自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち 541話 ネタバレ 先読み 現作 あらすじ 今とは違う昔のギルゴール

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541話 カリセンの宮殿内を歩き回ってたラティルは、誰かの気配を感じました。

◇昔のギルゴール◇

ラティルが後ろを向くと、

あちこち破壊され、

石の破片が転がっている

宮殿の広い廊下ではなく、

広い野原になっていたので、

ラティルは固まりました。

強風のため、

丈の長い草が四方に舞い散り、

ラティル自身の髪の毛も

大きくなびいていました。

 

ラティルは目の前で

ヒラヒラする髪の色が黒ではなく

薄茶色であることに気づき、

目を丸くしました。

 

これは自分の髪の毛なのだろうか。

ラティルは髪の毛をかき集めて

引っ張ってみると、はっきりと

頭皮が引っ張られる感じがしたので

ぼんやりと髪の毛を下ろしました。

確かに自分の髪の毛でしたが

薄茶色でした。

 

一体、どうしたのか。

ドミスの身体に入ったように、

他の前世の身体に入ったのだろうかと

不思議に思いながらラティルは、

あちこち、髪の毛を動かしていると

遠くから誰かの声が聞こえたので、

そちらへ顔を向けました。

すると、ラティルは

腰を抜かしそうになりました。

白と金色が混ざったきれいな制服姿の

ギルゴールが、

こちらに近づいて来たからでした。

両腕には、

幼い子供たちを抱いていました。

 

ラティルは、

双子のようにそっくりな2人の子供と

ギルゴールを交互に眺めた後、

ようやく

 

ギルゴール?

 

と呼んでみました。 

 

何を考えているの

 

ラティルは、

ギルゴールの声を聞くや否や

悲鳴を上げるところでした。

彼の声は今と変わりませんでしたが

話し方が全く違っていて、

はるかに柔らかくて優しくて

温かい口調は、

ヒュアツィンテとザイシンを

混ぜたような感じでした。

 

ラティルはうろたえながら

眺めていると、

まるでラティルに

抱かれたいかのように、

1人の赤ちゃんがラティルに向かって

短くてぽっちゃりとした両腕を

伸ばしました。

しかし、ラティルは

面喰ってなす術を知らず、

赤ちゃんを抱きしめないでいると、

 

お母さん。

セルを抱きしめてください。

セルはお母さんのところへ

行きたいです。

 

とギルゴールが、

その赤ちゃんのふりをしたので

驚愕しました。

ラティルは口を大きく開け、

一歩後退しました。

 

ギルゴールが

赤ちゃんの真似をしているなんて!


客観的に見れば、

愛情あふれる父親の姿だけれど、

よりによって、

それがギルゴールなので、

ラティルは、ぞっとしました。

すると、ギルゴールは

赤ちゃん声をやめ、

 

どうしたの?

また頭が痛いの?

 

と心配そうに、優しく尋ねました。

ラティルが答えられずに、

ずっと、ぼんやりしているので

ギルゴールはラティルの額に

自分の額を当てました。

彼と触れ合う部分から

温もりが伝わってきました。

 

熱はなさそうだけれど、

薬湯を入れましょうか?

 

と彼が温かい声で尋ねると、

ラティルは足の力が抜けてしまい、

ゆっくりと座り込みました。

温かくて穏やかなギルゴールだなんて

これは悪夢なのかと思いました。


ギルゴールは隣に座りながら

抱いていた子供たちを降ろすと、

一人はギルゴールに

ずっとくっついていましたが、

先程、ギルゴールが

セルと呼んでいた子供は、

すぐにラティルの方へ

ゆっくり這って来ました。

赤ちゃんが

ラティルの足をつかんでよろめくと、

ラティルはこれ以上拒否できず、

慎重に赤ちゃんを抱きしめました。

不器用に赤ちゃんを抱き、

その顔を見たラティルは、

この子がギルゴールに

よく似ていることに気づきました。

 

ギルゴールの子供だろうか?

 

ラティルは

子供の顔をぼんやりと見て、

次にギルゴールをチラッと見て、

また子供の顔を見て、

今度は、子供を持ち上げて

ギルゴールと顔を合わせてみました。

本当によく似ていました。

 

ギルゴールは頭がおかしくなって

子供がいると言ったのではなかった。

子供がいたのは事実だった。


驚いたラティルが

ぼんやりと考えていると、

ギルゴールは笑い出し、

見る度に不思議がっている。

うちの子が、

自分たちに似ているのは当然なのに、

どうして、いつもそんなに

不思議がっているのかと

からかうように尋ねると、

自分にくっ付いている子供の

ぽっちゃりとした頬と目元を

そっと撫でながら、

 

私はうちの子供たちの

この瞳が一番好きです。

まるであなたのようです。

 

と呟きました。

 

ラティルは、

子供たちの瞳を見ると、

きれいな紫色をしていました。

 

それでは、今の私の姿は

薄茶色の髪に紫色の目なの?

そのような容姿で

ギルゴールとの間に子供を産んだ

今の私は一体誰なの?

 

状況を把握するために、

ラティルが再び言葉を失っていると

先程、赤ちゃんの頬を

包み込んでいたように

ギルゴールが、

ラティルの頬を包み込みました。

 

驚いたラティルがビクッとしましたが

ギルゴールは愛情に満ちた目で

じっとラティルを見つめ、

驚いたりしませんでした。

ラティルは、

その時になってようやく

ギルゴールの目を

じっと見つめました。

今のギルゴールの赤い瞳は

精神が壊れたような、

狂った瞳ではなく温かそうでした。

 

彼は、

 

アリタル。本当に大丈夫ですか?

 

と尋ねました。

 

◇死体がない◇

ラティルは目を大きく開けました。

風が吹いていた草原は消え、

ギルゴールに似た2人の子供も

いませんでした。

胸に抱いていた、

あの、ぽっちゃりとした子も

いませんでした。

ラティルは、

ぼんやりと辺りを見回しました。

 

あれは何だったのか。

いや、それよりも、ギルゴールは

自分をアリタルと呼んでいました。

初代ロードで、

ギルゴールと子供を作ったのは

やはりアリタルなのか。

ギルゴールの体温も

とても温かだったので、

彼は人間だったということだろう。

それでは、

今、幻想のように見た光景は、

まだアリタルが大神官で、

ギルゴールも

人間の時のことなのだろうか。

 

ラティルはぼんやりと考えていると、

小さな石を踏んで

転びそうになりました。

しかし、ラティルは、

転びそうになったことよりも、

ギルゴールが、元々温かい性格で

最初から、

頭がおかしくなかったという事実に

ショックを受けました。

ところで、なぜ、そんな幻想が

突然目の前に現れたのか。

ラティルは、

じっくり考えてみましたが、

突き止める方法がないと分かると、

一旦、その件は後に延ばし、

宮殿を見回ることにしました。

好奇心をそそられましたが、

今すぐ重要なことは、

ここでの問題を解決することでした。

 

ラティルは、再び歩き始めました。

長い廊下を最後まで歩き、

階段を下りて、

また長い廊下を反対側に歩いて行き、

広いホールのような所へ入ってみて、

宮廷人たちが使っているような

休憩室を見つけると、

中に入って確認しました。

 

そうしているうちに、

ラティルは奇妙な点を発見しました。

確かに、あの黒魔術師は、

死んだり怪我をした人がいるように

話していたけれど、

死体も負傷者も見当たりませんでした。

 

ラティルは調理室の扉を開けて

人を探しましたが、

そこにも誰もいないと、眉をひそめ

元通りに扉を閉めました。

黒魔術師たちが死体を利用して

あらゆることをしているのを

知っているので、ぞっとしました。 

 

まさか、死体を

全部持って行ったのだろうか。

不吉な考えでしたが、

十分、あり得る話でした。

 

自分がロードだと分かってからは

ロードの視点で考えることが

多くなっていましたが、

ラティルは初めて対抗者の立場で

状況を見てみました。

 

先代のロードは、

今のアニャドミスと違って

勢力もはるかに強かったはずなのに

先代の対抗者は

それをすべて阻止した。

改めて考えてみると、

本当にすごいことだ。

500年周期で、

地図が随時変わった理由もわかる。

考えてみると、ゾッとすることだと

思いました。


深刻になったラティルは

廊下を塞いでいる

並外れた大きな岩を足で砕きながら

震えました。

 

アニャドミスが、今のように

散発的に攻撃を仕掛けて来て、

皆で死のうと言い出したら困るし、

自国を守るのもうまくいかない。

他の国、特に遠い国まで助けるのは

現実的に難しいだろうけれど

助けに行かないわけにもいかない。

ということは、

やはり、アニャドミスが

遅々として進まない今、

アニャドミスが、

アイニの命を奪えていない今、

こちらが先制攻撃をして

処理すべきだけれど、

アニャドミスの居場所を

把握するのが難しいのが問題でした。

 

岩を砕いたラティルは、

再び前に進み続けました。

それでも人が見つからないと、

結局、先程ゲスターと別れた所へ

戻りました。

ところが帰ってみると、

黒魔術師を尋問すると言っていた

ゲスターの姿が見えませんでした。


それでも、彼が近くにいると思い、

ゲスターを呼びながら

歩き回っていると、予想通り、

それ程、遠くない部屋の扉が開き、

ゲスターが出て来ました。

ラティルが黒魔術師のことを尋ねると

ゲスターは部屋の中を指差しました。

ラティルもそちらへ歩いて行くと、

先程、気絶していた黒魔術師が、

直立不動で立っていました。

 

ラティルは、なぜ、あのように

立っているのかと尋ねると、

ゲスターは、

ラティルを怖がっているようだと

答えました。

確かに、 普通の人は、

あのような岩を

投げることはできないと思いました。

 

ラティルは、

何か分かったことがあるかと

尋ねました。

ゲスターは、

ここにはアニャドミスはいないようだ。

しかし、カリセンの方から

皇后を渡すことになれば、

彼が信号を送ることになっていると

答えました。

 

ラティルは、

彼自身が捕まったという信号を

送ることもできるのではないかと

訝しみました。

しかし、ゲスターは

それはできないと思うと答えました。

けれども、ラティルは、

あのような者は信じられない。

彼の言うことを信じるのかと

尋ねました。

 

ゲスターは「はい」と答え、

自分自身の魔法能力をかけてする

誓いがあると説明しました。

ラティルは、魔法については

よく知らなかったので、

ゲスターの説明を聞くと頷きました。

原理は分かりませんでしたが、

そのようなものがあれば、

安心できました。

 

ラティルは、

彼が死者や負傷者を

どのようにしたのかも

尋ねることができるか。

宮殿の中には死体も負傷者もいない。

石がこんなに落ちているのに、

そんなことがあり得るのか。

負傷者は、

避難しながら連れて行ったとしても、

死者の面倒まで

見ることはできなかっただろうと

話すと、ゲスターが返事をする前に、

直立不動の黒魔術師自ら、

死体は使うために、

別に集めておいたと答えました。

 

ラティルは、

どこに運んだのかと尋ねると、

黒魔術師は、地下だと答えました。

運び出す時期を訪ねると、黒魔術師は、

自分が信号を送ればクロウが来ると

答えると、

ラティルとゲスターの顔色を

窺いました。

2人はクロウのことを

知っているのだろうか。

彼について、

もっと説明する必要があるのかと

悩んでいるようでした。

 

ゲスターは黒魔術師を無視して

ラティルに、

どうするのかと尋ねました。 

ラティルは、

しばらく物思いに耽りましたが、

窓越しに見える時計台を

じっと見つめながら、

まずは、黒魔術師を連れて

ヒュアツィンテから探そうと

言いました。

◇危機◇

それから、ラティルは

歩きながら眉をひそめ続けました。

何か気になることがあり、

それが頭に

引っかかっていたからでした。

先程、黒魔術師の話を聞いて、

一瞬ひらめいた気がしましたが

それがよく思い浮かびませんでした。

 

何だっけ?

 

1人で宮殿を歩き回っていた時に

悩んでいた問題を

解決する方法でした。

 

そのもやもやとして、

混乱した気持ちは、

宮殿の外壁の城門を通り抜け、

外に出るや否や、

一気に遠ざかりました。

城門の周りを、

兵士たちが半円形状に隊列を組み、

こちらへ鋭い長槍を

向けていたからでした。

 

それを見たゲスターは怯えて

ラティルの腕をぎゅっと握りました。

彼女は彼の手の甲を撫でながら

大丈夫。

ヒュアツィンテが

城を取り戻そうとして

兵士たちを送ったようだと

宥めました。

 

岩の塊が次々と押し寄せて来て、

城のあちこちが破損すると、

まずは人を気遣い、

避難することを選択したけれど、

その後、すぐに整備して

城を奪還しに来たようでした。

行動と計算が早いヒュアツィンテなら

十分にそれに値しました。

 

しかし、兵士たちは

ひとまず警戒しろという

命令だけを受けたのか、

こちらを注意深く観察しながらも、

それ以上、

近づくことはありませんでした。

 

ラティルは舌打ちをしました。

ラティルとゲスターと黒魔術師は

全員、マントを着ているので、

ラティルとゲスターまで、

黒魔術愛好家の仲間だと

思われているようでした。

 

ゲスターは、

 

どうしましょうか・・?

 

と呟きました。

 

ラティルは、

顔を見せれば、自分が誰なのか

分かる兵士がいるはずだと

返事をしましたが、

ゲスターは反対しました。

ラティルも、分かっていると

答えました。

 

彼女はここへ来るとは言わずに

来ていたし、

数時間前まではタリウムにいて、

突然カリセンに現れました。

これが明らかになれば

大混乱が起きるはずでした。

 

タナサンでも

似たようなことをしましたが、

その時は、グリフィンを染めて

連れて行くことで誤魔化しましたが

今回はそのような措置も

取りませんでした。

それに、アニャドミスが、

自分がここにいるという知らせを聞けば

こちらへ来るかも知れませんでした。

アニャドミスに会ったら、

退治しなければなりませんが、

その前に

準備を徹底する必要があるので、

今ここで彼女を迎えることは

できませんでした。


どうしましょう・・・?

 

ゲスターが、か弱い声で

ラティルを呼ぶと、

黒魔術師は目を丸くして

ゲスターを眺めました。

ラティルは躊躇いながらも

口を開きました。

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ギルゴールは愛する家族を失って

精神に異常をきたしてしまったけれど

今のギルゴールも、

時折、優しさの片鱗を

のぞかせることがあると思います。

それは、ギルゴールの元々の性格が

本当に優しいからなのでしょう。

失った愛を取り戻すために、

何千年も生きてきたギルゴールが

1/8の愛でも満足して、

幸せになれるといいなと思います。

 

それにしても、

初めて会った黒魔術師でさえ、

恐怖を感じたゲスターが

なよなよゲスターに

変わったのを見て驚いたのに、

なぜ、ラティルは

あまり変だと思わないのか

不思議です。

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