167話 アレンが、ラスタとの子供を皇子扱いして欲しいと言い出しましたが・・・
◇妊娠祝賀パーティー◇
ハインリは、数日間
カフメン大公から
魔力を誘導するのを助ける方法を
学びました。
ナビエは、育児書を読んだり
ピアノを弾いたりして
過ごしていました。
母親は、西大帝国に
もう少し長く滞在することについて
父親と真剣に議論を始めました。
ラスタが暗殺者を送ろうとしたけれども
ハインリが未然にそれを防いだと
両親に伝えると、
彼らは
暗殺者にやられるような家門ではないと
きっぱり言いました。
ナビエの両親は強いです。
首都視察へ行ったその日の夜
ハインリは、
ナビエの妊娠祝賀パーティを開くことを
提案しました。
ナビエは、
ソビエシュがラスタのために開いた
パーティーを思い出し
その時の惨めな気持ちも
思い出しました。
ラスタに、赤ちゃんに祝福の言葉をかけてくれと頼まれていましたよね。
ハインリの誕生日も近いので
そのパーティーも開くとなると
参加する人たちの負担になるという
もっともらしい理由をつけて
ナビエは反対しました。
しかし、ハインリは、
簡単なお祝いをしよう。
ルイフトとの交易が
うまくいっているので
その、お祝いがてらにと言うので、
渋々、ナビエは承知しました。
すると、今度は
ナビエは長い間、
机に座っているといけないから
自分が招待状を書くと
言い出しました。
ハインリの顔を見たナビエは
何か裏があるなと思いました。
◇ハインリからの招待状◇
「このろくでなし!」と
悪態をつきながら、ソビエシュは
ハインリから受け取った招待状を
くしゃくしゃにして
壁に投げつけました。
招待状には
自分の妻が妊娠したから
祝って欲しい。
妊娠と出産を経験した
先輩の父親として
アドバイスはありませんかと
書かれていました。
ソビエシュは床に転がっている
招待状を蹴りました。
離婚して1年も経たないのに
別れた妻の妊娠祝賀会に
出席したら、
まだ、前妻に未練があると
クスクス笑われながら
後ろ指をさされると
ソビエシュは思いました。
未練があるのは事実なので
余計に腹が立ちました。
その時、カルル侯爵がやって来て
ラスタがエルギ公爵を抱きしめて
泣いていたという噂が
広まっていることを
伝えに来ました。
ラスタは
自分が皇后であるという
自覚がないのかと
ソビエシュは言いました。
ナビエが不妊でないことが
わかってから
ソビエシュは自分が
不妊症ではないかと
心配し始めていました。
そんな時、
ラスタがエルギ公爵を
抱きしめていたという話は
とても不愉快でした。
アレンがソビエシュに会いに来た日
アレンがラスタに会いに行ったことを
ソビエシュは知っていました。
ソビエシュはエルギ公爵か
アレンが皇女の実の父親ではないかと
疑いましたが
時期的に違うだろうと思いました。
それでは、第三者がいる可能性は?
ラスタが男性だけを集めて開いた
ティーパーティーが
今さらながら、気になりました。
カルル侯爵は
ラスタに行動に気を付けるよう
伝えることを提案しましたが
ラスタは言うことを
聞かないだろうと
ソビエシュは言いました。
◇ナビエの子供◇
カルル侯爵を部屋の外へ出した後
ソビエシュは、招待状を拾いました。
そして、ナビエの子供に
プレゼントは
贈ろうと思いました。
ナビエの子供に
何を贈ろうかと考えた時
ソビエシュの視線が
描き直したナビエの肖像画へ
注がれました。
幼い頃から、数百回と
思い描いてきた
自分とナビエとの間に
生まれた子供の姿が
思い浮かびました。
いつかナビエの子供を
見ることがある。
それを考えただけでも
ソビエシュは息切れがしました。
彼は、いっそのこと
ナビエの子供が彼女に似ないで
ハインリに似て欲しいと
思いました。
◇魔法を試す相手は誰?◇
ハインリは
カフメン大公から
魔力誘導法を学び終えました。
ナビエは、
早く魔力を調整する方法を
教えて欲しいと
ハインリに頼みましたが
彼は、教わったばかりで
まだ危険だから
試験をしてから
ナビエを助けると言いました。
その会話の中でナビエが、
「そう、別に、いいえ・・・」
と、そっけなく
返事をしていたことが
ハインリは気になりました。
◇ズメンシア公爵の弱点
執務室に戻ると
ハインリが呼び出した
カトロン侯爵が到着しました。
以前の彼とは違い
足取りは力がなく
顔色は青白くて暗く
傲慢な態度が失せていました。
ハインリはカトロン侯爵に
ズメンシア老公爵の
弱点は何か尋ねました。
カトロン侯爵は驚いて
目を見開きました。
カトロン侯爵は
クリスタの自殺は
ハインリが関与している。
彼はクリスタと関係のある者を
皆、排除するつもりだから
覚悟しろと
伯父であるズメンシア老公爵に
言われていました。
それに加えて妻との不和
子供たちの冷たい目、
そして、皇帝に単独で呼ばれて
伯父の弱点を教えろと言われるなんて
カトロン侯爵は混乱していました。
カトロン侯爵は
ハインリの質問の意味を尋ねると
彼は、カトロン侯爵に
乗り換えるチャンスを与えると
言いました。
そして、
ズメンシア老公爵は娘を売って
自分の罪を覆った。
彼の弱点を教えてくれれば
あなたが私にやったことに
目をつぶるとも言いました。
カトロン侯爵は
ズメンシア老公爵は
2人の孫にとても弱いと
ハインリに伝えました。
カトロン侯爵は
ハインリが、本気で
自分と伯父の仲を
引き裂こうとしているのか、
伯父がクリスタを見捨てたのは
本当なのか?と思いました。
息子とその子供たちのためなら
伯父はクリスタを捨てられることは
容易に想像できました。
ハインリは、
ズメンシア老公爵の弱点を
教えてくれるだけでは、
カトロン侯爵の罪を
償うことはできない。
カトロン侯爵の身体が欲しいと
ハインリは言いました。
マッケナが持っていた書類を
落としました。
確か、ソビエシュは
ハインリとナビエ様の
結婚式の招待状も
くしゃくしゃにして
蹴飛ばしていたような気が・・・
ソビエシュを挑発するような
ハインリの招待状も
どうかと思いますが
ソビエシュも
大人げないと思いました。
それに比べると
ナビエ様は辛抱強いと
思います。