186話 ラスタを一緒に地獄へ連れて行く決心をしたロテシュ子爵でしたが・・・
◇穏やかな日々◇
何日間かランドレ子爵と
遊びに行っていたニアンが
両手にプレゼントを
たくさん抱えて帰ってきました。
ナビエはリバティ公爵に
頼まれたことをニアンに話すと
彼女は、
あまり心配しなくても大丈夫。
すでに断固たる態度を
取っているから。
ナビエが望むなら
もう少し、リバティ公爵に
怖い態度をとっても良いと
答えました。
そして、リバティ公爵は
ナビエと私的な話がしたくて
息子のことを
お願いしたのではないかと
言いました。
ニアンが帰ると
ナビエは1人椅子に座り
考え事をしました。
ハインリの誕生日以降
ズメンシア老公爵は
静かになったし
マレーニとウィヤンが
一緒にいる時は
喧嘩をするけれども
それほど仲が悪いとも思えないし
カトロン侯爵やリバティ公爵も
静かになったので
平和になりました。
ナビエは、だんだん腰が
痛むようになっていましたが
以前より、食べられるように
なりました。
ジュベール伯爵夫人の勧めで
ナビエはベッドに横になり
うつらうつらし始めた頃
ノックの音で目が覚めました。
◇醜聞◇
ナビエは中に入るように
命じました。
すると侍女たち全員が寝室へ
入って来たので
ナビエは何事かと思いました。
彼女たちは
何とも表現できない
奇妙な顔をしていました。
ジュベール伯爵夫人は
ナビエに新聞を渡すと
そこには、ソビエシュの娘が
カッコウ姫だったという
大きな見出しと共に
・皇女は皇帝の血筋ではない。
・ラスタは結婚前に
別の男と暮らし子供もいる。
・ラスタは再婚であることを
皇帝に隠していた。
・皇女の実父はラスタの最初の夫
・皇帝は皇女を廃位した。
と書かれていました。
そして、この記事を書いた
ジョエンソンは
ナビエのことを再婚皇后と
からかったラスタが
彼女自身も再婚皇后だったと
あざ笑っていました。
ナビエは、
ソビエシュとラスタの
結婚式の時に
2人が幸せにならないようにと
呪いましたが
まさか、このような状況にまで
なるとは思わず
彼女は当惑しました。
ローラはナビエに
どうするつもりか尋ねました。
ナビエは、
自分には関係ないので
何もできないと言って
新聞をたたみました。
◇混乱◇
娘を探しに行くといって
行方のわからなかった
イスクア子爵夫妻が
突然現れたので
ラスタとの親子検査を
望む声が再熱しました。
ところが、彼らが
宮殿にいる魔法使いの弟子を
暗殺しようとした罪で
首都を出たところで逮捕され
監禁されたという
想定外の出来事に
人々は、わけがわかりませんでした。
しかし、その魔法使いが
ソビエシュの側室ではないかと
噂されていたことを思い出した
人たちは
その事件の背後に
ラスタがいるのではと噂しました。
ソビエシュは、
ラスタの実の親でもなく
生みの親でもない彼らが
窮地に陥れば
事件の背後にラスタがいることを
証言するだろうと
言いました。
ソビエシュは
感情を表に出さない教育を
受けていたので
見た目は落ち着いていましたが
実際は、怒りが頂点に
達していました。
ソビエシュはエルギ公爵を
呼び出して
港の件について説得するつもりでした。
それができなければ
彼を脅迫しようと
思っていましたが
エルギ公爵はソビエシュに
港の話をした後に
借用書と港についての情報を
マスコミに流しました。
その結果、
ラスタに対する世論は
さらに悪化し
同情票しか集めていなかった
ソビエシュも
こんなことになるまで
ラスタを抑えることができず
賢明でないと
噂されるようになりました。
そのため、
グローリエムのために
閉じ込めておいた
イスクア子爵夫妻を
表に出すことにしました。
ソビエシュは、準備ができ次第
エベリー暗殺未遂事件について
イスクア子爵夫妻の裁判を
進めるべきだと言いました。
カルル侯爵は
ベルディ子爵夫人から
皇女が病気だと聞き
恐る恐るソビエシュに伝えました。
彼は、
誰が皇女なのかと抗議したので、
カルル侯爵は、
それでは、無視すると答えました。
しかし、ソビエシュは
しばらくしてから
秘密の護衛に
子供の病状について調べるように
命じました。
ソビエシュは
憎たらしいアレンの娘に
振り回される自分に
腹が立ちました。
そして、裁判での
イスクア子爵夫妻の証言を聞き
ソビエシュの怒りは
ますます大きくなりました。
お腹の赤ちゃんは
大きくなっていき
大きな問題もなく
平穏な日々を送っているナビエ様と
ラスタを皇后にしたために
自分の評判が
落ちる一方のソビエシュ。
ラスタを皇后にすると
決めた時は、
ここまでひどい状況になるとは
ソビエシュも思っていなかったと
思いますが
どんなに後悔しても
過去には戻れません。
ソビエシュの過ちの代償は
あまりにも大きいと
思いました。