自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

問題な王子様 140話 ネタバレ 原作 あらすじ エルナの誕生日

 

140話 ビョルンはエルナに手紙を送って来ました。

リサを送り出したエルナは、

姿勢を正してテーブルの前に座り、

その見慣れないプレゼントを

見つめました。

 

間違いなくビョルンから

送られて来たものだけれど

依然として

現実感がありませんでした。

鈴蘭のことを覚えていたことも、

手紙を書いてくれたことも、

彼らしくなくて、

戸惑うばかりでした。

 

しばらく悩んでいたエルナは、

諦めの長いため息をつきながら

手紙を手に取り、封を切りました。

 

私の妃へ。

 

ビョルンの手紙は、

それほどありがたくない第一声で

始まっていました。

 

まず、不本意ながら

あなたの誕生日を

台無しにしたことについて

遺憾の意を伝えます。

私は、ただ、あなたに対する

私の気持ちの大きさを現物化して

見せたかっただけでしたが。

この意図が、きちんと伝わらず

大きく傷つけたようで

これもまた残念です。

しかし、レチェンの王子であり

銀行頭取である私が、妃の誕生日に

素朴な贈り物を渡すのが、果たして

理にかなっているのでしょうか?

この点に関しては、

妃も一度は悩んで欲しいという

願いを伝えます。

もちろん、

私の心を見せることだけに重点を置き、

深い配慮ができなかった過ちを

否定するのではないので、

どうか誤解はしないで欲しいです。

今からでも、あなたが喜ぶような

お祝いをしたいけれど

残念ながら私は、プレゼント以外に

他にどんな方法で

気持ちを伝えなければならないのか

よく分かりません。

だから、もしかしたら

これも間違っているかも知れませんが、

残り少ないあなたの誕生日のための

私の最後のプレゼントを贈ります。

私は同席しませんので、

どうか男爵夫人と

誕生日の夕食を共にしてください。

そして、あなたにも、

あなたを

たくさん愛する男爵夫人にも、

今日が嬉しい日として

記憶されることを願います。

 

追伸。

お誕生日おめでとうございます。

 

あなたの夫

ビョルン・デナイスタ

 

ゆっくりと

手紙を読み進めたエルナは、

自分でも気づかないうちに、

呆れたため息をつきました。

こんな手紙をもらったのは

生まれて初めてで、

いったいどう受け止めればいいのか

見当がつかないほどでした。

そんな中、

極めて優雅で素敵な筆跡が

エルナをさらに当惑させました。

 

窓の外を眺めながら

息を整えたエルナは、

より一層うんざりした目で

もう一度変な手紙を読みました。

見れば見るほど

呆れてしまいましたが、

ビョルン・デナイスタが、

「美しい手紙を書く男」と言った

グレディス王女の言葉は

嘘だったという事実だけは

はっきり分かるような気がしました。

そうでなければ、王女の好みが

とても特異なのだと思いました。

 

エルナは通知文のような、

挑戦状のような手紙を

テーブルの上に置きました。

そら笑いをしながら

確認した置き時計は、いつの間にか

夕食会が始まる時間を指していました。

エルナの身支度を終えたリサは

満足そうな笑みを浮かべながら

一歩、後退しました。

鏡に映った

自分の姿を確認したエルナは

椅子から立ち上がって、

身だしなみを整えました。

髪をアップして、

いつもよりフォーマルなドレスを

着る程度でしたが、

バフォードに戻って来てからは

初めての装いだったためか、

少しぎこちない気分になりました。

そんな、エルナの心を読んだように

リサは、

本当にきれい。

今日の主役らしい姿だと

称賛してくれました。

 

その間に、7時を告げる

鐘の音が聞こえて来ました。

バーデン家の夕食会が

始まる時間でした。

髪を飾った花と

リボンの形を整えたエルナは、

急いで部屋を出ました。

そして、1階につながる階段の前に

着いた時、変な手紙を送って来た

招かれざる客のことが

思い浮かびました。

 

しばらく足を止めたエルナは、

彼が泊まっている

客用寝室がある廊下を

じっと見つめました。

 

ビョルンが約束を守ることを

よく知っているので、

祖母と一緒に

夕食を取ることにしました。

だから、決めた通りに

やればいいだけなのに、

なぜか、簡単に

足が進みませんでした。

 

リサが「妃殿下?」と

声を掛けたことで、

じっくり考え込んでいた

エルナは我に返りました。

彼女はリサに

少し待っていて欲しいと頼むと

廊下へと向きを変えました。

 

落ち着いた歩き方や表情、

丁寧にノックする仕草のどこにも

躊躇する気配はありませんでした。

 

「王子様、私です」と告げると

まもなく、ゆっくりと扉が開き、

ビョルンが姿を現しました。

夕食に出席しないという言葉が

嘘ではないように、彼は

ネクタイを締めていませんでした。

 

ビョルンは斜めに頭を傾け、

エルナと目を合わせると

どうしたのかと尋ねました。

エルナは、一緒に食事をしようと

落ち着いて用件を伝えました。

じっと彼女を見つめるビョルンの目が

徐々に細くなりました。


ビョルンは、

夕食会に出席しないことで、

エルナの誕生日をお祝いすると

言ったはずなのに、

手紙は届いていないのかと

尋ねました。

エルナは、受け取ったと答えました。

ビョルンが、

それなのになぜと尋ねると、

エルナは、

好むと好まざるとにかかわらず、

ビョルンは、

この家に泊まっている客なので、

客をこのように冷遇するのは

淑女らしい礼儀ではないと

ビョルンの目を直視しながら、

きちんと話を続けました。

 

じっとエルナを見つめていた

ビョルンは、

しばらくしてようやく頷くと、

準備するので待っていて欲しいと

頼みました。

ささやかな夕食会は、

予定より少し遅れた時間に

始まりました。

参加者はエルナと男爵夫人、

招かれざる客である王子が

全てでしたが、

食卓に用意された食べ物は豊富にあり

真心がこもっていました。

 

ビョルンの席は

エルナのそばに設けられ、

それほど広くない食卓を挟んで、

バーデン男爵夫人と大公夫妻が

向かい合って座る形でした。

 

つんと澄ました

顔をしてはいましたが、

エルナは、それ以上の

不満を示しませんでした。

自分の言った通り、

淑女になる決心をしたようでした。

 

ビョルンは落ち着いた目で

エルナを見守りました。

男爵夫人とエルナが

軽い談笑を交わしている間に、

老いた乳母が、自ら焼いたという

バースデーケーキが

食卓に置かれました。

旧時代の遺物のような、

エルナの好みが

どこに根ざしているのかが

わかるような、

やや野暮ったいけれど、

心のこもったケーキでした。

 

ケーキにろうそくを灯した

グレベ夫人は、まるで、

幼い少女に接するような態度で

願い事の準備をしてと

エルナを催促しました。

その様子が、妙にフィツ夫人と

重なって見えたので、

ビョルンは少し笑いました。

 

エルナの悩んでいる時間が長くなると

バーデン男爵夫人は

準備はできたかと促しました。

このままでは、蝋がケーキの上に

ぽたぽた垂れてしまうところでした。

 

エルナは、

準備ができたと告げると

決意を固めた顔で

立ち上がりました。

そして短くビョルンを

一瞥しました。

たまたま彼を見たのではなく、

確かに彼を見つめた瞬間でした。

 

エルナの願いは

一体何なのだろうか。

ビョルンが

物思いに耽っている間に、

エルナが、

バースデーケーキのろうそくを

消しました。

バーデン男爵夫人と乳母、

そして使用人たちからの拍手が

狭い食堂を埋め尽くしました。

 

ビョルンは遅れて拍手しましたが

にっこり笑う瞬間にも、

エルナの目は、何となく

少し沈んでいるように見えました。

それで、さらにエルナの願いが

気になりましたが、

ビョルンは聞きませんでした。

はっきりした理由は

分からないけれど、

何となく、そうしなければ

ならないような気がしました。

 

祝杯を挙げる時間が来ると、

エルナが、この世に来てくれて

本当に嬉しいと、

バーデン男爵夫人が

一番先に祝辞を述べました。

 

三人だけの夕食なので、

次は自然と

ビョルンの番になりました。

エルナと男爵夫人はもちろん、

使用人の視線も

一斉にビョルンに集中しました。


ビョルンは、

「お誕生日おめでとう、エルナ」

と淡々とお祝いの言葉を伝えると

ワイングラスを掲げました。

しばらく躊躇った後、

エルナは軽く、

彼のグラスと自分のグラスを

合わせました。

その透き通るような音の残響は、

かなり長い間、

ビョルンの耳元に留まりました。

 

プレゼントを渡す時間が

やって来ると、

にぎやかな誕生日の雰囲気は、

最高潮に達しました。

バーデン男爵夫人からはヘアピン。

乳母からはマフラー。

リサからはレースの手袋。

その贈り物を一つずつ開けて

感謝の言葉を伝えるエルナを

見守っていたビョルンは

一番最後に

プレゼントを渡しました。

リボンで飾られた、

彼の手のひらよりも小さな箱でした。

 

じっと見つめるエルナと

目が合ったビョルンは、

エルナが自分からのプレゼントを

嫌がっているのは知っているけれど

夕食会に招待されたので、

最小限の礼儀は

守らなければならないと釈明しました。

 

幸いなことに、エルナは

そのプレゼントを

受け取ってくれました。

しかし、安心したのもつかの間、

リボンをほどいたエルナが

箱を開けると、あっという間に

食卓の雰囲気が凍りつきました。

その理由に気づいた

ビョルンの眉間に皺が寄りました。

一番小さい箱を選んで

持ってきたところ、

よりによって、それは、

大きめのダイヤモンドと

ルビーで飾られた、

一目で高価だと分かる

美しいブローチでした。

 

何であれが

あそこから出てくるのかと

ビョルンは苛立ち混じりの悪口を

必死に我慢しながら、

エルナの顔色を窺いました。

情けないことをして

やっとミスを挽回したのに、

また原点に戻ることになる状況でした。

 

注意深く、

彼の表情を見ていたエルナは

本当にきれいだと、

思いがけずにお礼を言いました。

ビョルンはもちろん、

ハラハラしながら顔色を窺っていた、

他の見物人たちも驚かせた

さわやかな態度でした。


まもなく

プレゼントが片付けられると、

和やかな雰囲気の中で

食事が続きました。

ビョルンは、

笑ったり、

ぺちゃくちゃ喋ったり、

美味しそうに食べたり、

とても美しい21歳のエルナを、

目の中に収めました。

窓際に立って伸びをしていたリサは

あれを見てと、

びっくりして叫びました。

散歩に出かける準備を

終えたばかりだったエルナは、

急いでリサのそばに近づきました。

玄関の前に

バーデン家の物よりは大きく

格調のある馬車が

一台止まっていました。

 

馬車の前に立っている

ビョルンを発見したリサは

いよいよ王子が

シュベリンに帰るのだろうかと

首を傾げながら質問しました。

フォーマルな服装と

旅行用トランク、そして侍従まで。

すぐに、ここを離れても

おかしくない姿でした。

 

昨夜までは、

全く帰る気がなかったように

見えたけれど、もしかして

エルナには、何か話したのかと

リサが尋ねました。

エルナは、

少しボーッとした気分で

「いいえ、全く」と答えました。

 

昨晩、夕食を一緒にした後、

2人は各自の部屋に戻りました。

いつもと違ったのは、

ビョルンが慎重だったと

いうことくらいでした。

 

しかし、

エルナは無駄な思いを打ち消し、

予定通り、朝の散歩に

出かけることにしました。

何の前触れもなく

攻め込んで来た男なので、

このように立ち去っても

不思議ではありませんでした。

彼が何をしても、

エルナは、ただ自分の人生を

生きれば良いことでした。

だから自分には関係ないという

結論を下した頃、エルナは、

ビョルンの馬車が停まっている

玄関の前に着きました。

 

侍従と話をしていた

ビョルンは、人の気配を感じて

そちらへ首を回しました。

夜明けの光の中で、

2人の目が合いました。

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宣戦布告のようなビョルンの手紙に

思わず吹き出してしまいましたが、

手紙を書くのが苦手で

気の利いた言葉の一つも言えない

ビョルンが

必死で、自分の思いを

書き連ねた手紙だと思います。

もしかしたら、この手紙に

高価なプレゼントを贈る理由を

切々と書いたおかげで、

エルナは高価なブローチを

受け取ってくれたのだと思います。

ビョルンの手紙作戦は

一応、大成功かな?

彼が帰るのではないかと

動揺しているエルナが、

気持ちを落ち着かせるために

必死に自分に

言い聞かせているのが

見て取れました。

 

いつも、たくさんのコメントを

ありがとうございます。

皆様からのコメントは私が目を通して

承認した後、掲載されますので

誤って同じ文面を複数回送信されても

1つのみ承認しますので

ご安心ください。

 

iwanesan様から

最後の誕生日プレゼントについて

質問をいただきましたが、

ビョルンは

エルナの誕生日プレゼントとして

たくさんの高価なプレゼントと

鈴蘭の花束、

ビョルン自ら書いた手紙を

用意しましたが、

最後のプレゼントは

誕生日パーティーに出ないことという

意味だと思います。

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