自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち 830話 ネタバレ 先読み 原作 あらすじ いつもと違うタッシール

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830話 タッシールはラティルへの愛を自覚しました。

◇競争する価値がない◇

ゲスターが、

プイエスから入ってきたお茶の本

見ていた時、トゥーリが

タッシールの来訪を告げました。

彼は本を開いたまま

頭を上げました。

トゥーリは膨れっ面をしていましたが

声だけは明るくして、扉の隙間から

顔を突っ込んでいました。

 

ゲスターは入室を許可すると

本を閉じて横に置き

立ち上がりました。

一度閉まった扉が開くと、

大きな緑色のイヤリングをつけた

タッシールが中に入って来ました。

 

トゥーリは

後ろで唇を尖らせながら

扉を閉めて出て行きました。

彼は、この陰気な男が

ゲスターを抜いて

人気投票で1位になったのが嫌でした。

 

ゲスターは照れくさそうな態度で

タッシールに微笑みかけると

恥ずかしがっているウサギのように

何の用事で来たのかと尋ねました。

 

その態度に

タッシールは心から感心すると

ゲスターが罪悪感を

少しも覚えていないようだと

皮肉を言いました。

 

もちろん、タッシールも

簡単に罪悪感を覚える部類では

ありませんでしたが、彼は、

あのように格別に恥ずかしがる演技が

できませんでした。

 

ゲスターは目を大きく見開き

どんな罪悪感なのかと聞き返しました。

タッシールは、すぐに答える代わりに

金箔のついた料理本をチラッと見ると、

ゲスターは平和そうに見える。

黒魔術師だからといって、

皆、陰気というのは、

やはり偏見のようだと

皮肉を言いました。

 

ゲスターは、

急に来るや否や、

なぜ喧嘩を売るのかと尋ねました。

 

タッシールは近づいて

料理本を持ち上げました。

疲労している人の疲れを減らし、

心身の安定にも役立つという茶が

紹介されているページの端が

斜めに折れていて、 最後の行には、

「妊婦が飲んでもいい」と

書かれていました。

 

タッシールはゲスターに

気になることがあると告げました。

ゲスターが

「はい・・・」と返事をすると

タッシールは、

なぜ、あんなことをしたのかと尋ね

本を元に戻して、

ゲスターを振り返りました。

 

ゲスターは、

ぼんやりとタッシールを見ました。

通りがかりに、

突然、喧嘩を売られた人のような

姿でした。

しかし、タッシールが

ずっと見つめていると、

ゲスターの口元が微妙に動きました。

 

タッシールは、ゲスターが、

皇帝を詐称した変なものを

送って来たと抗議しました。

するとゲスターの目が

大きくなりました。

とんでもない話を聞いたような

表情でした。

今度はタッシールも笑みを浮かべたまま

言葉を加えませんでした。

 

勘のいい奴。

 

ゲスターは

驚いた表情を払い退けると

気乗りしないように

ソファーへ歩いて行きました。

表情の変化がとても早いと

タッシールは皮肉を言いました。

 

彼は、心から少し驚いていました。

ゲスターが二重人格的であることは

知っていたけれと、あっという間に

表情があのように変わるのを見て

不思議だと思いました。

あれは生まれつきなのか、

練習したのかと考えていると、

ゲスターは脚を組んで

ソファーに座りました。

 

ゲスターは、

それの何が問題なのかと反論しました。

タッシールは、

皇帝を詐称したのが問題ないと

思っているのかと非難すると、

ゲスターは、

何もなかったではないかと

言い返しました。

 

タッシールは声を出さずに

口の端だけを上げました。

別に何もなかったって?

彼は、皇帝の顔をした者に

告白されたせいで、

ずっと無視していた感情に

正面からぶつかってしまいました。

病気があることを知る前には、

我慢できていた人が、

病名を聞いてから

突然痛みを自覚したように、

タッシールも気分が

良くありませんでした。

 

タッシールは怒る代わりに、

ゲスターの向かい側に

腰を掛けながら、

皇帝の口を借りて出て来た

あの幼稚な会話は、

ゲスターの才能だろうかと尋ねました。

 

幼稚と聞いたゲスターは

思わずニヤリと笑い、

唇を蠢かせました。

とても面白い話を聞いたという

表情でした。

それを数秒続けた後、

ゲスターは、

やはり我慢できないといった様子で

口元を手で塞ぎ、

声を殺して笑いました。

 

ゲスターは、

会話が幼稚だったと言うけれど

一体、どんな会話をしたのか気になる。

自分が送った人形は、

タッシールの髪の毛で

作ったものだからと答えました。

タッシールが

 

髪の毛?

 

と聞き返すと、ゲスターは、

その人形が何と言おうと、

それはタッシールの妄想だ。

タッシールが皇帝から聞きたい言葉を

そのまま聞かせてくれたと返事をし

手を口で隠して笑い続けました。

 

タッシールは

口元に笑みを浮かべていましたが、

気分は良くありませんでした。

ゲスターはしばらく笑った後、

手を下ろしながら

人形は何て言ったのかと尋ねました。

それから、

タッシールに近づいて腰を下げ、

二人だけの

秘密の話をしようというように

耳元に口をつけて

 

愛しているって?

 

と尋ねました。

ゲスターは首を横に振って

腰を伸ばしました。

相変わらず笑い声が

波打つように流れていました。

そして、タッシール・アンジェス

可愛いと馬鹿にしました。

しかし、タッシールは、

ゲスターの言葉を

そのまま信じませんでした。

かなりもっともらしい話でしたが

彼はゲスターが

自分を刺激しているのだと思いました。

ゲスターが送ったのが人形で、

その人形が、

自分の妄想を実現してくれるのなら、

そんなに簡単にばれるはずが

ありませんでした。

しかし、もしも、あの愛の告白が

ゲスターの頭の中から出て来たのなら、

あの陰気な黒魔術師が、自分より先に

自分の心に気づいたことになるので

気分が悪くなりました。

 

ゲスターは、

とにかく、自分が良い夢を

見させてやったので

感謝すべきだと言うと

元の席に戻って

読んでいた本を手に取りました。

 

タッシールは、ゲスターが、

全ての条件を備えたラナムンよりも

自分を一番恐れているようだと

指摘しました。

ゲスターは、

競争するのも嫌だから

抜けろということだと返事をすると

本から視線を離さずに

口の端だけを上げました。

そして、

皇帝を愛していない人であれ、

自分の心さえ

表に出せない人であれ、

自分たちと競争する価値もない。

ラナムンはハッタリ屋だけれど

少なくとも、自分の気持ちを

隠さないのではないかと言いました。

◇心から愛しているのに◇

昼休み。 ラティルは、

外国の使者がプレゼントしてくれた桃を

籠一杯に入れてゲスターを訪ね、

 

ゲスターは桃が好きだったでしょう?

 

と尋ねました。

 

ゲスターはグラスに

液体をいくつも注ぎ込み、

長いスプーンで

かき混ぜていたところでした。

 

彼はスプーンを置いて籠を受け取ると

これは何なのかと尋ねました。

ラティルは、

ゲスターにあげたくて持って来たと

答えました。

 

ゲスターが桃を食べている間、

ラティルは、

彼がかき混ぜていたグラスを

見ていました。

中から、良い香りが漂って来ました。

 

ラティルは、

 

お茶なの?

 

と尋ねると、ゲスターは、

プイエスで流行っているお茶で

皇帝に飲ませたくて練習していたと

答えました。

 

それからラティルが、

レッサーパンダがいないことを

指摘すると、ゲスターは、

グリフィンと3匹で花見に行ったと

答えました。

 

ゲスターは、

ラティルが持ってきてくれた桃を

今、全部食べたくなかったので

器をいくつか持ってきて

分けて入れました。

ラティルは、

その姿を見て笑い出しました。

ロルド宰相の

最愛の息子であるゲスターが

桃を手に入れられないはずが

ないからでした。

 

ラティルは、

また持って来るので

全部食べてもいいと言いましたが

ゲスターは、

皇帝からもらったものなので、

長く大切にして食べたいと

返事をしました。

 

ラティルは、訳もなく

むずむずした気分になり

引き出しの中を

覗き見るふりをしました。

ゲスターが

あのような態度を取る度に

とても可愛いと思いました。

 

ゲスターは、そんなに自分のことが

好きなのかと尋ねると、

ラティルは唇を噛んで笑いました。

ところが、ゲスターから

返事がありませんでした。

 

ここで急に静かになったら

自分はどうすればいいのか。

ラティルは恥ずかしそうに

首を上げました。

すると、先程まで、

桃の皮を剥いて食べていた

ゲスターが、

今度は、半分魂が抜けた姿で

ぼんやりと座っていました。

 

ラティルは、

どうしたのかと尋ねると

ゲスターに近づきました。

咽たのかと思い、

 

背中を叩いてあげようか?

 

と尋ねました。

 

ゲスターは驚いた表情をして、

首を素早く横に振りました。

ゲスターが珍しく

しかめっ面をしているので

ラティルは驚きました。

 

ラティルは、

急にどうしたのか。

舌を噛んだのかと尋ねました。

 

ゲスターは躊躇いながら、

自分は皇帝のことが

好きではないかと答えました。

ラティルは

 

うん、そうね。

 

と返事をしましたが、

自分の口で同意するには

曖昧な話題でした。

 

ラティルは

ゲスターの背中を叩いた後

そっと手を下ろしました。

ラティルの手が膝の上に乗ると

ゲスターは、その上に

自分の手を重ねました。

消え入りそうな声とは全く違う

大きな手が

ラティルの手を包み込みました。

 

私は・・・陛下を

愛しているじゃないですか・・・

 

ラティルは

ゲスターの手の甲に浮き上がっている

血管を見下ろしました。

側室と暮らして数年が経ちましたが、

このような話が出ると、不思議なことに

ぎこちなくなりました。

 

ゲスターは、

自分は心から皇帝を愛しているので

たまに他の側室を見ると腹が立つと

言いました。

ラティルは、

嫉妬してしまうのかと尋ねると、

ゲスターは、

自分は本気なのに、野望のために

偽の愛を告白しようとする

側室を見るのは嫌だと答えました。

ラティルは眉をつり上げました。

 

野望?偽の告白?

側室同士で何かあったの?

 

ラティルは、

自分に告白した側室たちが

誰と誰だか思い出してみました。

 

ラナムン?

サーナット卿は側室ではないから

除いて。

カルレイン?

カルレインは告白したっけ?

 

それほど多くはありませんでした。

 

ラティルは、

誰がそんな話をするのかと尋ねました。

ゲスターは、

皇帝を本当に好きな人もいれば

そうでない人もいる。

皇帝を好きな人も嫌いだけれど

そうでない人は憎いと言うと

ゲスターは沈鬱そうな様子で

ラティルの手をギュッと握り

離しませんでした。

 

彼の手が少し震えているのを

感じたので、

ラティルは手の甲を軽く叩きました。

側室同士で喧嘩をしたのだろうか。

ゲスターはどうしたのだろうかと

考えました。

◇少し違う視線◇

その日の夕方、

ラティルは残務に追われ、

机の前で、遅くまで悩んでいた時

扉を叩く音がして

タッシールが現れました。

彼が入って来る時に

焼いたパンの匂いが

一緒に入って来たので、ラティルは

食べ物を持って来てくれたのかと

尋ねました。

パンの匂いを嗅ぐと、

突然、ラティルは空腹を感じました。

 

タッシールは、

自分が持って来たのではない。

侍従が運んでいたのを、

代わりに渡すと言って持って来たと

返事をすると、微笑みながら、

ラティルの机の前に皿を置きました。

彼女は、

書類を少し横に押し出しました。

それからパンをちぎって

食べ始めると、

タッシールが隣の席に座り、

普段と少し違う目で

見つめているのが感じられました。

 

無視して

食べ続けようとしましたが、

そうするのが難しい視線を

ずっと感じました。

 

どうして?

 

結局、ラティルはパンを置いて

尋ねました。

 

可愛いから。

 

タッシールは、

パンが入っているせいで、

突き出たラティルの片方の頬を

そっと押さえながら

微笑みを浮かべました。

ラティルはプッと吹き出すと、

なぜ、からかうことなく、

そんなことを言うのかと尋ねました。

タッシールは、

皇帝をからかうことは少ないと

答えました。

 

ラティルは、

タッシールが

嘘をついていると言うと、

彼の膝を痛くないように軽く叩き

再びパンを食べようとしましたが

やはり、しつこい視線が気になり、

またパンを下ろして

タッシールを見ました。

そして、

もしかして話したいことがあるのかと

尋ねました。

タッシールが、たくさんあると答えると

ラティルは、

そんなにじっと見つめていないで

話してみてと促しました。

 

タッシールは机の上で

頬杖をついて笑い、

自分が見つめたら嫌なのかと

尋ねました。

 

ラティルは、

見つめられて嫌なわけでは

ないけれど、食べる姿を

ずっと見られているからだと

答えました。

しかし、タッシールは

皇帝が食べている姿は可愛いと

言いました。

 

タッシールは、

本当に何が言いたいのか。

ラティルは疑い深そうに、

タッシールの表情を

隈なく探りました。

ラティルの露骨な警戒に

タッシールは笑みを浮かべると

愛する人

よく食べているのだから

見るしかない。

奪って食べたりしないので

食べ続けてと促しました。

 

しかし、ラティルは目を細めて

タッシールを見ているだけでした。

彼は、ラティルを「カレイ」と呼ぶと

彼女の目尻を優しく撫でました。

 

ラティルは驚いて

首を後ろに引きました。

タッシールの手が触れたのは

初めてではありませんでしたが、

今日は雰囲気が異常でした。

 

ラティルはタッシールが、

どこか具合が悪いのではないかと

心配しました。

しかしタッシールは、

自分が皇帝を愛していたら

どうするつもりなのかと尋ねました。

 

ラティルは首を元に戻すと

眉を顰めました。

本当にタッシールは

どこか具合が悪いのだろうか。

そう考えているうちに、

ラティルは、

偽の告白を準備している

側室がいるという、

昼間のゲスターの言葉を

思い出しました。

もしかして、それは

タッシールの話なのだろうかと

訝しみました。

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以前も、そう思いましたが

やはりゲスターは、ラティルに

不安ばかり与えているし、

他の側室の悪口を言うことで

自分を上に上げようとしているように

感じられます。

 

ゲスターは古代語が読めたり

黒魔術を使えたり、

毛むくじゃらたちを可愛がったりと

色々と良い所があるので、

悪いことばかり考えていないで、

ゲスターお得意の

可愛い、か弱い、おとなしい

光線を放って

「陛下が好き、好き」と

言い続けて、

皇帝の業務を手伝って

彼女が助けて欲しいと言ったら

いくらでも黒魔術を使ってあげれば

ラティルはゲスターを嫌うことは

ないと思います。

自力で一番になれないことを

ゲスター自身も分かっているので

他の側室たちを

貶めようとするのでしょうけれど、

それをラティルが知れば

ゲスターに幻滅すると思います。

もっとも、

ゲスターはすべての悪い行いを

ランスター伯爵がやったことに

してしまえば良いので、

いつまでもラティルを

騙し続けられると思いますが。

 

ゲスターはラティルのことを

本当に愛しているのなら、

不安ではなく安らぎを

与えるべきだと思います。

 

shaoron-myanmyan様

RM様

ミモザ

いつも、コメントを

ありがとうございます。

今後は、ゲスターが

主役なのではないかと思うくらい

彼の暗躍が目立つようになり、

彼の刃は、タッシール以外にも

向けられるようになります。

読んでいて、気分が悪くなるのですが

ザイシンとメラディムに

癒されています。

私心ですが、

サーナット卿は、気持ち悪いです。 

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