自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち 812話 ネタバレ 先読み 原作 先読み 言葉に翻弄されやすい人々

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812話 望楼の上でゲスターが、ピアノを弾くように、片手をゆっくり動かしていました。

 

ゲスターが手を裏返すと

タコの足は怪物を捕まえたまま

湖の中に入りました。

湖のあちこちから、

水しぶきが高く上がりました。

血人魚たちが、湖の中に入って来た

クモの怪物たちの息の根を

止めているようでした。

 

ラティルは息を切らしながら

あたりを見回しました。

カルレインの言葉のように、

クモの怪物は、

他の怪物を食べて出て来たのか

これ以上、他の怪物は

溢れ出て来ませんでした。

一匹、二匹、

飛び出て来た怪物たちでさえ、

吸血鬼の傭兵たちと聖騎士たち、

側室たちの手により、

容易く処理されました。

 

ラティルは剣を片手で高く持ち

結界に閉じ込められている

クモの怪物に向かって

そのまま投げつけました。

剣が体を貫通すると、クモの怪物は

結界の上に倒れ込み、

微動だにしなくなりました。

ラティルは、

ゆっくりと腕を下げました。

 

しばらくの静寂の後、

見守っていた人々は、

ラティルを歓呼し始めました。

四方から歓声が上がり、

ラティルは照れくさそうに笑って

人々を見回しました。

 

吸血鬼の傭兵たちが、

あちこち歩き回りながら、

外に出た怪物を倒したせいか、

けが人も

ほとんどいませんでした。

 

しかし、

ラティルの嬉しそうな表情は、

支持者たちを連れて近づく

レアンを見るや否や消えました。

ラティルは真顔で彼を見つめ、

会話ができるくらいまで

レアンが近くに来ると、

我慢ができなくなり、

助けに来たのなら遅すぎたと

皮肉を言いました。

レアンは返事をしませんでした。

その代わり、レアンの支持者が

彼を守ろうとするかのように

前に進んで来ると、

こんなに歓呼しながら喜ぶ必要はない。

怪物たちが現れたのは皇帝のせいだと

声高らかに叫びました。

 

ラティルは眉をつり上げました。

ウキウキしながら見物していた人々も

かなり身分が高そうな人の

放った言葉に慌てて、

少しずつ静かになりました。

 

レアンの支持者の一人は、

人々に向かって、

皇帝がロードであることを

知らないのか。

怪物を引き連れて

人々に害を及ぼすロードだと言うと

あちこちで息を吸う音が

聞こえて来ました。

レアンの支持者たちは

表情を変えずにラティルを見ました。

 

彼女はそら笑いをしました。

昨日、彼らは、

怪物とロードが関係ないと

認めていたからでした。

 

ラティルは、

今日になったら、また話が変わった。

自分が暴走しないから

怖いみたいだと指摘しました。

その時、

 

ロードとは、

悪魔のようなものではないの?

陛下がロード?

陛下は、

ずっと怪物と戦っていたのに?

 

と、人々が、ひそひそと話す声が

聞こえて来ました。

少し前まで、ラティルが

ずっと怪物と戦っていたのを

見たせいか、

人々はレアンの言葉を

すぐには信じないようでした。

 

ラティルは人々をチラッと見ました。

前列に立った人々は

ぼーっとした表情で

こちらを注視していました。

後ろに立っている人々は、

声がよく聞こえないのか、

前に立っている人々に

事情を聞くのに忙しくしていました。

 

ラティルは

レアンの支持者たちは無視して

彼に向かって、

怪物を解き放った人が言うには

あまりにも

かましい言葉ではないかと

非難しました。

人々は再び息を吸い込みました。

レアンといえば、皇帝の同母兄で、

その人が怪物を解き放ったと聞いて

誰も口を開くことが

できませんでした。

 

人々はラティルとレアンを

交互に見ていました。

そこにレアンが

何か言おうとしたところ、

「陛下!」と聞き慣れた声が

遠くから聞こえ始めました。 

 

「ただいま!」「陛下!」と叫ぶ声は

速いスピードで近づいて来ました。

集まっていた人たちが横を向くと、

すぐに、その隙間から

ボロボロの服を着たザイシンが

飛び出して来ました。

彼だけでなく、

その後を付いて来た

ヘイレンとザイオールも

やはり服があちこち破れていて、

白い埃までかぶっていました。

 

ラティルは、

彼らは神殿に行って来たはずなのに、

何をして来たのだろうかと

不思議に思いました。

 

人々は思わず場所を開けてくれましたが

あの怪しい3人組は何かと思って

ざわめきました。

そうするうちに、遅ればせながら

何人かの人々が

ザイシンに気づきました。

特に兵士たちは

演武場をよく使うザイシンを

記憶していました。

 

ザイシンは

ラティルの前に到着すると

膝を押さえて腰を曲げました。

彼が息を切らしているのが

聞こえたので、ラティルは当惑し、

「大丈夫?」と聞きながら

彼の背中を叩きました。

神殿の地下だけを

見て来ればよかったのに、

一体、何をしてきたせいで、

こんなにめちゃくちゃになって

帰って来たのか

ラティルは理解できませんでした。

 

ダーク・リーチャーたちは

神殿の地下にいなかっただろうし

こちらに現れた

ダークリーチャーたちと

戦ってきたわけでもないと

思いました。

 

ザイシンは、

あたかもラティルが送った気を

受けたかのように、

すぐに上半身を伸ばすと、

片腕で抱えている巨大な石版が

姿を現しました。

 

ラティルは、布で包まれた石板を

遅ればせながら発見すると、

目を見開きました。

 

ザイシン?まさかこれ・・?

 

と尋ねるラティルに、彼は、

 

取り戻しました!

 

と答えると、石版を

素早くラティルに差し出しました。

ラティルは、急いで受け取ると

 

そうだ!なくなった石版だ!

 

と歓呼しました。

 

大神官が突然石板を持ってきて、

皇帝が、それを受け取って喜ぶと、

人々は、あれは何かと思って

首を突き出しました。

 

侍従長が代表で、

その石版は何かと尋ねると

ラティルは明るく笑いながら

怪物とロードが関係ないという

内容が刻まれた石板だ。

ロードの伝説が現れる前から、

すでに怪物は

周期的に出没していたと書いてある。

はるか昔の遺物だと答えました。

 

侍従長は目を見開き、

そんな石版があるのかと尋ねました。

ラティルは、

会議場で見せようとしたのが

これだった。疑わしいなら、

本物かどうか確認してみてもいいと

言って、石板を侍従長に渡しました。

 

侍従長は石板を受け取る時に

よろめいたので、

兵士たちが近づいて来て

石版を一緒に受け取ってくれました。

 

侍従長は、

歳月の跡がいっぱいの

石板を見下ろしながら、

自分は専門家ではないけれど

偽物とは思えないと呟きました。

 

ラティルはレアンを睨みつけながら

本物だから、

必死に隠そうとしたのだろうと

冷たく言い放ちました。

 

じれったくなった後列の人たちは

ぴょんぴょん跳ねながら

前を見ようとしました。

 

どうしたの? 何を見てるの?

陛下がどうしたって?

 

後ろから聞こえて来るのが

口から出た声なのか、本音なのか

分かりませんでしたが、

ラティルの耳に

ずっと入って来ました。

一方、前列の人たちは

混乱に満ちた様子で

ラティルが侍従長に渡した

石版を見ていました。

 

そうするうちに、

警備団長が前に2、3歩出て来て、

片手をぎこちなく上げました。

ラティルが頷くと、団長は

ラティルと石板、レアンを

中途半端に交互に指差しながら

 

陛下が・・・だから・・・

ロードであることは

間違い・・ないのですか?

ロードであることを否定せず

なぜ、そのような石版を・・・

 

と、しどろもどろに

尋ねました。

 

怪物がロードと関係がないと

書かれた石版に気を使うのは、

このことについての

事前知識がある人たちであり、

大部分の人は、まだ

「皇帝がロード?」に

留まっているようでした。 

 

そんなはずがない。

陛下がロードであるはずがない。

陛下が怪物を

なくしてくれたではないか。

 

ラティルは人々の本音を聞きながら

自分がここでロードであることを

否定すれば、

人々は安心して信じてくれると

確信しました。

レアンが嘘をついていると

誰もが思うはずでした。

もしかしたら、その方がはるかに

安全な方法かもしれませんでした。

 

しかし、ラティルは否定せず、

もう噂が広まっていると思ったのにと

会議室の時のように

遠回しに認めました。

会話が聞こえる人たちは、

驚いて、ざわめきました。

後列の人たちは、

そうすればするほど、

さらに気になって、

気が狂いそうでした。

 

警備団長は口を開けて

ぼんやりラティルを見つめると、

後ろによろよろと退きました。

ラティルが目の前で

人々を救うために戦うのを見たけれど

恐怖のあまり

敬遠しているようでした。

 

ラティルは気分を害しましたが。

そんなそぶりを見せませんでした。

わざと頭をもっと高く上げて、

自分を取り巻く人々を

平気なふりをして見回しました。

 

会話を聞いた人たちは、

ラティルを様々な表情で見ていました。

ラティルは好意だけでなく

衝撃を彼らの目から読み取りました。

歓呼の声を聞きながら

上がってきた自信が、その反感を見て

少し下がって来ました。

 

その時、

あちこちで罵る声がしたかと思うと

人々の一群が

ラティルがいる方へ近づいて来ました。

彼女は、その中の何人かの顔に気づき

 

あなたたちは!

 

と叫びました。

 

皇帝が怪物を呼び寄せるのでなければ

皇帝がロードであろうとなかろうと

関係ない。

怪物が現れた時、

この世界の、どの王が

皇帝のように先頭に立って

戦うだろうか。

貴重な身だといって

一番安全な場所に

一番先に避難するだろう。

 

皇帝は、ずっと以前から

人々を助けていた。

 

誰が作ったかも分からない伝説より

自分たちが直接見た皇帝を信じる。

 

ラティルが呼んだ

ブルーミーレイク村の人々でした。

彼らは大声で

ラティルを信じると叫びました。

 

ラティルは

涙が出そうになりました。

彼らを呼びはしたけれど、

このように街の真ん中で

自分に味方しろと言うつもりは

ありませんでした。

一歩間違えば、この人たちまで

仲間にされて、

追い込まれるからでした。

ところが、彼らは危険を甘受して

このように前に出てくれました。

 

そうするうちにラティルは

本来の計画通りならば、

雑誌が人々に公開される前に

説得しようと思い、

あらかじめ呼び寄せた

タンベクを発見しました。

タンベクには

色々と思い浮かぶ状況や

嘘があったせいか、

表情が良くありませんでした。

そして、タンベクの

ラティルが危険だと

思っているかのような表情に

再びラティルは、ドキッとしました。

 

今回の事件は

彼女を説得する前に起こったので、

彼女がどう出るか、

まだ自信がありませんでした。

人々の考えが

四方から溢れ出て来たため、

さらに気が気ではありませんでした。

 

そうするうちにラティルは

タンベクの後ろに

兄龍を発見しました。

ほぼ同時に

レアンの支持者たちも

「兄龍卿!」と叫ぶと、

聖騎士団長として、この件について、

公正に一言言って欲しいと

兄龍に要請しました。

 

自分はタンベクを呼んだけれど

レアンは兄龍を呼んだのか。

ラティルは、レアンの支持者たちが

自然に彼女に助けを求める姿を見て

状況を把握し拳を握りました。

 

後列の人々は、

何が起こっているのか、

まだ、分かっていませんでした。

前列の人たちは混乱していて、

まだ見当がつきませんでした。

 

ここで雰囲気を

確実なものとしておけば

目撃した国民が、

今後、ラティルに有利な方向に

話を伝えるだろう。

しかし、兄龍が自分を非難して

レアンを擁護すれば・・・と

心配していると、兄龍は

公正に言うなら、

ロードと怪物が

関係しているという証拠はない。

人々が見たのは、皇帝が怪物から

人々を救ったことだけだと

話しました。

 

ラティルは目を丸くして

兄龍を見ました。

やはりタンベクも目を丸くして、

兄龍を見ていました。

一方、レアンは

彼が望んだ答えではなかったようで

眉を顰めました。

 

兄龍は、さらに一言

言おうとしましたが、

ラティルと目が合うと、

さっと顔を背け、

自分は誰かの肩を持つために

来たのではない。

徹底的に客観的に

事態を見に来たのだから、

訳もなく誤解しないで欲しいと

言いました。

 

ラティルは、

先程とは違う意味で

心臓が揺れました。

 

皇帝は、

レアン皇子が宮殿に怪物を放すので

早く待避しろと言った。

 

皇子と議長は

宮殿に怪物を放り出しておきながら、

なぜ、自分たちのしたことを

皇帝に押し付けるのか。

 

ロードと怪物が

関係があろうがなかろうが、

今回、怪物を使って

人々を危険にさらしたのは

皇子ではないか。

 

宮殿から急いで避難した人々まで

雰囲気に乗じて

レアンを非難し始めると、

ラティルは本当に

涙が出そうになりました。

 

すると、

支持者たちの後ろにいるのが

難しくなったのか、 ついにレアンは

怪物を放ったのは議長だと

口を開きました。

 

彼は、思ったより落ち着いた態度で

いくらラティルが

自分に腹を立てていても、

他の人がしたことを

自分のせいにしては

いけないのではないかと

静かに話すと、すぐに人々は、

その姿に振り回されました。

 

確かに、皇子が

怪物を宮殿に放したのを

見た人はいない。

 

皇帝以外に、

そう主張する人はいない。

 

実際の声なのか、

心の中で話しているのか、

それとも雰囲気を主導する

レアンの側の人々が別にいるのか、

ラティルの耳に、

レアンを味方する声が

あっという間に

たくさん届くようになりました。

 

でも皇帝のせいで、

怪物が来たわけでもない。

 

皇帝のせいで怪物が来て

皇帝が追い払ったのかも。

 

それは違う。 議長が

ラナムン様と皇女を巡って

皇帝を脅迫していた。

 

人々がひそひそ話す声から

「議長」という単語の頻度が

多くなり始めました。

 

レアンはその流れを逃すことなく

こんなことになって残念だけれど

怪物を「人々」に放ったのは

自分ではないと

ラティルに落ち着いて話しました。

 

ラティルは、

宮殿で怪物を放ったのはレアンだと

非難しましたが、レアンは

否定しました。

 

レアンが瞬きもせずに嘘をつくことに

ラティルは呆れるほどでしたが、

その時、切られた頭のようなものが

レアンとラティルの間に

転がって来ました。

一見残酷な姿に、

人々は仰天して後に退きましたが

それは、頭の形の花でした。

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レアンにとっては

かなり不利な状況なのに、

自分が助かるためなら

平気で嘘をつくし、

人に罪をなすりつけようとする。

そんなレアンを

この上なく素晴らしい君主になると

絶賛した大賢者は

見る目がなかったと思います。

同様にレアンをずっと

支持してきた人々も。

 

おそらくレアンは、

人を説得する話術に長けていて

たとえ悪いことであっても

レアンが話すと、

それが正しいと思わせるような

才能があり、

レアンを支持する人たちにとって、

彼はカリスマ的な存在だったのだと

思います。

頭の形の花の登場で、ようやく

レアンの最後が見られそうです。

 

兄龍が

ラティルに有利になるようなことを

言ってくれたのは意外でした。

彼女はラティルを恨んでいるけれど

やはり聖騎士なので、

嘘をついたり、

真実を捻じ曲げてまで、

ラティルを陥れようとする人では

ないのかもしれません。

 

そして、

やはりラティルを

助けに来てくれたギルゴール。

今まで、どこへ行っていたのか

分かりませんが、

ラティルが窮地に陥ると、

助けてくれるギルゴールは

白馬の王子様だと思います。

 

ところで、

カルレインとゲスターは

帰って来ましたが、クラインは

どうなったのでしょうか?

 

どうでもいいけれど、

今回は活躍しているシーンが

出て来なかったサーナット卿。

ロードの騎士にしては影が薄い・・・

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