自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

問題な王子様 139話 ネタバレ 原作 あらすじ エルナへの誕生日プレゼント

 

139話 ビョルンはエルナの誕生日に何か準備をしているようですが・・・

 

最善の贈り物が

たくさん入って来た。

それ以外には、どんな言葉でも

目の前に広がる光景を

説明できそうにありませんでした。

 

エルナは面食らった顔で、

バーデン家の応接室に積まれて行く

プレゼントの山を眺めました。

とても見慣れていて、

不愉快な記憶を呼び起こす

光景でした。

 

騒ぎに驚いて駆けつけて来た

バーデン男爵夫人は

驚愕して立ち止まりました。

2台の大きな荷馬車を

いっぱいにしてきたプレゼントを

運ぶ行列は、

いまだに絶えませんでした。

 

ビョルンと一緒に

ここに滞在していた執事が

最後のプレゼントを持って

エルナに近づき、丁寧な挨拶をすると

後ろに立っていた使用人たちも

一斉に頭を下げて

大公妃に対する礼儀を示しました。

 

エルナの顔色を窺っていた侍従は

王子が大公妃のために準備したと

そっと説明を付け加えました。

他の使用人たちの視線も

エルナに集中していました。

エルナはお礼を言い、

使用人たちを労いました。

とんでもないことでしたが、

多くの人が見守るこの場で、

感情をあからさまに出すことは

できなかったからでした。

 

プレゼントを移した使用人たちが

退くまで、

エルナはまっすぐな姿勢で

その場を守りました。

 

何が起こったのかは

あえて考えなくても

分かるようになりました。

無闇に買い込んだ

高価で派手なプレゼント。

それが、ビョルン・デナイスタの

やり方だからでした。

 

見物に来た使用人たちも

各自の持ち場に戻ると、

深い静寂が訪れました。

エルナは、

プレゼントでいっぱいで

足の踏み場がない応接室を

沈鬱な目で眺めました。

 

エルナは、

きまりが悪そうな顔で

バーデン男爵夫人に謝りました。

一緒に朝食を

とろうとしていましたが、

このような気持ちでは、

食べ物を飲み込めそうに

ありませんでした。

 

エルナは、

部屋で少し休みたいと思うと

震える声で了解を求めると

急いで応接室を立ち去りました。

 

彼は少しも変わっていない。

その事実を痛感すると、

頭のてっぺんまで

怒りがこみ上げてきました。

ビョルンが、誕生日を

あまり楽しみに

していないことぐらいは

すでに知っていました。

しかし、

まさか再びこのようなやり方で、

このようなひどい侮辱感を

味わうことになるとは

思いませんでした。

 

そして、エルナが

ちょうど2階の廊下に入った瞬間

招かれざる客の声が

聞こえて来ました。

エルナは疲れたため息をつきながら

ゆっくり振り向くと、ビョルンが、

平然と近づいて来ていました。

彼と向き合うと、昨年の今日、

新婚旅行中に迎えた

20歳の誕生日の記憶が蘇りました。

彼の笑顔は

その日と変わらず優しく、

それゆえ、さらに残酷でした。

 

ビョルンはエルナに

プレゼントが届いたことを確認すると

エルナは、

以前として自分勝手なビョルンの

利己的な気持ちを、

きちんと受け取ったと皮肉で答えると

怒りさえ込められていない

静かな目で

ビョルンを見つめました。

 

そして、エルナは

一度では足りなかったのかと

ビョルンを責めました。

彼は、どういう意味かと、

笑いが消えた顔で問い返しました。

 

エルナは、

去年の誕生日に与えた傷では

足りなかったのかと聞いていると

答えました。

そら笑いをするエルナは

氷のように

冷たい顔色をしていました。

 

それから、エルナは

あのようなプレゼントを

騒々しく準備して渡したら、

どんな噂が立つか、

その噂が、

どれだけ自分を苦しめるか

考えたことがあるか。

もちろん、ないだろう。

自分の意思なんて、ビョルンには、

少しも重要ではないからと

非難しました。

 

ビョルンは、

そんな風に言わないで欲しい。

全部、エルナのための

物ばかりではないかと反論しました。

しかし、エルナは

「私のため?」と聞き返すと、

なぜ、まだ、

高価なプレゼントを渡せば

全てが解決すると考えているのか。

ビョルンが自分を尊重してくれるなら、

自分がどんな気持ちで去って、

離婚を決意したのか

少しでも理解してくれるなら、

こんなことをしては

いけないのではないかと抗議しました。

 

ビョルンは

言い訳をしようとしましたが

エルナは、

全部持って帰ってと言いました。

これ以上、我慢できなくなった涙が

上気した頬を伝って流れました。

 

無意味なプレゼントが

積み重なっていくのを見て、

エルナは、

またもや期待してしたことに

気づきました。

そして、その瞬間、

知らず知らずのうちに抱いた期待は

粉々に砕けてしまいました。

 

エルナは目にいっぱい涙をためて

「お願いです」と、

ビョルンに哀願しました。

いつにも増して切迫した気持ちでした。

午後になると雪が降り始めました。

去年のエルナの誕生日に

降ったのと同じ、ぼたん雪でした。

 

ビョルンは窓枠に腰かけたまま、

白く染まっていく田舎の風景を

眺めました。

握っていた葉巻は、テーブルの上に

無造作に投げ捨てました。

一杯注いだブランデーも、

少しも減らないまま

放置されていました。

 

ビョルンは、

この部屋の扉を開けた瞬間まで、

出て行こうと決心していました。

彼は確かにそう思っていました。

涙を流しながら

出て行って欲しいと哀願するほど、

自分が嫌なら

もう消えてやると思いました。

しかし、その衝動は

そう長くは続きませんでした。

扉が閉まって

深い寂寞の中に一人で残されると、

残ったのは、

自分が泣かせたその女性に対する

記憶だけでした。

 

エルナに良い物をあげたかった。

高いプレゼントで心を買えると

信じていたからではなく、

エルナが、

それだけの価値を持つ存在なので、

それにふさわしい物を

あげたいという気持ち一つで

準備したプレゼントでした。

いつものように、その値段は

考慮していませんでした。

 

ビョルンはタイを緩めると

窓枠から下りました。

元々、静かな家だけれど、

今日は、とりわけ沈鬱な静寂が

バーデン家を包んでいました。

その原因は、まさに自分なので

ビョルンの自己恥辱感は

さらに深まりました。

 

泣いていたエルナの姿が

窓の外に広がる雪原の上に

浮かび上がりました。

そういえば、去年の誕生日も

エルナは泣いていました。

その涙の原因も、やはり彼でした。


美しく笑う妻を楽しんできたけれど

肝心な、その女性を笑わせる方法は

分かりませんでした。

エルナと関わることについては、

どん底の状態といっても

過言ではありませんでした。

 

ビョルンは酒の代わりに

冷たい水を一口飲んで

乾いた唇を潤しました。

 

今日の主役であるエルナは

自分の部屋に閉じこもって

身動きもせずにいました。

このままでは、去年の今日、

誰も覚えていなかった

大公妃の最初の誕生日のように

まともな食事もできないまま

誕生日が過ぎ去るところでした。

 

力いっぱい握りしめていた

グラスを置いたビョルンは、

窓際をウロウロしながら、

考え続けました。

離婚に同意して出て行くことが

エルナのための

最善だということだけは

すでに分かっていました。

しかし、それは

どうせ実現不可能なことなので、

その可能性は早々に排除しました。 

自分勝手で利己的だという非難などは

どうでも良いと思いました。

人格者になってエルナを失うよりは

むしろ、クソ野郎になりたいと

思いました。

そのおかげで、永遠に

彼女を手に入れることができれば、

彼は、いくらでも幸せなクソ野郎に

なることができました。

 

では、そのクソ野郎の最善は

何なのだろうか。

熾烈に悩めば悩むほど、頭の中は

ますます複雑になっていきました。

その事実に、狂おしいほどの苛立ちが

こみ上げた瞬間、ビョルンは

思わず視線を向けたベッドの上で

鈴蘭を見つけました。 

シュベリンから苦労して運んで来た

エルナへの贈り物の一つでした。

 

ビョルンは、

ゆっくりとベッドに近づき、

花束を手に取りました。

一時は、グレディスの象徴でしたが

今は、ただただエルナである

その花は、小さくて愛らしくて

甘く感じられました。

 

ベッドの端に腰かけたビョルンは、

長い間、手に持った鈴蘭を

見つめていました。

そして再び頭を上げた時、

窓の向こうには、いつの間にか

闇が広がっていました。


その花束を置いたビョルンは、

鐘を鳴らす代わりに、

自分の手でランプの明かりを灯し

机の前に座って

引き出しを開けました。

ペンとインク、そして便箋。

すでに、必要な物は

全て揃っていました。

だから簡単なことだと思いました。

ペンを握って手紙の最初の行を

書き始める時までは。

ビョルンは、

そのような確信を持っていました。

 

エルナへ。

 

しかし、数分経っても

次の言葉が続きませんでした。

あまりにも広く見える便箋の上に

残ったのは、ペン先から垂れた

インクの染みだけでした。

 

ビョルンは、使えなくなった便箋を

片付けた場所に

新しい便箋を置きました。

金箔で飾られた王家の紋章

ランプの明かりの中で煌めきました。

じっと、その弱い光を

見つめていたビョルンは、

ペンを握り直し、

再び手紙の最初の行を書き始めました。

 

親愛なる私のエルナ

 

最初よりは、一層良くなりましたが、

過度に親密感があって、

あまり気に入らない書き出しでした。

 

何度も最初の行を書いては

便箋をくしゃくしゃに

丸めてしまうことを繰り返しました。

5枚目の便箋を台無しにした

ビョルンは、

しばらくペンを置いたまま、

椅子にもたれかかりました。

習慣的に葉巻を唇にくわえましたが

火を点けることはありませんでした。

この廊下さえ横切れば

届くところにいる女性へ

手紙を書くために奮闘している姿が

耐え難いほど滑稽になりました。

 

理解、配慮、尊重。

ビョルンは、

妻があれほど重視する観念を

ゆっくりと繰り返しながら

闇の中に舞う白い雪片を眺めました。

 

昨年の今日、

フェリアの大聖堂のドームで見つけた

エルナの姿が、

その風景の中で蘇りました。

彼が泣かしたエルナ。

それでも彼を愛したエルナ。

その美しくて可哀そうな姿に

向き合った瞬間に感じた、

どうしたら良いか分からず

途方に暮れた、

その見慣れない感情の名前が

今になって

分かるような気もしました。

 

くわえていた葉巻を下ろした

ビョルンは、首を回して

机に向かい合いました。

喧嘩でもするかのように

何も書かれていない便箋を

眺めていたビョルンは、

しばらくして、再びペンを握りました。

紙をかすめるペン先の音が、

深い静寂の中に染み込み始めました。

テーブルいっぱいに

造花が積み重なっていきました。

もう新しい花を置く隙間がないように

見えるほどでしたが、

エルナは依然として、

熱心に手を動かしていました。

誕生日を迎えた主役とは

思えない様子でした。

王子と争った朝から今まで、

エルナはこの部屋に閉じこもって

造花ばかり作っていました。

まだ何の支度もしていないのを見ると

夕飯の食卓にも

座らない決心をしているようでした。

 

チラチラと、

エルナの顔色を窺っていたリサは

勇気を出して、

そろそろ晩餐の準備を

始めなければならないと告げました。

エルナは、ようやく頭を上げ、

もじもじしながら、

「リサ、私は・・・」と

口を開いた瞬間、

丁寧なノックの音が聞こえて来ました。

向かい合った二人の視線が

同時に閉ざされた部屋の扉に

向かいました。

 

すぐに、「大公妃」と

ビョルンに付いて来た侍従の

慎重に告げる声が聞こえて来ました。

リサは急いで寝室を横切ると

勢いよく扉を開けました。

それに驚いた侍従は、

びくっとして後ずさりしました。

 

リサは、あまり社交的でない態度で

何の用事かと質問しました。

王子は悪い。

だから王子の侍従も悪い。 

罪深い王子が、

再びエルナの誕生日を台無しにした

そう、考えていたからでした。

 

侍従は、

妃殿下に直接伝えるよう

王子に命じられたと、

エルナを見つめながら

話を続けました。

 

無視されたリサが

カッとなっている間に、

エルナがゆっくりと

扉の前に近づいて来ました。

「これは何ですか?」

侍従が持って来た物を見た

エルナの目が大きくなりました。

侍従は隙を見つけて

「花です」と急いで説明すると、

花束を差し出しました。

そして「手紙もあります」と

最も重要な言葉を付け加えることも

忘れませんでした。

f:id:myuieri:20210206060839j:plain

f:id:myuieri:20210206071517p:plain

とうとうビョルンが

手紙を書きました!

彼は手紙を書くのが苦手なのに

エルナが手紙が欲しいと

言っていたことを思い出して、

よくぞ頑張って手紙を書きました。

すごい進歩です。

エルナの愛を取り戻すためなら

ビョルンは、

自分の苦手なことを

全て克服するような勢いでは

ないでしょうか。

 

エルナは、

ビョルンから高価なプレゼントを

もらったことで、

人々から酷く非難されたことを

思い出し、ビョルンに

酷い態度を取ったけれど

鈴蘭の花束と、ビョルンの手紙には

心を動かされるはず。

真冬の鈴蘭も高価な贈り物では

あるけれど、

エルナが好きな花なので

絶対に拒まないと思います。

エルナは、

ビョルンがパーベルに謝ったことで

少し期待をした気持ちが

消えてしまったけれど、

ビョルンの手紙のおかげで、

その期待を取り戻せそうです。

 

そして、今回のことで

ビョルンは、

エルナが望んでいるのは

高価なプレゼントではなく

ささやかな喜びであることに

気づいて欲しいです。

 

いつもたくさんのコメントを

ありがとうございます。

皆様からの差し入れのお菓子を

ネットで調べて

食べる自分を想像し、

本当に食べていると脳を騙して

幸せな気分に浸っています(^^)

 

ビョルンの手紙の中身が

気になりますよね。

明日までお待ちください。

f:id:myuieri:20210206060839j:plain