自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち 676話 ネタバレ 先読み 原作 あらすじ 思いがけない人との再会

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676話 ゲスターはラティルに、なぜ逃げるのかと尋ねました。

◇鋭さを隠した刃◇

自分が逃げるわけがないと

ラティルは、無理やり笑いました。

ゲスターは、

ラティルが窓を割って逃げたと

目を細めて指摘しました。

彼女は、

そんなはずがない。

窓は、元々、ヒビが入っていたと

返事をしました。

ゲスターは、

とても大きな音がしたと指摘すると

ラティルは、

窓が割れたからだと答えました。

ゲスターは、

それなら、やはり皇帝が

窓を割ったのだと指摘しました。


いつものゲスターなら、

ラティルが何と言おうと、

おとなしく「はいはい」と

答えたはずでした。

しかし、今のゲスターは

ラティルの言葉に反論し続けました。

 

彼女は、とにかく自分は

逃げる理由がないので逃げていないと

主張しました。

ゲスターは、

 

そうなんですか?

 

と尋ねました。

ラティルは、

自分のフワフワうさぎの王子は

一体どこへ行ったのかと。

心の中で叫びました

おまけに、

二人が立っている位置のせいで、

ゲスターの頭の上にだけ

太陽の光が注がれ、

それによってできた影のため、

ゲスターの目つきは、

いつもと雰囲気が違って見えました。

 

ゲスターはラティルに

震えないで欲しい。

皇帝が震えると、

自分は心が痛むと。

宥めるように言いましたが、

すでにその姿には

以前のゲスターの雰囲気が

ありませんでした。

 

ラティルは、

 

私がゲスターを見て

震えるわけがないでしょう?

 

と虚勢を張ると、彼は

もちろんだと答えました。

 

その後、長い沈黙が訪れ、

ラティルは

心が落ち着かなくなりました。

 

実際、考えてみれば、

ゲスターは、特別、

性格が悪いわけではありませんでした。

ハーレムにいる側室たちの

平均的な性格を

思い浮かべてみると、

ゲスターが見せた行動は

むしろ平均値くらいでした。

その平均値が、ギルゴールのせいで

かなり低くなったことを

考慮してもでした。

 

しかし、側室たちの中で

性格が穏やかなのは

ゲスターとザイシンだけでしたが

中でも、おとなしくて静かなのは

ゲスターでした。

ザイシンは、おとなしいけれど

その行動は、穏やかさから、

かけ離れていました。

唯一、羊のようだったゲスターが

そうではなかったと思うと、

ラティルは涙が出そうになりました。

 

ゲスターは、自分を見て欲しいと

再び優しい声で囁きました。

ラティルは、

目の前にいるので、見たくなくても

見ないわけにはいかないと

抗議しました、

すると、ゲスターは

自分が彼の指を

折ったことばかり考えずに、

その前にあったことを

思い出して欲しいと

もう少し低い声で説得しました。

 

ラティルは、

彼がゲスターを侮辱した。

ゲスターが何もしなかったら、

自分が彼を殴っていただろうと

返事をすると、ゲスターは

 

そうでしょう?

 

と確認しました。

ラティルは、それを認め、

彼は悪い人だと思うと言いました。

ゲスターは、

それなのに、なぜ逃げるのかと

尋ねました。

 

ラティルはゲスターに

手鏡を差し出したくなりました。

今のゲスターの表情を見れば

その答えが出てくるからでした。

 

ゲスターは、ギルゴールとは違う意味で

ぞっとする部分がありました。

ギルゴールが、

それこそ本当に狂っていて、

どこへ跳ねるかわからない

棘の刺さった球だとしたら、

ゲスターは

柔らかい羊の毛をかぶせて、

鋭さを隠した刃のようでした。

◇詐欺師◇

そんなラティルを、ゲスターは、

しばらく落ち着かない様子で

見つめていました。

ラティルを

一生懸命宥めてはいるものの、

皇帝の衝撃は、かなり大きそうに見え

ゲスターは困っていました。


アニャドミスとも戦ったし、

ギルゴールでさえ宥めた皇帝だから、

あのような場面を見て

驚くとは思わなかったけれど

自分がずっと、

おとなしくしていたので、

そのギャップが大きいのかと

推測しました。


どうやら、その通りのようで

皇帝は、どれだけ驚いたのか、

頬が真っ赤になっていました。

ゲスターは困惑しましたが、

皇帝の頬が、

まるで熟したスモモのように見え、

噛み締めたくなりました。

ゲスターは、

一晩中、自分を抱いていた

皇帝の長い腕と、

涙が滲んでいた目を思い出すと、

下腹部が痛くなりました。

 

ゲスターは、

皇帝の頬にキスしたい衝動を

抑えました。

この状況でそんなことをしたら、

皇帝は自分を、

ほとんどギルゴール扱いすると

思いました。

 

悩んだ末、ゲスターは、

 

ラトラシル。

 

と皇帝の名前を呼びました。

皇帝が、自分の二重人格的な姿に

衝撃を受けたようなので、

そうではないと宥めた方が

むしろましだと思いました。

 

皇帝は目を丸くして頭を上げ、

 

何?

 

と尋ねました。

 

ゲスターは、

ラティルから、

夜明けの雨のような匂いがすると

言いました。

ゲスターが突然吐いた言葉に、

皇帝の目は、

さらに大きくなりました。

 

あなたは・・・?

 

皇帝は、彼が随分前に言った言葉を

まだ覚えているようでした。

ゲスターは口元を上げました。

皇帝の瞳が素速く揺れました。

 

あなたが・・・

あなたは・・・え? あなたが?

なぜ、それを?

 

ラティルは、戸惑いながら

尋ねました。

ゲスターは、なぜ自分が

それを知っていると思うかと

尋ねました。

ラティルは、

自分が聞いた時は知らないと

言ったではないかと答えました。

 

ゲスターは、

その時は知らなかったと答えました。

ラティルが、

その言葉に戸惑っていると、

彼は、以前、自分たちが

記憶を受け継ぐと言った言葉を

覚えているかと尋ねました。

ラティルは、自分たちと聞いて

少し考えた後、

 

狐の仮面?

 

と聞き返しました。

彼は、そうだと答えました。

続いて、ラティルは、

記憶を受け継ぐのではなく、

当事者なのかと、

いつもより高い声で尋ねました。

新たな衝撃のおかげで、

先程の衝撃が抑えられたようでした。

 

彼は、

少し複雑だ。

正確に言うと、

記憶を受け継ぐのではなく、

記憶を調節する方に近いと

答えました。


ラティルは、

 

え?どういうこと?

 

と尋ねました。

ランスター伯爵は

詳細な説明をしませんでした。

人が夢を見る方法について

説明するのが難しいのと同様、

この部分を説明するのが

難しかったからでした。


彼は今、ゲスターで、

前回はランスター伯爵で、

その前は別人だった。

彼らはみな別人で、同じ人。

 

皇帝がぼんやりとした顔をしていると

ランスター伯爵は爆笑しながら

 

この詐欺師!

 

とからかいました。

ラティルは、

先程まで詐欺を働いていたのは

彼なのに、

自分を詐欺師呼ばわりしたと

口を大きく開けて

文句を言いました。

 

ランスター伯爵は、

自分の策略が功を奏すると、

怖い気持ちはなくなったかと

安心して尋ねました。

ラティルは、

 

あなたはランスター伯爵ですか?

 

と尋ねました。

ランスター伯爵は、

そうだと答えると、ラティルは

それでは、ゲスターは

最初からいなかったのか。

ランスター伯爵が

ゲスターを詐称したのか。

それとも、もしかして、

ランスター伯爵がゲスターを・・・

と尋ねると、ランスター伯爵は、

ゲスターは、実在の人物で

今も実在していると答えました。


ラティルは、

理解できないと返事をすると、

ランスター伯爵は、

ゲスターはラティルを救うために

自分と契約した。

魂を賭けたと説明しました。

 

ゲスターが?

 

とラティルが聞き返すと、

ランスター伯爵は、

優しくて善良なゲスターの姿は

嘘ではない。

ただ、自分と混ざり合って

混乱して出てくるだけだから

怖がる必要はないと説明しました。

 

ラティルは混乱した表情で、

よくわからない。

それでは、

ランスター伯爵とゲスターは

二重人格のようなものなのかと

尋ねました。

 

ランスター伯爵は

違うと答えましたが、

その方が理解しやすいのであれば、

そう考えてもいいと説明しました。

どうせ、魂が結ばれた彼らの関係を

誰も理解することができなかったし、

契約上、これ以上、

詳しい説明もすることができない。

それなら、

人々が最も理解しやすい単語を使って

恋人を宥めるのが良いと

思ったからでした。

 

ランスター伯爵は、

だから怖がるな。

自分は皇帝を騙したのではないと

説得しました。

 

ラティルは、

猫をかぶっていたのではないかと

抗議しました。

 

猫をかぶっていただなんて。


ランスター伯爵は、そう呟くと

ラトラシルの手を取って

手の甲の骨の一つ一つに

口を合わせました。

 

スモモのように赤くなっていた

皇帝の頬の色が、

少しずついつものように

戻って来ていました。

 

その姿を、屋根の上から

ぼんやりと眺めていたグリフィンは

あんな風に詐欺を働いてるんだなと

呟き、舌打ちをしました。

◇チクチクするけれど◇

ラティルは、

気絶して客用宮殿にいる、

アングル商団の頭の親戚の甥が

意識を取り戻したので、

宮医に適当に治療させた後、

帰すように。

そして、自分の側室に吐いた

暴言を全て聞いた。

口に気をつけろと伝えるようにと

侍従長に指示しました。

 

侍従長は、その暴言について

知りたがりましたが、

ゲスターが彼の指を折ったので、

ラティルは詳しい話ができず

適当にごまかしました。

侍従長も、それ以上聞かず、

秘書に早く指示に従えと

目配せしました。

 

ラティルは机の前に座ると、

ゲスターがキスをした手の甲を

心配そうに見つめました。

何か色々と

話を聞いた気がしましたが

何も覚えていませんでした。

 

それではゲスターは

猫をかぶっているのではなく、

ただの二重人格ってこと?

ゲスターが

おとなしくしている時と

そうでない時は、

ゲスターとランスター伯爵が

行ったり来たりしているの?

でも、そちらの方が、

もっと問題なような気がするけれど。

 

そのように、ラティルが、

あれこれ考えていると、

扉を叩く音がして、

ヘイレンが入って来ました。

ラティルはヘイレン見て嬉しくて

大声で彼の名前を呼びました。

秘書たちは仕事をやめて、

全員がヘイレンを見ました。

 

ラティルが手で合図をすると、

秘書たちは仕事を持って

外へ出て行きました。

それから、彼女は、

ヘイレンが、

この時間に来ると言うことは

もう治ったのかと尋ねました。

 

ヘイレンは机のそばに近づくと、

もう太陽の光を

浴びることができるようになった。

少しチクチクするけれど、

我慢できる程度だと答えました。

ラティルは、

 

チクチクするの?

 

と聞き返すと、ヘイレンは、

針でチクチク刺すようにと答え、

針で腕をチクチク刺すふりをしました。

 

ラティルは、

そんな話は初めて聞くと

不思議がると、ヘイレンは

皇帝が完全に

覚醒していないからではないかと

返事をしました。

 

ラティルは、

そうかもしれない。

でも、歩き回ることが

できるようになって良かったと

言って、満足そうに笑いました。

 

しかし、ラティルは後になって、

彼が夜明けではなく、

今、来たことについて叱責しました。

ヘイレンは、

チクチクするから

ダメだったのだろうと思ったと

言い訳をしました。

それから、彼は

アングル商団の頭の親戚の甥は

どうなったか。 

若頭に、

仕事がうまくいったかどうか

知らせたいからと言いました。

 

ラティルは、

 

ああ、彼は・・・

 

と返事をした後、

言葉を濁しました。 

 

あえてタッシールは

ゲスターに彼を調べさせるよう、

ラティルを仕向けました。

もしかしたらタッシールは

ラティルにゲスターの本当の性格を

知ってほしかったのかも

しれませんか、

ゲスターが、あのように

猫かぶりになったのには

気の毒な事情がありました。

それなのに、この話を

タッシールにしてもいいのかと

悩みました。

 

結局、ラティルは、

目を覚ましたから帰したと

適当にごまかしました。

ヘイレンは、

目覚めて良かったと言いました。

 

◇心は広いけれど◇

タッシールの部屋に戻ったヘイレンは

目深にかぶった黒いマントを

脱ぎながら、

皇帝とゲスターの間は、

完全に疎遠になったわけでは 

ないようだと

ブツブツ言いました。

タッシールは、

どんな様子だったか尋ねると、

ヘイレンは、

雰囲気が少しおかしいけれど、

それほど怒っているようには

見えなかった。

何かを知ってはいたようだけれど、

ゲスターは、

どんな手を使ったのだろうかと話すと

ハンドクリームを取り出して

腕にやたらと塗りました。

 

タッシールは、

ゲスターが見かけとは裏腹に

腹黒だということを

知ったとしても、

彼が深刻な悪事を犯して

捕まったのでなければ、

皇帝は怒ることはないだろう。

皇帝はそれとなく

心が広いからと言いました。

 

ヘイレンは、

人魚ほどではないけれど、

皇帝は忘れっぽいと言うと、

タッシールは、

それくらいなら大丈夫。

少なくとも、もう何が起こっても

彼が優しいという理由で

無条件に肩を持つことは

できないだろうし、

それに、自分たちが手を出さずに

アングル商団の頭の親戚の甥を

阻むことができたと言って

ニヤリと笑いました。

それからタッシールは立ち上がり

ヘイレンを抱きしめ、


あなたも、こうして、

太陽の下に戻って来ました。

 

と喜びました。

ヘイレンは、少し離れて欲しいと

頼みました。

◇逃げるシピサ◇

ラティルは、ゲスターが

腹黒い性格ではないことを

知りました。

しかし、だからといって、

ゲスターが、以前のように、

ふわふわした子犬のようにも

思えませんでした。

 

その後、ラティルは数日間、

主にラナムンと大神官を訪れ、

皇女と親しくなろうと

努力しました。

 

ところが、皇女を連れて3人で

落ち葉を見に行った時、

ザイシンが高い丘を指差して

あれはギルゴールではないかと

尋ねました。

そちらを見ると、

ギルゴールらしき頭が一つ、

丘の上に出ていました。

しかし、ギルゴールなら、

あのように、

物悲しく隠れているはずが

ありませんでした。

ラナムンも同じ考えなのか、

シピサみたいだと呟きました。

 

ラティルは、

アリタルの記憶の中で見た

闊達なシピサを思い出すと、

心が少し苦しくなりました。

 

あの時、見た目は

今のようだったけれど

中身は子供だったので、

なおさら、

騒々しかったのだろうけれど

記憶の中の溌剌としたシピサが

あのように意気消沈して

隠れているのが気にかかりました。

 

ラティルは、

 

ちょっと待ってて。

 

と言うと、

シピサに向かって歩きました。

彼は、ぼんやりとしていましたが、

ラティルが近づくと

急いで逃げ出しました。

 

シピサ!

 

結局、ラティルも

走らなければなりませんでした。

シピサは素早く逃げましたが、

幸いにも、

あまり遠くまで行かないうちに

彼を捕まえました。

ラティルは、

なぜ、逃げるのかと尋ねました。

シピサは顔を真っ赤にして、

口をパクパクさせていました。

 

ラティルは、

シピサを叱っているのではないと

言うと、 彼は顔を赤らめて

頷きました。

その一方で、

再び逃げようとするかのように

ラティルに背を向けました。

彼女は、すぐに彼を捕まえました。

 

ふとラティルは、

ギルゴールの誕生日に、

3人で一緒に過ごすのはどうかと

衝動的な考えが浮かび上がりました。

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契約上、これ以上詳しく

説明できないという言葉で

誤魔化された感はありますが、

ゲスターの中には

元々のゲスターの魂と

ランスター伯爵と、おそらく、

アウエル・キクレンの魂が

ランスター伯爵の言うように

結ばれた状態で

共存しているのではないかと。

そして必要に応じて、

出てくる人格は変わるけれど、

元々、気が弱いゲスターは

他の二人の性格に影響されて

ゲスター自身の性格も

以前と変わって来ているという

ことなのではないかと思いました。

ラティルは、

おとなしくて、か弱いゲスターが

酷いことをしたことで

衝撃を受けたわけだから、

その原因が取り除かれたことで

ショックが少し

和らいだのでしょうけれど、

何となく、すっきりしないのは

騙された感があるからなのかと

思いました。

 

世間から離れて

議長と二人だけで

暮らして来たシピサは

いまだに子供の頃の心を

持ち続けているように思います。

ギルゴール同様、

愛し合っていた家族が

争うようになり、

その結果として愛する人たちを

失ってしまったことが、

シピサの人生にも

影を落としているように

思います。

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