自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

問題な王子様 136話 ネタバレ 原作 あらすじ 自分のものは奪われたくない

 

136話 思いがけずエルナは、パーベルと再会しました。

 

パーベル・ロアーはクソ野郎だ。

ビョルンは一抹の躊躇もなく

断言することができました。

それ以外の、どんな言葉でも

あの忌々しい画家を

説明することが

できそうにありませんでした。

 

二人はメリーゴーランドの前で

話をしていました。

かなり離れていましたが、ビョルンは

エルナと向かい合った男の

ムカつく赤毛を一目で見分けました。

幸い、地獄の番人が

エルナのそばを守っていましたが、

だからといって

大丈夫な訳ではありませんでした。


彼らを眺めていたピョルンは

アーモンドを売る露店の主人に

声をかけられて、我に返りました。

 

ビョルンは、

急ぎの電報数通を処理した後、

エルナを探しに行く途中、

この屋台を見つけました。

漂って来た

蜜とシナモンの香りの方へ

顔を向けると、五月祭の時に

エルナが美味しそうに食べていた

そのお菓子が目に入りました。

 

ビョルンは悩まず

アーモンドを買いました。

この程度で、エルナの心を

変えられるとは思わないけれど

少なくとも一度は

目を合わせてくれるだろうと

期待しました。

それなのに、

パーベル・ロアーだなんて。

よりによって、こんな時に

故郷に現れたのを見ると、

最悪の野郎であることは

明らかでした。

 

代金を払ったビョルンは、

露天市場の通路を

大股で歩いて行きました。

紙袋に入ったアーモンドは、

コートのポケットの奥深くに

突っ込みました。

エルナが、きっと嫌がるだろうと

思ったからでした。

 

メリーゴーランドが

近づいてくると

ビョルンはしばらく立ち止まって

息を整えました。

きっとエルナは、

また、あいつのことを友達だと言って

あの画家の肩を持つと思いました。

しかし、

パーベルが笑っているのを見ると

ビョルンは、

これ以上、躊躇うことなく

一歩を踏み出しました。

エルナはまだ彼の妻でした。

ビョルンを止められない理由は、

その一つだけで十分でした。

「お久しぶりですね、ロアーさん」

ビョルンは、

突然やって来たとは思えないほど

平然とした挨拶をしました。

向かい合って談笑していた

パーベルとエルナの視線が

同時に王子に向かいました、

メリーゴーランドに乗る子供たちを

見ていたリサも、

驚愕しながら振り向きました。

しかし、ビョルンは、ゆっくりと

エルナのそばに立ちました。

当然の権利を

行使するような態度でした。

そして、

礼儀正しく挨拶しようとする

パーベルにビョルンは

「大丈夫です」と

短い命令を下しました。

そして、

不都合になるようなことは

しない方がいいと、ビョルンは、

自分たちの方を

チラチラ見ている群衆を

目で差しました。

にっこり笑って見える顔は

優雅で余裕がありました。

狂人のように暴れていた

あの夏の日の男とは、

まるで別人のように感じられました。

 

ビョルンの意図を理解したパーベルは、

軽く黙礼した後、

王子と向き合いました。

パーべルは、

バフォードは自分の故郷でもあること。

先週末に訪問して、半月後に

再びシュベリンに戻る予定であること。

大公妃とは偶然出会い、

久しぶりに会ったので、

しばらく、互いの安否を

尋ねていたところだと

急いで釈明しました。

こんなことを言わなければならない

状況が滑稽だったけれど、

不必要な誤解を招いて、

再び、エルナを苦境に

陥らせたくはなかったからでした。

 

ビョルンは

「なるほど」と答えると

顎の先をピクピクさせながら、

エルナの腰を抱くと、

妃はバーデン家で療養中で

自分も一緒に滞在していると

話しました。

 

驚いたエルナは

体をビクッとさせましたが、

王子は、

少しも意に介しませんでした。

不快そうな妻を

自分のそばに縛り付けておく

ビョルンの高圧的な態度に、

パーベルは思わず眉を顰めました。

 

それから、妻を見ていたビョルンは、

再びパーベルをじっと見ると、

お酒を一杯飲もうと、

全く予想できなかった言葉を

かけました。

しかし、ビョルンは、

パーベルが

お酒を飲まないと言っていたことを

思い出し、パーベルは、

好きなものを飲むようにと告げました。

 

パーベルは、

ビョルンが何を言っているのか

よく理解できないと言って

眉間に皺を寄せました。

じっと彼を見守る

ビョルンの目つきは、

依然として落ち着いていました。

 

エルナはビョルンに

やめて欲しいと訴え、

途方に暮れて

彼の腕を引っ張り始めました。

そして、もう帰ろうと

促しましたが、

ビョルンは落ち着いた口調で、

今、自分は

パーベルとの対話を求めていると

言いました。 

そして、ハイネ家のピクニックで

自分が起こした喧嘩のようなことは

しないと約束すると、

遠慮なく、あの恥辱的なことに

言及しました。

このような瞬間さえ、

何の動揺もない顔に

パーベルは、さらに呆れました。

 

ビョルンは、

あの日のことを謝りたい。

これくらいなら、お酒を一杯、

一緒に飲む理由になるかと尋ねました。

ビョルンは、

半分空けたウィスキーグラスを

置きながら頭を上げました。

ひどくムカつく画家は、

昼間から泥酔した酒飲みたちで

にぎやかな居酒屋でも、

茶碗を握っていました。

 

ビョルンは

ボートを漕ぐのは好きかと、

パーベルに尋ねました。

彼は目を丸くして、

それはどういうことかと尋ねました。

ビョルンは、

もし、そうなら

誰かのチームに入れてあげたい

人材のようだからと答えました。

 

くだらない冗談を

真面目に考えていたパーベルは

レースを観覧するのは好きだと答え

これで十分な答えになったかと

尋ねました。

 

パーべルが姿勢を正して座ると、

さらに軍人のような印象を与えました。

どう見ても、間違いなく

レオニードタイプで、

とても面白くないけれど、

真面目で誠実で、

おそらくエルナのような女性と

とてもよく似合いそうな部類でした。

ビョルンはその事実を喜んで認め、

グラスを空にしました。

 

店の主人が、新たに注いでくれた

ウイスキーで唇を潤したビョルンは

エルナが初恋だったのかと、

淡々と尋ねました。

パーべルは、

また大公妃と自分の関係を

疑っているのかと、逆に質問すると、

ビョルンは、それを否定し

自分の妃はそんな女ではないと

答えました。

 

パーベルは、

「それでは、一体なぜ・・・」

と呟くと、ビョルンは、

エルナはそうではないけれど、

パーベルはエルナを愛していたからと

言って、にやりと笑いました。

 

パーベルは、こわばったまま

王子を見つめました。

叱責や疑いを含んでいない

静かな目つきが

息の根を止めてくるような

気がしました。

 

パーベルは

声を荒げないように努力しながら、

そうだとしても、

もう何の意味もないことではないか。

確かに彼女のことが好きだった。

初恋だった。

きれいで優しい子だったから。

しかし王子に隠さなければ

ならないようなことは

誓って一度もなかった。

自分一人だけの初恋だし、

それさえも、故郷を離れてからは、

幼い妹の幸せを祈る

兄の心に近かったと話しました。

 

しかしビョルンは、

妹と夜逃げをする兄がいるのかと

尋ねました。

パーベルは、

思わず乾いた唾を飲み込みました。

適当な答えが何なのかは

よく分かっているけれど、

そんな浅はかな嘘で

王子を欺くことができるとは

思えませんでした。

 

パーベルは、

あの時は随分、心が揺れた。

もしも大雨が降らなかったら、

自分が、あまり遅れなかったら、

行き違いにはならなかった。

そうなっていたら、

彼女に欲を出していたかもしれない。

確かにそうだったと思う。

しかし、自分はチャンスを逃し、

エルナは王子の妻になった。

そうして終わったことだ。

それ以来、一度もエルナのことを

そんな風に考えたことがないと誓えると

正直に話しました。

 

声が震えて息が荒くなりましたが、

パーベルは退きませんでした。

ビョルンは目を細めて、

その決然とした顔を見つめました。

 

トロフィーであれ盾であれ、

どちらかが、エルナが選べる

最善のものだという名分を

前面に押し出しましたが、

もしかしたら、

エルナの最善は王子ではなく

アカデミーの画家だったかも

知れないということを、

実はビョルンは

すでに知っていました。

 

画家と夜逃げをした

貴族の娘というレッテルが貼られても

エルナは、いくらでも

その世界に背を向けたまま

幸せになれる女でした。

しかし、

それを知っていながらも

無視しました。

躊躇なく

カーテンを閉めました。

何がエルナにとって

最も良いことなのか、そして、

その選択がもたらす損益は

重要ではありませんでした。

その瞬間、ビョルンを動かしたのは

自分のものを奪われたくない、

美しいトロフィーを

手に握りしめたいという

単純で猛烈な欲望でした。

パーベルは、

忘れたいあの夜を思い出させる

存在でした。

 

努めて否定してきた

その事実を受け入れると、

もつれた糸のような疑問が

簡単に解消されました。

エルナは決して

不正を犯さない女であることを

知っていながら、

パーベルを見ただけで、

気が狂った理由も

やはり理解できそうでした。

 

ビョルンは頷くとニヤリと笑い、

分かっていてもそうした。

全部、分かっていたのに、

パーベルのことが

本当にムカついたと話すと、

残りの酒を飲み干し、

ついに席から立ち上がりました。

 

そして、

あの日は申し訳なかったと

自分の無礼を謝罪すると、

面食らったパーベルを見下ろし

頭を下げました。

その動作は、あまりにも丁寧で、

さらに傲慢な感じを与えました。

 

ビョルンは、

もうそんなことはないと

言いたいけれど、どうだろうか。

確かにちょっと無理だと言うと

酒代をテーブルの端に置き、

ポケットから取り出した懐中時計を

確認しました。

エルナと約束した時間が

近づいていました。

 

ビョルンは、

今後も気をつけてもらえると幸いだし、

自分が気にならないように

結婚してくれてもいいと告げました。

 

パーベルは

今のは謝罪なのかと尋ねると

呆れたように

そら笑いをしました。

 

じっと彼を見ていたビョルンは

短い黙礼を最後に

背を向けました。 

エルナは、息が上がっても

止まることなく

足早に歩きました。

その後を追うリサの足取りも

慌ただしくなりました。

 

パーベルは、

とんでもないビョルンの提案を

快く受け入れました。

エルナが引き止めてみても

無駄でした。

30分後に

約束の場所に行くという言葉を

残したビョルンは、

パベールと一緒に

村の居酒屋に行きました。

 

エルナは我慢して

待つことにしましたが、

約束した時間が近づくほど

エルナの不安は、ますます

大きくなっていきました。

結局、我慢できなくなり、

馬車から飛び出したところでした。

 

パーベルが同意しても

許可しなければ良かった。

居酒屋の看板が見え始めると、

エルナの足が

さらに慌ただしくなりました。

あそこで、ビョルンが

また、パーベルを

殴ったのではないかと考えると

目の前が真っ暗になりました。

パーベルに拳を振り回した

ビョルンが浮び上がると、

熱い怒りが

こみ上げてきました。

 

その時、居酒屋の扉から

ビョルンが姿を現しました。

エルナはびくっとして

その場に立ち止まりました。

 

目が合うと、ビョルンは

にっこりと微笑んでいるように

見えました。

激しい戦いをした人のようには

見えませんでした。

 

どうすればいいのか分からなくて

あたふたしている間に、

ビョルンはエルナの目の前まで

近づいて来ました。

そして、ゆっくりと

コートのポケットから

何かを取り出して差し出しました。

思わずそれを渡されたエルナの目が

丸くなりました。

 

開けてみなくても、

紙袋の中に入っているものが

何だかわかりました。

ただビョルンが

買ってくれたという理由だけで

大切に食べていた、

あの馬鹿な時代の記憶が

込められている

甘いアーモンドでした。

 

エルナは、

これは何かと尋ねました。

ビョルンは、

知っているのに聞くのかと

答えました。

エルナは、

どうしてこんなものをくれるのかと

冷ややかに尋ねました。

ビョルンは平然と微笑みながら

策略を弄していると答えました。

一体、何を言っているのか

分からない、呆れた言葉でした。

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自分はエルナに

冷たくあしらわれているのに、

目の前でエルナとパーベルが

仲良さそうに話していたら、

ビョルンの嫉妬の炎が

メラメラ燃えるのも

仕方がないですよね。

しかも、パーベルはエルナの幼馴染で

夜逃げまでしようとした仲。

それでも、

怒りを露わにすることなく、

心の中で

パーベルを罵倒するだけに留め、

自分の感情を冷静に分析し、

パーベルに嫉妬していたことを認め

きちんとパーベルに謝ったビョルン。

本当によく頑張った!偉いです。

最後の一言は余計だけれど、

そうでも言っておかないと

不安を解消することが

できなかったのかもしれません。

もし、エルナと離婚することになっても

彼女がパーベルと結婚することだけは

阻止したい気持ちが満々なような

気がします。

 

何はともあれ、

人間らしい感情に欠けていて

打算的に生きて来て、

自分の感情を分析することなど

決してなかったであろうビョルンを

自分の心に向き合うようにさせた

愛の力はすごいと思います。

そういえば、イギリスにも

愛のために

国王の座を捨てた国王もいましたね。

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