118話 璃香は子供を碧人に渡し、彼の子供だと告げました。
璃香の言葉に、
碧人は衝撃を受けました。
彼の母親は、
それは、どういうことなのか。
璃香の頭が
おかしくなったのではないかと
叫びました。
璃香は腕組みをして、
信じられないなら、
親子鑑定をしてみるようにと
偉そうに言いました。
由香は碧人に
璃香と付き合っていたのかと
問い詰めました。
碧人は返事に窮すると、由香は、
それなら寝たのかと尋ねました。
それを聞いて、
彩未はギクッとしました。
それでも、碧人が
言葉を濁していると、
女性は涙を浮かべ、
碧人の腕を掴みながら、
彼に、何か言って欲しい。
そんなことないですよねと言うと
碧人は彼女に謝りました。
彩未はショックを受けて
帰ってしまいました。
璃香は舌打ちし、
全くふざけていると思いました。
碧人の母親は、
彼の背中をバシバシ叩きながら、
どうして、そんなことをするのかと
怒鳴りました。
そして、
どうしたらいいのかと
泣き喚きました。
由香は母親に
落ち着くようにと言いました。
父親は大きなため息をつきました。
碧人は由香に、
少し子供を抱いていて欲しいと頼み
子供を彼女に渡しました。
由香は、どうして自分がと
文句を言いましたが、
碧人は璃香に、話をしようと言って
自分の部屋へ連れて行きました。
璃香は、
自分はあの子のせいで、
今までとても大変だったけれど
碧人は元気だったようだ。
先ほどの女性と
結婚しようとしていたのかと
尋ねました。
碧人は、
本当に自分の子供なのかと
尋ねました。
璃香は、
なぜ違うと思うのか。
酔った日に、碧人が勝手に自分を
ホテルへ連れて行ったことを
覚えているよね?
その時、できた子だと言いました。
11カ月前、
どうして自分ではなくて麗奈なのかと
酔い潰れて、くだを巻く璃香の腕を
碧人は自分の肩に掛けて
店から連れ出そうとした時、
璃香は碧人を見て
智彦の名前を呼び、
どうして、ここへ来たのか。
自分に会いに来たのかと
笑顔で尋ねました。
そして、頭が痛いと言いながら
目を覚ました璃香は
裸でホテルのベッドの上にいたので
自分はどうしたのかと
ギョッとしました。
そして、自分の隣には
裸の碧人が寝ていたので、
彼女は怒りで震えながら、
どうして、こんなことができたのかと
怒鳴りながら、
碧人を拳で叩きました。
碧人は起き上がると、
どうしたのか。
何をしているのかと叫び、
璃香の手首を握りました。
彼女は涙ぐみながら、
どうしてこんなことをしたのか。
それでも碧人は人間なのかと
責めました。
碧人は、
何を言っているのか。
璃香が休んで行こうと言ったのを
覚えていないのか。
自分を先に誘惑したのも璃香で、
自分が望んだことではないと
言い返しました。
璃香は、
嘘をつくな。そんなはずはない。
自分は、いくら酔っても、碧人に
そんなことをするはずがないと
否定しました。
碧人は、
璃香があのようなことを言わなかったら
自分も、こんなことをしなかった。
自分こそ、本当に後悔していると
言いました。
璃香は涙を流し、
身体を震わせながら、
それは良かった。
このことは忘れるように。
自分たちの間には何もなかった。
分かった?と念を押しました。
碧人は、
あの日のことは忘れろと
言っておきながら、
どうして璃香は・・・と
呟くと、彼女は周囲を見回し、
部屋はここだけではないよね。
自分は、しばらくここで
過ごさなければならないようだけれど
部屋が少し狭いと文句を言いました。
碧人は、璃香の身勝手さを
責めましたが
璃香は、碧人を睨みながら、
彼の子供まで産んだ自分を、
今、追い出すのかと尋ねました。
その時、子供の泣き声が
聞こえて来たので、
碧人はビクッとしました。
璃香は、
そんなに騒ぐな。
この状況に嫌気がさしているのは、
自分も同じだからと言いました。
クリスマス。
大きなクリスマスツリーが
飾られた九条家で栄治は、
このように、家族全員が集まり
本当に嬉しいと言いました。
咲恵は、
麗奈も智彦もお腹の中の赤ちゃんも
元気なので、
これ以上の幸せはないと
言いました。
栄治は麗奈に、
これを受取って欲しいと言って
プレゼントを渡しました。
麗奈が戸惑っていると、咲恵は、
栄治が麗奈のことを思いながら
準備したプレゼントだと
笑いながら教えました。
栄治は、気に入ってもらえると
嬉しいと言いました。
智彦は麗奈に、
早く開けてみてと言いました。
麗奈が包みを開けると、
別荘のミニチュアが現われ、
それは麗奈の物だ。
名義の変更もすでに終わっていると
言われました。
驚いている麗奈に、栄治は、
彼女に何かしてあげたかったと言い、
咲恵は、
麗奈がとても苦労したからと
言いました。
麻里子は麗奈に、
遊びに行ってもいいですよねと
聞きました。
宮本も行くと言いました。
麗奈は智彦を呼ぶと、
彼は麗奈の手を握り頷きました。
麗奈は涙を流しながらお礼を言い、
とても気に入ったと言いました。
散々、碧人に
ひどいことをしておきながら、
ようやく幸せを掴もうとした
彼の邪魔をした璃香。
しかも、碧人の家に
住もうとするなんて
身勝手も甚だしいです。
とりあえず、
生活は何とかなったとしても
碧人の結婚をダメにした璃香を
彼の母親が許すわけがないので
麗奈をいびった時以上に
璃香をいびりそうな気がします。
由香も、
璃香にひどい目に遭わされたので、
璃香の好きなようには
させないと思います。
璃香に散々利用された碧人は
以前のように
彼女を愛していないと思うので、
2人から璃香を庇うようなことは
しないかもしれません。
璃香は他に方法がなくて、
仕方なく碧人を頼ったけれど、
以前のような関係に戻れると思ったら
大間違いです。