけて

公爵を抱きしめました。

まだ背が低くて、

公爵がベッドに座っているのに

子供は公爵の胸までしか

頭が届きませんでした。

普段なら、

どこがどれくらい痛いかと

聞いて出て行く子供が、

今日はくしゃみをして

口をぺっぺっと鳴らしました。

 

ひょっとして、

死体の匂いでもするのかと思い、

ダガ公爵はぞっとしながら、

娘にどうしたのかと尋ねました。

 

子供は、笑っているのか

咳をしているのか

分からないように

ごほんごほんしながら

公爵のお腹を指差して、

子犬を買ったのかと尋ねました。

 

公爵は頭を下げました。

よく見ると、

彼の上着のあちこちに、

動物の毛がついていました。

服が茶色だったので

すぐに分かりませんでした。

狐の仮面が訪れたのが

夢ではないと分かった途端、

恐ろしい気持ちより

期待感が湧き起こりました。

 

ダガ公爵はライディに、

執事を連れて来るよう頼みました。

自分が父親の役に立てると思い

ライディは浮かれて外に出ました。

すると、

「お嬢様、いつ入ったのですか?」

と騒ぎ声が聞こえてきました。

 

ダガ公爵は服に付いた狐の毛を

手でかき集めました。

思ったより量が多かったので、

仮面から自然に抜け落ちたのではなく

狐の仮面が

わざと落としたに違いなく、

狐の仮面は、

自分と手を組みたがっている者だと

思いました。

それに、自分を見ただけで

アナッチャが

未熟だということに気づくほど、

腕のいい黒魔術師でした。

まもなく執事がドアを開けて

入ってきました。

ダガ公爵は狐の毛を

サイドテーブルに置きました。

執事はちらっとそちらを見ましたが

素直に公爵が

先に指示するのを待ちました。

 

ダガ公爵は、

アナッチャは今どこにいるのか

尋ねました。

執事は、アイニがアナッチャを

彼女の統制下に置くために

宮殿の別宮に連れて行ったと

答えました。

ダガ公爵は、アナッチャを、

こちらに来させるよう命じました。

執事はもう一度狐の毛を見て

外へ出ました。

 

ダガ公爵は、

希望に満ちて布団を握りました。

彼は食屍鬼になって以来、

生き返ったという喜びより、

思い通りに動かない身体と

人を見ると食欲を感じることで

苦しんでいました。

生きている人がそばを通ると

亡き者にして食べたくなるし、

死体が近くにあると

自然に口から唾が垂れましたが、

良い香りのする料理が用意されても

何も感じませんでした。

こんな姿で生き返ったので、

アイニがなぜ彼を甦らせたのか

時々、恨めしく思いました。


同じ食餌鬼なのに、

トゥーラ皇子と自分の体の状態が

全く違うことを知ると、

アナッチャを亡き者にしたいと

思うこともありました。

トゥーラ皇子も

死体を食べて生きているのは

同じだけれど、

普通の食べ物に対する食欲が

人間の時ほどないだけで、

普通に食べ物を食べて

飲むことができました。

もし、アナッチャが、

彼の体調を

元に戻すことができなければ、

ダガ公爵は、

恩を仇で返した

アナッチャとトゥーラ皇子を

直ちに噛みちぎるつもりでした。

ダガ公爵は、

身体を治すことができるかもしれないと

希望を抱きました。

 

◇滞在の延期◇

商団の頭は、

昨日は、今日帰れると言われたのに、

まだ、犯人が見つかっていないので

あと1-2日滞在するようにという

公爵の伝言を執事から聞くと、

文句を言いました。

 

あくびをしながら、

廊下に出てきたラティルは、

頭が執事と言い争う声を聞いて

立ち止まりました。

2人は廊下の端の階段付近に立って

話をしていましたが、

頭はとても怒った顔をしていました。

彼は、

事件が起きた時、自分たちはまだ、

この邸宅に入ってもいないと

主張しました。

執事は、

それは、もちろんよく分かっているし

犯人だと、

疑っているわけではないけれど

ただ、仕事を

確実にしようとしているだけだと

言い訳をしました。

 

すると、商団の頭は、

直接、ダガ公爵に会って

話をすることを希望しましたが、

執事は、

公爵は具合が悪いので、

誰にも会えないと断りました。

頭は、公爵夫人と会うことを

要求しましたが、執事は、

彼女も

犯人を捕まえるのに忙しいと

言い訳をしました。

自分は、この家にだけ

物を売っているのではないと

頭が怒りを吐き出すと、

執事は途方に暮れました。


ラティルは人の気配を殺して

その場を離れました。

なぜ、急に言うことが変ったのか。

ラティルはじっくり考えながら

歩きましたが、

自分の部屋に戻る代わりに、

反対側の廊下を通って外に出ました。

 

ラティルは、

何の魂胆があり、

残ることになったのかが

ひっかかるけれど、

商団の頭には申し訳ないと思いつつ

昨日、公爵に会えなかったので、

一日か二日、

彼と会う機会ができたことを

嬉しく思いました。

ところが何歩も歩かないうちに、

こう呼んでいいのかわからないような

元気のない声で「サビさん」と

ラティルを注意深く呼ぶ者がいました。

彼女は、声の主が誰だか、

すぐに分かりました。

ラティルが振り向くと、

ゲスターはかつらをかぶって

決まり悪そうにしていました。

 

ラティルは、ゲスターに

どこにいたのか。

自分が出て来た時は

姿が見えなかったと尋ねると、

彼は、座っていたと答えました。

ラティルは、笑いながら

その理由を尋ねましたが

ゲスターは顔を赤くして、

手を組みました。

ラティルは、その手を握りました。


ゲスターは、

さらに恥ずかしそうにして、

ラティルに近づくと、

腰を下げて彼女の耳に唇を当て、

前の晩、公爵に会ったことを

打ち明けました。

彼の低くて奥ゆかしい声に

自然と産毛がぞっとして

ラティルは肩をすくめました。

 

ゲスターが見ていたので、

ラティルは、彼の声に

肌が震えたという話をするのが

恥ずかしくて、すぐに、

どこで見たのかと尋ねました。

ゲスターは歩き回っている時にと

答えた後、

公爵は食屍鬼に違いないけれど

滅茶苦茶だと伝えました。

 

ラティルは喜びが押し寄せて来て、

ゲスターを握っている手に

力が入りました。

そして、この状況をどうすれば

自分たちに有利になれるのかと

尋ねると、ゲスターは、

アナッチャは、公爵を

わざと操り人形にした。

彼女が公爵を操縦するのに使おうと

準備したものがあるはずなので

それを奪ってくれば

公爵を操縦することができる。

それがだめなら、

気は向かないけれど、自分が最初から

公爵を作り直すこともできると答え

ラティルの顔色を窺いました。

 

彼女は、それを聞くと嬉しくなり、

ゲスターをぎゅっと抱きしめました。

ダガ公爵を操縦できるようになれば、

少なくともヒュアツィンテを

治すことができると思いました。

ラティルに抱き締められて、

ゲスターは慌てました。

◇不快な感情◇

執事から、

さらに2日ほど滞在するよう言われた

商団の頭はタッシールを呼び、

その話を伝えると、

庭で抱き合っている夫婦を見て、

本当に仲がいいと感心しました。

彼の子供たちは、

そろそろ結婚適齢期なので、

若い夫婦が、互いをあのように

大事にしている姿を見ると

気分が良くなりました。

 

ところが、タッシールは

露骨に顔をしかめて夫婦を見下ろし

機嫌が悪そうに見えたので、

頭は口を閉じました。

口元が上がっているものの、

決して良い笑顔ではなく、

昨日もタッシールが

あの夫婦の間に何度も割り込み、

邪魔をしようとしていたのを

思い出した頭は、舌打ちをすると、

皇帝の側室であるタッシールが

陛下の密使に片思いをすれば、

タッシールだけでなく、

サビにも害を与えるので

行動に気をつけるよう注意しました。

 

そう話しながら、頭は

彼の父親に、息子をよく監督するよう

一言、言わなければならないと

決心しました。

皇帝の側室が皇帝の密使、

しかも既婚者密使に対して、

痴情スキャンダルを起こせば、

大変な醜聞になるからでした。

タッシールには申し訳ないけれど

彼の未来と安全のためには

両親に知らせて、

息子を監督させる必要があると

思いました。

 

そんなことを知らないタッシールは

自分の不快な感情がどこから来るのか、

悩みながらしきりに

サビの頭頂部を眺めました。

そして庭園のもう一方では、

ダガ公爵に呼ばれて

こっそり裏口から入ってきた

アナッチャが、

ゲスターの顔に気づいて

驚いていました。

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まさか、アナッチャは、

キツネの仮面がゲスターだと

知ってはいないですよね。

恥ずかしがり屋のゲスターは

社交界に出ることは

なかったかもしれませんが、

子供の頃、母親と一緒に

宮殿に行って、

アナッチャとトゥーラに会っているので

それで、ゲスターの顔を

知っているのではないかと思います。

ゲスターが誰であるか見破った

アナッチャがどう出るのか、

気になります。

仮に、アナッチャが

ゲスターを脅したとしても、

中にいるランスター伯爵が

負けてはいないと思います。

 

タッシールの不快な感情は

嫉妬ですよね。

タッシールがラティルの側室になり

彼女がアンジェス商団の血を引く

子供を産めば、

ますます商団は発展するし、

タッシール自身も、

側室になることは、商売の一つだと

考えていたかもしれません。

 

おそらく、タッシールは

恋愛よりも仕事の方が優位にあり、

女性と軽い付き合いをすることは

あっても、

本気で女性を好きになったことは

ないと思います。

だから、ラティルに対する

自分の感情が何なのか

分からないのではないかと

思いました。

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