204話 窓から飛び降りたソビエシュの運命は・・・
◇ソビエシュの願い◇
ソビエシュは目を覚ますと
グローリエムに謝りながら
よろよろと、
ナビエとグローリエムの
肖像画に近づき
2枚の絵を外して床に置き
片手でナビエの絵を
もう片方の手で
グローリエムの絵を抱きしめました。
絵の中の2人も
彼を抱きしめてくれました。
ソビエシュの耳に、子供の頃
自分たちに似た赤ちゃんが
できるといいな。
赤ちゃんができたら
家族の肖像画を描いて
自分の寝室に飾ると
ナビエに言った言葉が
聞こえてきました。
その声が遠ざかると
雲の上に立つ女の子が
見えました。
ソビエシュがそちらへ行こうとすると
ナビエが引き留めました。
子供が早く来るようにと
急き立てると
再びナビエが引き留めました。
ナビエは生きていて
子供に付いて行けば死ぬと思った
ソビエシュは
ナビエの手を離して
彼女は生きて幸せになって。
あまり早くこちらへ
来ないようにと言って
子供と一緒に行きました。
ソビエシュが
窓から落ちたことを知った
カルル侯爵は
急いで宮医を呼びました。
そして、エベリーを
連れてこようとしましたが
彼女はナビエの治療のために
西大帝国へ行っていました。
ソビエシュが、
ナビエの名前を呟きました。
◇回復◇
ナビエは目を覚ますと
目の前に、
ハインリの泣き顔が見えました。
クイーンが遠くへ
行ってしまうのではないかと
思って・・・とすすり泣く
ハインリの向こうに
ソビエシュの影を
見たような気がしました。
ナビエは、
変な方向へ行くソビエシュを
捕まえようとすると
彼はナビエを押しのけて
長く生きるようにと言って
全身真っ赤な女の子の手を握って
どこかへ行ってしまう
夢を見たことを思い出しました。
ナビエは、
不思議な喪失感を覚えました。
目覚めて1日経ってから
カフメン大公がナビエを庇い
彼女が氷魔法を使ったおかげで
屋根から飛び降りた人に
ぶつかっても助かったことを
ナビエは教えてもらいました。
そして、昏睡状態にあったナビエを
エベリーが治癒魔法で
助けてくれたことも聞きました。
ナビエに恩が返せたことを
喜んでいるエベリーに
ナビエは、彼女が
本当にすごい人になったと
褒めました。
エベリーは、ナビエに
ソビエシュと仲が悪いのかと
尋ねました。
ナビエは、簡単に返事をし
その質問をした理由を
エベリーに聞くと
彼女は
ソビエシュは、
まだナビエのことが好きで
心配していた。
自分を送り出す時に
青ざめていたと答えました。
ナビエは、ラスタの裁判の日に
彼女の両親の家の壁に
寄りかかって泣いていた
ソビエシュのことを
思い浮かべました。
◇安静◇
エベリーの治癒魔法と
宮医の薬のおかげで
ナビエの身体は回復し
以前の体調に戻ったと
感じていましたが
ハインリは、
それを認めてくれませんでした。
それに対してナビエが反論すると
これが逆の立場だったら、
ナビエも
ハインリに同じことをすると言って
彼はナビエに安静を命じ
彼女にスープを飲ませてくれました。
ナビエは、
自分ではなく
お腹の中の赤ちゃん鳥が
食べさせてもらっている。
と言いました。
ナビエはスープを飲みながら
自分の上に落ちて来た
ズメンシア公爵は死亡し
ハインリは老公爵と話をしたこと、
ズメンシア公爵一家は
全員逮捕されて
絞首刑や奴隷刑を命じられたことを
思い出しました。
ナビエは、もっと詳しいことを
聞きたいと思いましたが
お腹の赤ちゃんのためにも
聞かない方がいいと言って
皆、口をつぐんでいました。
◇カフメン大公の回復◇
スープを一口ずつ
飲ませてもらっていた時
カフメン大公が目覚めたことを
ローラが知らせに来てくれました。
ナビエはベッドから
飛び起きようとするのを
ハインリが止めました。
しかし、ナビエは
自分よりひどいケガをした
カフメン大公の無事な姿を
どうしても見たかったので
ハインリに目で
カフメン大公の所へ行くと
合図をしました。
ナビエはハインリに
支えられながら
カフメン大公に会いに行きました。
カフメン大公は
ぼんやりとした目をしていましたが
ナビエが近づくと
彼の目がはっきりとしてきました。
ナビエは、カフメン大公の
身体を心配した後で
彼にお礼を言いました。
カフメン大公が
自然に会話をするので
ナビエは
もしかして?と
カフメン大公の目に尋ねると
彼は頷きました。
ナビエは、カフメン大公が
薬効から抜け出したと思いました。
ソビエシュが落ちたことを
カルル侯爵が知る場面が
後に来ているので
時系列が
混同してしまいましたが
前話で、ラスタが
ナビエ様の上に落ちて来たのを
止めようとして
ソビエシュは窓から落ちたので
今回の
ソビエシュが雲の上に立つ女の子と
一緒に行ってしまうのは
彼が落ちた後で見た夢なのかなと
思いました。
ナビエ様とソビエシュが
同じ夢を見ました。
2人は分かれたのに
どうして?と思いながらも
このような場面に
心をくすぐられます。