１話 姑と小姑のいびりを上手くかわす麗奈です。
何をやっても時間がかかり過ぎる。
料理はまずい。
実家の家政婦を呼んでくるべきだと
いびる姑。
実家で働いている人たちは、
担当業務以外のことはやらないと
かわす麗奈。
麗奈に買い物を頼んだくせに、
言ったのと違う物を買って来たと
文句を言う義妹。
しかし、それは
SNSで話題になっていると
上手く切り返す麗奈。
結婚して1年経っても
子供ができないので、
今週末、
麗奈と一緒に病院へ行くと言う姑。
夫の碧人と一緒に行く予定なので
気遣いは不要だと答える麗奈。
姑は腹を立てたものの、
麗奈の実家の会社である
WJリテールの本部長のポストを
碧人に任せたらどうかと
提案する姑。
自分もそうしたいけれど、
碧人が嫌がっていると
答える麗奈。
いちいち口答えをする麗奈に
姑は、
麗奈の妹の璃香のように
思いやりがないと非難しました。
そうこうしているうちに、
義母の客たちが尋ねてきました。
家が豪華だと言われて、ご満悦の姑。
料理を出している麗奈のことを
「美人のお嫁さん。」
「言葉遣いがきれい。」と
褒める客たち。
料理を出し終えた麗奈は、
自分の部屋へ戻り、
出かける支度をしました。
そして、もっと肉を出せと
文句を言っている姑に、麗奈は
彼女の手を握りながら、
今日は自分の誕生日だからと
姑が配慮してくれて
嬉しいし、感謝している。
姑ほど優しい人はいない。
自分は本当に幸せだ。
何度も碧人から、
早く来て欲しいと
連絡が来てたので、
これで失礼すると言って
出かけてしまいました。
姑は、
生まれた日でもないのに、
何が誕生日だと
文句を言いました。
車の中で
腹を立てていた麗奈でしたが、
こんなことは
日常茶飯事だと思うことで
気持ちを落ち着かせました。
携帯を見ると、
碧人からメールが4件。
浅井健から不在通知が1件
入っていました。
今日は大変だったのではないか。
早く行きたいけれど、
会議が終わらない。
やっと終わったので、すぐに行く。
プレゼントを期待していて。
というメールを見て、
麗奈はクスッと笑うと、
2時間37分、
家で苦労した時間だ。
言い訳はいいので、
30分以内にAホテルへ来て。
と返信しました。
そして、麗奈は、
碧人が彼女にプロポーズをした日。
自分は、
他の人と一緒に寝られない。
同じ部屋、ベッドも一緒に使えない。
自分とは、
一般的な結婚生活を送れないと
言いましたが、碧人は、
麗奈さえいれば、
何も気にしないと言ったことを
思い出しました。
碧人が予約したケーキを受取り
歩きながらAホテルへ急ぐ麗奈。
しかし、通りの角を曲がったところで
妹の璃香と碧人が
一緒にいるのを見ました。
碧人は、
自分が愛しているのは
麗奈でなく璃香だと告白し、
麗奈とは離婚するので、
結婚して欲しいと
言おうとしたところで、
麗奈はショックのあまり
ケーキを落としてしまいました。
彼女がいることに気付いた
璃香と碧人。
璃香は、麗奈に
誤解をしないで、
話を聞いて欲しいと訴えましたが、
腹を立てた麗奈は、
その場を離れました。
璃香は彼女の腕を捕まえて、
少し話をしようと言いました。
しかし、麗奈は
碧人が璃香を好きだということを
知っていたのか。
それならば、
なぜ距離を置かなかったのかと
璃香に尋ねました。
璃香は、
碧人は優しくて、
自分の一番の理解者だ。
どうせ一時の感情だし、
自分が説得したら、
すぐに碧人の気持ちは
変わるからと言いました。
やはり璃香は自分勝手だと
罵る麗奈。
麗奈に落ち着くようにと言って
言い訳をしようとする碧人。
しかし、麗奈は
璃香の腕を振り切り
駆け出しました。
横断歩道の信号は青。
それなのに、
白い車が麗奈に突っ込んできて
彼女は地面に叩きつけられました。
それを見ていた璃香の目を
手で覆い隠す碧人。
薄れゆく意識の中で、麗奈は、
なぜ碧人だけは違うと
信じていたのかと後悔し、
全てのことが鮮明になりました。
その日、彼女は
亡くなってしまいました。
麗奈は、
姑と義妹にいびられても、
ただ、文句を言うのではなく
相手がぐうの音も出ないほど、
上手に言い返せるのは、
彼女が過酷な人生を生き残るために
身に着けた技なのでしょうね。
誰も信じられずに生きて来た中、
唯一、信じられる人と出会って
結婚したのに、
その人に裏切られていたと
知った時のショックは
計り知れません。
