自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

問題な王子様 11話 ネタバレ 原作 あらすじ マンガ 9話 元妻の訪問理由

 

11話 ビョルンの前妻グレディスが大公邸へやって来ました。

 

目が合うと、ビョルンは

微かに笑みを浮かべながら

「こんにちは、元奥さん」と、

挨拶しました。

組んだ手を、苛立たしげに

ひねくり回していたグレディスは、

びっくりして顔を上げました。

 

グレディスが、

何を話せばいいのか分からず、

唇を震わせている間に、

ビョルンは彼女の向かいの席に

座りました。

一度も想像したことのない方式の

再会でした。

お久しぶりと、グレディスは

ようやく口を開きました。

ここへ来る間、

数え切れないほど練習した甲斐もなく

馬鹿な挨拶でした。

ビョルンは頷きました。

 

グレディスは、

こんなに突然、連絡もなしに来て

大変失礼だったけれど、

外よりは、ここで会う方が

よさそうで・・・と話したところで

声の震えが大きくなり、

まともに言葉を結ぶことが

できませんでした。

しかし、ビョルンは依然として

沈黙を守るだけでした。

グレディスは

今にも泣き出しそうな顔で

唇を噛みました。

 

幼い少年の痕跡が残っていた

記憶の中のビョルンと、

今目の前にいるビョルンのギャップが

かなり大きく、

より線が鋭くなった顔と

引き締まった印象の骨格が与える

威圧感に、

しきりに肩が縮こまりました。

 

もはやグレディスは

彼を見ることができず、

頭を下げました。

大粒の涙がぽろり

震える手の甲の上に落ちました。

ビョルンは、何の動揺もなく

その涙を見ていました。

 

まもなくフィツ夫人が

茶を運んできました。

彼女は徹底的に

グレディスから目を逸らしながら

ティーテーブルを用意し

下がりました。

 

かつて妻だった女性を

何の感情もなく見つめながら、

ビョルンは

ティーカップを握りました。

茶の中に投げ込まれた

角砂糖が溶けた後も、グレディスは

涙を止めることができませんでした。

 

ビョルンはグレディスのことを

相変わらず素敵だと言うと、

ため息に似た笑いを

漏らしました。

離婚を通告された日も、

グレディスは今日のように

息を殺して泣きました。

 

そしてビョルンは、

相変わらず、

グレディスが退屈だと言うと

窓の向こうを見つめ

お茶をゆっくり飲みました。

意識は次第に冴えて行き、

次第に忍耐は、急激に枯渇しました。

 

ビョルンは、

自分たちの関係は

きれいに片付いたと記憶している。

与えるものは与え

受け取るものは受け取ったと言うと

半分空にした

ティーカップを置きました。

口元の軽い笑みが消え、

一瞬にして顔色が変わりました。

 

そして、ビョルンは、

そうではないかと

グレディスに確認した後、

あまり熱意のない口調で

本論を話せと促し、

久しぶりなので、自分が

あまり忍耐心が強くないことを

忘れてしまったようだと

皮肉を言いました。

 

ようやく、すすり泣くのを止めた

グレディスは、

自分のせいで本当にごめんなさいと

謝りました。

目をギュッと閉じて開けると、

涙がぽろぽろと流れ落ちまちた。

 

ビョルンは椅子にもたれかかりながら

彼女を見ました。

目の前にいる女は、

以前と変わらず美しいけれど

それが、何の感興も

呼び起こすことができないという

事実も、やはり以前と

変わりませんでした。

 

ビョルンは、

再び微笑みながら、

そんなことを言おうと思って

レチェンに来たのではないだろう。

もう全ての厄介者が消えたので

もう一度元夫とうまくやってみろと

ラルスの国王が

希望に満ちた命令を下したのかと

尋ねました。

 

唇を小さく動かしていた

グレディスが視線を落としました。

祈るように組んでいた手は

青白くなっていました。

彼女の沈黙が、

明確な答えを伝えていました。

ビョルンの笑みが濃くなりました。

 

彼は、父親の言うことを

こんなによく聞く娘だなんて。

優しいのも相変わらずだと

皮肉を言いました。

 

人間を善と悪と二つに分けるなら、

グレディスは、

確かに善に属する部類で、

ビョルンはそれを、いくらでも

認めることができました。

そんな類の善を、

そんなに高くは買わないけれど。

 

そんな理由だけではないと

ハンカチを取り出して

涙を拭いたグレディスは

再び頭を上げ、

ビョルンに本当に

申し訳ないと思ったから

謝りたかった。それで

勇気を出したと打ち明けました。

 

しかし、ビョルンは

何か勘違いしているようだけれど

あの取引はかなり公正だった。

損益を計算すると、

むしろ自分たちの方が

得をしたかもしれない。

離婚した元妻が、

こんなにも心配してくれて

感激して涙が出そうだと言うと、

立ち上がりました。

 

グレディスに、

特に悪感情が残っているわけではなく

そのような、わだかまりを残すような

純情のようなものは、最初から、

彼らの間に存在したことはなく、

何よりも、すでに4年という

長い時間が経っていました。

だから、

この汚らわしい気分の名前を、

あえて定義すると

イライラぐらいかなと思いました。

 

ビョルンは軽くティーカップを押すと

床に落ちたティーカップ

ソーサーが割れる音が

書斎の静寂を揺さぶりました。

死人のような顔色のグレディスを

目の前にしても、ビョルンは

落ち着いて鐘を鳴らしました。

グレディスは

再び泣き出しました。

 

しばらくしてやって来た

メイドは途方に暮れましたが

ビョルンは、

一層、軽く微笑んだ顔で

片付けるよう命令すると、

何の未練もなく書斎を後にしました。

寝室に入ると

一段と濃くなった疲労感が

押し寄せて来ましたが、

いつものように

ベッドに身を投じる代わりに、

川に面している窓を開けました。

早くからボートの練習を始めた集団の

気合いと歓声が

押し寄せて来ました。

 

失笑混じりのため息をついた

ビョルンは、葉巻を吸い

戸口にもたれかかると

初夏の光が目を刺しました。

ビョルンは、

退屈でイライラしました。

今のところ、レマン伯爵が

ハルディ家の令嬢の新郎候補として

最も頭角を現しているようだと

ペーターが言いました。

自分の手札を確認したビョルンは

隣に座っているペーターを

チラッと見ました。

 

あの老人は、まだ生きていたのかと

誰かが深刻に問い返す言葉に、

あちこちから、

クスクス笑いが漏れました。

 

70歳を目前に控えた老人と

20歳にもならない幼い娘だなんて。

そっと眉をつり上げたビョルンは

椅子にもたれ、

足を組んで座りました。

良い手札だったので、

異変がない限り、この試合の勝者は

決まったも同然でした。

 

ハルディ子爵は、随時、

レマン伯爵と会っているそうだ。

本当に高い金さえ払えば、

他のことは

どうでもいいということだね。

 

そのような種類の結婚は全てそうだ。

その老人が早く死んでくれれば

娘をもう一度、

売ることができるので、

ハルディ子爵にとっては

かなり興味がそそられる

結婚相手のはず。

 

エルナ・ハルディに対する

嘲弄と憐憫が混じった言葉が

飛び交いました。

 

ビョルンは、

適当なタイミングを待ちながら

一歩、後退しました。

掛け金を増やした後、勝負をしても

十分なゲームでした。

 

変な笑みを浮かべていたペーターは、

グレディス王女が前夫に会うために

シュベリン宮へ行ったそうだけれど

熱い再会だったかと尋ねました。

ビョルンは返事の代わりに

葉巻に火を点けました。

 

母親の話では、

グレディス王女は前夫を許し、

よりを戻すつもりで

レチェンに来たらしい。

母親は、

痛ましいほど善良なお姫様が

望むなら仕方ないことだと

言っていたけれど、

ビョルンの悪口はかなりひどかった。

 

妹は、自分の顔を見ると、

ビョルンの話を聞いて来るので、

とても気が狂いそうだ。

 

ビョルン王子は

王国最高の生きた恋愛小説だ。

 

と言葉が飛び交う中、

そわそわしながら

カードを覗いていたペーターは

ところで、

同じ女性と2回結婚したら

結婚式も2回するのか。

新郎新婦が同じ結婚式に

2度、花婿の付き添いをするのは

少し恥ずかしいと思うけれどと

目を輝かせながら聞いて来ました。

彼は、ゲームを、

もう諦めている様子でした。

ビョルンはペーターの顔に向かって

葉巻の煙を吐き出すことで

返事をしました。

 

咳込みながら

ビョルンに悪口を浴びせたペーターは

やがて、他の興味深い話題に

熱を上げ始め、その話で

テーブルは盛り上がりましたが、

再びハルディ子爵の結婚商売に

話題が戻りました。

 

いくら急いでお金が必要とは言え

死を間近に控えた老人に娘を売るのは

少し違うのではないか。

 

やってみる価値のある

賭博ではないか。

 

娘しかいないレマン家に

年を取ってから

生まれた息子の1人でも抱かせれば、

その多くの財産が、

すべて、その女性のものになるはず。

 

息子?・・・立ってはいるのか?

 

自信があるから

高い値段で幼い新婦を

買おうと思っているのだろう。

 

レナードは肩をすくめて

カードを下ろしました。

かなり良い手札でしたが、

依然として、

ビョルンの勝率が高いゲームでした。

 

ペーターは、

一度も、まともに男性と出会えずに

老人の花嫁になるエルナを

可哀想だと言うと

残念そうにため息をつきました。

 

すると、

ハルディさんは

妙にグレディス王女に似ていないか。

見た目は違うけれど雰囲気が似ている。

どちらも、

か弱い赤ちゃん鹿のような美人だと

声が上がりました。

 

その言葉に頷くマヌケ者たちを見る

ビョルンの口元に、

ひねくれた笑みが浮かびました。

その鹿の歯に、

首筋を噛みちぎられなければ、

正気に戻らないと思いました。

 

ビョルンが

次のカードを選んでいる間、

レナードは、

可哀想なハルディさんが、

結婚前に若い男の求愛を

楽しめるようにしてあげれば

お互いに、いい思い出になるのではと

とんでもない提案をしました。

 

挨拶しただけで驚いて

逃げるのを見たではないか。

列をなして花とカードを送っても

返事をもらった奴は

まだ1人もいないと

誰かが返事をすると、

レナードは目を光らせて

賭けようと言い出しました。

 

戯言を適当に聞き流し、

このゲームを終わらせるための

計算をしていたビョルンは、

眉間にしわを寄せながら

頭を上げました。

 

レナードは、

ハルディさんに選ばれる人が勝ち。

言わば、彼女に恩恵を与える

賭けだけれど、

どうだろうかと提案しました。

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ビョルンは生まれた時から

美しい物や高価な物に

囲まれて暮らして来たので、

美しいものは美しいと

きちんと評価できる。

けれども、その美しいものに

常に心を動かさせるとは限らない。

 

ビョルンはグレディスのことを

美しいと思うけれど

以前から何の感興もない。

わだかまりを残すような

純情もなかっただなんて、

本当に彼女のことを

何とも思っていなかったことが

分かりました。

 

知らなかったとはいえ

他の男の子供を身ごもったまま

嫁いで来るという

恥知らずなことをしたくせに、

その男と子供がいなくなったら

ビョルンとよりを戻せると思うなんて

ラルスの王もグレディスも

考えが浅はかすぎます。

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いつもたくさんのコメントを

ありがとうございます。

皆様の考察が本当に素晴らしくて

読むのを楽しみにしております。

誹謗中傷さえなければ、

それぞれの思うことや感じることを

書いていただいて構いませんので

今後も、是非、

熱く語っていただきたいです。

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