自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち 602話 ネタバレ 先読み 原作 あらすじ 顔も行動もそっくりな父子

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602話 サーナット卿は、シピサに側室のことを聞かれて困ってしまいました。

◇皇帝の好きなもの◇

サーナット卿は、

皇帝と長く付き合っているのは

事実だけれど、そのような内情は、

いくら自分が陛下の最側近でも

分からないので、

直接、皇帝に聞くようにと

言いました。

ラティルには

申し訳ないと思いましたが、

これは、本当に彼が答えられる

質問ではありませんでした。

 

シピサもサーナット卿の言葉を聞いて

気が済んだのか、

後で皇帝に聞くことにすると

言いました。

彼はどうでも答えを

聞くつもりのようでした。

 

続けてシピサは、

皇帝は何が好きなのかと尋ねました。

サーナット卿は、

動物が好きで、

特に毛むくじゃらの動物が好きだと

答えました。

 

シピサは、他に好きなものを

聞きました。

サーナット卿は、

剣術と美味しい食べ物と答えました。

続けてシピサが同じ質問したので、

サーナット卿は、

音楽が好きだけれど、歌は下手だと

答えました。

次にシピサは、

皇帝が嫌いなものを訪ねました。

サーナット卿は、

必要以上に動物を狩るのが嫌いなので

絶対に狩猟大会は開かないと

言っていると答えました。

 

サーナット卿の答えが気に入ったのか

シピサは、

皇帝は心が温かくて優しい人のようだと

小声で呟きました。

サーナット卿は我慢できずに、

チラッと後ろを振り向きました。

頭を下げて歩いているシピサの耳が

少し赤くなっていました。

ラティルについての良い話を聞いて、

浮き浮きしているに

違いありませんでした。

サーナット卿が、

シピサの言葉を肯定すると、

彼の耳は、さらに赤くなりました。

 

シピサには

大変申し訳ないけれど、

ギルゴールの顔で

そのような姿を見せると、

サーナット卿は本能的に、

拒否感が沸き上がって来ました。

サーナット卿は急いで正面を見ると、

再び歩き始めました。

 

続けて、サーナット卿は、

皇帝は積極的で、

感情が豊かで、いたずらも好きだ。

必要な時には、威厳を示すけれど

私的な席では、人々に

分け隔てなく接してくれることもあると

話しました。

 

シピサは

「よく似ている」と呟きました。

サーナット卿は、彼が

母親のことを言っているのかと

気になりましたが、

自分はクラインではないので、

どのような状況であれ、

自分の好奇心を満たす覇気は

ありませんでした。

幸いなことに、シピサは、

一人で呟き続けました。

 

自分が知る限り、

万人に愛される人だった。

あの人を嫌う人を見たことがない。

頭が非常に良くて、

一度も間違った決断をしたことがない。

生まれつき太陽のような人だ。

あの人が笑うと、

枯れていた花も生気を取り戻す。

干ばつでも雨が降り、

病人たちは、病気を克服した。

皇帝もそうだろうか?

 

それを聞いたサーナット卿は

心の中で否定し、

シピサは随分母親を美化していると

思いました。

けれども、

子供が母親を崇拝しているのに

それに対して、

何も言えませんでした。

 

幸いにも、目的地に近づいたので

サーナット卿は安堵しました。

彼は、ラティルが

シピサのために用意した宿泊施設を

指差しました。

いくつかの建物の中で、

一番外側にある独立した建物なので、

他人の目を気にする必要もなく、

周りをよく見ることもでき、

他の区域を行き来するのにも

良い位置でした。

 

サーナット卿は、

皇帝の使用人を5人、

ここへ来させると言っていたので

気楽に過ごして欲しい。

必要なものがあれば、

その人たちに伝えるようにと

話しました。

 

シピサは扉を開けて入って

中を見回しましたが、

30秒も経たないうちに、また出て来て

皇帝は、いつ来るのかと尋ねました。

サーナット卿は、

明日の朝に来ると思うと答えた後、

シピサに、何時に起きるかと

尋ねました。


シピサは、

いつ来ても大丈夫。

寝ていたら、起こしてもいいと

伝えて欲しいと、切実に答えました。

 

サーナット卿は、しばらく驚いた後、

笑いながら頷き、

「そうします。」と返事をしました。

◇褒められ好き◇

本宮に戻ったラティルは、

サーナット卿と夕食を取りながら

シピサと彼が交わした会話について

聞きました。

一体、二人で何の話をして来たのかと

思ったラティルは、話が終わると

両手で顔を覆いました。

 

サーナット卿はラティルに

どうしたのかと尋ねました。

ラティルは、

自分への褒め言葉は

あえて伝えなくてもいいと答えました。

サーナット卿は、

ラティルは褒められるのが好きなので

聞きたがっていると思ったと言うと、

ラティルは、

その場で聞くのと、

伝えられるのとでは気分が違う。

それに、他人が言った話を伝えることと

サーナット卿が言ったことを、

サーナット卿の口から聞くのも、

全く違うと言い返しました。

 

ラティルは、顔を隠したまま、

サーナット卿が笑うのを

見ないようにしました。

ラティルが手を下ろすと、

サーナット卿は、

いつもと同じ表情に戻っていました。

 

サーナット卿は、後でシピサが

なぜ、ラティルが、

そんなに多くの側室を入れたのか

聞くかもしれないので、

事前に返事を準備した方がいいと

勧めました。

◇前世の息子との食事◇

翌日、ラティルは、

念入りに服を選びました。

普段の仕事の時には、

騎士の制服を模して作った服を

着ていましたが、

今日は騎士らしさを感じさせない、

軽い雰囲気の服を選びました。

シピサに、過度に権威的な印象を

与えたくなかったからでした。

 

乳母はそんなラティルを見て、

朝から急いでいるなんて怪しいと

からかいました。

 

乳母が

想像しているようなことではないと

ラティルは心の中で答えると、

普段より早く本宮の外に出ました。

朝食も、

シピサを本宮の食堂に呼ぶ代わりに、

シピサが滞在している宿舎を訪ねて

一緒に取ることにしました。

 

昨日のサーナット卿の話によれば、

シピサはラティルと会うことを

大いに期待しているようだったので

ラティルは余計に気を遣いました。

 

しかし、ラティルの気遣いとは裏腹に、

シピサは、自分の宿舎の外に出て、

ベンチにぎこちなく座っていました。

そして、ラティルが近づいて来るのを

発見するや否や、

彼は、すぐに立ち上がり、

手をギュッと握りしめました。

 

シピサがラティルを呼ぶと、

彼女は、中で話そうと提案しました。

サーナット卿の代わりに付いて来た

近衛騎士が

気になっていたからでした。

 

ラティルは何も考えずに、

シピサを連れて中へ入りましたが、

建物の中に入るや否や、驚きました。

甘い砂糖の匂い、

ふんわりした小麦粉の匂い、

焼きたてのパンの匂い、

優しいコーヒーの香りが

漂っていたからでした。

ラティルは驚いて周りを見渡すと、

小さな食堂のテーブルいっぱいに

食べ物が並べられていました。

 

まだ、下男が、

料理を運んで来ていないのにと

ラティルは呟きながら

シピサを見ました。

ラティルの後を付いて来たシピサは

両手をギュッと握りしめ、

皇帝が朝来ると、昨日の、その人が

言い残して帰ったからと

笑いながら、呟きました。

ラティルは、

 

サーナット卿のことですよね?

 

と確認すると、シピサは、

 

サーナット卿?

あ、はい、その人です。

 

と答えました。

 

サーナット卿には、シピサが

印象的だったようでしたが、

シピサがサーナット卿のことを

「その人」と言うのは、

彼に、あまり関心がないからだと

ラティルは思いました。

 

彼女は心の中で笑いながらも、

表面的には優しい顔をしました。

そして、料理は、

料理人たちに用意しろと

言えば良かった。

シピサが料理して、

待てという意味ではなかったと

言うと、シピサは、

分かっているけれど、

皇帝が喜ぶかもしれないと思ったと

返事をしました。

 

ラティルはシピサの耳が

赤くなったのを見ながら、

自分にアリタルの記憶が

もう少しあればいいのにと

思いました。

こちらは、記憶が完全ではないと

言ったにもかかわらず、

シピサはラティルから、

できるだけ母親の痕跡を

見つけたい様子だったので、

それに反応してあげられたら、

どんなにいいだろうと思いました。

 

しかし、シピサが

可哀そうであることとは別に、

サーナット卿が話していた

ギルゴールの顔で、

彼が見せない表情をするのが

変だというのが、

どのような感じなのか、

分かる気がしました。

もちろん、ラティルは

サーナット卿のように

鳥肌は立ちませんでした。

むしろ、ラティルは、

シピサがギルゴールの顔で、

あんなに弱々しい表情をしているのが

少し可愛いと思いました。

 

とにかく、ギルゴールも、外見は

他の誰にも負けない顔をしているし、

ギルゴールの顔に、

彼とは違う瞳があるのを見ると、

前世とはいえ、自分の痕跡だと思い、

妙な気分になりました。

 

早速、二人は食事を始めました。

 

これ食べてみてください。

 

うん、ありがとう。

 

これもです。

 

うん。

 

これも食べてみてください。

 

あなたは?

 

お母さん・・・

陛下が召し上がるのを見て

いただきます。

 

つい、ラティルを

「おかあさん」と呼んだシピサの顔が

あっという間に真っ赤になりました。

ラティルはぎこちなくフォークを動かし

前に置かれた食べ物を

むやみに口に押し込みました。

正直、味が少し薄かったけれど、

 

おいしいです。

 

と褒めました。

シピサは、

ラティルから少し離れた皿まで

彼女の前に押し出しながら、

 

もっと召し上がってください。

 

と、さらに勧めました。

 

元々、ラティルは、シピサに

議長について尋ね、

ここで具体的に何をしたいのかも

率直に聞き、

昨日、ギルゴールを

いきなり殴ったことについても

話し合おうとしました。

しかし、シピサがあのように

キラキラした目で自分を見つめ、

自分の行動一つ一つに

注目している姿を見せると、

真剣な話を、

簡単に口に出せませんでした。


そうしているうちに、ふとラティルは

良いアイデアを思いつきました。

ギルゴールと何があったのか

シピサに聞いてはいけないだろうか。

記憶があまりないのに、

自分にこれほどまでに

良くしてくれるのを見れば

話してくれるのではないか。

考えてみると、

本当に良いアイデアだと思いました。


議長の最後に言った気持ち悪い言葉も

大神官だったアリタルが、

突然、最初のロードになったことも、

聖騎士団長だった優しいギルゴールが

狂った初代騎士になって、

永遠の裏切り者になった経緯も、

この人見知りの激しい青年が、

父親にきつい言葉を

吐き出すようになった理由も、

全て過去に根差していました。

すでにアニャドミスを

封印しているので、その時代の話を

必ず知る必要はありませんが、

知っておいた方がいいと思いました。

 

それに百花の気持ちを

変えることができるし、

議長が残した後味の悪さを

払拭することもできるし、

もしかして、ギルゴールを

それ程、狂わせずに

済むかもしれないと思ったラティルは

お茶を飲む頃、

そっと話を切り出しました。

 

ラティルは、

前にも言ったけれど、

自分は前世のことを

全て覚えているわけではないと

言いました。

シピサは、ラティルがそう言ったのを

覚えていると答えました。

ラティルは、

だから、シピサから、

昔の話を聞きたいと頼みました。

ラティルは、シピサが

「もちろんいいですよ!」と

叫ぶと思っていましたが、

意外にもシピサは渋い表情で、

 

どんな話ですか?

 

と聞き返しました。

なぜ、シピサは

あんなに渋い表情をしているのか。

過去の話を聞いた後、

自分がそれを利用すると

思っているのか。

それとも、ただその時代の話を

持ち出すのが嫌なのだろうか。

けれども「私の可愛い子」と言って

喜ぶくらいなので、その時代の話が、

ただ嫌いなだけではないようだと

ラティルは思いました。

 

ラティルは、

どうせ話を切り出したので、

聞くことは全部

聞かなければならないと思い、

ギルゴールとシピサは、

仲が悪いようだけれど、

一体、何があったのか。

自分の記憶の中では、

二人はとても仲が良かった。

ギルゴールはシピサを

とても可愛がっていた。

何が原因で、

シピサとギルゴールが、

これ程まで仲違いしたのか

分からないので、

話してもらえないかと頼みました。

昔の話と聞いた時から、

表情が尋常でなかったシピサは

 

ダメです。

 

と、少しの余地も残さず

きっぱりと拒否しました。

ラティルは、その理由を聞きましたが

シピサは、

母がそのことを覚えていないことを

願っていると答えました。

 

その言葉にラティルが驚くと、

シピサは、

皇帝が前世を記憶していることを

喜びながら、

皇帝が前世を記憶していないことを

願うのは矛盾していると

分かっているけれど、

自分は、

そうであることを願っている。

皇帝が自ら思い出すことまで

防ぐことはできないけれど、

自分は教えたくないと拒否しました。

◇性格までそっくり◇

当の本人たちは、

絶対に口を開く気がなさそうなので

百花と大神官が調べて来るのを

待つしかないのだろうか。


お茶を飲み干したラティルは、

本宮へ歩きながら

ため息をつきました。

 

どうせ、前世のことなので、

話してくれても、

あまり衝撃を受けないのに。

ドミスとギルゴールが、

敵対していたことを知りながら、

ギルゴールを側室として、

そばに置くことまでしたのだから

話してくれてもいいのに。

もちろん、自分とアリタルが

同じ人だと思うから、

話してくれないのだろうけれど。

もしも、アリタルの話がどうであれ、

平気だと言えば、シピサは、

自分とアリタルが

他人に近いと思うのではないかと

考えました。

 

その状態で、ぼんやりとしたまま

執務室に戻ったラティルは、

机に座ると、

こめかみをさすりました。

朝からずっと、

ラティルに付いていた近衛兵と

交代して入って来たサーナット卿は

その姿を見て驚き、

 

大丈夫ですか?

 

と尋ねました。

ラティルは、頭が痛いと答えました。

サーナット卿は、

話がうまくいかなかったのか。

シピサはラティルにも怒ったのか。

側室のことを聞かれたのかと

尋ねましたが、ラティルは、

そんなことはなかったけれど、

本音を見せてくれない。

何かを聞かれても答えてくれない。

まさに、ギルゴール。

顔だけでなく、

行動までそっくりなギルゴールだ。

なぜ、本人たちは

それに気づいていないのかと

不思議がりました。

 

サーナット卿は、

ラティルの肩を軽く揉みながら、

百花が、最後の血縁大神官の

血族かもしれない人々に関する

情報を聞き、そちらの様子を見に行くと

言っていたことを伝えました。


ラティルは、

それが、分かったのかと尋ねました。

サーナット卿は、

確かではないけれど、

とにかく見てくると言って

立ち去ったので、帰って来たら

何か知らせてくるれかもしれないと

答えました。

 

ラティルは、

 

それならいいですね。

 

と呟くと、

先程の嫌な気分を脇に置いて、

本格的に仕事を始めようとした時、

ロルド宰相が入って来て、

急いでラティルに伝えました。

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仲の良かった父子なのに、

父親を死なせたいほど

憎むようになったのは、

壮絶な過去があるからに

違いないのに、軽い気持ちで、

過去について話して欲しいと

シピサに頼むなんて、

相変らずラティルは

無神経だと思います。

けれども、ラティルが、

過去に起こったことを知った時に、

ギルゴールとシピサの苦しみと、

なぜ、彼らが

話すことができなかったのか、

その気持ちを

理解できるようになって欲しいと

思います。

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