6話 会議中に、智彦は、前の晩の出来事を思い出していました。
智彦の胸にもたれかかり
眠ってしまった麗奈。
彼は、これはただの事故だと
思い込もうとしました。
しかし、
麗奈が智彦の腰に手を伸ばして来ると
彼はドキドキしました。
智彦は起き上がると、
麗奈に布団をかけました。
そして、本当に予測不能な女だと
考えていた時、
彼女の手首に
20211120という文字が
書かれているのを発見して
絶句しました。
智彦は、
スヤスヤ寝ている麗奈の頭に触れながら
自分も
思い出したい瞬間がなかったけれど
麗奈のおかげで、
これからは変るだろうと言いました。
前の晩は、
結婚しようと言ったくせに、
麗奈は智彦に
全然連絡をしませんでした。
携帯を見ながら
考え込んでいる智彦の姿を見て、
部下の宮本は、
恋愛のことか、
それとも会議のことで悩んでいるのかと
尋ねた後、タブレットを差し出し、
「財閥家同士の婚姻目前か?
その行く末は?」
というタイトルで、
麗奈と智彦の写真が掲載されている
記事を見せました。
それを書いたのは従妹の優里でした。
智彦は、自分のことを
西江グループの次男と書かれたのが
気に入らないようでした。
智彦は、スキャンダルだけでなく
遠回しに被害を被っていると
告げる宮本に、智彦は、
優里に連絡をしたのかと
尋ねました。
宮本は、もちろんだと答えた後、
実は麗奈と優里は
高校の同級生だけれど、
性格が合わないために、
親しくはないと答えました。
智彦は、優里を連れて来るようにと
指示しましたが、宮本は
言われる前に
そうしようと思っていたけれど、
優里は、
智彦が痛い目に遭えばいいと
言っていたと、伝えました。
それを聞いた智彦は、大笑いをすると
「逃亡する。」と言って、
どこかへ出かけようとしましたが、
突然、母親が現われました。
苦笑いする智彦。
彼女は、いきなり息子に
結婚するのかと尋ねました。
そうしようと思っていると
答える智彦に母親は、
お見合いを急かした時は
気乗りしていなかったたのに、
急にどうしたのか、
優里が知っていることを
自分が知らないなんてありえないと
ガミガミ叱りました。
智彦は、父親も知らないと
とぼけたことを言ったので、
母親は、
智彦がふざけていると言って
怒りました。
母親はため息をつきながら、
急に結婚する理由について
尋ねました。
智彦は自分の別名である
「無性愛者」「無性欲者」を
宮本に言わせた後で、
そのイメージが誤解であることを
証明するためだと答えました。
母親は、
ただ結婚したいだけなら、
違う女性にするようにと
言いましたが、
智彦は、麗奈でないと嫌だと
返事をしました。
ふざけていると怒る母親に、
智彦は、なぜ彼女自身は
初婚でない父親を選んだのか。
2番目の妻だと
言われ続けたのにと、言い返すと、
彼女は息子の頬を
平手打ちしました。
智彦は、
帰ろうとする母親の腕をつかみ、
父親の会社に戻ると告げました。
雅紀を何とかできるのかと
尋ねる母親に、智彦は、
自分は父親に可愛がられ、
ついでに祖父の遺産も受け取ると
宣言しました。
智彦の実家も
色々とゴタゴタがありそうな
予感がします。
彼の母親は後妻。
麗奈の継母も後妻。
そして、麗奈も智彦も
祖父の遺産を
狙っているという点で、
共通点があります。
2人の仲の進展度と同時に
彼らの家の内情も気になります。