外伝 6話 ナビエが海で溺れたと聞いたハインリは?
◇ハインリの心配◇
マッケナが皇后陛下と答える前に
ハインリは鳥になり
ドアに向かって飛び立ちました。
その後を小鳥たちが
付いていきました。
マッケナは慌ててハインリを追いかけ
彼を抱きしめました。
怒ったハインリは
マッケナの腕の中で羽ばたいたので
彼の顔に引っかき傷ができました。
ハインリは怒りながら
人間の姿に戻りました。
突然、裸のハインリを
抱きしめることなったマッケナは
後ろに下がりました。
ハインリは、なぜ止めるのかと
マッケナに尋ねました。
ハインリは、
小鳥たちを抱きしめました。
マッケナは、今のハインリは
自由に行動できる王子様ではない、
こんな時こそ
基本を守って欲しいと言いました。
マッケナとハインリの顔色を
うかがいながら
ラリは、カイを蹴り
怒ったカイはラリの足を噛み
激怒したラリが
カイの頭を翼で叩くのを
じっと見つめながら
ハインリは、はやる気持ちを
落ち着かせました。
ハインリはクロウを呼びました。
そして、
ホワイトモンドから
ルイフトへの航海路の間で
離島はないか、
救助された遭難者はいないか
確認するように、
ナビエを見つけたら、
自分の所へ報告しに来るか
彼女の護衛をするか
自分自身で判断するようにと
命じました。
◇火大陸◇
火大陸に来ているのも
このように旅行しているのも
不思議ですね。
同行者が
いつ後ろから
殴りかかって来るか
わからない人だけれども。
とナビエは、
カフメン大公に話しました。
3時間前、ナビエは
エンジェルから
自分も首都へ行くので
一緒に行かないかと
提案されました。
目的地が同じなら
無理に別々に行く必要は
ないと思い
ナビエはエンジェルと共に
首都へ向かうことにしました。
港では、ナビエと一緒に来た人たちを
誰も見つけることができませんでした。
ナビエは、
自分が水に溺れたことをハインリが
聞くようであれば
無事にルイフトへ着いたという知らせを
早く受け取って欲しいと思いました。
ナビエは果てしなく広がる砂漠と
その上を悠々と歩く
不思議な動物たちの話など
家に帰ったら、
ハインリと子供たちに
聞かせたいと思いました。
ナビエたちは、日が暮れる前に
港の近くの他の都市に入りました。
エンジェルが、宿泊するための
大きな邸宅を借りてくれました。
深夜、ナビエは屋上に上がり
黒い空を見上げながら
ハインリもナビエを恋しがりながら
空を見ているかなと思いました。
その時、
ルイフトの衣装に着替えた
カフメン大公が
ナビエの隣に来ました。
上半身が露出しているので
ナビエは目のやり場に困り
カフメン大公を
正面から見る勇気がありませんでした。
その考えを呼んだカフメン大公は
ナビエは自分より勇気があると
言いました。
ナビエは、自分の考えに
返事をしないでと
カフメン大公に文句を言った後で
勇気を出したくても
出せないことがあるのかと
彼に尋ねました。
カフメン大公は肯定しました。
それは結婚のことかと
ナビエはカフメン大公に
尋ねましたが
彼は話をはぐらかしました。
その後、
カフメン大公は周囲を見渡して
誰もいないことを確認しました。
ナビエは、エンジェルについて
何か知らせたいことがあるのかと
カフメン大公に尋ねました。
ルイフトへ来るまでの間
エンジェルは誰よりも
親切で愛想よくしていました。
けれども、彼は
人々の目の前で
狭くなる檻に人を閉じ込め
鳥になったハインリを
鳥かごに入れて
廊下に掛けておき
ナビエの味方になりたいと
言っておきながら
裏で東大帝国に
手を差し出していました。
表面上、親切でも
絶対に信じられませんでした。
カフメン大公は
エンジェルについて、
彼は、自分が今まで会った人の中で
一番無駄な考えをたくさんする。
その上、正反対のことも考えるので
何が本音かわからない。
常に警戒する必要がある。
と話しました。
◇首都へ到着◇
ナビエたち一行は
ルイフトの首都に到着しました。
すぐに城の中に入ると
カフメン大公は官人に
西大帝国一行がどこにいるか
尋ねました。
彼らは、城の近くの家を借りて
住んでいると答えました。
そして、カフメン大公が
月大陸の皇后と一緒に
水に溺れたと聞いて
驚いたと話した後で
カフメン大公の隣に
当の本人がいることがわかり
慌てました。
港に到着した時
カフメン大公とエンジェルは
ナビエの服を用意しましたが
露出がひどいので
ナビエは、第4騎士団の制服を
着たままでした。
夜遅い時間だったので
ルイフトの王妃(イモナ)には
翌朝挨拶をすると伝えた後で
外へ出ると、
知らせを聞いて駆けつけてきたローラが
ナビエを迎えてくれました。
ナビエはローラを抱きしめると
彼女はわあわあ泣きました。
ナビエも涙をこらえていました。
少し落ち着いたローラは
ナビエからの知らせに
第4騎士団と一緒に来ると
書かれていたけれど
それはどういう意味かと
尋ねました。
返事をしようとしたナビエは
ふと、
いつからかわからないけれど
エンジェルがいないことに
気付きました。
エンジェルはイモナと
謁見をしていました。
イモナは、エンジェルの
異国的な美しさを見て
心をウキウキさせていました。
エンジェルは、イモナに
カフメン大公を救えたのは
運が良かったと伝えた後で
西大帝国が独占している交易を
自分たちとも行って欲しいと言って
用意してきた書類を渡しました。
第5話で、カフメン大公が
ナビエに何か尋ねていますが
その質問が何なのかは
書かれていませんでした。
マッケナが止めなければ
ハインリはそのまま
ナビエを探しに
行ってしまったでしょうね。
東大帝国の
カルル侯爵もそうですが
時には苦言を呈しながら
適切な助言をし
陰で皇帝を支える秘書は
貴重な存在だと思います。
もっともハインリは
マッケナが必死に止めても
言うことを聞かないことが
ありそうですが・・・(謎)
ナビエよりも先に
イモナに会いに行ったエンジェル。
抜け目がないですね。